2014/12/29(月) - 14:37
イギリス・ロンドン発のロードウェアブランドRapha(ラファ)が、AW 2014/15のコレクション撮影を日本で敢行した。ラファの創業時からブランドの写真を担うフォトグラファーのベン・インガムが捉えた、日本という西欧から遠く隔たった島国の冬。ライダーにとって過酷な季節ながら、美しい瞬間で満ちあふれていることに気づかされる写真たち。ストーリーとともに紹介します。
日本の冬 The Winter in japan
text:Kenji Yamada
photo: Ben Ingham
日本ほど、古い歴史と現代性が見事に融合した国は他にはありません。21世紀の現代的都市と、昔とほとんど変わらない生活を続けている田舎の村との間で、その違いが最も顕著に表れます。都市に住む都会人は、先進国の中でもとりわけ最先端の快適性や利便性を享受しています。
時速320キロの速さで走る新幹線は、日本の優れたハイテク技術を代表する乗り物であり、速さだけでなく、抜群の安全性を誇ります。
日本の街角のあちこちに見られる自動販売機は、新幹線ほどのインパクトはなくとも、日本の優れた技術を象徴する便利さの権化。日本国内には約500万台の自動販売機が設置されており、国土面積あたりの台数が世界で最も多いとされています。
しかし、一歩街を離れ、山奥の村へと足を踏み入れると、その風景は一変します。12月から2月にかけて、シベリアからの冷たい風が、太平洋からの湿った空気と山頂で混じり合い、周辺の山里を雪で覆います。山里に住む人々は、気温は0度を大きく下回る、長く厳しい冬に備えて万全の準備をしなければいけません。
厳しい冬を乗り切るための秘訣は、細やかな気配りにあります。冬の寒さから乳児を守るために、厚目のアシを使って織り上げた嬰児籠(えじこ)と呼ばれるベビーベッドから、食品を凍結乾燥して保存する「雪中貯蔵庫」まで、冬の到来に向けて、厳しい季節を生き延びるための準備が必要となります。
マタギに見るディティールへのこだわり
冬場に日本の伝統的な手法で狩りを行うマタギの歴史は平安時代にまで遡り、その軽快な身のこなしと臨機応変な行動により、狩りを芸術の域まで引き上げました。現在、天然記念物に指定されているニホンカモシカなどの野生の生き物を探し、山の奥深くへと分け入ります。マタギは猟犬として秋田犬を連れて行きますが、ここにも彼らのディテールへの気配りが見られます。秋の落ち葉の季節には茶色い毛の秋田犬を、雪に覆われた冬の季節には白い犬を選び、風景に自然と溶け込むよう工夫するのです。
冬眠中のクマが眠る洞窟へと入る際には、マタギ熊槍と呼ばれる3メートル(10フィート)もの長さの槍を使用しますが、移動中となると狩りの後で採取した緑の木の枝を柄にしたナガサと呼ばれるナイフのみを携行します。日本の山村で使用されるこうした小さな道具類は、山樵(さんしょう)用具と呼ばれ、余分なものを省き、最低限必要なもののみを身につけるという哲学を象徴しています。
冬のライドにおいて、必要最低限な装備を選び抜くのはそれ自体経験を必要とするものです。そして装備には絶対の信頼を置ける堅牢性、機能性が求められます。一切の妥協を排したRaphaのウインターウェアは、厳冬期がライドに出る最高の季節であることを保証します。
Rapha この冬におすすめしたいウインターウェアセレクション
ハイテンポなトレーニングやレースのために開発されたPro Teamコレクションの長袖ジャージ。やや薄手の裏起毛ジャージは高いフィット感が特徴で、ハードなライドにも対応する。チームスカイの選手が春先のトレーニングでも着用するのと同じモデルで、その性能は折り紙付き。これからの季節にはジャケットのインナーとして活躍する。
サイクリング大国を祝して製作されるカントリージャージ。2014年の秋冬、ロングスリーブ版はイタリアとコロンビア、そして日本をフィーチャー。日本のジャージは、ツール・ド・フランスに初めて出場した日本人である川室競のストーリーがデザインインスピレーションになっており、そのストーリーラベルがジャージの内側に縫い込まれている。スポーツウール製で冷える季節にはミッドレイヤーとして、春先にはアウターとして着ることのできる汎用性の高い一着。
レーサーが遠征の移動時(Transfer)に着用するウェアがモチーフとなるTransferコレクションから、普段着として着用できるジレ(ベスト)が登場。ダウンベストのように着ることができ、レースの観戦から日常まで広く活用できる一着。PrimaLoft素材が温かい。
メリノウールの素材としての良さが光るビーニーキャップ。ヘルメットの下に着用できる薄さながら高い保温性で冬のライドをサポートする。リバーシブルで、ブラック一色でもカラーキャップとしても楽しむことができる。激しいライドで頭部が発熱しても、オーバーヒートせず、また汗で頭が冷えないのは天然素材のメリノウールならでは。
RaphaのベストセラーとなったBrevet Jerseyの女性版が今シーズン新たにデビュー。高視認性のジレが付属し、その名の通りロングライドに対応するポケット配置と、暗がりでの視認性の高さは冬のライドの強い味方に。
女性のためのカッティングを追求したSouplesse(スープレス)コレクションは、高いフィット感と最新の生地で快適かつスポーティなライドをサポートする。裏起毛の薄手の長袖ジャージとなる本着は、春秋にはアウターとして、今の時期にはジャケットの下に着るミッドレイヤーとして、3シーズン着回すことの出来る汎用性の高いジャージ。
Raphaでは現在ウインターセールを開催中だ。ここに紹介したウェア類の他、ブランドの定番品まで通常価格から大幅なプライスダウンとなるこの機会を活用したい。
その他にも冬のライドに心強いアクセサリーや、春先まで使える汎用性の高い製品がセール対象となっている。まだ寒さの続く日本列島、うまく必要なアイテムをチョイスしたい。
text:Kenji Yamada
photo: Ben Ingham
日本ほど、古い歴史と現代性が見事に融合した国は他にはありません。21世紀の現代的都市と、昔とほとんど変わらない生活を続けている田舎の村との間で、その違いが最も顕著に表れます。都市に住む都会人は、先進国の中でもとりわけ最先端の快適性や利便性を享受しています。
時速320キロの速さで走る新幹線は、日本の優れたハイテク技術を代表する乗り物であり、速さだけでなく、抜群の安全性を誇ります。
日本の街角のあちこちに見られる自動販売機は、新幹線ほどのインパクトはなくとも、日本の優れた技術を象徴する便利さの権化。日本国内には約500万台の自動販売機が設置されており、国土面積あたりの台数が世界で最も多いとされています。
しかし、一歩街を離れ、山奥の村へと足を踏み入れると、その風景は一変します。12月から2月にかけて、シベリアからの冷たい風が、太平洋からの湿った空気と山頂で混じり合い、周辺の山里を雪で覆います。山里に住む人々は、気温は0度を大きく下回る、長く厳しい冬に備えて万全の準備をしなければいけません。
厳しい冬を乗り切るための秘訣は、細やかな気配りにあります。冬の寒さから乳児を守るために、厚目のアシを使って織り上げた嬰児籠(えじこ)と呼ばれるベビーベッドから、食品を凍結乾燥して保存する「雪中貯蔵庫」まで、冬の到来に向けて、厳しい季節を生き延びるための準備が必要となります。
冬場に日本の伝統的な手法で狩りを行うマタギの歴史は平安時代にまで遡り、その軽快な身のこなしと臨機応変な行動により、狩りを芸術の域まで引き上げました。現在、天然記念物に指定されているニホンカモシカなどの野生の生き物を探し、山の奥深くへと分け入ります。マタギは猟犬として秋田犬を連れて行きますが、ここにも彼らのディテールへの気配りが見られます。秋の落ち葉の季節には茶色い毛の秋田犬を、雪に覆われた冬の季節には白い犬を選び、風景に自然と溶け込むよう工夫するのです。
冬眠中のクマが眠る洞窟へと入る際には、マタギ熊槍と呼ばれる3メートル(10フィート)もの長さの槍を使用しますが、移動中となると狩りの後で採取した緑の木の枝を柄にしたナガサと呼ばれるナイフのみを携行します。日本の山村で使用されるこうした小さな道具類は、山樵(さんしょう)用具と呼ばれ、余分なものを省き、最低限必要なもののみを身につけるという哲学を象徴しています。
冬のライドにおいて、必要最低限な装備を選び抜くのはそれ自体経験を必要とするものです。そして装備には絶対の信頼を置ける堅牢性、機能性が求められます。一切の妥協を排したRaphaのウインターウェアは、厳冬期がライドに出る最高の季節であることを保証します。
Pro Team Long Sleeve Jersey
ハイテンポなトレーニングやレースのために開発されたPro Teamコレクションの長袖ジャージ。やや薄手の裏起毛ジャージは高いフィット感が特徴で、ハードなライドにも対応する。チームスカイの選手が春先のトレーニングでも着用するのと同じモデルで、その性能は折り紙付き。これからの季節にはジャケットのインナーとして活躍する。
Long Sleeve Country Jersey
サイクリング大国を祝して製作されるカントリージャージ。2014年の秋冬、ロングスリーブ版はイタリアとコロンビア、そして日本をフィーチャー。日本のジャージは、ツール・ド・フランスに初めて出場した日本人である川室競のストーリーがデザインインスピレーションになっており、そのストーリーラベルがジャージの内側に縫い込まれている。スポーツウール製で冷える季節にはミッドレイヤーとして、春先にはアウターとして着ることのできる汎用性の高い一着。
Transfer Gilet
レーサーが遠征の移動時(Transfer)に着用するウェアがモチーフとなるTransferコレクションから、普段着として着用できるジレ(ベスト)が登場。ダウンベストのように着ることができ、レースの観戦から日常まで広く活用できる一着。PrimaLoft素材が温かい。
Merino Hat
メリノウールの素材としての良さが光るビーニーキャップ。ヘルメットの下に着用できる薄さながら高い保温性で冬のライドをサポートする。リバーシブルで、ブラック一色でもカラーキャップとしても楽しむことができる。激しいライドで頭部が発熱しても、オーバーヒートせず、また汗で頭が冷えないのは天然素材のメリノウールならでは。
Women’s Long Sleeve Brevet Jersey
RaphaのベストセラーとなったBrevet Jerseyの女性版が今シーズン新たにデビュー。高視認性のジレが付属し、その名の通りロングライドに対応するポケット配置と、暗がりでの視認性の高さは冬のライドの強い味方に。
Women's Long Sleeve Souplesse Jersey
女性のためのカッティングを追求したSouplesse(スープレス)コレクションは、高いフィット感と最新の生地で快適かつスポーティなライドをサポートする。裏起毛の薄手の長袖ジャージとなる本着は、春秋にはアウターとして、今の時期にはジャケットの下に着るミッドレイヤーとして、3シーズン着回すことの出来る汎用性の高いジャージ。
Raphaでは現在ウインターセールを開催中だ。ここに紹介したウェア類の他、ブランドの定番品まで通常価格から大幅なプライスダウンとなるこの機会を活用したい。
その他にも冬のライドに心強いアクセサリーや、春先まで使える汎用性の高い製品がセール対象となっている。まだ寒さの続く日本列島、うまく必要なアイテムをチョイスしたい。