降り始めた雨に苦しむライバルチームをホットシートで見守ったBMCレーシング。大会3連覇が懸かった最終走者オメガファーマ・クイックステップがフィニッシュラインを切ると、BMCレーシングのメンバーが歓喜に包まれた。



トップタイムで優勝したBMCレーシングトップタイムで優勝したBMCレーシング photo:Tim de Waele


メンバー6名が隊列を組んで57.1kmコースを駆け抜けるメンバー6名が隊列を組んで57.1kmコースを駆け抜ける photo:Tim de Waele国対抗戦ではなくトレードチーム対抗戦として2012年に復活したチームタイムトライアル。世界最速チームを決める一年に一回の闘いに、ポンフェラーダを発着する57.1kmコースが用意された。

31秒差の2位に入ったオリカ・グリーンエッジ31秒差の2位に入ったオリカ・グリーンエッジ photo:Tim de Waele前半は幅の広い直線的な平坦路で、後半は登りを含むテクニカルなワインディングロード。出場したのは29チームで、22番手スタートのBMCレーシング(デニス、ディリエル、オス、クインツィアート、ヴァンガーデレン、ベリトス)がそれまで暫定トップに立っていたトレックファクトリーレーシング(カンチェラーラ、イリサール、ポポヴィッチ、サージェント、ストゥイフェン、ファンデワール)のタイムを1分以上更新した。

3連覇が懸かったオメガファーマ・クイックステップは3位3連覇が懸かったオメガファーマ・クイックステップは3位 photo:Tim de Waele地元スペインのモビスター(アマドール、ダウセット、エルビーティ、Jイサギーレ、マローリ、ズタリン)は思うようにタイムを伸ばせず、勝負の行方はチームスカイ、オリカ・グリーンエッジ、オメガファーマ・クイックステップの3チームに委ねられる。

僅差で表彰台を逃したチームスカイ僅差で表彰台を逃したチームスカイ photo:Tim de Waeleカタルド、キリエンカ、シウトソウ、ウィギンズ、プッチォ、トーマスというメンバーで挑んだチームスカイと、ダーブリッジ、ヘップバーン、ハウソン、ランカスター、モーリス、タフトを揃えたオリカ・グリーンエッジ、そしてボーネン、クヴィアトコウスキー、マルティン、セリー、テルプストラ、ヴェルモトを揃えたオメガファーマ・クイックステップによる闘い。残り9km地点の最終計測ポイントで3チームはほぼ横並び。しかしBMCレーシングのリードを崩すことは出来なかった。

終盤にかけて降った雨によって3チームはペースを上げることが出来ず、トップタイムを最後まで守ったBMCレーシングが優勝。オリカ・グリーンエッジが31秒差、オメガファーマ・クイックステップが35秒差、そしてチームスカイが37秒差に入った。BMCレーシングの平均スピードは53.9km/h。

「チームタイムトライアルが世界選手権に復活してからというもの、常に勝利を狙って闘ってきた。チームにとってシーズン最大の目標の1つであり、ようやくタイトルを手にすることが出来たよ」と、BMCレーシングのジム・オショウィッツGMは語っている。

チームリーダーのティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)は「信じられない気持ち。僕らは世界チャンピオンになったんだ。チームは自信をもちながらもナーバスになっていた。2秒差でタイトルを逃した2年前の悪夢を忘れずに、落ち着いてミッションを遂行したんだ」とコメント。なお、昨年までオメガファーマ・クイックステップに所属していたペーター・ベリトス(スロバキア)は3年連続で優勝に輝いている。

選手コメントはUCI公式サイトより。



2位オリカ・グリーンエッジ、優勝BMCレーシング、3位オメガファーマ・クイックステップ2位オリカ・グリーンエッジ、優勝BMCレーシング、3位オメガファーマ・クイックステップ photo:Tim de Waele



ロード世界選手権2014エリート男子チームタイムトライアル結果
1位 BMCレーシング              1h03'29"
2位 オリカ・グリーンエッジ            +31"
3位 オメガファーマ・クイックステップ       +35"
4位 チームスカイ                 +37"
5位 ティンコフ・サクソ              +46"
6位 モビスター                  +51"
7位 トレックファクトリーレーシング       +1'01"
8位 ジャイアント・シマノ            +1'26"
9位 キャノンデール               +1'28"
10位 ガーミン・シャープ            +1'44"
11位 FDJ.fr                  +2'05"
12位 アスタナ                 +2'12"
13位 カチューシャ               +2'14"
14位 ベルキン                 +2'28"
15位 ランプレ・メリダ             +2'30"
16位 ルスヴェロ                +2'44"
17位 トップスポートフラーンデレン       +2'45"
18位 CCCポルサット              +3'36"
19位 ユーロップカー              +3'52"
20位 AG2Rラモンディアール          +4'05"
21位 ワンティ・グループグベルト        +4'07"
22位 ロット・ベリソル             +4'12"
23位 カハルーラル               +4'29"
24位 コルスサイクリング            +4'57"
25位 MGクヴィス・ウィリエール         +5'36"
26位 ラボバンク・デベロップメント       +6'01"
27位 アドリアモビル              +6'12"
28位 BDCマルクポール             +6'51"
29位 チームエクアドル             +8'08"

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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