2015/03/09(月) - 15:46
3月6日、群馬県前橋市を本拠地とするロードレースチーム「群馬グリフィン」の発足記念パーティが催された。パーティーの模様とチームの概要をお伝えする。
群馬県の県庁所在地である前橋市。ここに、北関東では3つ目のロードレースチーム「群馬グリフィン」が誕生した。グリフィン(Griffin:グリフォン)は、ギリシャ神話に登場するライオンの胴体と鷲の翼を持つ神獣のこと。夢を実現させる「強い意志」と、世界に羽ばたく「強い翼」を持ったチームを目指すという想いが込められている。
10名の選手入場でパーティーはスタート。正式なレースジャージはこの日が初お披露目だ。これまで暫定的に使用されてきた青と黒のジャージから一転、青と白の軽快なイメージとなった。チームのイメージカラーは青。これは同じ地元密着をキーワードとする宇都宮ブリッツェンの「赤」、那須ブラーゼンの「黄色」に敬意を込めて決めた色だという。
チームの運営会社「株式会社グリフィン」の瀧澤成光社長が「ここに来て頂いている多くの方々のご協力が無ければ、この日を迎える事は出来なかった。北関東の3チーム、宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、群馬グリフィンで、Jプロツアーを中心に盛り上げていきたい」と、開会の挨拶をした。
続いて前橋市の山本龍市長が「群馬グリフィンの名前が日本中を駆け巡り、その活躍が前橋市民や群馬県民を励ましてくれると信じている。これから色々な困難もあるかと思うが、皆さんのお力添えをお願いしたい」と、祝辞を述べた。
群馬県自転車競技連盟の林勝会長の音頭で乾杯の後、司会の絹代さんの進行でトークセッションを兼ねて選手紹介がされた。
2月にタイで開催されたアジア選手権ポイントレースで優勝した倉林巧和が、アジアチャンピオンジャージと金メダルを国内では初めて披露する中、キャプテンの狩野智也は「バランスの取れたメンバーが集まったので、レース戦略の幅が出せると思う。レースで100%の力を出せるように、キャプテンとして選手全員がまとまって目標に向かって行ける雰囲気作りをしていきたい」と意気込みを語る。
2015シーズンはロードとトラックの全日本選手権と、Jプロツアーをメインに転戦する。特に、ホームレースとなる群馬CSCで開催される2つのレース(4月のJBCF群馬CSCロードレースと、9月の経済産業大臣旗ロードレース)での表彰台が最大の目標だ。また、各地のヒルクライム大会のコースレコード更新を目標としたスペシャルチームを結成する構想もある。
他にも、ウィラースクールやチーム主催のイベントを通して、ロードレースの魅力を広める活動に積極的に取り組み、群馬県内の他のプロスポーツチーム(サッカー、野球、バスケットボール)とイベントなどでの連携を模索していく。群馬グリフィンのデビューレースは、3月15日に開幕するJプロツアー第1戦「JBCF宇都宮クリテリウム」。国内レースシーンに新たな一石が投じられる。
群馬グリフィン松島伸安氏インタビュー「"グリフィン"を群馬県のイメージリーダーに」
今年新たに発足した地域密着型ロードレースチーム「群馬グリフィン」。チーム設立に奔走した元競輪選手の松島伸安氏に話を伺った。
― ロードレースチームを作る事になったのはなぜですか?
前橋市は以前から「自転車のまち前橋」という取り組みをし、サイクリングロードや、自転車用走行帯の整備に積極的に取り組んできました。その延長線上に、赤城山ヒルクライムやシクロクロスなどのイベント開催もありました。そうした取組のイメージリーダーとして、ロードレースチームがあればより良いと考えました。
群馬県は自家用車の保有台数が日本一です。だから自転車に関する意識が薄く、ロードチームを運営することで自転車の利用促進による渋滞緩和や地球温暖化防止に向けた取り組みをできればという考えがあります。
—前橋市を本拠地としてますが、チーム名を「群馬」としたのはなぜですか?
最初は「前橋グリフィン」にしようかと考えていました。でも「前橋」を強調しすぎると、お隣の高崎市や他の地域の人達には響かない部分も出てくる。だから「群馬」にすれば、より多くの人達に応援してもらえるようになるのではと考えました。実は、最初は地域名を入れずに「グリフィン・レーシングチーム」でも良いかという考えもあったんです。結果として地域名を入れる事にしましたが、かなり議論した部分ですね。
― グリフィンという名前の由来は?
群馬だから、「G」から始まる単語で何か良い言葉はないかと考えてたんです。その中で、ギリシャ神話に登場する翼を持ったライオン「グリフィン」が、イメージに合っているなと思って決めました。
名前は一番最初に決めて「グリフィン・プロジェクト」として企画書を書きました。そこで、こじつけですがグリフィン(GRIFIN)に「Gunma Racing Innovation for International Next(群馬県発、レーシングシーンに革新を起こし、国際的に羽ばたく、次の世代へ)」と意味を持たせました。
― 狩野選手をはじめとして、実力ある選手が集まりましたね
狩野選手はアドバイザーとして関わってもらう予定だったんです。でも、ある程度選手が集まる見込みが立ったところで選手として加入してもいいという話になって、キャプテンとして走ってもらう事になりました。
伸びしろのある若い選手を育てたいという瀧澤社長と狩野選手の意向もあって、地元出身の倉林君(倉林巧和:日本体育大学大学院)をはじめとした若手選手に加入してもらいました。また、経験のある普久原選手や、長沼選手らにも加入し、経験的にもタイプ的にもバランスが取れたメンバーだと思っています。
― 今年の目標と今後の展開を教えて下さい
まずはJプロツアーでの表彰台です。特に4月と9月には群馬CSCでのレースがあるので、そこでは必ず誰かを表彰台に乗せたい。メンバー全員が群馬CSCは得意だと言っているので、力を入れていきたいです。そこから、翌年に繋がる流れが出来れば良いですね。
他にも、ウィラースクールや、チーム主催のイベントの開催も考えています。群馬には温泉街が多いので、スポンサーに付いてくれたJTBさんとも話をして企画を考えています。長期的な目標としては、群馬からオリンピック選手を出すこと。自転車競技は他の競技よりも世界が近い。だから、世界で活躍出来る選手をグリフィンとしてサポートしていけるようになればいいですね。
群馬グリフィンレーシングチーム体制
登録:UCIコンチネンタル登録 実業団Jプロツアーチーム
狩野智也(チーム右京)
普久原奨(那須ブラーゼン)
管洋介(マトリックスパワータグ)
菅野正明(ニールプライド・メンズクラブプロサイクリング)
倉林巧和(日本体育大学大学院在学中)
金子大介(ボンシャンス)
岸崇仁(湘南ベルマーレ)
長沼隆行(VAXレーシング)
中井雄策(TRCパナマレッズ)
原澤雅年(前橋育英高校)
監督:狩野良太
メカニック:中島康二
スポンサー
前橋競輪、株式会社セキチュー、株式会社ジー・アンド・ジークリエーションズ、桐生整形外科、株式会社ジェイティービー、株式会社タキザワ ほか
サプライヤー
LITTESPEED、株式会社シマノ、株式会社オージーケーカブト、株式会社クレーマージャパン、大和紡績株式会社、株式会社梅丹本舗、パイオニア株式会社、武田レッグウェア—株式会社、NAQI、有限会社アップライジング、楽歩堂靴店 ほか
text&photo:Satoru.Kato
群馬県の県庁所在地である前橋市。ここに、北関東では3つ目のロードレースチーム「群馬グリフィン」が誕生した。グリフィン(Griffin:グリフォン)は、ギリシャ神話に登場するライオンの胴体と鷲の翼を持つ神獣のこと。夢を実現させる「強い意志」と、世界に羽ばたく「強い翼」を持ったチームを目指すという想いが込められている。
10名の選手入場でパーティーはスタート。正式なレースジャージはこの日が初お披露目だ。これまで暫定的に使用されてきた青と黒のジャージから一転、青と白の軽快なイメージとなった。チームのイメージカラーは青。これは同じ地元密着をキーワードとする宇都宮ブリッツェンの「赤」、那須ブラーゼンの「黄色」に敬意を込めて決めた色だという。
チームの運営会社「株式会社グリフィン」の瀧澤成光社長が「ここに来て頂いている多くの方々のご協力が無ければ、この日を迎える事は出来なかった。北関東の3チーム、宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、群馬グリフィンで、Jプロツアーを中心に盛り上げていきたい」と、開会の挨拶をした。
続いて前橋市の山本龍市長が「群馬グリフィンの名前が日本中を駆け巡り、その活躍が前橋市民や群馬県民を励ましてくれると信じている。これから色々な困難もあるかと思うが、皆さんのお力添えをお願いしたい」と、祝辞を述べた。
群馬県自転車競技連盟の林勝会長の音頭で乾杯の後、司会の絹代さんの進行でトークセッションを兼ねて選手紹介がされた。
2月にタイで開催されたアジア選手権ポイントレースで優勝した倉林巧和が、アジアチャンピオンジャージと金メダルを国内では初めて披露する中、キャプテンの狩野智也は「バランスの取れたメンバーが集まったので、レース戦略の幅が出せると思う。レースで100%の力を出せるように、キャプテンとして選手全員がまとまって目標に向かって行ける雰囲気作りをしていきたい」と意気込みを語る。
2015シーズンはロードとトラックの全日本選手権と、Jプロツアーをメインに転戦する。特に、ホームレースとなる群馬CSCで開催される2つのレース(4月のJBCF群馬CSCロードレースと、9月の経済産業大臣旗ロードレース)での表彰台が最大の目標だ。また、各地のヒルクライム大会のコースレコード更新を目標としたスペシャルチームを結成する構想もある。
他にも、ウィラースクールやチーム主催のイベントを通して、ロードレースの魅力を広める活動に積極的に取り組み、群馬県内の他のプロスポーツチーム(サッカー、野球、バスケットボール)とイベントなどでの連携を模索していく。群馬グリフィンのデビューレースは、3月15日に開幕するJプロツアー第1戦「JBCF宇都宮クリテリウム」。国内レースシーンに新たな一石が投じられる。
群馬グリフィン松島伸安氏インタビュー「"グリフィン"を群馬県のイメージリーダーに」
今年新たに発足した地域密着型ロードレースチーム「群馬グリフィン」。チーム設立に奔走した元競輪選手の松島伸安氏に話を伺った。
― ロードレースチームを作る事になったのはなぜですか?
前橋市は以前から「自転車のまち前橋」という取り組みをし、サイクリングロードや、自転車用走行帯の整備に積極的に取り組んできました。その延長線上に、赤城山ヒルクライムやシクロクロスなどのイベント開催もありました。そうした取組のイメージリーダーとして、ロードレースチームがあればより良いと考えました。
群馬県は自家用車の保有台数が日本一です。だから自転車に関する意識が薄く、ロードチームを運営することで自転車の利用促進による渋滞緩和や地球温暖化防止に向けた取り組みをできればという考えがあります。
—前橋市を本拠地としてますが、チーム名を「群馬」としたのはなぜですか?
最初は「前橋グリフィン」にしようかと考えていました。でも「前橋」を強調しすぎると、お隣の高崎市や他の地域の人達には響かない部分も出てくる。だから「群馬」にすれば、より多くの人達に応援してもらえるようになるのではと考えました。実は、最初は地域名を入れずに「グリフィン・レーシングチーム」でも良いかという考えもあったんです。結果として地域名を入れる事にしましたが、かなり議論した部分ですね。
― グリフィンという名前の由来は?
群馬だから、「G」から始まる単語で何か良い言葉はないかと考えてたんです。その中で、ギリシャ神話に登場する翼を持ったライオン「グリフィン」が、イメージに合っているなと思って決めました。
名前は一番最初に決めて「グリフィン・プロジェクト」として企画書を書きました。そこで、こじつけですがグリフィン(GRIFIN)に「Gunma Racing Innovation for International Next(群馬県発、レーシングシーンに革新を起こし、国際的に羽ばたく、次の世代へ)」と意味を持たせました。
― 狩野選手をはじめとして、実力ある選手が集まりましたね
狩野選手はアドバイザーとして関わってもらう予定だったんです。でも、ある程度選手が集まる見込みが立ったところで選手として加入してもいいという話になって、キャプテンとして走ってもらう事になりました。
伸びしろのある若い選手を育てたいという瀧澤社長と狩野選手の意向もあって、地元出身の倉林君(倉林巧和:日本体育大学大学院)をはじめとした若手選手に加入してもらいました。また、経験のある普久原選手や、長沼選手らにも加入し、経験的にもタイプ的にもバランスが取れたメンバーだと思っています。
― 今年の目標と今後の展開を教えて下さい
まずはJプロツアーでの表彰台です。特に4月と9月には群馬CSCでのレースがあるので、そこでは必ず誰かを表彰台に乗せたい。メンバー全員が群馬CSCは得意だと言っているので、力を入れていきたいです。そこから、翌年に繋がる流れが出来れば良いですね。
他にも、ウィラースクールや、チーム主催のイベントの開催も考えています。群馬には温泉街が多いので、スポンサーに付いてくれたJTBさんとも話をして企画を考えています。長期的な目標としては、群馬からオリンピック選手を出すこと。自転車競技は他の競技よりも世界が近い。だから、世界で活躍出来る選手をグリフィンとしてサポートしていけるようになればいいですね。
群馬グリフィンレーシングチーム体制
登録:UCIコンチネンタル登録 実業団Jプロツアーチーム
狩野智也(チーム右京)
普久原奨(那須ブラーゼン)
管洋介(マトリックスパワータグ)
菅野正明(ニールプライド・メンズクラブプロサイクリング)
倉林巧和(日本体育大学大学院在学中)
金子大介(ボンシャンス)
岸崇仁(湘南ベルマーレ)
長沼隆行(VAXレーシング)
中井雄策(TRCパナマレッズ)
原澤雅年(前橋育英高校)
監督:狩野良太
メカニック:中島康二
スポンサー
前橋競輪、株式会社セキチュー、株式会社ジー・アンド・ジークリエーションズ、桐生整形外科、株式会社ジェイティービー、株式会社タキザワ ほか
サプライヤー
LITTESPEED、株式会社シマノ、株式会社オージーケーカブト、株式会社クレーマージャパン、大和紡績株式会社、株式会社梅丹本舗、パイオニア株式会社、武田レッグウェア—株式会社、NAQI、有限会社アップライジング、楽歩堂靴店 ほか
text&photo:Satoru.Kato
Amazon.co.jp