2015/02/20(金) - 09:50
2015年もアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)の勢いは止まらない。昨シーズン14勝(世界3位)を飾った27歳のノルウェジャンスプリンターがツアー・オブ・オマーン第3ステージ制覇。来るクラシックシーズンに向けて勢いに乗っている。
ツアー・オブ・オマーン第3ステージは平野部を駆けるシンプルな158.5kmコース。トップスポートフラーンデレンのジェフ・ファンメイルハーグ(ベルギー)とプレベン・ファンヘッケ(ベルギー)の2人が2日連続で仲良く飛び出し、この日はアレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)がジョインした。
最高気温40度という暑さの中、延々と続く平坦な直線路を逃げる先頭3名は最大で9分15秒のリードを稼ぎ出した。しかしスプリンターチームが牛耳るプロトンは警戒心を解かずに追走する。横風による混乱も起きず、逃げグループは残り17kmで吸収。前日とは打って変わって大集団のままレースはフィニッシュを迎えた。
カチューシャやオリカ・グリーンエッジが集団先頭を陣取って残り1kmを切り、ヘルト・ステーグマンス(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)のリードアウトを受けた21歳のダニー・ファンポッペル(オランダ)が先頭でスプリントを開始。時を同じくしてアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)とアンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)が下ハンドルを持って踏み始めた。
トップスピードでライバルたちをひれ伏させたのはクリストフ。ポイント賞ジャージのグアルディーニは届かず、クリストフが右手を力強く突き上げた。
「ずっとチームメイトに守られっぱなしだった。強い向かい風の中、スムクリスとグアルニエーリに守られてフィニッシュへ。残り数キロの位置取りは快適だったよ。オリカ・グリーンエッジが握った主導権をトレックが奪い、残り300mの時点でダニー・ファンポッペルの番手を取った。残り100mまでタイミングを待って、そこから全開で行ったんだ。パーフェクトなスプリントだった」とツアー・オブ・カタールでのステージ3勝に続く今シーズン4勝目を飾ったクリストフ。
2014年、クリストフはミラノ〜サンレモ制覇やツール・ド・フランスのステージ2勝を含む14勝を飾り、トップスプリンターの仲間入りを果たした。シーズン勝利数では16勝のアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)と15勝のアルノー・デマール(フランス、FDJ)に届かなかったものの、UCIワールドツアーレースでの成績に限定すると4勝で上回っている(グライペル1勝/デマール0勝)。
これまでは他チームのリードアウトを利用しての勝利が目立ったが、2015年はエーススプリンターのためのリードアウト要員を補強。クリストフは「カチューシャのリードアウトは毎戦ステップアップしていて、着実に進化している。とても満足している」とコメントしている。ノルウェー・オスロ出身の27歳がスプリント戦線の台風の目になる可能性は十分にある。
総合順位に変動はなく、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)がリードをキープしたまま第4ステージの山頂フィニッシュへ。ポールポジションにつけているのは総合2位・4秒差のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)だ。平均勾配10.5%・登坂距離5.7kmのジャバル・アル・アクダル(通称グリーンマウンテン)が総合争いを決める。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2015第3ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 3h56’42”
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
3位 マッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)
4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
5位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
6位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
7位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
8位 ラモン・シンケルダム(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
9位 アダム・ブライス(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
個人総合成績
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング) 12h18’56”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +04”
3位 パトリック・コンラート(オーストリア、ボーラ・アルゴン18) +05”
4位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +06”
5位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +10”
6位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
7位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
8位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
9位 ラファエル・バルス(スペイン、ランプレ・メリダ)
10位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
ポイント賞
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
ヤングライダー賞
パトリック・コンラート(オーストリア、ボーラ・アルゴン18)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ツアー・オブ・オマーン第3ステージは平野部を駆けるシンプルな158.5kmコース。トップスポートフラーンデレンのジェフ・ファンメイルハーグ(ベルギー)とプレベン・ファンヘッケ(ベルギー)の2人が2日連続で仲良く飛び出し、この日はアレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)がジョインした。
最高気温40度という暑さの中、延々と続く平坦な直線路を逃げる先頭3名は最大で9分15秒のリードを稼ぎ出した。しかしスプリンターチームが牛耳るプロトンは警戒心を解かずに追走する。横風による混乱も起きず、逃げグループは残り17kmで吸収。前日とは打って変わって大集団のままレースはフィニッシュを迎えた。
カチューシャやオリカ・グリーンエッジが集団先頭を陣取って残り1kmを切り、ヘルト・ステーグマンス(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)のリードアウトを受けた21歳のダニー・ファンポッペル(オランダ)が先頭でスプリントを開始。時を同じくしてアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)とアンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)が下ハンドルを持って踏み始めた。
トップスピードでライバルたちをひれ伏させたのはクリストフ。ポイント賞ジャージのグアルディーニは届かず、クリストフが右手を力強く突き上げた。
「ずっとチームメイトに守られっぱなしだった。強い向かい風の中、スムクリスとグアルニエーリに守られてフィニッシュへ。残り数キロの位置取りは快適だったよ。オリカ・グリーンエッジが握った主導権をトレックが奪い、残り300mの時点でダニー・ファンポッペルの番手を取った。残り100mまでタイミングを待って、そこから全開で行ったんだ。パーフェクトなスプリントだった」とツアー・オブ・カタールでのステージ3勝に続く今シーズン4勝目を飾ったクリストフ。
2014年、クリストフはミラノ〜サンレモ制覇やツール・ド・フランスのステージ2勝を含む14勝を飾り、トップスプリンターの仲間入りを果たした。シーズン勝利数では16勝のアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)と15勝のアルノー・デマール(フランス、FDJ)に届かなかったものの、UCIワールドツアーレースでの成績に限定すると4勝で上回っている(グライペル1勝/デマール0勝)。
これまでは他チームのリードアウトを利用しての勝利が目立ったが、2015年はエーススプリンターのためのリードアウト要員を補強。クリストフは「カチューシャのリードアウトは毎戦ステップアップしていて、着実に進化している。とても満足している」とコメントしている。ノルウェー・オスロ出身の27歳がスプリント戦線の台風の目になる可能性は十分にある。
総合順位に変動はなく、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)がリードをキープしたまま第4ステージの山頂フィニッシュへ。ポールポジションにつけているのは総合2位・4秒差のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)だ。平均勾配10.5%・登坂距離5.7kmのジャバル・アル・アクダル(通称グリーンマウンテン)が総合争いを決める。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2015第3ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 3h56’42”
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
3位 マッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)
4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
5位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
6位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
7位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
8位 ラモン・シンケルダム(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
9位 アダム・ブライス(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
個人総合成績
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング) 12h18’56”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +04”
3位 パトリック・コンラート(オーストリア、ボーラ・アルゴン18) +05”
4位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +06”
5位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +10”
6位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
7位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
8位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
9位 ラファエル・バルス(スペイン、ランプレ・メリダ)
10位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
ポイント賞
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
ヤングライダー賞
パトリック・コンラート(オーストリア、ボーラ・アルゴン18)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele