国内ロードレースに春の訪れを告げる伝統のチャレンジサイクルロードレースが、4月5日静岡県修善寺の日本サイクルスポーツセンターで開催された。トップカテゴリーのA-Eクラスはチーム右京が制圧。元エウスカルテルのパブロ・ウルタスンが勝利を飾った。
A-Eクラス レースを席巻したチーム右京が1-4フィニッシュ
雨の中、桜咲くサイクルスポーツセンターで開催された伝統のチャレンジサイクルロードレース photo:Satoru.Kato
A-E オスカル・プジョル(チーム右京)を先頭に進む逃げ集団 photo:Satoru.Kato
A-E 8周目 追走を試みる中村龍太郎(イナーメ信濃山形)後ろにはチーム右京のメンバーが続く photo:Satoru.Kato今年で40回目となるチャレンジロード。参加者に配られるパンフレットには、歴代の優勝者一覧が6ページにもわたって掲載されている。その中には、現在第一線で活躍する選手から、すでに引退してレジェンドとなっている元選手の名前までがズラリと並び、伝統の大会である事を示している。中には、現在トレックファクトリーレーシングで活躍する別府史之や、大学まで自転車競技をしていたレーシングドライバーの佐藤琢磨の名前も。
A-E メイン集団は最後までチーム右京がコントロール photo:Satoru.Kato当日は朝から曇り。数日前には気温が20℃を越える日もあったが、アームウォーマーよりも長袖ジャージが必要と思える寒さ。霧雨程度ではあったものの断続的に雨が降り、路面が完全に乾く事がない状況の中、レースは行われた。
全日本選手権の男子エリートに相当するトップカテゴリーのA-Eクラスには関東及び中京圏を拠点とする複数のJプロツアーチームを含む99人が出走。12周回59kmのレースは序盤から人数を揃えるチーム右京が主導権を握る。
この日最初の大きな展開は2周目に起こる。土井雪広(チーム右京)、サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)、中根英登(愛三工業)の3人が先行し、後続集団に30秒の差をつける。3周目にはパブロ・ウルタスン(チーム右京)、4周目には鈴木龍(那須ブラーゼン)、オスカル・プジョル(チーム右京)が合流し先頭集団は6名に。
A-E 残り2周で飛び出したパブロ・ウルタスン(チーム右京) photo:Satoru.Katoこの動きで後続のメイン集団は20名程度まで絞られる。要所でチーム右京のメンバーがコントロールに入る事もあって先行する6人との差は少しずつ広がり、8周目には約1分まで開く。
残り2周、先頭6名からウルタスンがアタックし、中根と鈴木が追走を試みるが差は縮まらず。ウルタスンは30秒のリードを維持したまま単独で逃げ切って優勝。最後まで抵抗した鈴木をプジョル、グアルディオラ、土井が封じ込め、チーム右京が1位から4位を独占した。
チーム右京は3月末にツール・ド・台湾から帰国したばかり。「1週間ほどしか経っていないが疲れはなく、むしろ乗れている事で全員の調子が良い」とチーム右京の沼澤マネージャーはコメント。
優勝したウルタスンは2月に来日。スペインのバスク出身で、かつてエウスカルテル・エウスカディに5年間在籍していた経験を持つ。「寒くてハードなレースだった。残り2周で飛び出したのはチームの作戦ではなく自分の判断。誰もついて来なかったので、そのまま行く事にした。家族が見に来てくれていたので、勝てて良かった」とコメント。初めて走った5kmサーキットについては「とても景色がきれいなコースだね。雨だったのが残念だけど」と語った。
A-E 1位から4位までを独占したチーム右京 photo:Satoru.Kato
アンダーは岡本隼、女子はアジア王者の梶原悠未が貫禄の走り
男子アンダー23に相当するA-Uクラスは8周39km。大学生を中心に173人が出走した。周回が進むごとにメイン集団の人数が減っていき、残り2周、岡本隼(日本大学)と、ダニエル・ホワイトハウス(チーム右京)の2人が抜け出す。後続との差は1分まで開き、最後は心臓破りの坂で岡本がホワイトハウスを引き離して優勝した。
女子のA-Fは43人が出走。アジア選手権ジュニア女子チャンピオンの梶原悠未(筑波大坂戸高校)がスタート直後から飛び出し、そのまま最後まで1人逃げ切りで優勝。昨年の大会よりも悪コンディションにも関わらず、2分近く速いペースでゴールした。
A-U 決定的な動きは無いものの人数は減っていく photo:Satoru.Kato
A-F スタート直後から単独で飛び出した梶原悠未(筑波大坂戸高校) photo:Satoru.Kato
A-U ダニエル・ホワイトハウス(チーム右京)を引き離してゴールする岡本隼(日本大学) photo:Satoru.Kato
A-F 大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING)と谷伊央里(日本体育大学)が逃げる梶原を追う photo:Satoru.Kato
第40回チャレンジサイクルロードレース大会結果
A-E 59km
A-U 39km
A-F 19km
A-F ジュニア
1位 梶原悠未(筑波大坂戸高校)
2位 細谷夢菜(浦和工業高校)
3位 岡本二菜(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
A-M 39km
A-J1 39km
A-J2 39km
A-Y 29km
text&photo:Satoru.Kato
A-Eクラス レースを席巻したチーム右京が1-4フィニッシュ




全日本選手権の男子エリートに相当するトップカテゴリーのA-Eクラスには関東及び中京圏を拠点とする複数のJプロツアーチームを含む99人が出走。12周回59kmのレースは序盤から人数を揃えるチーム右京が主導権を握る。
この日最初の大きな展開は2周目に起こる。土井雪広(チーム右京)、サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)、中根英登(愛三工業)の3人が先行し、後続集団に30秒の差をつける。3周目にはパブロ・ウルタスン(チーム右京)、4周目には鈴木龍(那須ブラーゼン)、オスカル・プジョル(チーム右京)が合流し先頭集団は6名に。

残り2周、先頭6名からウルタスンがアタックし、中根と鈴木が追走を試みるが差は縮まらず。ウルタスンは30秒のリードを維持したまま単独で逃げ切って優勝。最後まで抵抗した鈴木をプジョル、グアルディオラ、土井が封じ込め、チーム右京が1位から4位を独占した。
チーム右京は3月末にツール・ド・台湾から帰国したばかり。「1週間ほどしか経っていないが疲れはなく、むしろ乗れている事で全員の調子が良い」とチーム右京の沼澤マネージャーはコメント。
優勝したウルタスンは2月に来日。スペインのバスク出身で、かつてエウスカルテル・エウスカディに5年間在籍していた経験を持つ。「寒くてハードなレースだった。残り2周で飛び出したのはチームの作戦ではなく自分の判断。誰もついて来なかったので、そのまま行く事にした。家族が見に来てくれていたので、勝てて良かった」とコメント。初めて走った5kmサーキットについては「とても景色がきれいなコースだね。雨だったのが残念だけど」と語った。

アンダーは岡本隼、女子はアジア王者の梶原悠未が貫禄の走り
男子アンダー23に相当するA-Uクラスは8周39km。大学生を中心に173人が出走した。周回が進むごとにメイン集団の人数が減っていき、残り2周、岡本隼(日本大学)と、ダニエル・ホワイトハウス(チーム右京)の2人が抜け出す。後続との差は1分まで開き、最後は心臓破りの坂で岡本がホワイトハウスを引き離して優勝した。
女子のA-Fは43人が出走。アジア選手権ジュニア女子チャンピオンの梶原悠未(筑波大坂戸高校)がスタート直後から飛び出し、そのまま最後まで1人逃げ切りで優勝。昨年の大会よりも悪コンディションにも関わらず、2分近く速いペースでゴールした。




第40回チャレンジサイクルロードレース大会結果
A-E 59km
1位 パブロ・ウルタスン(チーム右京)
2位 オスカル・プジョル(チーム右京)
3位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
4位 土井雪広(チーム右京)
5位 鈴木 龍(那須ブラーゼン)
6位 中根英登(愛三工業)
2位 オスカル・プジョル(チーム右京)
3位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
4位 土井雪広(チーム右京)
5位 鈴木 龍(那須ブラーゼン)
6位 中根英登(愛三工業)
1時間36分35秒
+29秒
+30秒
+31秒
+51秒
+29秒
+30秒
+31秒
+51秒
A-U 39km
1位 岡本 隼(日本大学)
2位 ダニエル・ホワイトハウス(チーム右京)
3位 広瀬 樹(中央大学)
4位 吉田優樹(日本大学)
5位 雨澤毅明(那須ブラーゼン)
6位 草場啓吾(日本大学)
2位 ダニエル・ホワイトハウス(チーム右京)
3位 広瀬 樹(中央大学)
4位 吉田優樹(日本大学)
5位 雨澤毅明(那須ブラーゼン)
6位 草場啓吾(日本大学)
1時間1分34秒
+4秒
+58秒
+1分2秒
+1分3秒
+1分5秒
+4秒
+58秒
+1分2秒
+1分3秒
+1分5秒
A-F 19km
1位 梶原悠未(筑波大坂戸高校)
2位 大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING)
3位 谷 伊央里(日本体育大学)
4位 細谷夢菜(浦和工業高校)
5位 合田祐美子(BH ASTIFO)
6位 古田佳美(竹芝サイクルレーシング)
2位 大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING)
3位 谷 伊央里(日本体育大学)
4位 細谷夢菜(浦和工業高校)
5位 合田祐美子(BH ASTIFO)
6位 古田佳美(竹芝サイクルレーシング)
35分11秒
+36秒
+1分17秒
+1分21秒
+1分26秒
+36秒
+1分17秒
+1分21秒
+1分26秒
A-F ジュニア
1位 梶原悠未(筑波大坂戸高校)
2位 細谷夢菜(浦和工業高校)
3位 岡本二菜(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
A-M 39km
1位 西谷雅史(チームオーベスト)
2位 半澤雄高(Link TOHOKU)
3位 黒川隆之(FIETS GROEN日本ロボティクス)
4位 齋藤 敦(TEAM SKYROCKETS)
5位 大野二美雄(GRUPPO ACQUA TAMA)
6位 山本慈朗(チバポンズ)
2位 半澤雄高(Link TOHOKU)
3位 黒川隆之(FIETS GROEN日本ロボティクス)
4位 齋藤 敦(TEAM SKYROCKETS)
5位 大野二美雄(GRUPPO ACQUA TAMA)
6位 山本慈朗(チバポンズ)
1時間7分55秒
+29秒
+2分45秒
+3分
+3分5秒
+29秒
+2分45秒
+3分
+3分5秒
A-J1 39km
1位 石井駿平(前橋工業高校)
2位 石上優大(横浜高校)
3位 武山晃輔(甲府工業高校)
4位 納家一樹(八王子桑志高校)
5位 渡辺慶太(浦和工業高校)
6位 坂 五友(昭和第一学園高校)
2位 石上優大(横浜高校)
3位 武山晃輔(甲府工業高校)
4位 納家一樹(八王子桑志高校)
5位 渡辺慶太(浦和工業高校)
6位 坂 五友(昭和第一学園高校)
1時間6分1秒
+1秒
+3秒
+1秒
+3秒
A-J2 39km
1位 徳田 匠(北桑田高校)
2位 門田祐輔(美原高校)
3位 小野康太郎(スミダ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
4位 花田聖誠(昭和第一学園高校)
5位 石原悠希(真岡工業高校)
6位 湯浅健生(北桑田高校)
2位 門田祐輔(美原高校)
3位 小野康太郎(スミダ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
4位 花田聖誠(昭和第一学園高校)
5位 石原悠希(真岡工業高校)
6位 湯浅健生(北桑田高校)
1時間4分0秒
+2秒
+3秒
+5秒
+2秒
+3秒
+5秒
A-Y 29km
1位 勝呂真至(伊豆総合高校)
2位 奥村十夢(榛生昇陽高校)
3位 三好憲士郎(榛生昇陽高校)
4位 岡本篤樹(榛生昇陽高校)
5位 谷 和也(市立堺高校)
6位 會田陸人(学法石川高校)
2位 奥村十夢(榛生昇陽高校)
3位 三好憲士郎(榛生昇陽高校)
4位 岡本篤樹(榛生昇陽高校)
5位 谷 和也(市立堺高校)
6位 會田陸人(学法石川高校)
49分42秒
+1秒
+2秒
+6秒
+1秒
+2秒
+6秒
text&photo:Satoru.Kato
フォトギャラリー
Amazon.co.jp