2014/10/22(水) - 09:19
ジャパンカップ終了から数時間後、選手たちが宿泊する宇都宮市街のホテルにてキャノンデールプロサイクリングのアフターパーティーが開催された。チームとして最後のレースを沸かせた5名の選手たちと、グリーンのウェアを着た多くのファンが交流し、大いに盛り上がったイベントの模様をレポートする。
ジャパンカップの興奮冷めやらぬレース当日の夜。選手たちが宿泊する宇都宮市街のホテルにて、キャノンデール・ジャパンが主催する毎年恒例のキャノンデールプロサイクリング アフターパーティが開催された。イタリアロードレース界を支える5名の実力派ライダーが参加するとあって、会場には熱心なファンが集結。そして参加者のほとんどがレプリカジャージあるいはキャノンデール・ジャパンが用意したJCオリジナルTシャツを着用してきたことから会場一面はグリーンに染まった。
そして、ファンの歓声と共にダヴィデ・フォルモロ、パオロ・ロンゴボルギーニ、マルコ・マルカート、モレーノ・モゼール、 クリスティアーノ・サレルノという5名選手に、アルベルト・ヴォルピ監督、メカニックのモレノ・バッキオンさん、マッサーのルガーノ・モーロさんという3名のチームスタッフを加えた計8名が会場に到着。ちなみに今回のキャノンデールプロサイクリングJCメンバーは全員がイタリア国籍だ。
パーティーはキャノンデール・ジャパンの池田新GMによる挨拶、そして弱虫ペダル作者の渡辺航先生による乾杯の音頭と共にスタート。進行役を務めたのは、レース当日も会場で実況を担当したお馴染み白戸太朗さんで、軽快なMCトークと共に雰囲気を盛り上げる。そして選手が1人ずつ登壇してのトークショーが行われ、その内容はレースの感想から日本の印象、更にはプライベートなことにまで及んだ。
1番手は昨年スタジエ(研修生)として来日し、今年は正規メンバーとしてジャパンカップに帰ってきたフォルモロ。「とてもタフだけど美しいコースで、沢山のファンが応援に駆けつけてくれたので、とても楽しかった。結果的にはもうちょっとだったから、また来年挑戦したいね」と甘いマスクから笑顔を覗かせら語った。
続いては、献身的なアシストでチームを支えるロンゴボルギーニ。バルロワールド時代のツアー・オブ・ジャパン参戦以来2回目の来日となるチーム最年長の33歳は9月のブエルタ・ア・エスパーニャと比較して「観客の数は2倍ぐらいかな?ウェルカムな雰囲気とビューティフルなコースが気に入ったよ」とコメント。同時に「東京を観光したいけど、明日は朝早くの便で帰らなくては…。遠征にいっても直ぐに移動することが多いからどうにかして欲しいよ」と本音を漏らした。
クリテリウムでは3回あるスプリント賞のうちの2回を獲得したマルカートは「クリテについては体調不良で最後まで体力が保たなかったけど、ベストを尽くすことはできた」と日本での初レースを振り返る。そして「昨日今日の盛り上がりはツールと比較しても遜色ない。もっと日本にも大きなレースイベントが増えて欲しい」と国内レースシーンの更なる発展に期待を表した。
「惜しい。もうちょっとだった。だから次回こそは勝ちたい。」とジャパンカップを振り返るのは、最後の古賀志でアタックを仕掛けて残り1kmまで独走したモゼール。実はとても親日家な様で「スシがとても好きなんだ。イタリアに居る時でもパスタよりスシを食べることが多いんだ。でも今回の来日では未だ食べることが出来ていないんだけどね」と打ち明けると、「それは日本人が日本でパスタを食べて満足しているのと同じで、ちゃんと本場で食べなきゃ」と白戸さん。最後はおじであるフランチェスコ・モゼールについて「おじはとても偉大な選手。だけど『フランチェスコの甥っ子』としてではなく1人の有力なサイクリストに成長して、おじを越える存在になりたい」と語った。
2010年のツアー・オブ・ジャパンで総合優勝を果たし、今回が4回目の来日となったサレルノ。レースのことよりも真っ先に「このあと東京に行きたいんだけど、残念ながら明日早朝の便で日本を発たなきゃならないんだ」とやや寂しげな表情を見せる。「またジャパンカップに来て、今度こそはゆっくりと時間をとって観光したいね」と締めた。
トークショーの後は暫しのフリータイムで、多くのファンが選手・スタッフの座るテーブルを囲んで、一緒に記念撮影したり、サインをもらったり、おしゃべりしたりと思い思いに楽しい時間を過ごす。そして中には日本ならではのお土産をプレゼントするファンの方も。
特に選手たちの興味を引いたのが「けん玉」で、中でもフォルモロはパーティーにも関わらずかなーり真剣になって練習を開始。ちなみに筆者が「ふりけん」や「飛行機」など中難易度の技をやって見せると、モゼールやヴォルピ監督までもが1つしかないけん玉を奪い合って見よう見まねで技の練習を繰り返し始めた。そんな負けん気の強さが、キャノンデールの活躍の源なのだろう。
そんなチームの「本気」はフリータイムの後に行われたファンとの綱引き対決でも。参加者が4チームに分かれて、トーナメント方式で勝ち上がった1チームが選手・スタッフと対決できるというもで、モゼールを筆頭に”キツいレースで全力を出し切ったはずなのにどこに体力を残しておいたんだ?”とツッコミたくなるほどガチで勝負。一気に会場のボルテージは最高潮に。これまで数回キャノンデール・ジャパン主催のパーティーに参加した方に話を聞くと、今回がイチバンの盛り上がりだったそうだ。
この後、選手たちがレースに実際にレースで使用したゼッケン付きのジャージが当たる抽選会が行われ、2時間のパーティーはあっという間にお開き。オフシーズンの始まりを祝う様に、5人のイタリアンライダーたちは夜の宇都宮市街へと繰り出していった。
さて、リクイガス時代を含め長きに渡ってトップチームとして君臨してきた現キャノンデールプロサイクリングだが、ジャパンカップが現体制での最後のレースとなった。まだ決まったわけではないが、もし来シーズン、ライトグリーンのジャージがプロトンにいないとしたら、ちょっぴり寂しい気持ちになる人は今回参加したファンや筆者を含め日本には多く居るはず。そんなロードレースの現実に儚さを感じつつも、今回来日したメンバーが新天地でも活躍して、そして日本に帰ってくることを願いたい。
text&photo:Yuya.Yamamoto
フォトギャラリー(CW FaceBook)
ジャパンカップの興奮冷めやらぬレース当日の夜。選手たちが宿泊する宇都宮市街のホテルにて、キャノンデール・ジャパンが主催する毎年恒例のキャノンデールプロサイクリング アフターパーティが開催された。イタリアロードレース界を支える5名の実力派ライダーが参加するとあって、会場には熱心なファンが集結。そして参加者のほとんどがレプリカジャージあるいはキャノンデール・ジャパンが用意したJCオリジナルTシャツを着用してきたことから会場一面はグリーンに染まった。
そして、ファンの歓声と共にダヴィデ・フォルモロ、パオロ・ロンゴボルギーニ、マルコ・マルカート、モレーノ・モゼール、 クリスティアーノ・サレルノという5名選手に、アルベルト・ヴォルピ監督、メカニックのモレノ・バッキオンさん、マッサーのルガーノ・モーロさんという3名のチームスタッフを加えた計8名が会場に到着。ちなみに今回のキャノンデールプロサイクリングJCメンバーは全員がイタリア国籍だ。
パーティーはキャノンデール・ジャパンの池田新GMによる挨拶、そして弱虫ペダル作者の渡辺航先生による乾杯の音頭と共にスタート。進行役を務めたのは、レース当日も会場で実況を担当したお馴染み白戸太朗さんで、軽快なMCトークと共に雰囲気を盛り上げる。そして選手が1人ずつ登壇してのトークショーが行われ、その内容はレースの感想から日本の印象、更にはプライベートなことにまで及んだ。
1番手は昨年スタジエ(研修生)として来日し、今年は正規メンバーとしてジャパンカップに帰ってきたフォルモロ。「とてもタフだけど美しいコースで、沢山のファンが応援に駆けつけてくれたので、とても楽しかった。結果的にはもうちょっとだったから、また来年挑戦したいね」と甘いマスクから笑顔を覗かせら語った。
続いては、献身的なアシストでチームを支えるロンゴボルギーニ。バルロワールド時代のツアー・オブ・ジャパン参戦以来2回目の来日となるチーム最年長の33歳は9月のブエルタ・ア・エスパーニャと比較して「観客の数は2倍ぐらいかな?ウェルカムな雰囲気とビューティフルなコースが気に入ったよ」とコメント。同時に「東京を観光したいけど、明日は朝早くの便で帰らなくては…。遠征にいっても直ぐに移動することが多いからどうにかして欲しいよ」と本音を漏らした。
クリテリウムでは3回あるスプリント賞のうちの2回を獲得したマルカートは「クリテについては体調不良で最後まで体力が保たなかったけど、ベストを尽くすことはできた」と日本での初レースを振り返る。そして「昨日今日の盛り上がりはツールと比較しても遜色ない。もっと日本にも大きなレースイベントが増えて欲しい」と国内レースシーンの更なる発展に期待を表した。
「惜しい。もうちょっとだった。だから次回こそは勝ちたい。」とジャパンカップを振り返るのは、最後の古賀志でアタックを仕掛けて残り1kmまで独走したモゼール。実はとても親日家な様で「スシがとても好きなんだ。イタリアに居る時でもパスタよりスシを食べることが多いんだ。でも今回の来日では未だ食べることが出来ていないんだけどね」と打ち明けると、「それは日本人が日本でパスタを食べて満足しているのと同じで、ちゃんと本場で食べなきゃ」と白戸さん。最後はおじであるフランチェスコ・モゼールについて「おじはとても偉大な選手。だけど『フランチェスコの甥っ子』としてではなく1人の有力なサイクリストに成長して、おじを越える存在になりたい」と語った。
2010年のツアー・オブ・ジャパンで総合優勝を果たし、今回が4回目の来日となったサレルノ。レースのことよりも真っ先に「このあと東京に行きたいんだけど、残念ながら明日早朝の便で日本を発たなきゃならないんだ」とやや寂しげな表情を見せる。「またジャパンカップに来て、今度こそはゆっくりと時間をとって観光したいね」と締めた。
トークショーの後は暫しのフリータイムで、多くのファンが選手・スタッフの座るテーブルを囲んで、一緒に記念撮影したり、サインをもらったり、おしゃべりしたりと思い思いに楽しい時間を過ごす。そして中には日本ならではのお土産をプレゼントするファンの方も。
特に選手たちの興味を引いたのが「けん玉」で、中でもフォルモロはパーティーにも関わらずかなーり真剣になって練習を開始。ちなみに筆者が「ふりけん」や「飛行機」など中難易度の技をやって見せると、モゼールやヴォルピ監督までもが1つしかないけん玉を奪い合って見よう見まねで技の練習を繰り返し始めた。そんな負けん気の強さが、キャノンデールの活躍の源なのだろう。
そんなチームの「本気」はフリータイムの後に行われたファンとの綱引き対決でも。参加者が4チームに分かれて、トーナメント方式で勝ち上がった1チームが選手・スタッフと対決できるというもで、モゼールを筆頭に”キツいレースで全力を出し切ったはずなのにどこに体力を残しておいたんだ?”とツッコミたくなるほどガチで勝負。一気に会場のボルテージは最高潮に。これまで数回キャノンデール・ジャパン主催のパーティーに参加した方に話を聞くと、今回がイチバンの盛り上がりだったそうだ。
この後、選手たちがレースに実際にレースで使用したゼッケン付きのジャージが当たる抽選会が行われ、2時間のパーティーはあっという間にお開き。オフシーズンの始まりを祝う様に、5人のイタリアンライダーたちは夜の宇都宮市街へと繰り出していった。
さて、リクイガス時代を含め長きに渡ってトップチームとして君臨してきた現キャノンデールプロサイクリングだが、ジャパンカップが現体制での最後のレースとなった。まだ決まったわけではないが、もし来シーズン、ライトグリーンのジャージがプロトンにいないとしたら、ちょっぴり寂しい気持ちになる人は今回参加したファンや筆者を含め日本には多く居るはず。そんなロードレースの現実に儚さを感じつつも、今回来日したメンバーが新天地でも活躍して、そして日本に帰ってくることを願いたい。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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