2014/07/07(月) - 16:17
序盤からチーム右京が攻撃を繰り返し、削られた先頭集団に残ったのはエース格の選手たちばかり。そこから宇都宮ブリッツェンやシマノレーシングが攻撃を繰り出し、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)が上りゴールを制した。移籍後の初勝利だ。
レースレイティングはAA、そして全日本1週間後
今年で48回目を数える歴史ある「東日本ロードクラシック」は、レースレイティング(位置づけ)がAAと高い格式ある大会。7月6日、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターの5kmサーキットで行なわれた。Jプロツアーはここを24周、計120kmを走る。個人とチームのランキング順位が接近しており、ポイントに高いこの大会の成績がリーダーの行方を左右する。
そしてもうひとつの注目は全日本選手権ロードから1週間後であることだ。全日本では佐野淳哉(那須ブラーゼン)が力強い走りで逃げ切り優勝したが、ほかのチームは思惑通りにレースを進められなかった悔しさがある。それをこの格付けの高いレースで晴らしたいところ。
当日は朝までの雨が上がり、午後には気温が上がって蒸し暑くなった。距離は短いものの、上りと下りだけしか無いこのコースでのサバイバルレースが予想された。
スタートから畑中勇介(シマノレーシング)や大場政登志(crops×championsystem)がアタックをかける。その後も土井雪広(チーム右京)、ホセ・ビセンテ(チーム右京)、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、堀孝明(宇都宮ブリッツェン)、雨澤毅明(那須ブラーゼン)らが積極的に仕掛けていくが、中でも土井とホセ・ビセンテの動きは強力で、仕掛けるたびに集団は小さくなっていった。
序盤からチーム右京の攻撃
チーム右京によって削られた先頭集団からさらに6周目、ホセ・ビセンテが上りでペースを上げると誰もフォローできず、単独での逃げが決まる。追走集団も人数を減らし、宇都宮ブリッツェン4名(阿部、堀、鈴木譲、鈴木真理、増田成幸)、チーム右京2名(土井雪広、平井栄一)、シマノレーシング2名(畑中勇介、入部正太朗)、さらにセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)、ロイック・デリアック(TeamJBCF)、武末真和(ロヂャースレーシングチーム)という13名のグループとなった。
13人の追走は平坦と下りを阿部が、上りを堀がペースを作り、ホセ・ビセンテとの差を1分前後に保つ。強力なホセ・ビセンテの独走力を警戒して少なめの差を保ち泳がせる作戦だ。このホセ・ビセンテの逃げは10周50kmにわたって続いたが、15周目、差が20秒に詰まったところで土井がブリッジをかけてホセ・ビセンテに合流、ほどなくして集団も合流した。
ここからゴールまでの8周40kmにわたって各チームの攻防が続く。最も多く仕掛けるのは増田。独走状態となるアタックを仕掛け、これに反応した土井、畑中、入部らは脚を使わせられる。この攻防で集団はさらに削られ、最終周回には先頭は鈴木譲、増田、土井、ホセ・ビセンテ、入部、デリアック、武末という7人に。
攻防は続くがこの7人は崩れず、ゴールまでの上り勝負へ。ここで増田らによって守られていた鈴木譲が満を持してスパート。追い込む土井らを振り切って優勝した。鈴木は宇都宮ブリッツェンへ今シーズンに移籍してから初の優勝だ。
「作戦が見事にはまった」清水裕輔宇都宮ブリッツェン監督
序盤はチーム右京が攻撃、終盤は宇都宮ブリッツェンが攻撃し最後は数を残した後者が結果を出した。宇都宮ブリッツェンは「全日本選手権の反省を生かしとにかく自分達のチームがレースを動かしそして勝つことが目標だった。スプリントなら鈴木真理、小集団なら鈴木譲で行く作戦だったが見事にはまった」と清水裕輔監督。
優勝した鈴木譲は序盤から動いていた。「できれば2011年のときのような独走優勝をしたかったが。今日は序盤のアタック合戦で消耗し、自分も限界に近かったので増田さんにまとめてもらおうとも考えたが、自分の走りがうまくはまった。全日本は結果は出なかったが調子は良かったので、続けていれば今日のような成績は出ると思った」と言う。
序盤から仕掛けた土井は語る。「今日はハードにやるよと宣言していたので、負けたけど楽しかったかな。自分とホセでガンガンかけて。毎回こういう厳しいレースをしたい。強い選手だけが前にいられるような。チームとしては8月以降窪木が戻ってきて、さらに新しい外国人選手も入るので楽しみ」チームは石川ロードののちに渡欧してUCIレースに参戦する予定だ。またシマノレーシングも数日内に渡欧しレースに参加する。
結果
P1クラスタ 120km
Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
Fクラスタ 30km
Jフェミニンリーダー 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)
E1クラスタ 50km
E2クラスタ 40km
E3クラスタ 30km
photo:Hideaki TAKAGI,Satoru KATO
text:Hideaki TAKAGI
レースレイティングはAA、そして全日本1週間後
今年で48回目を数える歴史ある「東日本ロードクラシック」は、レースレイティング(位置づけ)がAAと高い格式ある大会。7月6日、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターの5kmサーキットで行なわれた。Jプロツアーはここを24周、計120kmを走る。個人とチームのランキング順位が接近しており、ポイントに高いこの大会の成績がリーダーの行方を左右する。
そしてもうひとつの注目は全日本選手権ロードから1週間後であることだ。全日本では佐野淳哉(那須ブラーゼン)が力強い走りで逃げ切り優勝したが、ほかのチームは思惑通りにレースを進められなかった悔しさがある。それをこの格付けの高いレースで晴らしたいところ。
当日は朝までの雨が上がり、午後には気温が上がって蒸し暑くなった。距離は短いものの、上りと下りだけしか無いこのコースでのサバイバルレースが予想された。
スタートから畑中勇介(シマノレーシング)や大場政登志(crops×championsystem)がアタックをかける。その後も土井雪広(チーム右京)、ホセ・ビセンテ(チーム右京)、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、堀孝明(宇都宮ブリッツェン)、雨澤毅明(那須ブラーゼン)らが積極的に仕掛けていくが、中でも土井とホセ・ビセンテの動きは強力で、仕掛けるたびに集団は小さくなっていった。
序盤からチーム右京の攻撃
チーム右京によって削られた先頭集団からさらに6周目、ホセ・ビセンテが上りでペースを上げると誰もフォローできず、単独での逃げが決まる。追走集団も人数を減らし、宇都宮ブリッツェン4名(阿部、堀、鈴木譲、鈴木真理、増田成幸)、チーム右京2名(土井雪広、平井栄一)、シマノレーシング2名(畑中勇介、入部正太朗)、さらにセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)、ロイック・デリアック(TeamJBCF)、武末真和(ロヂャースレーシングチーム)という13名のグループとなった。
13人の追走は平坦と下りを阿部が、上りを堀がペースを作り、ホセ・ビセンテとの差を1分前後に保つ。強力なホセ・ビセンテの独走力を警戒して少なめの差を保ち泳がせる作戦だ。このホセ・ビセンテの逃げは10周50kmにわたって続いたが、15周目、差が20秒に詰まったところで土井がブリッジをかけてホセ・ビセンテに合流、ほどなくして集団も合流した。
ここからゴールまでの8周40kmにわたって各チームの攻防が続く。最も多く仕掛けるのは増田。独走状態となるアタックを仕掛け、これに反応した土井、畑中、入部らは脚を使わせられる。この攻防で集団はさらに削られ、最終周回には先頭は鈴木譲、増田、土井、ホセ・ビセンテ、入部、デリアック、武末という7人に。
攻防は続くがこの7人は崩れず、ゴールまでの上り勝負へ。ここで増田らによって守られていた鈴木譲が満を持してスパート。追い込む土井らを振り切って優勝した。鈴木は宇都宮ブリッツェンへ今シーズンに移籍してから初の優勝だ。
「作戦が見事にはまった」清水裕輔宇都宮ブリッツェン監督
序盤はチーム右京が攻撃、終盤は宇都宮ブリッツェンが攻撃し最後は数を残した後者が結果を出した。宇都宮ブリッツェンは「全日本選手権の反省を生かしとにかく自分達のチームがレースを動かしそして勝つことが目標だった。スプリントなら鈴木真理、小集団なら鈴木譲で行く作戦だったが見事にはまった」と清水裕輔監督。
優勝した鈴木譲は序盤から動いていた。「できれば2011年のときのような独走優勝をしたかったが。今日は序盤のアタック合戦で消耗し、自分も限界に近かったので増田さんにまとめてもらおうとも考えたが、自分の走りがうまくはまった。全日本は結果は出なかったが調子は良かったので、続けていれば今日のような成績は出ると思った」と言う。
序盤から仕掛けた土井は語る。「今日はハードにやるよと宣言していたので、負けたけど楽しかったかな。自分とホセでガンガンかけて。毎回こういう厳しいレースをしたい。強い選手だけが前にいられるような。チームとしては8月以降窪木が戻ってきて、さらに新しい外国人選手も入るので楽しみ」チームは石川ロードののちに渡欧してUCIレースに参戦する予定だ。またシマノレーシングも数日内に渡欧しレースに参加する。
結果
P1クラスタ 120km
1位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
2位 土井雪広(チーム右京)
3位 入部正太朗(シマノレーシング)
4位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6位 ロイック・デリアック(TeamJBCF)
7位 武末真和(ロヂャースレーシングチーム)
8位 普久原奨(那須ブラーゼン)
9位 畑中勇介(シマノレーシング)
10位 平井栄一(チーム右京)
2位 土井雪広(チーム右京)
3位 入部正太朗(シマノレーシング)
4位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6位 ロイック・デリアック(TeamJBCF)
7位 武末真和(ロヂャースレーシングチーム)
8位 普久原奨(那須ブラーゼン)
9位 畑中勇介(シマノレーシング)
10位 平井栄一(チーム右京)
3時間33分21秒
+01秒
+03秒
+08秒
+09秒
+12秒
+15秒
+2分55秒
+2分56秒
+01秒
+03秒
+08秒
+09秒
+12秒
+15秒
+2分55秒
+2分56秒
Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
Fクラスタ 30km
1位 金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)
2位 西加南子(LUMINARIA)
3位 智野真央(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT)
2位 西加南子(LUMINARIA)
3位 智野真央(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT)
1時間00分42秒
+3分18秒
+3分18秒
Jフェミニンリーダー 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)
E1クラスタ 50km
1位 鈴木龍(SEKIYA)
2位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)
3位 原純一(竹芝サイクルレーシング)
4位 西谷雅史(チームオーベスト)
5位 小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
6位 西薗良太(Champion System Japan)
2位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)
3位 原純一(竹芝サイクルレーシング)
4位 西谷雅史(チームオーベスト)
5位 小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
6位 西薗良太(Champion System Japan)
1時間26分23秒
+04秒
+05秒
+07秒
+12秒
+16秒
+04秒
+05秒
+07秒
+12秒
+16秒
E2クラスタ 40km
1位 齋藤敦(DOKYU HOKKAIDO)
2位 野原弘貴(名岐ベンド)
3位 槌田拓海(横浜高校自転車競技部)
4位 安岡勇(Piacere YAMA Racing)
5位 中尾峻(チームオーベスト)
6位 川島綾太(神奈川県立氷取沢高等学校)
2位 野原弘貴(名岐ベンド)
3位 槌田拓海(横浜高校自転車競技部)
4位 安岡勇(Piacere YAMA Racing)
5位 中尾峻(チームオーベスト)
6位 川島綾太(神奈川県立氷取沢高等学校)
1時間10分30秒
+02秒
+02秒
E3クラスタ 30km
1位 山藤祐輔(なるしまフレンド)
2位 小池悠介(gruppo bici-okadaman)
3位 鶴田和弘(チーム大永山)
4位 田中忍(なるしまフレンド)
5位 森天孝(Maidservant Subject)
6位 大東泰弘(Teamまるいちエヴァディオ)
2位 小池悠介(gruppo bici-okadaman)
3位 鶴田和弘(チーム大永山)
4位 田中忍(なるしまフレンド)
5位 森天孝(Maidservant Subject)
6位 大東泰弘(Teamまるいちエヴァディオ)
52分30秒
+14秒
+16秒
+20秒
+21秒
+14秒
+16秒
+20秒
+21秒
photo:Hideaki TAKAGI,Satoru KATO
text:Hideaki TAKAGI
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