9月13日、14日にDOWNHIll SERIES #3 MIZUHO MTB PARKが開催された。第3戦目にして初の快晴。気持ちの良いほどに真っ青な秋空と、眩しいほどの芝生の緑。日差しは暑いが風は涼しく、最高のコンディション。会場には10のブースとREDBULLのパラソルが並んだ。



エリート男子優勝の清水一輝(MADISON SARACEN)。世界選手権から帰国して間もないレースを制した。エリート男子優勝の清水一輝(MADISON SARACEN)。世界選手権から帰国して間もないレースを制した。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa
コースはジープロード、ワイドオープンのゲレンデ、3カ所のシングルトラックで構成。メリハリのある、ハイスピードコースが用意された。コースはジープロード、ワイドオープンのゲレンデ、3カ所のシングルトラックで構成。メリハリのある、ハイスピードコースが用意された。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa高速セクションから連続バームへ、コースはドライコンディション。ライダーは久保諒策(CLEAT)高速セクションから連続バームへ、コースはドライコンディション。ライダーは久保諒策(CLEAT) (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawaシングルトラックには効果的にラダーセクションが作り込まれていた。シングルトラックには効果的にラダーセクションが作り込まれていた。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa会場となったMIZUHO MTB PARKは瑞穂ハイランドのスキー場に夏シーズンにだけオープンされる、西日本随一の標高差を誇るMTBコースである。今大会のために、コース全長1.910m、1051mから723mまでを駆け下りる、標高差328mの特別コースが設定された。試走一本目を走り終えたライダー達に聞くと、声をそろえて言う。「めっちゃおもしろい!!!」。MIZUHOのスタッフの情熱の詰まった今コースは、ジープロード、ワイドオープンのゲレンデ、3カ所のシングルトラックと、しっかりと作り込まれている。メイン会場からもコース途中が垣間見え、見所である大きなラダー&ドロップオフまでも歩いて2~3分ほどと、トップライダーからも観客からも高評価だ。

初日のタイムドセッションでは、ゴール直前のシングルトラックの出口に設けられたジャンプセクションにて「フィニッシュジャンプコンテスト」が行われた。このコンテストは、タイムドセッション参加者が自動的に参加となり、MIZUHO MTB PARKのスタッフが採点。飛距離とスタイルを競った。

夜には、多くのライダー、出展者、会場スタッフが参加した「MIZUHO NIGHT POWERED BY SRAM」と称された前夜祭が行われた。会場のテラスエリアでお酒を片手にバーベキューを楽しむ。公式戦であるJシリーズでは考えられない光景だが、ここぞとばかりにトップライダーたちとの交流を深める参加者の姿も見られた。なかでも、トップライダーのコース試走動画をスクリーンに映し出し、井手川直樹選手(DEVINCI/STRIDER)や末政実緒選手(DIRTFREAK/SARACEN)の解説を聞けるという絶好の機会も。各選手が明日の本戦に向けて、コース攻略のイメージを高めた。また、タイムドセッション中に行われた「フィニッシュジャンプコンテスト」の表彰式も行われ、男子は九島勇気選手(玄武/Mondraker)、女子は村田実里選手(VAN-QUISH)に賞金と副賞が贈られた。

本戦当日も快晴。スーパードライの路面は滑りやすく、前日の試走時から転倒も相次ぐ。しかし、「ひゃっほーう!」と声を出しゴールする姿を見ていると、いかに楽しいコースであるかは一目瞭然だ。

高速区間をぶっ飛ばす九島勇気(玄武/Mondraker)。このレースからバイクをモンドレイカーにチェンジ、いきなりの好走を見せた。高速区間をぶっ飛ばす九島勇気(玄武/Mondraker)。このレースからバイクをモンドレイカーにチェンジ、いきなりの好走を見せた。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa開催初日の午後に行われたタイムドセッションではフィニッシュジャンプコンテストを併催され、飛距離とスタイルをジャッジした。ライダーは阿藤寛(COMMENCAL/Topknot)開催初日の午後に行われたタイムドセッションではフィニッシュジャンプコンテストを併催され、飛距離とスタイルをジャッジした。ライダーは阿藤寛(COMMENCAL/Topknot) (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa

エリート女子は末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN)が勝利。彼女もノルウェーでの世界選手権に参戦していたライダーだ。エリート女子は末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN)が勝利。彼女もノルウェーでの世界選手権に参戦していたライダーだ。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa
ファーストタイマークラスの専用ルートもドライコンディションによって高速化した。砂塵を上げて走るライダーは昼田吉昭(ちゅう吉DH部)ファーストタイマークラスの専用ルートもドライコンディションによって高速化した。砂塵を上げて走るライダーは昼田吉昭(ちゅう吉DH部) (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa最終シングルに飛び込む加藤将来(LOVE BIKES RACING/ACCEL)。世界選手権ダウンヒル、ジュニアクラス日本代表。最終シングルに飛び込む加藤将来(LOVE BIKES RACING/ACCEL)。世界選手権ダウンヒル、ジュニアクラス日本代表。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawaエリート男子クラスでは、第1戦の優勝者・阿藤寛(COMMENCAL/Topknot)や第2戦優勝者の安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)が精彩を欠く。フリーライドバイクやエンデューロバイクを持ち込んだ井手川や永田隼也(AKI FACTORY TEAM)も「フルサスDHバイクが必要でしたね…」とレース後に語ったように、タイムが伸びない。そんななか、見るからにスピード域の違う走りを見せた清水一輝(MADISON SARACEN)が唯一3分を切るタイムをたたき出して優勝。10万円を手にし、DOWNHILL SERIES 3人目の勝者となった。タイムドセッションで1位だった九島勇気は約2秒差の2位に、3位には井本はじめ(LoveBikes)が入った。

清水選手はレース後、「すごく楽しかったです!色んなところで失敗したけど、楽しかったんで良かったなと思います。」と振り返り、コースについても「日本のコースっぽく無いなと思いました。すごく流れのあるコースだな、と。コースを作った人に聞くと、いろんなところを走ってきて、そのノウハウを還元して作った、みたいなことを言っていたので、確かにそれを感じたコースでしたね」と海外レースを転戦する清水選手らしいコメントを残した。

エリート女子クラスでは、末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN)が2位以下に15秒差を付けて圧勝し、開幕戦から3連勝を果たした。
エリート女子、表彰式。1位 末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN)、2位 牧野瑠衣、3位 村田実里(VAN-QUISH)。エリート女子、表彰式。1位 末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN)、2位 牧野瑠衣、3位 村田実里(VAN-QUISH)。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawaエリート男子、表彰式。1位 清水一輝(MADISON SARACEN)、2位 玄武/Mondraker)、井本はじめ(LoveBikes)、4位 黒沢大介(LOVEBIKES/FUST)、5位 永田隼也(AKI FACTORY TEAM)。エリート男子、表彰式。1位 清水一輝(MADISON SARACEN)、2位 玄武/Mondraker)、井本はじめ(LoveBikes)、4位 黒沢大介(LOVEBIKES/FUST)、5位 永田隼也(AKI FACTORY TEAM)。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa

レース終了後にはイベント参加者による集合写真を撮影した。レース終了後にはイベント参加者による集合写真を撮影した。 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa
表彰台には赤いソファーのホットシート(現時点で最速タイムを出している者が座るイス)が用意されていたり、前夜祭参加者のために近隣のホテルからバスが出されたりと、会場の「おもてなし」が光った今会場。レース後には、「すばらしいコースと最高のおもてなし。この楽しみをしらないなんて損ですよ!」というトップライダーのSNSへの書き込みも多く見られた。「来年は、もっともっとパワーアップしてたくさんの方の参加を待っています」と話す会場スタッフの心意気を、アナタもどうか感じに来て欲しい。

次戦は11月1〜2日。舞台を愛知県瀬戸市のSRAM PARKに移して行われる。

DOWNHILL SERIES #3 瑞穂 MTB PARK - HIGHLIGHT from SL MEDIA on Vimeo.


report:DOWNHILL SERIES
photo:Hiroyuki.Nakagawa/SLmedia


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