2014/10/15(水) - 08:38
前日に宇都宮で開催されたジャパンカップシクロクロスで本格的なシーズンインを迎えた東日本エリア。その翌日には茨城シクロクロス第3回大会が開催。弱虫ペダルシクロクロスチームのデビューとして臨んだ山本和弘が圧勝。シーズン開幕を最良の形で飾った。
弱虫ペダルシクロクロスチームがデビュー
宇都宮シクロクロスエキシビション、宇都宮シクロクロス、そして茨城シクロクロス。関東のシクロクロッサーにとって10月半ばの3連休は濃密なシーズンインを迎えた。
そのトリを務めたのはJCXシリーズ(全9戦からなるAJOCC公認レースシリーズ戦)の開幕レースとなる、第3回茨城シクロクロス。都心から近く楽しみやすいコースと雰囲気が人気を呼び、まだ3回目と開催数が少ないながらも着実に参加人数を伸ばしている大会だ。
舞台は過去2大会と同じ茨城県取手市の小貝川リバーサイドパーク。台風18号の爪痕が残る中、そして目前に迫る台風19号の影響が心配される中、今大会には総数224名もの選手が集った。
今大会で最も注目を集めたのは山本和弘が所属する「弱虫ペダルシクロクロスチーム」のデビューだろう。スポンサーと監督は人気コミックの作者である渡辺航氏が務め、チームGMは佐藤成彦氏が務めるなど、ロードチームであるCプロジェクトのカラーを濃くするCX専門チームだ。
「弱ペ」に登場する学校のカラーがすべて散りばめられたチームジャージは渡辺氏本人がデザインしており、少年チャンピオンのオンラインストアで購入が可能になるという。今回は渡辺氏が前夜にブログに書いたことで、弱ペの熱心なファンが会場に脚を運んだ。実際に渡辺氏もC3AカテゴリーでCX本格デビューを飾り、ファンから大きな声援を受けていた。
「コミックやアニメを見て自転車に興味を持ってくれた方が本当に多く、これをきっかけに実際のレース会場に脚を運んで頂きたいんです」とは、この茨城シクロクロスでシーズンインを迎えた山本和弘。「ファンの中でも特に多いのはキッズたち。特にシクロクロスは敷居が低く親しみやすいですし、将来有望な若手選手をどんどん増やしていきたい」と加える。
最上位カテゴリーであるC1では、その弱虫ペダルシクロクロスチームのエース、山本が圧巻の走りを見せつける結果となった。
天候は午前中こそ持ちこたえていたが、午後一番のC2の際には本降りに。C1レーススタート前に雨脚は弱まったものの、超スリッピーな泥、そしてブレーキや変速機に積もっていく枯れ草が選手とバイクを苦しめることとなる。
スタート直後に山本と丸山厚(BOMA RACING)、小坂正則(スワコレーシングチーム)、そして斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)が抜け出し、ハイペースで後続を引き離していく形でレースは中盤まで推移していく。
群を抜いて落ち着いた表情で走行していた山本は、「フレッシュな機材だし、前日の輪島ロードレースの疲れも少し残っていたので序盤は様子を見ていた。身体が動いていたら次第に上げるつもりだった」との言葉通り中盤から加速し、追いすがる小坂らを振り切って独走体制を築き上げていく。
シケインは唯一人バニーホップでクリア。ライン取りも他の選手とは違うキレたコーナリング。MTB上がりの卓越したテクニックとロードレースで培った持久力。その圧倒的な速さと安定感にギャラリーからは感嘆の息が漏れた。
リアディレイラーがもげた丸山を欠いた2番手パックでは、合田正之(Cycle club 3UP)と小坂が激しい争いを繰り広げ、その後ろは斎藤が単独で、重田兼吾(Team CUORE / 順天堂大学)も徐々に追い上げを図ってくる。
結局、草詰まりによるメカトラで次々とリタイアが出る中、一度もトラブルに見舞われず、一度もバイク交換をしなかった山本が独走勝利。2位以下に1分半以上をつける圧倒的な走りを披露し、新体制のスタートに弾みをつけた。2位争いは1秒差で合田に軍配。小坂は前日のジャパンカップCXに続き3位となった。
「まさに得意なコンディション。自分にアドバンテージがありました。自分の引き出しを有効に使えたレースだったと思います。」と山本は振り返る。「素直に勝利できて嬉しいですね。今年はシクロクロスにフル参戦するし、全日本タイトルを獲りにいきます。(竹之内)悠を倒せるのは自分しかいません。そのために体制も整えて頂いたし、負けるワケにはいきません。昨年は全日本不参加でしたが、今年はやりますよ。見ていてください!」と、真新しいカラフルジャージに身を包んだ山本は語った。
またこの日、女子の最高カテゴリーであるL1では前日のジャパンカップCXでも2位に入った今井美穂(CycleClub.jp)が、2位の武田和佳(Team CHAINRING)を2分以上引き離す快走で勝利。「自分のスタンスはあくまで楽しくレースを走ること。なおかつ昨年よりも1つ上のポジションで走れたら最高ですね。シーズンが始まって嬉しい」とレース後に語った。
2014-15シーズン、茨城シクロクロスは今回の第3回大会に加え、2015年3月8日(日)に第4回大会が開催見込み。「これまでの3戦は平坦基調でしたから、少しテイストを変えたい。起伏のあるコースを思案中です。」と茨城シクロクロスを率いる影山善明さん(オンザロード)は言う。会場は茨城県土浦市・桜川河川敷の予定だ。
第3回茨城シクロクロス結果
C1
L1
マスターズ
C2
C3A
C3B
L2
Kids
text:So.Isobe
photo:MakotoAYANO,Gakuto.Fujiwara
フォトギャラリー(CW FaceBook)
弱虫ペダルシクロクロスチームがデビュー
宇都宮シクロクロスエキシビション、宇都宮シクロクロス、そして茨城シクロクロス。関東のシクロクロッサーにとって10月半ばの3連休は濃密なシーズンインを迎えた。
そのトリを務めたのはJCXシリーズ(全9戦からなるAJOCC公認レースシリーズ戦)の開幕レースとなる、第3回茨城シクロクロス。都心から近く楽しみやすいコースと雰囲気が人気を呼び、まだ3回目と開催数が少ないながらも着実に参加人数を伸ばしている大会だ。
舞台は過去2大会と同じ茨城県取手市の小貝川リバーサイドパーク。台風18号の爪痕が残る中、そして目前に迫る台風19号の影響が心配される中、今大会には総数224名もの選手が集った。
今大会で最も注目を集めたのは山本和弘が所属する「弱虫ペダルシクロクロスチーム」のデビューだろう。スポンサーと監督は人気コミックの作者である渡辺航氏が務め、チームGMは佐藤成彦氏が務めるなど、ロードチームであるCプロジェクトのカラーを濃くするCX専門チームだ。
「弱ペ」に登場する学校のカラーがすべて散りばめられたチームジャージは渡辺氏本人がデザインしており、少年チャンピオンのオンラインストアで購入が可能になるという。今回は渡辺氏が前夜にブログに書いたことで、弱ペの熱心なファンが会場に脚を運んだ。実際に渡辺氏もC3AカテゴリーでCX本格デビューを飾り、ファンから大きな声援を受けていた。
「コミックやアニメを見て自転車に興味を持ってくれた方が本当に多く、これをきっかけに実際のレース会場に脚を運んで頂きたいんです」とは、この茨城シクロクロスでシーズンインを迎えた山本和弘。「ファンの中でも特に多いのはキッズたち。特にシクロクロスは敷居が低く親しみやすいですし、将来有望な若手選手をどんどん増やしていきたい」と加える。
最上位カテゴリーであるC1では、その弱虫ペダルシクロクロスチームのエース、山本が圧巻の走りを見せつける結果となった。
天候は午前中こそ持ちこたえていたが、午後一番のC2の際には本降りに。C1レーススタート前に雨脚は弱まったものの、超スリッピーな泥、そしてブレーキや変速機に積もっていく枯れ草が選手とバイクを苦しめることとなる。
スタート直後に山本と丸山厚(BOMA RACING)、小坂正則(スワコレーシングチーム)、そして斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)が抜け出し、ハイペースで後続を引き離していく形でレースは中盤まで推移していく。
群を抜いて落ち着いた表情で走行していた山本は、「フレッシュな機材だし、前日の輪島ロードレースの疲れも少し残っていたので序盤は様子を見ていた。身体が動いていたら次第に上げるつもりだった」との言葉通り中盤から加速し、追いすがる小坂らを振り切って独走体制を築き上げていく。
シケインは唯一人バニーホップでクリア。ライン取りも他の選手とは違うキレたコーナリング。MTB上がりの卓越したテクニックとロードレースで培った持久力。その圧倒的な速さと安定感にギャラリーからは感嘆の息が漏れた。
リアディレイラーがもげた丸山を欠いた2番手パックでは、合田正之(Cycle club 3UP)と小坂が激しい争いを繰り広げ、その後ろは斎藤が単独で、重田兼吾(Team CUORE / 順天堂大学)も徐々に追い上げを図ってくる。
結局、草詰まりによるメカトラで次々とリタイアが出る中、一度もトラブルに見舞われず、一度もバイク交換をしなかった山本が独走勝利。2位以下に1分半以上をつける圧倒的な走りを披露し、新体制のスタートに弾みをつけた。2位争いは1秒差で合田に軍配。小坂は前日のジャパンカップCXに続き3位となった。
「まさに得意なコンディション。自分にアドバンテージがありました。自分の引き出しを有効に使えたレースだったと思います。」と山本は振り返る。「素直に勝利できて嬉しいですね。今年はシクロクロスにフル参戦するし、全日本タイトルを獲りにいきます。(竹之内)悠を倒せるのは自分しかいません。そのために体制も整えて頂いたし、負けるワケにはいきません。昨年は全日本不参加でしたが、今年はやりますよ。見ていてください!」と、真新しいカラフルジャージに身を包んだ山本は語った。
またこの日、女子の最高カテゴリーであるL1では前日のジャパンカップCXでも2位に入った今井美穂(CycleClub.jp)が、2位の武田和佳(Team CHAINRING)を2分以上引き離す快走で勝利。「自分のスタンスはあくまで楽しくレースを走ること。なおかつ昨年よりも1つ上のポジションで走れたら最高ですね。シーズンが始まって嬉しい」とレース後に語った。
2014-15シーズン、茨城シクロクロスは今回の第3回大会に加え、2015年3月8日(日)に第4回大会が開催見込み。「これまでの3戦は平坦基調でしたから、少しテイストを変えたい。起伏のあるコースを思案中です。」と茨城シクロクロスを率いる影山善明さん(オンザロード)は言う。会場は茨城県土浦市・桜川河川敷の予定だ。
第3回茨城シクロクロス結果
C1
1位 山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)
2位 合田正之(Cycle club 3UP)
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム)
4位 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)
5位 重田兼吾(Team CUORE)
6位 池本真也
7位 飯塚隆文(スワコレーシングチーム)
8位 濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)
9位 三上和志(cycleclub3UP)
10位 山川惇太郎(Team CHAINRING)
2位 合田正之(Cycle club 3UP)
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム)
4位 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)
5位 重田兼吾(Team CUORE)
6位 池本真也
7位 飯塚隆文(スワコレーシングチーム)
8位 濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)
9位 三上和志(cycleclub3UP)
10位 山川惇太郎(Team CHAINRING)
56'20"
+1'39"
+1'40"
+2'35"
+3'02"
+3'20
+3'36"
+3'40"
+3'47"
+4'57"
+1'39"
+1'40"
+2'35"
+3'02"
+3'20
+3'36"
+3'40"
+3'47"
+4'57"
L1
1位 今井美穂(CycleClub.jp)
2位 武田和佳(Team CHAINRING)
3位 綾野桂子(cycleclub3UP)
4位 森美穂子(BOUNCE)
5位 林口幸恵(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
2位 武田和佳(Team CHAINRING)
3位 綾野桂子(cycleclub3UP)
4位 森美穂子(BOUNCE)
5位 林口幸恵(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
+41'08"
+2'06"
+2'49"
+4'38"
+5'24"
+2'06"
+2'49"
+4'38"
+5'24"
マスターズ
1位 水竹真一(チームスキップ)
2位 安陪正道(cycleclub3UP)
3位 曽我聡(ベーグルワン)
4位 岡田修一(MORNING STAR)
5位 綾野真(チバポンズ川口農園)
2位 安陪正道(cycleclub3UP)
3位 曽我聡(ベーグルワン)
4位 岡田修一(MORNING STAR)
5位 綾野真(チバポンズ川口農園)
39'29"
+07"
+16"
+48"
+1'27"
+07"
+16"
+48"
+1'27"
C2
1位 織田聖(Bottles and Chains)
2位 土井雪広(Team CHAINRING)
3位 岡本紘幸(チーム・フォルツァ!)
4位 山本誠一(SPACE)
5位 佐藤英夫(オンザロード)
2位 土井雪広(Team CHAINRING)
3位 岡本紘幸(チーム・フォルツァ!)
4位 山本誠一(SPACE)
5位 佐藤英夫(オンザロード)
40'19"
+05"
+51"
+1'26"
+2'06"
+05"
+51"
+1'26"
+2'06"
C3A
1位 千葉大基(TDW)
2位 高柴元(メイドさん学科自転車部)
3位 磯部聡(CycleClub.jp)
4位 南島康一(Team12So)
5位 中谷亮太(RIDELIFE GIANT)
2位 高柴元(メイドさん学科自転車部)
3位 磯部聡(CycleClub.jp)
4位 南島康一(Team12So)
5位 中谷亮太(RIDELIFE GIANT)
28'03"
+01"
+32"
+38"
+46"
+01"
+32"
+38"
+46"
C3B
1位 岡井良文
2位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
3位 宮崎景涼
4位 祖川雄司
5位 石井哲也(ARAI MURACA)
2位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
3位 宮崎景涼
4位 祖川雄司
5位 石井哲也(ARAI MURACA)
27'45"
+43"
+1'00"
+1'23"
+1'47"
+43"
+1'00"
+1'23"
+1'47"
L2
1位 松崎亜妃(ARAI MURACA)
2位 坂本沙弥(Team CUORE)
3位 安田朋子(W.V.OTA twin)
4位 矢野麻利(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)
5位 千葉陽子
2位 坂本沙弥(Team CUORE)
3位 安田朋子(W.V.OTA twin)
4位 矢野麻利(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)
5位 千葉陽子
33'37"
+01"
+16"
-1Lap
+01"
+16"
-1Lap
Kids
1位 綾野尋(team-K)
2位 小林温(Hot★Jasper)
3位 石政慎之介(TEAM TAMAGAWA)
4位 高橋翔
5位 牧野新(COGS)
2位 小林温(Hot★Jasper)
3位 石政慎之介(TEAM TAMAGAWA)
4位 高橋翔
5位 牧野新(COGS)
15'36"
+2'24"
+2'42"
+2'43"
+4'55"
+2'24"
+2'42"
+2'43"
+4'55"
text:So.Isobe
photo:MakotoAYANO,Gakuto.Fujiwara
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