2014/10/16(木) - 00:28
長崎県での国民体育大会が始まった。1日目は団体競技の決勝が行なわれ、4kmチームパーシュートは岐阜県が4分22秒437の大会新で優勝。チームスプリントは1分16秒993で岡山県が優勝。
今年の国民体育大会は長崎県で行われている。自転車競技のロードレースは壱岐市で、トラックレースは佐世保市(400m)が会場。ロードは台風のため中止となり、トラックは4日間の日程を3日間に短縮し、10月15日(水)から始まった。
中止となった壱岐でのロードレース
大会初日の10月13日(月)、長崎県壱岐市で行なわれる予定だった少年・成年ロードレースは、台風19号接近による悪天候のため中止となった。選手や関係者は事前に壱岐島へ渡っていたが、その後に壱岐島への船は欠航となり大会当日も建物が壊れる等の被害のあるほどの風雨で、開催中止は誰もがやむをえないと受け入れられる判断だった。
四半世紀続いている壱岐サイクルフェスティバルでロードレースが地元に根付いている土地柄。それでも市民の生活道路である公道を使う国体ロードレースは、準備に長い期間を要し関係機関との調整に多大の労力が必要。いっぽうで市民や子どもたちは精一杯の応援の体制を作ってこの日が来るのを待ちわびていた。地元の期待を背負って選ばれた選手たちも活躍する機会が失われてしまった。
都合3~4日間壱岐島に滞在した選手や関係者はそのぶん島内を巡り地元と交流し、移動日となった14日(火)の離岸時には、それを名残惜しむ声も多く聞かれた。準備を重ねてきたロードレースは開催されなかったが、選手らと地元に暖かい記憶が残ったのも確かだ。
チームスプリント決勝
日程短縮の影響で通常は予選上位4組が順位決定戦へ進むチームスプリントは、一発決勝のタイムレースで行なわれた。このチームスプリントと4kmチームパーシュートは成年と少年の合計9名から3名および4名が出場し、成年と少年の区別はない。1分16秒993のトップタイムで優勝したのは岡山県。今夏のインカレケイリン優勝の奥村論志(鹿屋体育大)、同1kmTTを1分03秒799の日本ジュニア記録で優勝の野上竜太(鹿屋体育大)そして岡野凌也(水島工高)の3人で達成。
川口敬二岡山県監督は「団体種目では県として初優勝で嬉しい。(奥村と野上の)不動の2走3走は決まっていたが1走は強化合宿を経て起用した。インカレが終わってから合わせの練習をし、期間が短かったが頑張った甲斐があった」と語る。団体種目は天皇杯得点が3倍になるのでどの県も強化の最重要種目だ。
4kmチームパーシュート決勝
日程短縮のためチームパーシュートも一発決勝のタイムレースに。最終組の岐阜県(相馬、矢野、橋本、渡邊)が4分22秒437の大会新記録で連覇。1組前の和歌山県(森口、岡本、窪木、和田)も4分22秒966の大会新で2位に。8位までがじつに4分30秒を切るハイレベルの戦いに。伊豆ベロドロームで4分10秒から20秒の好記録を出した勢いでこの屋外バンクでも記録のレベルが上がっている。
9月のアジア大会で4分08秒470の日本記録を樹立したメンバー4人はそれぞれ別々の県で出場。橋本英也(鹿屋体育大)は岐阜県、窪木一茂(和歌山県教委・チーム右京)は和歌山県、一丸尚伍(EQADS)は大分県そして近谷涼(日本大)は富山県で出場。橋本と窪木はそれぞれが4分22秒台の大会記録を出した。
岐阜県チームは全員が岐南工高の出身者。橋本は4km個人追抜き4分30秒441の日本記録保持者で9月のアジア大会オムニアムの金メダリスト。相馬義宗(朝日大)は1kmTTで1分03秒823の記録を持つ。岐阜県の山崎好弘監督は「4分20秒を切るかどうかが優勝ラインと読んでいた。全員が同じペースで走れたことがよかった。少し早めに矢野が切れたがそれは仕事をした上での予定の行動。その後も3人がそれぞれ仕事をしてくれた」
「橋本が鹿屋でしかも海外も行っていたので合わせの練習がなかなかできなかった。だが4人全員が岐南工高出身なので信頼関係もあり安心して出来たと思う。大会のしかも決勝でベストタイムを出すのがうちのチーム。すべて調整がうまくいった結果だと思う」と4人全員を評価する。
昨年に続いて2位の和歌山県上野孝監督は「海外遠征やチームが違ったりとなかなか合わせの練習が出来なかったが選手はいいタイムを出してくれた。窪木が合宿に入ると、僕らが言わなくともほかの選手は窪木から走り方や心構えを肌で感じることができている」と窪木の功績を語る。
結果
チームスプリント
1位 岡山県(野上、奥村、岡野)1分16秒993
2位 鳥取県(八田、佐伯、山根)1分17秒066
3位 和歌山県(橋本、南、布居翼)1分17秒556
4位 長崎県(佐々木、白濱、松田)1分17秒925
5位 東京都(山本、高橋、今井)1分17秒955
6位 青森県(坂本佳哉、坂本紘規、佐藤)1分18秒436
7位 福井県(寺崎、碇、中川)1分18秒494
8位 愛媛県(松本、宮内、和泉)1分18秒718
4kmチームパーシュート
1位 岐阜県(相馬、矢野、橋本、渡邊)4分22秒437 大会新
2位 和歌山県(森口、岡本、窪木、和田)4分22秒966 大会新
3位 群馬県(倉林、小林、石井、齊藤)4分25秒144
4位 福島県(久保田、我妻、緑川竣一、緑川裕也)4分25秒946
5位 岡山県(黒瀬、原田、渡部、成貞)4分26秒347
6位 大分県(一丸、阿部、高橋優斗、高橋綜一郎)4分26秒667
7位 福岡県(原井剣也、鶴、神開、原井博斗)4分27秒677
8位 京都府(安田、村田、孫崎、草場)4分29秒008
photo&text:高木秀彰
今年の国民体育大会は長崎県で行われている。自転車競技のロードレースは壱岐市で、トラックレースは佐世保市(400m)が会場。ロードは台風のため中止となり、トラックは4日間の日程を3日間に短縮し、10月15日(水)から始まった。
中止となった壱岐でのロードレース
大会初日の10月13日(月)、長崎県壱岐市で行なわれる予定だった少年・成年ロードレースは、台風19号接近による悪天候のため中止となった。選手や関係者は事前に壱岐島へ渡っていたが、その後に壱岐島への船は欠航となり大会当日も建物が壊れる等の被害のあるほどの風雨で、開催中止は誰もがやむをえないと受け入れられる判断だった。
四半世紀続いている壱岐サイクルフェスティバルでロードレースが地元に根付いている土地柄。それでも市民の生活道路である公道を使う国体ロードレースは、準備に長い期間を要し関係機関との調整に多大の労力が必要。いっぽうで市民や子どもたちは精一杯の応援の体制を作ってこの日が来るのを待ちわびていた。地元の期待を背負って選ばれた選手たちも活躍する機会が失われてしまった。
都合3~4日間壱岐島に滞在した選手や関係者はそのぶん島内を巡り地元と交流し、移動日となった14日(火)の離岸時には、それを名残惜しむ声も多く聞かれた。準備を重ねてきたロードレースは開催されなかったが、選手らと地元に暖かい記憶が残ったのも確かだ。
チームスプリント決勝
日程短縮の影響で通常は予選上位4組が順位決定戦へ進むチームスプリントは、一発決勝のタイムレースで行なわれた。このチームスプリントと4kmチームパーシュートは成年と少年の合計9名から3名および4名が出場し、成年と少年の区別はない。1分16秒993のトップタイムで優勝したのは岡山県。今夏のインカレケイリン優勝の奥村論志(鹿屋体育大)、同1kmTTを1分03秒799の日本ジュニア記録で優勝の野上竜太(鹿屋体育大)そして岡野凌也(水島工高)の3人で達成。
川口敬二岡山県監督は「団体種目では県として初優勝で嬉しい。(奥村と野上の)不動の2走3走は決まっていたが1走は強化合宿を経て起用した。インカレが終わってから合わせの練習をし、期間が短かったが頑張った甲斐があった」と語る。団体種目は天皇杯得点が3倍になるのでどの県も強化の最重要種目だ。
4kmチームパーシュート決勝
日程短縮のためチームパーシュートも一発決勝のタイムレースに。最終組の岐阜県(相馬、矢野、橋本、渡邊)が4分22秒437の大会新記録で連覇。1組前の和歌山県(森口、岡本、窪木、和田)も4分22秒966の大会新で2位に。8位までがじつに4分30秒を切るハイレベルの戦いに。伊豆ベロドロームで4分10秒から20秒の好記録を出した勢いでこの屋外バンクでも記録のレベルが上がっている。
9月のアジア大会で4分08秒470の日本記録を樹立したメンバー4人はそれぞれ別々の県で出場。橋本英也(鹿屋体育大)は岐阜県、窪木一茂(和歌山県教委・チーム右京)は和歌山県、一丸尚伍(EQADS)は大分県そして近谷涼(日本大)は富山県で出場。橋本と窪木はそれぞれが4分22秒台の大会記録を出した。
岐阜県チームは全員が岐南工高の出身者。橋本は4km個人追抜き4分30秒441の日本記録保持者で9月のアジア大会オムニアムの金メダリスト。相馬義宗(朝日大)は1kmTTで1分03秒823の記録を持つ。岐阜県の山崎好弘監督は「4分20秒を切るかどうかが優勝ラインと読んでいた。全員が同じペースで走れたことがよかった。少し早めに矢野が切れたがそれは仕事をした上での予定の行動。その後も3人がそれぞれ仕事をしてくれた」
「橋本が鹿屋でしかも海外も行っていたので合わせの練習がなかなかできなかった。だが4人全員が岐南工高出身なので信頼関係もあり安心して出来たと思う。大会のしかも決勝でベストタイムを出すのがうちのチーム。すべて調整がうまくいった結果だと思う」と4人全員を評価する。
昨年に続いて2位の和歌山県上野孝監督は「海外遠征やチームが違ったりとなかなか合わせの練習が出来なかったが選手はいいタイムを出してくれた。窪木が合宿に入ると、僕らが言わなくともほかの選手は窪木から走り方や心構えを肌で感じることができている」と窪木の功績を語る。
結果
チームスプリント
1位 岡山県(野上、奥村、岡野)1分16秒993
2位 鳥取県(八田、佐伯、山根)1分17秒066
3位 和歌山県(橋本、南、布居翼)1分17秒556
4位 長崎県(佐々木、白濱、松田)1分17秒925
5位 東京都(山本、高橋、今井)1分17秒955
6位 青森県(坂本佳哉、坂本紘規、佐藤)1分18秒436
7位 福井県(寺崎、碇、中川)1分18秒494
8位 愛媛県(松本、宮内、和泉)1分18秒718
4kmチームパーシュート
1位 岐阜県(相馬、矢野、橋本、渡邊)4分22秒437 大会新
2位 和歌山県(森口、岡本、窪木、和田)4分22秒966 大会新
3位 群馬県(倉林、小林、石井、齊藤)4分25秒144
4位 福島県(久保田、我妻、緑川竣一、緑川裕也)4分25秒946
5位 岡山県(黒瀬、原田、渡部、成貞)4分26秒347
6位 大分県(一丸、阿部、高橋優斗、高橋綜一郎)4分26秒667
7位 福岡県(原井剣也、鶴、神開、原井博斗)4分27秒677
8位 京都府(安田、村田、孫崎、草場)4分29秒008
photo&text:高木秀彰
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