2回目のさいたまクリテリウム開催を翌日に控えた10月24日。コースの一部となるさいたまスーパーアリーナにてニーバリ、フルーム、新城、イノー氏ら豪華ゲストを迎えてのJ sports前夜祭が開催された。早くも熱気高まるさいたま新都心の様子と共にレポートする。



さいたまスーパーアリーナで開催された「我らワールドのツール・ド・フランス観戦塾~さいたまクリテリウム直 前スペシャル~」さいたまスーパーアリーナで開催された「我らワールドのツール・ド・フランス観戦塾~さいたまクリテリウム直 前スペシャル~」
10月24日の夜に開催されたJsports主催の前夜祭。「我らワールドのツール・ド・フランス観戦塾~さいたまクリテリウム直前スペシャル~」と題したこのイベントは、ロードレース中継でお馴染みサッシャさんと栗村修さんのコンビを進行役に、さいたまクリテリウムに出場する有力ライダーを招いてトークショーを行うというものだ。

進行役を務めたサッシャさんと栗村修さんのお馴染み「我らワールド」コンビ進行役を務めたサッシャさんと栗村修さんのお馴染み「我らワールド」コンビ このプレミアムなイベントに参加したのは事前に抽選で選ばれた約300名のラッキーなファンたち。まずは、選手登場に先立って、ベルナール・イノー氏よりツール・ド・フランス2015のコースプレゼンテーションが開催された。「中々良いコース」と自信を見せたイノー氏は、「序盤は風、後半は山。加えて海沿いの風やチームTTが勝負を左右するだろう。ニーバリもそうだが、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ら若手クライマーにもチャンスがある」と分析する。

ツール2015のコースプレゼンテーションを行ったベルナール・イノー氏ツール2015のコースプレゼンテーションを行ったベルナール・イノー氏 そして、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)、ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)、ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)、マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)にサプライズゲストの新城幸也(ユーロップカー)を加えた6名が翌日のクリテリウムよりも一足早くファンの前に登場した。以下、今年のツールの振り返りやツール2015の展望、クリテリウムについての抱負など各選手のコメント紹介しよう。

ニーバリ「今年のツールを勝てたことについては、言葉にできないほど嬉しかった。2012年には3位でフィニッシュしているけど、やっぱり格別。(第5ステージの石畳については)不思議と怖くなかった。トレーニングしていくうちにどんどんと慣れてきた。来年ではないけど、いつかパリ~ルーベとロンド・ファン・フラーンデレンで勝ちたいね。

来年のツールについては1周目がハードだけど、勝負が決まるのは3種目の山岳。コンタドールやフルームがライバルになるだろう。(マイヨ・ジョーヌとしてさいたまクリテに出走することについて)明日の展開については予測できない。大勢の観客が沿道に詰めかけるだろうからちょっと心配だけど、慣れているから大丈夫だと思う。」

クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) サプライズゲストとして登場した新城幸也(ユーロップカー)サプライズゲストとして登場した新城幸也(ユーロップカー)

ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール) マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) ラファル・マイカ(ティンコフ・サクソ)ラファル・マイカ(ティンコフ・サクソ)


新城「これまでのツールの中で、こんなに天気が悪かったのは初めてだったけど、新しい体験ができた。来季はツール・ダウンアンダーからシーズンインして、最初から勝ちを狙っていく。ここ2年、チームとしてツールでは目立った結果が残せていないので、ピエール・ロラン(jフランス)にまたステージ優勝して貰えればと思う。さいたまクリテについては去年大きな声援を貰ったことを今でもはっきり覚えているし、再びを走れることを嬉しく思う。明日も頑張ります。」

約300名のファンが参加した約300名のファンが参加した フルーム「今年のツールは残念な結果だったけど、ブエルタ・ア・エスパーニャで結果を残せたので、今シーズンはまずまずだと思う。来年のツールはTTが短くて個人的にはタフなのは確かで、ジロとブエルタを狙うって報道されているみたいだけど、まだ何も決まっていない。勝負はやっぱり山岳で決まるだろうし、もし出場するとなればニーバリ、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)、キンタナがライバルになるだろう。明日は(隣に座る)キッテルみたいに頑張りたいね(笑)」

自作の応援ボードを持参して参加した方も自作の応援ボードを持参して参加した方も サガン「今年はステージ優勝できなかったけど、マイヨヴェールは獲得できたから良かった。来年のコースはまだ見てないんだけど、コンタドールと走ることについては問題ないと思うし、むしろエキサイティングだと感じている。また日本でレースできることについては幸せに感じるし、とにかくファンが素晴らしんだ。ただ、レース前に勝つと宣言すると酷い目に遭うから優勝宣言は控えるよ。」

キッテル「今年のツールでは4つのステージを勝つことができたけど、やはりマイヨヴェールが欲しい。来年のコースを未だ試走していないから何ともいえないけど、来年もポイント賞を狙っていくよ。さいたまクリテは昨年に続いての2回目で、コース自体は自分向き。アリーナの中を通るなんてすごいね。明日も昨年みたいにファンのみんなに沿道を埋め尽くして欲しい」

マイカ「ツールはコンタドールのリタイアがとにかく残念だったし、本当は彼に勝って欲しかった。(ポーランド国内での自転車人気について)ミカル・クヴィアトコウスキー(オメガファーマ・クイックステップ)が世界選手権を勝って、僕もツールで山岳賞を獲得したけど、サッカーには負けてる(笑)。明日はスプリンター向きだけど、ファンのために頑張るよ」

最も高価な盆栽を当てるコンテストで真剣に見定める選手たち最も高価な盆栽を当てるコンテストで真剣に見定める選手たち 多くの参加者がカメラを構えて、あこがれのスター選手を写真に収めていた多くの参加者がカメラを構えて、あこがれのスター選手を写真に収めていた

昼間の交流会に続き習字大会が開催された昼間の交流会に続き習字大会が開催された 最も達筆なゲストに選ばれたペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)がハッピジョーヌを獲得最も達筆なゲストに選ばれたペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)がハッピジョーヌを獲得


トークショーの間には「さいたま王決定戦」と題したゲーム大会が行われた。全3ステージで争われ、最初の2ステージは「正しいさいたま市の形は?」「目の前に並べられた盆栽の中で最も高価なのは?」とクイズ形式で勝負。盆栽を写真に収めていたニーバリは「おみやげとして盆栽を持ち帰ってみては?」という問にたいして「とりあえず奥さんに電話しないと」と答え会場内の笑いを誘った。

最後の第3ステージは習字で対決。お決まりの一発逆転可能なポイント設定とされ、達筆を披露したサガンが優勝し、さいたま王として「ハッピジョーヌ」をゲット。そしてあっという間に定刻の1時間を過ぎ、イベントはお開き。選手たちは明日に備えてホテルへと帰っていった。



スーパーアリーナ内特設コースがお披露目 さいたま新都心は準備万全

アリーナ内特設コースを観察する参加者の皆さんアリーナ内特設コースを観察する参加者の皆さん
前夜祭の開催に先立って、今年のさいたまクリテリウムの目玉の一つであるさいたまスーパーアリーナ内のコースが報道陣にお披露目された。主催者によれば距離160mで、幅は5.5m。屋内へは直角コーナー経て突入するが、床にはスリップ防止のためにゴムシートが敷いてあり、晴天であれば安全性は高そう。

一部からは落車を危惧する声も聞こえたが、イベント開始前に囲み取材に応じた栗村さんは「パヴェやイタリアの細い路地でレースしている選手たちにとっては問題ない」とコメント。実際に選手からも歓迎する声が多く聞かれる。なおレース当日、スーパーアリーナ内では約2,000人の招待者が観戦するとのこと。他にもコース周辺では着々と準備が進んでおり、JRさいたま新都心駅の改札口には大きな大会公式フラッグがはためいていたりと徐々に熱気高まっている。

線路沿いの道を曲がってアリーナ内へと進入する線路沿いの道を曲がってアリーナ内へと進入する さいたまスーパーアリーナ内特設コースの全景さいたまスーパーアリーナ内特設コースの全景

JRさいたま新都心駅も準備万端JRさいたま新都心駅も準備万端 今年はどんなレースが繰り広げられるのだろうか今年はどんなレースが繰り広げられるのだろうか


昨年は台風で開催が危ぶまれながらも、蓋を開ければ20万人が沿道に詰めかけたさいたまクリテリウム。今年の天気予報は終日晴天で降水確率は0%。果たしてどんなレースが繰り広げられるのか、さいたまを走るツールのスターたちから目が離せない。

text&photo:Yuya.Yamamoto

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