2014/08/25(月) - 11:59
UCIワールドツアー第14戦ヴァッテンフォール・サイクラシックス(UCIワールドツアー)が、8月24日、ドイツ北部のハンブルグで開催。ビッグスプリンターが集結した注目のスプリントで、ミラノ〜サンレモの覇者アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が勝利した。
ヴァッテンフォール・サイクラシックスは今年で開催19回目を迎える比較的若いクラシックレース。ドイツ唯一のUCIワールドツアーレースだ。
ハンブルグを中心にした247kmコース最大のポイントは、終盤にかけて登場する最大勾配15%のヴァーゼベルグを含むテクニカルな周回コースだ。毎年のようにこのヴァーゼベルグでアタックが繰り返され、スプリンターチームが逃げを潰しにかかる。スプリンター向きだが、逃げ切りの可能性もあるワンデークラシックであると言える。
このジャーマンレースには、山がちなブエルタを回避したビッグスプリンターが集結。マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)やアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)の他、優勝経験のあるエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)やアルノー・デマール(フランス、FDJ.fr)らが揃う。トレックファクトリーレーシングの別府史之は2011年以来6度目の出場を迎えた。
レースは序盤からビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)とニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ラルフ・マツカ(オーストリア、ネットアップ・エンデューラ)の3名が5分リードで逃げたものの、FDJ.frやジャイアント・シマノ、オメガファーマ・クイックステップの牽引によって残り29km地点で吸収される。そこから断続的なアタック合戦が始まった。
最後のヴァーゼベルグの登りでジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)がアタックを仕掛け、マルコ・マルカート(イタリア、キャノンデール)やサイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ・サクソ)らが合流して逃げを試みる。しかし決定的なリードは奪えず、続いて飛び出したジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)も引き戻される。
残り4kmを切ったところで、粘り強く逃げていたニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)が吸収。ハンブルグ街中に差し掛かった80名ほどの集団は、スプリンターチームの支配下に置かれた。
カチューシャ、トレックファクトリーレーシング、オリカ・グリーンエッジが競り合いながら残り1kmを切り、最後はイェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)がサイモン・ゲランス(オーストラリア)のためにリードアウト。その後ろからクリストフが腰を上げた。
ポジショニングに苦戦したキッテルらを尻目にクリストフが先行し、ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)を振り切る。最後まで伸び続けたクリストフが先着。オーストラリアチャンピオンのゲランスが3位に入った。
「マルコ(ハラー)とパヴェル(ブラット)にサポートされながらスプリントに備えた。残り1kmを切ってから少し番手を下げてしまったものの何とか前方に復帰。残り300mの時点で先頭に上がり、そこから徐々に加速して行ったんだ」と、第19代チャンピオンに輝いたクリストフ。ミラノ〜サンレモとツール・ド・フランスのステージ2勝に続くUCIワールドツアー勝利を飾った。
世界最多のシーズン14勝目を飾ったクリストフは「このヴァッテンフォールはプロ入りからずっと出場しているレース。好きなレースなのにこれまで勝てていなかった。今日こうして勝ったことでもっとお気に入りのレースになったよ」とコメントする。クリストフは翌週のGP西フランス・プルエーに出場後、カナダに渡ってUCIワールドツアーレースを連戦。その後UCIロード世界選手権に集中する予定だ。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ヴァッテンフォール・サイクラシックス2014結果
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ヴァッテンフォール・サイクラシックスは今年で開催19回目を迎える比較的若いクラシックレース。ドイツ唯一のUCIワールドツアーレースだ。
ハンブルグを中心にした247kmコース最大のポイントは、終盤にかけて登場する最大勾配15%のヴァーゼベルグを含むテクニカルな周回コースだ。毎年のようにこのヴァーゼベルグでアタックが繰り返され、スプリンターチームが逃げを潰しにかかる。スプリンター向きだが、逃げ切りの可能性もあるワンデークラシックであると言える。
このジャーマンレースには、山がちなブエルタを回避したビッグスプリンターが集結。マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)やアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)の他、優勝経験のあるエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)やアルノー・デマール(フランス、FDJ.fr)らが揃う。トレックファクトリーレーシングの別府史之は2011年以来6度目の出場を迎えた。
レースは序盤からビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)とニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ラルフ・マツカ(オーストリア、ネットアップ・エンデューラ)の3名が5分リードで逃げたものの、FDJ.frやジャイアント・シマノ、オメガファーマ・クイックステップの牽引によって残り29km地点で吸収される。そこから断続的なアタック合戦が始まった。
最後のヴァーゼベルグの登りでジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)がアタックを仕掛け、マルコ・マルカート(イタリア、キャノンデール)やサイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ・サクソ)らが合流して逃げを試みる。しかし決定的なリードは奪えず、続いて飛び出したジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)も引き戻される。
残り4kmを切ったところで、粘り強く逃げていたニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)が吸収。ハンブルグ街中に差し掛かった80名ほどの集団は、スプリンターチームの支配下に置かれた。
カチューシャ、トレックファクトリーレーシング、オリカ・グリーンエッジが競り合いながら残り1kmを切り、最後はイェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)がサイモン・ゲランス(オーストラリア)のためにリードアウト。その後ろからクリストフが腰を上げた。
ポジショニングに苦戦したキッテルらを尻目にクリストフが先行し、ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)を振り切る。最後まで伸び続けたクリストフが先着。オーストラリアチャンピオンのゲランスが3位に入った。
「マルコ(ハラー)とパヴェル(ブラット)にサポートされながらスプリントに備えた。残り1kmを切ってから少し番手を下げてしまったものの何とか前方に復帰。残り300mの時点で先頭に上がり、そこから徐々に加速して行ったんだ」と、第19代チャンピオンに輝いたクリストフ。ミラノ〜サンレモとツール・ド・フランスのステージ2勝に続くUCIワールドツアー勝利を飾った。
世界最多のシーズン14勝目を飾ったクリストフは「このヴァッテンフォールはプロ入りからずっと出場しているレース。好きなレースなのにこれまで勝てていなかった。今日こうして勝ったことでもっとお気に入りのレースになったよ」とコメントする。クリストフは翌週のGP西フランス・プルエーに出場後、カナダに渡ってUCIワールドツアーレースを連戦。その後UCIロード世界選手権に集中する予定だ。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ヴァッテンフォール・サイクラシックス2014結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 トーマス・デヘント(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
7位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
9位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
10位 ライモント・クレダー(オランダ、ガーミン・シャープ)
112位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 トーマス・デヘント(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
7位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
9位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
10位 ライモント・クレダー(オランダ、ガーミン・シャープ)
112位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
5h55'25"
+7'21"
+7'21"
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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