2015/02/11(水) - 20:53
昨年JBCFエリートツアーで9勝を挙げ、年間団体総合優勝に輝いたHonda栃木。今年9名体制でJプロツアーに挑むチームの歴史や変遷、そしてこれからについて、小林一郎監督によるレポートを中心にお伝えする。
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンターのクラブのひとつである自転車同好会を母体とする「Honda 栃木」。昨年のJエリートツアーでは計9勝を挙げ年間団体総合優勝に輝いたことでJプロツアーに昇格した。昨年Jエリートツアーで8勝を上げた川田優作以下9名体制で新シーズンに臨む。
機材はコーダーブルームから提供を受け、チームジャージにあわせたオリジナルカラーモデルを使用するという。以下に、小林一郎監督によるチームの変遷とクラブチームとしての活躍、そしてこれからについて記したレポートを紹介する。
1991年宇都宮で行なわれた世界選手権の翌年、株式会社本田技術研究所 栃木研究所(現・四輪R&Dセンター)において、社内のレクレーション団体「研友会」のクラブとして「Honda R&D 栃木」は立ち上がりました。ホビー、実業団レースなど活発にしていましたが、主要メンバーの離脱等で次第に活動が沈静化し、活動が少なくなったことから2009年に同好会へ降格してしまいます。
同好会ではあったものの徐々にメンバーが加入し、再び練習が活発になります。新メンバーの大半は初心者でしたが、お互いが切磋琢磨しホビーレースで上位を狙えるまでになりました。やがて実業団に挑戦したいとの声が出始め、2011年より再度参戦。しかしこの年の3月に東日本大震災の影響で会社が大きなダメージを受けたこともあり十分な活動ができませんでした。一年目の成績は団体総合52位にとどまります。
2012年はようやく会社もある程度復旧し、徐々にチームとしての活動が復活。実業団レースでも力のあるメンバーは上位を伺えるようになり、団体総合は24位に。
このころから栃木地区にいる本田技術研究所以外のHonda従業員が加わったことでチーム名を「Honda 栃木」に変更します。2013年も力のあるメンバーは実業団レースで上位のリザルトを残し、団体総合13位に。ここに同好会のメンバーでHonda栃木以外で活動しているメンバーのポイントも加えると計算上は5位でした。
これを受けてシーズン終了後の忘年会でキャプテン小林から、JETで1位を獲ろう!との提案がありました。各メンバーもモチベーションを維持するためにも新たな目標が必要だったこともあり、その場の勢いも手伝って2014年、JBCF JETで団体TOPを狙う事を決めたのでした。
初戦は地元開催となる宇都宮クリテリウム。チーム戦が行いやすく、得意の平坦コースであったため、初戦優勝を目標に取り組んだ結果、優勝という幸先の良いスタートを切ることができました。その後は、登坂コースはライバルチーム、平地はHondaという図式で競り合い、総合はシーズン最終戦までもつれることに。しかし最終戦ではエース川田が優勝し、念願かなってHonda栃木が年間団体総合優勝の栄冠を勝ち取りました。
チームの原点は耐久レースにあります。チーム一丸となって取り組み、レースごとの様々なドラマでには何度も感動を覚えました。2011年はスズカエンデューロでのゴールライン上での差し切り優勝。筑波8耐ではラスト10分での逆転優勝と毎回感動するドラマが待っていました。耐久レースでは強いメンバーで毎回優勝を狙うのではなく、まだ優勝を経験していないメンバーを優勝させる事をチーム目標としています。2013年は筑波8耐で初となる45歳以上のチームで総合優勝できました。
JBCFでは、竹芝サイクルレーシングとのチーム戦も記憶に残るものでした。お互いアタックしたり潰したり。まるでプロのレースのような展開。Honda 栃木の理想とするチームがここにあると感じたのです。チーム一丸となって勝利を目指した結果、川田が8勝、山口が1勝と計9勝を得ることが出来たと考えています。
当チームでは、年長のチーム員が、努力している若いメンバーや新人メンバーのために惜しみないサポートを行うのが習慣です。そんな姿を普段から見ているためか、自然と皆がアシストを買って出る雰囲気があります。これからも今まで通りチームとして、成長・進化を続けていきたい。仲間のために働くことを厭わず、アシストを進んで行う事ができるチームを目指していきたいと考えています。
ちなみに私、現自転車同好会長(監督)を務める小林の自己紹介をしておきます。自転車部時代からの古株で、書類上は2011年にJBCFに参戦した当時からJエリートツアーの監督を務めていました。昨年優勝後は、メディア対応等で実務が急増。改めてチーム員からの推薦もあり名実共に?監督と決まりました。チームの活動がガチガチの勝利追及型では練習等の活動が長続きせず、早々に自転車を嫌いになってしまうので、苦しくても楽しい!と感じていられるようにチームを煽ったり、優しくしたり。ちなみに、職場での有休を取りやすくするため、会社に向けてチーム・メンバーの露出を多くして会社内での理解を深めることも監督業の一つだったりします。
力的には他のチームに対してまだまだ及ばないところもあると考えます。メンバーの大半は平地の方が得意ですが、チームでどれだけ後半に力を残し、最後に展開を作れるかが重要になってきます。応援してくれている大勢の方ためにも、何とか数戦、上位に食い込みたいと考えています。
最後にエース、川田選手の意気込みを紹介します。
今年度より社会人としての生活が始まり、今までのように練習時間を確保することが難しくなります。弱点となっているスタミナや登坂力を強化することよりも、得意なスプリント力やインターバル能力に磨きをかけることで、クリテリウムに焦点を絞り結果を残したい。
就職後の研修で4・5月のレース参戦が厳しい状況にあるため、開幕戦である宇都宮クリテリウムだけに賭ける覚悟で表彰台(3位以内)を目指したい。さらにシーズン後半には研修が終わりレースに参戦できるようになるため、美浜や大分クリテでも10位以内に入れるよう努力したい。
Honda栃木チーム概要
監督:小林一郎
小林宏志(キャプテン)(2014J エリートツアー総合3位)
川田優作(2014Jエリートツアー総合優勝)
水間健 (2014Jエリートツアー総合9位)
河合貴明
福本滝男(兼任コーチ)
平野宏明
山口恒太郎
山西健司
渡邉優介
使用機材:フレーム: KhodaaBloom Farna PRO
チーム協賛スポンサー:パシフィックスポーツプラザ、WAVE ONE、オージーケーカブト、WAKO'S、SUCCEED、ミナト製薬(TOP SPEED、PowerBar)、ツナカワサイクル、ギャラリー懐風
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンターのクラブのひとつである自転車同好会を母体とする「Honda 栃木」。昨年のJエリートツアーでは計9勝を挙げ年間団体総合優勝に輝いたことでJプロツアーに昇格した。昨年Jエリートツアーで8勝を上げた川田優作以下9名体制で新シーズンに臨む。
機材はコーダーブルームから提供を受け、チームジャージにあわせたオリジナルカラーモデルを使用するという。以下に、小林一郎監督によるチームの変遷とクラブチームとしての活躍、そしてこれからについて記したレポートを紹介する。
1991年宇都宮で行なわれた世界選手権の翌年、株式会社本田技術研究所 栃木研究所(現・四輪R&Dセンター)において、社内のレクレーション団体「研友会」のクラブとして「Honda R&D 栃木」は立ち上がりました。ホビー、実業団レースなど活発にしていましたが、主要メンバーの離脱等で次第に活動が沈静化し、活動が少なくなったことから2009年に同好会へ降格してしまいます。
同好会ではあったものの徐々にメンバーが加入し、再び練習が活発になります。新メンバーの大半は初心者でしたが、お互いが切磋琢磨しホビーレースで上位を狙えるまでになりました。やがて実業団に挑戦したいとの声が出始め、2011年より再度参戦。しかしこの年の3月に東日本大震災の影響で会社が大きなダメージを受けたこともあり十分な活動ができませんでした。一年目の成績は団体総合52位にとどまります。
2012年はようやく会社もある程度復旧し、徐々にチームとしての活動が復活。実業団レースでも力のあるメンバーは上位を伺えるようになり、団体総合は24位に。
このころから栃木地区にいる本田技術研究所以外のHonda従業員が加わったことでチーム名を「Honda 栃木」に変更します。2013年も力のあるメンバーは実業団レースで上位のリザルトを残し、団体総合13位に。ここに同好会のメンバーでHonda栃木以外で活動しているメンバーのポイントも加えると計算上は5位でした。
これを受けてシーズン終了後の忘年会でキャプテン小林から、JETで1位を獲ろう!との提案がありました。各メンバーもモチベーションを維持するためにも新たな目標が必要だったこともあり、その場の勢いも手伝って2014年、JBCF JETで団体TOPを狙う事を決めたのでした。
初戦は地元開催となる宇都宮クリテリウム。チーム戦が行いやすく、得意の平坦コースであったため、初戦優勝を目標に取り組んだ結果、優勝という幸先の良いスタートを切ることができました。その後は、登坂コースはライバルチーム、平地はHondaという図式で競り合い、総合はシーズン最終戦までもつれることに。しかし最終戦ではエース川田が優勝し、念願かなってHonda栃木が年間団体総合優勝の栄冠を勝ち取りました。
チームの原点は耐久レースにあります。チーム一丸となって取り組み、レースごとの様々なドラマでには何度も感動を覚えました。2011年はスズカエンデューロでのゴールライン上での差し切り優勝。筑波8耐ではラスト10分での逆転優勝と毎回感動するドラマが待っていました。耐久レースでは強いメンバーで毎回優勝を狙うのではなく、まだ優勝を経験していないメンバーを優勝させる事をチーム目標としています。2013年は筑波8耐で初となる45歳以上のチームで総合優勝できました。
JBCFでは、竹芝サイクルレーシングとのチーム戦も記憶に残るものでした。お互いアタックしたり潰したり。まるでプロのレースのような展開。Honda 栃木の理想とするチームがここにあると感じたのです。チーム一丸となって勝利を目指した結果、川田が8勝、山口が1勝と計9勝を得ることが出来たと考えています。
当チームでは、年長のチーム員が、努力している若いメンバーや新人メンバーのために惜しみないサポートを行うのが習慣です。そんな姿を普段から見ているためか、自然と皆がアシストを買って出る雰囲気があります。これからも今まで通りチームとして、成長・進化を続けていきたい。仲間のために働くことを厭わず、アシストを進んで行う事ができるチームを目指していきたいと考えています。
ちなみに私、現自転車同好会長(監督)を務める小林の自己紹介をしておきます。自転車部時代からの古株で、書類上は2011年にJBCFに参戦した当時からJエリートツアーの監督を務めていました。昨年優勝後は、メディア対応等で実務が急増。改めてチーム員からの推薦もあり名実共に?監督と決まりました。チームの活動がガチガチの勝利追及型では練習等の活動が長続きせず、早々に自転車を嫌いになってしまうので、苦しくても楽しい!と感じていられるようにチームを煽ったり、優しくしたり。ちなみに、職場での有休を取りやすくするため、会社に向けてチーム・メンバーの露出を多くして会社内での理解を深めることも監督業の一つだったりします。
力的には他のチームに対してまだまだ及ばないところもあると考えます。メンバーの大半は平地の方が得意ですが、チームでどれだけ後半に力を残し、最後に展開を作れるかが重要になってきます。応援してくれている大勢の方ためにも、何とか数戦、上位に食い込みたいと考えています。
最後にエース、川田選手の意気込みを紹介します。
今年度より社会人としての生活が始まり、今までのように練習時間を確保することが難しくなります。弱点となっているスタミナや登坂力を強化することよりも、得意なスプリント力やインターバル能力に磨きをかけることで、クリテリウムに焦点を絞り結果を残したい。
就職後の研修で4・5月のレース参戦が厳しい状況にあるため、開幕戦である宇都宮クリテリウムだけに賭ける覚悟で表彰台(3位以内)を目指したい。さらにシーズン後半には研修が終わりレースに参戦できるようになるため、美浜や大分クリテでも10位以内に入れるよう努力したい。
Honda栃木チーム概要
監督:小林一郎
小林宏志(キャプテン)(2014J エリートツアー総合3位)
川田優作(2014Jエリートツアー総合優勝)
水間健 (2014Jエリートツアー総合9位)
河合貴明
福本滝男(兼任コーチ)
平野宏明
山口恒太郎
山西健司
渡邉優介
使用機材:フレーム: KhodaaBloom Farna PRO
チーム協賛スポンサー:パシフィックスポーツプラザ、WAVE ONE、オージーケーカブト、WAKO'S、SUCCEED、ミナト製薬(TOP SPEED、PowerBar)、ツナカワサイクル、ギャラリー懐風
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