2015/02/19(木) - 09:10
インテグラルヘッドや左右非対称フレーム等々、常に時代の先端を切り拓き続けてきたイタリアンブランド、ピナレロ。今回インプレッションするのは、カーボンエントリーモデルとなるRAZHA。上級モデルの形状を受け継ぎつつも、リーズナブルな価格に抑えられたピナレロの戦略モデルが持つ魅力とは。
ピナレロ RAZHA (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp
ピナレロのカーボンバイクラインナップの中では最も手ごろなモデルとしてラインナップされているRAZHA。しかし、バイクが持つ雰囲気、そのシルエットから放たれるオーラからは、とても初・中級者むけのエントリーモデルであるということは感じ取れないだろう。
それもそのはず、今年のフルモデルチェンジにより、上位グレードの「MARVEL」と共通のフレームデザインがRAZHAには与えられたのだ。そして、そのMARVEL自体のデザインも、ルーツを辿ればツール・ド・フランスを2度制したDOGMA 65.1に行きつく。
ONDA2Vフォークを新たに手に入れた
フロントフォークも左右非対称設計
トップチューブにモデル名があしらわれる
フルモデルチェンジにより、多くの点に変更が加えられたRAZHA。その中でももっとも目を引く変更点はMARVELと共通とされた「ONDA 2V」フロントフォーク、そしてフォーククラウンと流れるように繋がるヘッドチューブとダウンチューブの造形だろう。
主要なフレームメーカーの中ではエアロダイナミクスについてはあまり積極的ではなかったピナレロが、空力性能を高めるために初めて採用したのが、フォーククラウン後部に設けられたフィンによってフロント周りの空気の流れを整え、乱流を抑えるというデザインだ。
滑らかにつながるフォーククラウン
ハンドル回りもMOstで揃えられる
サドルもMOstで揃えられている
緩やかに湾曲するトップチューブ
新しいピナレロバイクのアイコンの一つである造形を手に入れ、よりレーシーなフォルムを獲得したRAZHA。しかし、RAZHAが新たに手に入れたのはそれだけではない。ピナレロもう一つのアイデンティティともいえる左右非対称設計さえも、RAZHAへと惜しみなく与えられている。
クランクをはじめとする駆動系のパーツ群がフレームの右側に集中していることから発生するバランスの偏りを是正するのが、ピナレロの誇る「Think Asymmetricテクノロジー」。この最新デザインをその身にまとうことで、RAZHAはよりレースバイクとしての性能を磨き上げることに成功している。
リアディレイラーワイヤーはチェーンステーの上から出てくる
BBはイタリアン規格を採用
そんなピナレロの誇る様々なテクノロジーがギュッと詰め込まれたRAZHA。高いスペックを持ちながらも、破格のプライスタグが下げられる理由は、カーボンフレーム製作において最もコストのかかる金型をMARVELのものと共用することでコストをグッと抑えたからだ。
さらに、カーボンのグレードをMARVELに使用されている30HM12Kカーボンから、もう少し弾性率の低い24HMUDカーボンへと変更することでコストを抑えている。しかし、あえて高弾性のカーボンファイバーを使用しないことで、初心者にとっても踏みこみやすい剛性に調整され、頑丈で扱いやすいフレームとなっている。
ONDAデザインのシートステー
シートステーとチェーンステーも左右非対称設計
マッシブなダウンチューブ
BB規格に近年流行りの圧入式BBを使用せず、トラディショナルなスレッド式のイタリアンBBを採用している点も、2015年のピナレロバイクに共通する特徴だ。何かとトラブルを起こしやすい初心者にとって、信頼性が高くメンテナンス性にも優れているスレッド式BBはぴったりの規格だろう。
エントリーグレードのフレームながら、電動と機械式コンポーネントの両方に対応するThink2システムを採用しており、電動コンポーネントへのグレードアップも容易だ。販売形態は105の完成車のみとなっており、今回インプレッションしたのも完成車と同様の仕様のバイク。ホイールはシマノRS-010をアッセンブルし、エントリーバイクとしては申し分のないセッティングと言えるだろう。
さて、コストを抑えつつも上級モデルのテクノロジーを受け継ぎ、車格をグッと押し上げることに成功した新しいRAZHAを二人のインプレッションライダーはどう評価するのか。それでは早速インプレッションに移ろう。
―インプレッション
「数年前の最高級バイクと比肩しうる走りの良さ」山崎敏正(シルベストサイクル)
「数年前の最高級バイクと比肩しうる走りの良さ」山崎敏正(シルベストサイクル) (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp
ピナレロバイクとしてこのデザイン、この価格というのは非常にお買い得でしょう。硬すぎず、柔らかすぎず、非常にいい剛性バランスで作られていて、素直に走ってくれるな、という印象です。特に平地の巡航でポジションをきれいに固めた状態で踏んでいくとこのバイクの良さがもっとも発揮できます。荒っぽいダンシングを受け止めてくれるだけの骨太さも持っていますが、どちらかというときれいにクランクをまわしてあげた方が気持ち良く進んでくれますね。
この価格帯のバイクとしては反応性も高いレベルにあります。登りでの性能もかなり高次元にまとまっており、ダンシングでの振りも軽く、シッティングでも後ろから押されるような感覚があります。きれいにトルクをかけていく乗り方のほうがよりスムーズに進んでいくのは平地と同じですね。
下りでも思ったラインをトレースできる、安心感のあるハンドリングです。ヘッドとフォークの剛性が非常に優れていることの恩恵ですね。初心者でもしっかりとコーナーを曲がっていける、安定感のあるフィーリングに仕上がっているのは流石ピナレロといったところでしょうか。
アシンメトリックデザインも非常に良く効いていると思います。トルクバランスが左右で対称になるように調整されているというのは少し乗っただけでは感じ取れないのですが、長い距離を乗って疲労してきた時にこそ、真価を発揮するものですね。普段、気づかないうちに取っているバランスをとる必要がなく、余計な力が要らないというのは特に疲労がたまりやすい初心者にとっては大きなメリットでしょう。
アッセンブルも105でまとめられていて、サードパーティのパーツでコストダウンしていることもないのは好印象です。特にパーツを交換せずとも長く使えますし、グレードアップしてもフレーム性能が負けてしまうようなことは無いでしょう。Di2レディで拡張性が高いのも嬉しいところですね。特にホイールをかかりがよいアルミスポークの高剛性ホイールに交換すれば、よりレーシーな仕上がりになるのではないでしょうか。
総じていうならば、数年前の最高級バイクと比肩しうるようなレベルの性能を持ったバイクだと思います。ルックスもハイエンドバイクを彷彿とさせますし、実際に店頭でも売れ行きのよいバイクです。特にこれからエンデューロやロングライドといったイベントに参加してみたい方におすすめです。
「どんな乗り方、遊び方にもオールラウンドに対応する懐の深さを持っている」
鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
ドグマの血統に連なるピナレロレーシングモデルの直系として、ふさわしい走行性能を持つバイクです。個人的にはピナレロの良さは、キビキビとしたわかりやすい軽快感よりも、どっしりとした安定感だと思っているのですが、RAZHAにもそのフィーリングをしっかりと感じ取れました。
「どんな乗り方、遊び方にもオールラウンドに対応する懐の深さを持っている」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ) (c)MakotoAYANO/cyclowired.jpおそらく、ONDAフォークとヘッド周りのがっしりとした作りによって、安定感が生み出されているのだと思います。ハードブレーキングでもビクともしない安心感がありますし、下りでのハンドリングも落ち着いているので急な路面の変化などにも対応しやすいでしょう。
振動吸収性にも長けているのもRAZHAの美点ですね。BBの剛性も過度に高くなく、長い距離を乗っていても疲れにくいですね。踏み込んだ時の感覚としては、打てば響くような硬質な反応性ではなく、しっとりとした味付けです。乗りやすく、脚に来ない優しさを感じさせてくれます。
かといって、柔らかいということではなく、登りなどでパワーをかけて踏みこんでもしっかりと受け止めてくれる芯の太さはあります。パワーロスが少なく、脚にダメージを与えづらい剛性レベルなので、ロングライドにうってつけでしょう。また、BB規格がイタリアン式に戻したのは、英断と言っていいと思います。ユーザーフレンドリーですし、ショップとしてもありがたいですね。
重量は少しかさみますが、それが原因で出足の遅さを感じさせたり、登りで辛いといったことは感じさせません。むしろピナレロというブランド自体、軽量性という要素にそこまでの重きを置いているブランドではなく、総合的なバランスを重視してきたことを考えると、ピナレロバイクとしてあるべき姿だとも思います。
乗り慣れてくれば、足回りのパーツを交換するとよりレーシーな味付けにできるでしょう。レースをやるのであれば硬めのアルミスポークホイールを使えばかかりの良さも出てきますし、ヒルクライムメインであればリム重量の軽いホイールが良いでしょう。引きしまったグラフィックを活かすのであれば、MAVICのキシリウムSLRやフルクラムのレーシングゼロナイトといった、プラズマ電解酸化皮膜処理の施されたアルミホイールが、乗り味としてもルックスとしてもまとまりが良いと思います。
フレーム自体は非常にしっかりとしていて、どんな乗り方、遊び方にもオールラウンドに対応する懐の深さを持っているので、色々なパーツを交換しながら長く付き合えるバイクでしょう。自分がどういった乗り方、遊び方が好きなのかを見つけるのにぴったりのバイクだと思います。
ピナレロ RAZHA (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp
ピナレロ RAZHA
フレーム:カーボン 24HM UD
フォーク:ONDA カーボン 24HM UD
BB:イタリアン
コンポーネント:シマノ 105
ホイール:シマノ WH-RS010
カラー:ブラックレッド、ネイキッド、ホワイトブラック
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5(57.5サイズ以上は受注発注)
価格:253,000円(税抜)
インプレライダーのプロフィール
山崎敏正(シルベストサイクル) 山崎敏正(シルベストサイクル)
「てnち」のニックネームで親しまれているシルベストサイクル総括店長。選手としてはモスクワオリンピックの日本代表に選出された経験を持つ一方で、サンツアーの開発部に在籍していたことから機材への造詣も深い。現在もロードレースで現役で、実業団ロードで入賞する好調ぶり。シルベストサイクルは梅田、箕面、京都と関西に3箇所に店舗を構え「頑張るアスリートのためのショップ」として信頼の技術力や確かなフィッティングサービスなどを提供している。加えて、ロードレースやロングライド、トライアスロン、トレイルランなど様々なジャンルのソフトサービスを展開している。
CWレコメンドショップページ
ショップHP
鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ) 鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
スポーツバイクファクトリー北浦和スズキの店長兼代表取締役を務める。過去には大手自転車ショップで修行を積んだ後、独立し現在の北浦和に店を構える。週末はショップのお客さんとのライドやトライアスロンに力を入れている。ショップでは個人のポジションやフィッティングを追求すると同時に、ツーリングなどのイベントを開催することで走る場を提供し、ユーザーに満足してもらうことを第一に考えている。「買ってもらった方に自転車を続けてもらう」ことをモットーに魅力あるバイクライフを提案する日々を送っている。
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ウエア協力:reric
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text:Naoki.Yasuoka
photo:Makoto.AYANO
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ピナレロのカーボンバイクラインナップの中では最も手ごろなモデルとしてラインナップされているRAZHA。しかし、バイクが持つ雰囲気、そのシルエットから放たれるオーラからは、とても初・中級者むけのエントリーモデルであるということは感じ取れないだろう。
それもそのはず、今年のフルモデルチェンジにより、上位グレードの「MARVEL」と共通のフレームデザインがRAZHAには与えられたのだ。そして、そのMARVEL自体のデザインも、ルーツを辿ればツール・ド・フランスを2度制したDOGMA 65.1に行きつく。
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フルモデルチェンジにより、多くの点に変更が加えられたRAZHA。その中でももっとも目を引く変更点はMARVELと共通とされた「ONDA 2V」フロントフォーク、そしてフォーククラウンと流れるように繋がるヘッドチューブとダウンチューブの造形だろう。
主要なフレームメーカーの中ではエアロダイナミクスについてはあまり積極的ではなかったピナレロが、空力性能を高めるために初めて採用したのが、フォーククラウン後部に設けられたフィンによってフロント周りの空気の流れを整え、乱流を抑えるというデザインだ。
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新しいピナレロバイクのアイコンの一つである造形を手に入れ、よりレーシーなフォルムを獲得したRAZHA。しかし、RAZHAが新たに手に入れたのはそれだけではない。ピナレロもう一つのアイデンティティともいえる左右非対称設計さえも、RAZHAへと惜しみなく与えられている。
クランクをはじめとする駆動系のパーツ群がフレームの右側に集中していることから発生するバランスの偏りを是正するのが、ピナレロの誇る「Think Asymmetricテクノロジー」。この最新デザインをその身にまとうことで、RAZHAはよりレースバイクとしての性能を磨き上げることに成功している。
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そんなピナレロの誇る様々なテクノロジーがギュッと詰め込まれたRAZHA。高いスペックを持ちながらも、破格のプライスタグが下げられる理由は、カーボンフレーム製作において最もコストのかかる金型をMARVELのものと共用することでコストをグッと抑えたからだ。
さらに、カーボンのグレードをMARVELに使用されている30HM12Kカーボンから、もう少し弾性率の低い24HMUDカーボンへと変更することでコストを抑えている。しかし、あえて高弾性のカーボンファイバーを使用しないことで、初心者にとっても踏みこみやすい剛性に調整され、頑丈で扱いやすいフレームとなっている。
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BB規格に近年流行りの圧入式BBを使用せず、トラディショナルなスレッド式のイタリアンBBを採用している点も、2015年のピナレロバイクに共通する特徴だ。何かとトラブルを起こしやすい初心者にとって、信頼性が高くメンテナンス性にも優れているスレッド式BBはぴったりの規格だろう。
エントリーグレードのフレームながら、電動と機械式コンポーネントの両方に対応するThink2システムを採用しており、電動コンポーネントへのグレードアップも容易だ。販売形態は105の完成車のみとなっており、今回インプレッションしたのも完成車と同様の仕様のバイク。ホイールはシマノRS-010をアッセンブルし、エントリーバイクとしては申し分のないセッティングと言えるだろう。
さて、コストを抑えつつも上級モデルのテクノロジーを受け継ぎ、車格をグッと押し上げることに成功した新しいRAZHAを二人のインプレッションライダーはどう評価するのか。それでは早速インプレッションに移ろう。
―インプレッション
「数年前の最高級バイクと比肩しうる走りの良さ」山崎敏正(シルベストサイクル)
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ピナレロバイクとしてこのデザイン、この価格というのは非常にお買い得でしょう。硬すぎず、柔らかすぎず、非常にいい剛性バランスで作られていて、素直に走ってくれるな、という印象です。特に平地の巡航でポジションをきれいに固めた状態で踏んでいくとこのバイクの良さがもっとも発揮できます。荒っぽいダンシングを受け止めてくれるだけの骨太さも持っていますが、どちらかというときれいにクランクをまわしてあげた方が気持ち良く進んでくれますね。
この価格帯のバイクとしては反応性も高いレベルにあります。登りでの性能もかなり高次元にまとまっており、ダンシングでの振りも軽く、シッティングでも後ろから押されるような感覚があります。きれいにトルクをかけていく乗り方のほうがよりスムーズに進んでいくのは平地と同じですね。
下りでも思ったラインをトレースできる、安心感のあるハンドリングです。ヘッドとフォークの剛性が非常に優れていることの恩恵ですね。初心者でもしっかりとコーナーを曲がっていける、安定感のあるフィーリングに仕上がっているのは流石ピナレロといったところでしょうか。
アシンメトリックデザインも非常に良く効いていると思います。トルクバランスが左右で対称になるように調整されているというのは少し乗っただけでは感じ取れないのですが、長い距離を乗って疲労してきた時にこそ、真価を発揮するものですね。普段、気づかないうちに取っているバランスをとる必要がなく、余計な力が要らないというのは特に疲労がたまりやすい初心者にとっては大きなメリットでしょう。
アッセンブルも105でまとめられていて、サードパーティのパーツでコストダウンしていることもないのは好印象です。特にパーツを交換せずとも長く使えますし、グレードアップしてもフレーム性能が負けてしまうようなことは無いでしょう。Di2レディで拡張性が高いのも嬉しいところですね。特にホイールをかかりがよいアルミスポークの高剛性ホイールに交換すれば、よりレーシーな仕上がりになるのではないでしょうか。
総じていうならば、数年前の最高級バイクと比肩しうるようなレベルの性能を持ったバイクだと思います。ルックスもハイエンドバイクを彷彿とさせますし、実際に店頭でも売れ行きのよいバイクです。特にこれからエンデューロやロングライドといったイベントに参加してみたい方におすすめです。
「どんな乗り方、遊び方にもオールラウンドに対応する懐の深さを持っている」
鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
ドグマの血統に連なるピナレロレーシングモデルの直系として、ふさわしい走行性能を持つバイクです。個人的にはピナレロの良さは、キビキビとしたわかりやすい軽快感よりも、どっしりとした安定感だと思っているのですが、RAZHAにもそのフィーリングをしっかりと感じ取れました。
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振動吸収性にも長けているのもRAZHAの美点ですね。BBの剛性も過度に高くなく、長い距離を乗っていても疲れにくいですね。踏み込んだ時の感覚としては、打てば響くような硬質な反応性ではなく、しっとりとした味付けです。乗りやすく、脚に来ない優しさを感じさせてくれます。
かといって、柔らかいということではなく、登りなどでパワーをかけて踏みこんでもしっかりと受け止めてくれる芯の太さはあります。パワーロスが少なく、脚にダメージを与えづらい剛性レベルなので、ロングライドにうってつけでしょう。また、BB規格がイタリアン式に戻したのは、英断と言っていいと思います。ユーザーフレンドリーですし、ショップとしてもありがたいですね。
重量は少しかさみますが、それが原因で出足の遅さを感じさせたり、登りで辛いといったことは感じさせません。むしろピナレロというブランド自体、軽量性という要素にそこまでの重きを置いているブランドではなく、総合的なバランスを重視してきたことを考えると、ピナレロバイクとしてあるべき姿だとも思います。
乗り慣れてくれば、足回りのパーツを交換するとよりレーシーな味付けにできるでしょう。レースをやるのであれば硬めのアルミスポークホイールを使えばかかりの良さも出てきますし、ヒルクライムメインであればリム重量の軽いホイールが良いでしょう。引きしまったグラフィックを活かすのであれば、MAVICのキシリウムSLRやフルクラムのレーシングゼロナイトといった、プラズマ電解酸化皮膜処理の施されたアルミホイールが、乗り味としてもルックスとしてもまとまりが良いと思います。
フレーム自体は非常にしっかりとしていて、どんな乗り方、遊び方にもオールラウンドに対応する懐の深さを持っているので、色々なパーツを交換しながら長く付き合えるバイクでしょう。自分がどういった乗り方、遊び方が好きなのかを見つけるのにぴったりのバイクだと思います。
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ピナレロ RAZHA
フレーム:カーボン 24HM UD
フォーク:ONDA カーボン 24HM UD
BB:イタリアン
コンポーネント:シマノ 105
ホイール:シマノ WH-RS010
カラー:ブラックレッド、ネイキッド、ホワイトブラック
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5(57.5サイズ以上は受注発注)
価格:253,000円(税抜)
インプレライダーのプロフィール
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「てnち」のニックネームで親しまれているシルベストサイクル総括店長。選手としてはモスクワオリンピックの日本代表に選出された経験を持つ一方で、サンツアーの開発部に在籍していたことから機材への造詣も深い。現在もロードレースで現役で、実業団ロードで入賞する好調ぶり。シルベストサイクルは梅田、箕面、京都と関西に3箇所に店舗を構え「頑張るアスリートのためのショップ」として信頼の技術力や確かなフィッティングサービスなどを提供している。加えて、ロードレースやロングライド、トライアスロン、トレイルランなど様々なジャンルのソフトサービスを展開している。
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スポーツバイクファクトリー北浦和スズキの店長兼代表取締役を務める。過去には大手自転車ショップで修行を積んだ後、独立し現在の北浦和に店を構える。週末はショップのお客さんとのライドやトライアスロンに力を入れている。ショップでは個人のポジションやフィッティングを追求すると同時に、ツーリングなどのイベントを開催することで走る場を提供し、ユーザーに満足してもらうことを第一に考えている。「買ってもらった方に自転車を続けてもらう」ことをモットーに魅力あるバイクライフを提案する日々を送っている。
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text:Naoki.Yasuoka
photo:Makoto.AYANO
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