2015/04/16(木) - 16:26
「北の地獄」の異名をとるクラシックレースの女王ことパリ~ルーベを走った25チームのバイクを5回に分けて紹介します。第1弾はBMCレーシング、IAMサイクリング、キャノンデール・ガーミン、ボーラ・アルゴン18、ワンティ・グループグベルトをピックアップします。
BMCレーシング 【BMC Granfondo RBX】
グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー)が3位を獲得しBMCレーシングはパリ~ルーベで真っ赤な新型バイクを投入。その名は「Granfondo RBX」。昨年まで同大会で使用していたエンデュランスモデル「GF01」をベースにタイヤクリアランスを拡大した1台だ。なお、タイヤ幅は最大30mmに対応。その他素材とそのレイアップ、ジオメトリーに変更は加えられていないとのこと。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。シマノの上位グレードブレーキに採用されるカム機構を取り入れたロングアーチ仕様の新型ブレーキキャリパーや、北のクラシックではお馴染みのインラインブレーキを組み合わせている。ホイールは50mmハイトのシマノWH-9000-C50-TU。ロゴが一切ないタイヤは明らかにスポンサー外ブランドのトラディショナルなモデルで、本来スポンサーであるコンチネンタルは北のクラシックでも厚い信頼を集めてるだけに、異例のチョイスといえるだろう。
ハンドル及びステムは3T。バーテープも3Tで、2重巻きやゲルパッドの使用など振動吸収性を高めるためのアッセンブリーは行われていない。フレーム専用のBMC製シートポストにはゼッケンプレート台座を両面テープで直付けされている。ボトルケージはホールド力の高さで石畳レースでは高い装着率を誇るエリートCIUSSI GELで、万全を期すために紙やすりの様な滑り止め材が追加されていた。
IAMレーシング 【スコット ADDICT CX、ADDICT、FOIL】
IAMレーシングは他チームと異なる独特のバイクやパーツをパリ~ルーベに投入。先ずバイクは北のクラシックで使用率が高い軽量オールラウンドモデル「ADDICT」とロングセラーのエアロロード「FOIL」に加え、シルヴァン・シャヴァネル(フランス)が現行ラインアップにはないカンチブレーキ仕様の「ADDICT」を使用。タイヤクリアランスが大きいことから恐らくシクロクロスバイクと考えられ、フレーム形状は現行のロードモデルを踏襲している。また、ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア)はナショナルチャンピオンカラーのADDICTに乗る。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。ホイールはDTスイスで、ロンドに引き続きヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー)のバイクにはRC38Tのカーボンリムをベンドスポークで組み直した特別仕様を使用。
そしてシャヴァネルやマティアス・ブランドル(オーストリア)らは同じくベンドスポークでくまれたロゴ無しのプロトタイプが装着されており、トップレースシーンでは久方ぶりとなるチューブレスタイヤと組み合わせて使用していた。実は昨年のパリ~ルーベでもチューブレスは用意されていたものの実際には使用されなかったが、今年はレースを走っており、他チームのライダーからも注目を集めていたそう。
なお、シュワルベ製タイヤもプロトタイプで、モデル名は「G-ONE」。同じくプロトタイプとしてテストされている青いサイドウォールのONEと同じく、ヤスリ目と呼ぶにはいささか大きいドットに覆われたトレッドパターンを採用している。なお、太さは30mmとのこと。
ハンドル、ステム、シートポストはリッチーで統一。サドルはプロロゴで、表皮に滑り止め材を配したCPCモデルが多く選択されている印象だ。ボトルケージはエリートCIUSSI GELで統一されていた。
キャノンデール・ガーミン 【キャノンデール Synapse Carbon Hi-Mod】
キャノンデール・ガーミンのバイクは前週のロンドと同じくキャノンデールのエンデュランスモデル「Synapse Carbon Hi-Mod」ながら、パーツアッセンブルの変更でパリ~ルーベの石畳に対応してきた。ホイールは従来よりルーベにのみ投入されてきたプロ供給専用モデルのマヴィックM40に換装されている。リムプロファイルは普段使用するCC40Tとほぼ共通だが、細部が異なるのだろう。
同じくタイヤも変更されており、パリ~ルーべでは定番のFMB Paris Roubaixの30mmを使用。これにあわせて、ブレーキはロングアーチモデルに。ボトルケージはステンレス製のアランデール「Stainless」へと変更されている。
その他、コンポーネントは機械式のシマノDURA-ACEがメインで、クランクにはキャノンデール純正のホログラムSiSL2を組み合わせている。ハンドル、ステム、シートポストは差し色がチームカラーのグリーンのFSAで統一。サドルおよびバーテープはフィジークだ。
ボーラ・アルゴン18 【アルゴン18 GALLIUM Classic Edition】
カナディアンブランドのアルゴン18はオールラウンドモデルの「GALLIUM」をベースとした北のクラシック用スペシャルモデルを投入。主な変更点はチェーンステーの形状変更とフロントフォークのカーボン積層の見直しによって振動吸収性を向上させたことにある。
加えてタイヤクリアランスを拡大させ、これに伴いブレーキはロングアーチタイプのTPR RG957としている。タイヤは北のクラシックでは定番のヴィットリアPave CGの28mmで、アルゴン18の発表によれば空気圧は5.5~6.0Barほどとのこと。その他アッセンブリーは、チームの標準仕様に準じている。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACEで、クランク式パワーメーターPower2maxのFSA K-Force Lightモデルを組み合わせている。ホイールは全ライダーがヴィジョンMetron40で統一。ハンドル、ステム、シートポストはFSAで、サドル及びバーテープはプロロゴ。ペダルはスピードプレイのスペシャルモデル「Zero Pave」だ。
ワンティ・グループグベルト 【キューブ C68、アルミ製ワンオフバイク】
ワンティ・グループグベルトはキューブの軽量オールラウンドモデル「C68」をパリ~ルーベでもメインに使用。そして、ビョルン・ルークマンス(ベルギー)は上下1-1/8インチのヘッドチューブや外出しのシフトワイヤーなど古典的な造りが話題を呼んでいるアルミ製ワンオフバイクを駆った。
基本的にはロンドと同じパーツアッセンブルながら、石畳対策としてルークマンスやヤメス・ファンランドスホート(ベルギー)らはスポンサー外のFMB製ハンドメイドチューブラータイヤをチョイス。また北のクラシックでは定番装備であるインラインブレーキレバーが装着されたバイクも見られた。
コンポーネントは機械式のシマノDURA-ACE。ホイールはフルクラムで、ミッドプロファイルのRacing Speed XLR 35が使用率が高かった。ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。サドルはサンマルコでライダーの好みによって各モデルを使い分けている。その他、ペダルはルックKeO Blade、サイクルコンピューターはBBB、ボトルケージはタックスのスタンダードモデルDevaだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
BMCレーシング 【BMC Granfondo RBX】
グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー)が3位を獲得しBMCレーシングはパリ~ルーベで真っ赤な新型バイクを投入。その名は「Granfondo RBX」。昨年まで同大会で使用していたエンデュランスモデル「GF01」をベースにタイヤクリアランスを拡大した1台だ。なお、タイヤ幅は最大30mmに対応。その他素材とそのレイアップ、ジオメトリーに変更は加えられていないとのこと。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。シマノの上位グレードブレーキに採用されるカム機構を取り入れたロングアーチ仕様の新型ブレーキキャリパーや、北のクラシックではお馴染みのインラインブレーキを組み合わせている。ホイールは50mmハイトのシマノWH-9000-C50-TU。ロゴが一切ないタイヤは明らかにスポンサー外ブランドのトラディショナルなモデルで、本来スポンサーであるコンチネンタルは北のクラシックでも厚い信頼を集めてるだけに、異例のチョイスといえるだろう。
ハンドル及びステムは3T。バーテープも3Tで、2重巻きやゲルパッドの使用など振動吸収性を高めるためのアッセンブリーは行われていない。フレーム専用のBMC製シートポストにはゼッケンプレート台座を両面テープで直付けされている。ボトルケージはホールド力の高さで石畳レースでは高い装着率を誇るエリートCIUSSI GELで、万全を期すために紙やすりの様な滑り止め材が追加されていた。
IAMレーシング 【スコット ADDICT CX、ADDICT、FOIL】
IAMレーシングは他チームと異なる独特のバイクやパーツをパリ~ルーベに投入。先ずバイクは北のクラシックで使用率が高い軽量オールラウンドモデル「ADDICT」とロングセラーのエアロロード「FOIL」に加え、シルヴァン・シャヴァネル(フランス)が現行ラインアップにはないカンチブレーキ仕様の「ADDICT」を使用。タイヤクリアランスが大きいことから恐らくシクロクロスバイクと考えられ、フレーム形状は現行のロードモデルを踏襲している。また、ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア)はナショナルチャンピオンカラーのADDICTに乗る。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。ホイールはDTスイスで、ロンドに引き続きヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー)のバイクにはRC38Tのカーボンリムをベンドスポークで組み直した特別仕様を使用。
そしてシャヴァネルやマティアス・ブランドル(オーストリア)らは同じくベンドスポークでくまれたロゴ無しのプロトタイプが装着されており、トップレースシーンでは久方ぶりとなるチューブレスタイヤと組み合わせて使用していた。実は昨年のパリ~ルーベでもチューブレスは用意されていたものの実際には使用されなかったが、今年はレースを走っており、他チームのライダーからも注目を集めていたそう。
なお、シュワルベ製タイヤもプロトタイプで、モデル名は「G-ONE」。同じくプロトタイプとしてテストされている青いサイドウォールのONEと同じく、ヤスリ目と呼ぶにはいささか大きいドットに覆われたトレッドパターンを採用している。なお、太さは30mmとのこと。
ハンドル、ステム、シートポストはリッチーで統一。サドルはプロロゴで、表皮に滑り止め材を配したCPCモデルが多く選択されている印象だ。ボトルケージはエリートCIUSSI GELで統一されていた。
キャノンデール・ガーミン 【キャノンデール Synapse Carbon Hi-Mod】
キャノンデール・ガーミンのバイクは前週のロンドと同じくキャノンデールのエンデュランスモデル「Synapse Carbon Hi-Mod」ながら、パーツアッセンブルの変更でパリ~ルーベの石畳に対応してきた。ホイールは従来よりルーベにのみ投入されてきたプロ供給専用モデルのマヴィックM40に換装されている。リムプロファイルは普段使用するCC40Tとほぼ共通だが、細部が異なるのだろう。
同じくタイヤも変更されており、パリ~ルーべでは定番のFMB Paris Roubaixの30mmを使用。これにあわせて、ブレーキはロングアーチモデルに。ボトルケージはステンレス製のアランデール「Stainless」へと変更されている。
その他、コンポーネントは機械式のシマノDURA-ACEがメインで、クランクにはキャノンデール純正のホログラムSiSL2を組み合わせている。ハンドル、ステム、シートポストは差し色がチームカラーのグリーンのFSAで統一。サドルおよびバーテープはフィジークだ。
ボーラ・アルゴン18 【アルゴン18 GALLIUM Classic Edition】
カナディアンブランドのアルゴン18はオールラウンドモデルの「GALLIUM」をベースとした北のクラシック用スペシャルモデルを投入。主な変更点はチェーンステーの形状変更とフロントフォークのカーボン積層の見直しによって振動吸収性を向上させたことにある。
加えてタイヤクリアランスを拡大させ、これに伴いブレーキはロングアーチタイプのTPR RG957としている。タイヤは北のクラシックでは定番のヴィットリアPave CGの28mmで、アルゴン18の発表によれば空気圧は5.5~6.0Barほどとのこと。その他アッセンブリーは、チームの標準仕様に準じている。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACEで、クランク式パワーメーターPower2maxのFSA K-Force Lightモデルを組み合わせている。ホイールは全ライダーがヴィジョンMetron40で統一。ハンドル、ステム、シートポストはFSAで、サドル及びバーテープはプロロゴ。ペダルはスピードプレイのスペシャルモデル「Zero Pave」だ。
ワンティ・グループグベルト 【キューブ C68、アルミ製ワンオフバイク】
ワンティ・グループグベルトはキューブの軽量オールラウンドモデル「C68」をパリ~ルーベでもメインに使用。そして、ビョルン・ルークマンス(ベルギー)は上下1-1/8インチのヘッドチューブや外出しのシフトワイヤーなど古典的な造りが話題を呼んでいるアルミ製ワンオフバイクを駆った。
基本的にはロンドと同じパーツアッセンブルながら、石畳対策としてルークマンスやヤメス・ファンランドスホート(ベルギー)らはスポンサー外のFMB製ハンドメイドチューブラータイヤをチョイス。また北のクラシックでは定番装備であるインラインブレーキレバーが装着されたバイクも見られた。
コンポーネントは機械式のシマノDURA-ACE。ホイールはフルクラムで、ミッドプロファイルのRacing Speed XLR 35が使用率が高かった。ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。サドルはサンマルコでライダーの好みによって各モデルを使い分けている。その他、ペダルはルックKeO Blade、サイクルコンピューターはBBB、ボトルケージはタックスのスタンダードモデルDevaだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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