今年もドイツ南部のフリードリヒスハーフェンで開催された「EUROBIKE(ユーロバイク)」。この世界最大のバイクショーに集まった数々のプロダクトの中からニューモデル&面白いグッズをピックアップしてジャンルレスに紹介していきます。(ユーロバイク2014の記事インデックスはこちらから)



キャニオン(ドイツ)

キャニオンが発表したディスクロードタイプのコンセプトバイク Radicalキャニオンが発表したディスクロードタイプのコンセプトバイク Radical
独テレコム社と共同開発したモニタリング機能も特徴の1つ独テレコム社と共同開発したモニタリング機能も特徴の1つ フロントのサスペンション機構はフォークエンドに配されているフロントのサスペンション機構はフォークエンドに配されている


ドイツのキャニオンはディスクロードタイプのコンセプトバイク「Radical」を発表した。ハード面ではエアロロードのAEROADシリーズをモチーフとしたフレームデザインとし、フォークとシートチューブに板バネを用いたサスペンション機構を配したことがトピックスだ。

そしてソフト面では、独テレコム社と共同開発した「MRSCコネクテッド」と呼ばれるバイクのモニタリング機能が最大の特徴。具体的には、バイクが大きな衝撃を受けると落車したと判断して自動的に救急車の出動要請をしたり、チェーンの摩耗状態を監視して交換時期をライダーに知らせると同時に通販の手配もしてくれるというもの。走行性能を追求したコンセプトバイクが多い中にあっては異色だが、その実用度の高さはさすが工業立国ドイツのブランドと思わせてくれる。

ユーロバイクゴールドアワードを獲得したキャニオン AEROAD CF SLXユーロバイクゴールドアワードを獲得したキャニオン AEROAD CF SLX
プロ供給用のスペシャルペイントを得意とするキャニオンプロ供給用のスペシャルペイントを得意とするキャニオン トライアスロン界でも多くの強豪選手が使用するトライアスロン界でも多くの強豪選手が使用する

[ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が実際にレースで使用したマリアローザカラーのULTIMATE CF SLXナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が実際にレースで使用したマリアローザカラーのULTIMATE CF SLX
2015年モデルでは、ツール・ド・フランスでデビューを果たした新型エアロロードバイク「AEROAD CF SLX」がユーロバイクゴールドアワードを受賞。専用設計のハンドルバーやブレーキのダイレクトマウント化によって空力性能を追求したモデルで、ハイエンドモデルとなる写真の赤いカチューシャ仕様はプロが実際に使用するパーツと全く同じアッセンブリーで販売される。また、5月のジロ・デ・イタリアを制したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が実際にレースで使用したマリアローザカラーのULTIMATE CF SLXも展示されていた。

キャニオンはフルカーボン製のレーシーなファットバイクをリリース。リムの肉抜きといいかなり本気だキャニオンはフルカーボン製のレーシーなファットバイクをリリース。リムの肉抜きといいかなり本気だ 昨年発表されユーロバイクアワードを獲得したアーバンバイクのコンセプトモデル昨年発表されユーロバイクアワードを獲得したアーバンバイクのコンセプトモデル


オフロード系モデルでのトピックスはファットバイク「FAT DUDE」だ。XCを始めとしたレーシングモデルのフォルムを踏襲したフルカーボンフレームに、DTスイスと共同開発したハブに徹底した肉抜きを施したリムを組み合わせたホイールセットなど、かなりレーシーな仕上がりとなっている。



FSA/ヴィジョン(イタリア)

ヴィンチェンツォ・ニーバリのマイヨ・ジョーヌが飾られたFSAブースヴィンチェンツォ・ニーバリのマイヨ・ジョーヌが飾られたFSAブース 上位グレードのK-Forceに続いてSL-Kも4アーム化上位グレードのK-Forceに続いてSL-Kも4アーム化

29er用のネガティブアングルのSL-Kステム29er用のネガティブアングルのSL-Kステム ブーススタッフもマイヨジョーヌカラーの記念Tシャツで揃えたブーススタッフもマイヨジョーヌカラーの記念Tシャツで揃えた


イタリアに居を構えるコンポーネントブランドFSAは、サポートライダーのヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)がツールを制したことを受けて、マイヨジョーヌのイエローを前面に推し出したブースを展開。新製品としては上位グレードのK-Forceに続き4アーム化を果たしたSL-Kカーボンクランクや、欧州で人気上昇中のMTBエンデューロ用ホイール等がトピックスだ

ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)がテストしていたハンドル/ステムも正式にリリースが決定したルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)がテストしていたハンドル/ステムも正式にリリースが決定した リムの切削加工によって軽量化を実現したTriMax30リムの切削加工によって軽量化を実現したTriMax30

TTバイクにピッタリなエアロダイナミクスを追求したMETRONコンポーネントTTバイクにピッタリなエアロダイナミクスを追求したMETRONコンポーネント スポーク間を削ることで剛性を損なわず無駄な部位のみをそぎ落としているスポーク間を削ることで剛性を損なわず無駄な部位のみをそぎ落としている


また、サブブランド的な位置付けであったヴィジョンは大幅にラインナップを強化。ツール・ド・フランスでルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)がテストしていたハンドル/ステムが正式リリースとなり、主力アイテムのホイールではリムの切削加工によって軽量化を果たした「TriMax30」が登場している。



ケモ(スイス)

ブルターニュシェセがメインで使用するケモ KE-R8ブルターニュシェセがメインで使用するケモ KE-R8
流行のネオンカラーを取入れたエアロロードKE-R5流行のネオンカラーを取入れたエアロロードKE-R5 ツールでも投入されたKE-T5ツールでも投入されたKE-T5


今年ツール・ド・フランスへ初出場を果たしたことで勢いを増すスイスのケモ。ラインナップはロードバイクがメインで、サポートチームのブルターニュ・シェセがメインバイクとして使用する「KE-R8」、エアロロードの「KE-R5」、TTバイクの「KE-T5」などが展示された。

フロントダイレクトブレーキなど実戦的な造りが特徴的な新型TTバイクKE-18フロントダイレクトブレーキなど実戦的な造りが特徴的な新型TTバイクKE-18
そして、新型TTバイク「KE-18」が発表された。全体的には翼断面チューブをメインとしたオーソドックスなフレームデザインながら、フロントのダイレクトマウントブレーキ、アグレッシブなライディングポジションを可能とする短いヘッドチューブなど実戦的な仕上がりとなっている



ナリーニ(イタリア)
鮫と凱旋門のグラフィックが特徴的なマイヨジョーヌをリリースするナリーニ鮫と凱旋門のグラフィックが特徴的なマイヨジョーヌをリリースするナリーニ
イタリアの老舗サイクルアパレルブランドのナリーニは、ヴィンチェンツォ・ニーバリのツール制覇を記念して、彼のニックネームである鮫と凱旋門のイラストが特徴的なマイヨジョーヌを発表。昨年ジロを制した際もそうであった様に、恐らく国内でも販売されるだろう。

ロードレース用にバックポケットが設けられたワンピースAEPROLIGHT CRONO BODYロードレース用にバックポケットが設けられたワンピースAEPROLIGHT CRONO BODY 前面のレースがセクシーな新作レディースウェア前面のレースがセクシーな新作レディースウェア

AEPROLIGHT CRONO BODYには空気の流れを整えるためのラインが生地表面に設けられているAEPROLIGHT CRONO BODYには空気の流れを整えるためのラインが生地表面に設けられている ウェアだけではなくシューズでも高い評価を得ているウェアだけではなくシューズでも高い評価を得ている


新作モデルではロード用にバックポケットの付いた新型ワンピース「AEPROLIGHT CRONO BODY」がトピックスで、ビオレーサーなどと同じく風を整流するためのラインが生地表面に設けられている。またレディースでは前面のレースが特徴的なボンテージスタイルのノンスリーブジャージが注目。「こんなセクシーなウェアを来た美女が目の前から走ってきたら、目で追ってしまうこと間違いなし」といった1着だ。



ニールプライド(台湾)

ユーロバイクでプロモーションを行ったマイケル・ライス氏ユーロバイクでプロモーションを行ったマイケル・ライス氏 軽量モデルBula SLをエンヴィ、ax-ライトネスなどのパーツで武装したショーバイク軽量モデルBula SLをエンヴィ、ax-ライトネスなどのパーツで武装したショーバイク

ニールプライドの新型エアロロード NAZARE2ニールプライドの新型エアロロード NAZARE2
ニールプライドはブランドを立ち上げ時からラインナップしてきた「NAZARE」の上位モデルとして「NAZARE 2」を発表。翼断面形状のチューブ形状を多用したフレームデザインを踏襲しつつも、フォーククラウンとヘッドチューブのインテグレーテッドデザイン、前後ブレーキのダイレクトマウント化、ケーブルルーティングの変更によってエアロダイナミクスを追求している。

前後ともブレーキはダイレクトマウント前後ともブレーキはダイレクトマウント 臼式シートクランプを採用し空力抵抗を低減臼式シートクランプを採用し空力抵抗を低減

シートステーとタイヤの感覚広めに設定されているシートステーとタイヤの感覚広めに設定されている ワイヤーのルーティングにも変更が加えられたワイヤーのルーティングにも変更が加えられた


同時に走行性能の向上も図られており、材料のグレードアップやプレスフィットBBの採用によって剛性を高めている。そして、エアロロードにありがちな縦の硬さを低減することにも注力されており、試乗してみると縦横の構成バランスの高さを感じることができた。



text&photo:Yuya.Yamamoto