2014/06/28(土) - 22:38
男子ジュニアを制したのは2年前、ここ八幡平でのU17で優勝した松本祐典(明治大)。男子U17は前日のTTを制した沢田桂太郎(東北高)が優勝。女子ジュニアでも梶原悠未(筑波大付属坂戸高)がTTに続き2冠を達成した。
雲の掛かった岩手山を望むロードコース photo:Hideaki.Takagi
全日本選手権ロード2日目に行なわれた男子ジュニア、男子U17+U15、女子ジュニア+U17。いずれも有力候補と目されていた若木実力者がレースを制した。
男子ジュニア
男子ジュニア 小山貴大(前橋育英高)や松本祐典(明治大) photo:Hideaki.Takagi1996年から1997年生まれの男子選手で争われたジュニアは、8周・計126.4kmのレース。1周目は集団でクリアし、2周目に孫崎大樹・徳田匠(北桑田高)ら6人が逃げるも4周目終盤に吸収。5周目入ってすぐに安田開(北桑田高)が独走するが、これも吸収され、6周目には13名の先頭集団が形成される。この集団がゴールまで逃げることになった。
最終周回の8周目上り。ここでゴールへ向けてアタックと牽制が入る。小山貴大(前橋育英高)がアタックを繰り出す中、冨尾大地(南大隅高)の動きをきっかけに松本祐典(明治大)が反応。さらに水谷翔(南大隅高)が合流し先頭は3人に。この3人の中からゴール前に松本が抜け出し優勝を飾った。
男子ジュニア 冨尾大地(南大隅高)、松本祐典(明治大)、水谷翔(南大隅高)の3人が抜け出す photo:Hideaki.Takagi
男子ジュニア 松本祐典(明治大)が優勝 photo:Hideaki.Takagi
男子ジュニア 表彰式 photo:Hideaki.Takagi
松本はここ八幡平市で行なわれた2012年全日本選手権ロードU17で優勝(当時北桑田高)。しかしその直後から脚の故障を患い、およそ2シーズンをレギュラーの座も得られないほどの不調で過ごした。「我慢して、そして自転車を続けてきて良かった」と晴れ晴れとした表情でインタビューに応えた。
結果 男子ジュニア 126.4km
男子アンダー17+男子アンダー15
大町健斗(チームサイクルプラス)がスタートアタックを仕掛ける photo:Hideaki.Takagi朝8時スタートは1998年から2001年生まれを対象とした男子アンダー17+15は、15.8kmを5周する79.0kmで争われた。リアルスタート直後から大町健斗(チームサイクルプラス)がアタックを仕掛け、大町に加えて日野竜嘉(松山聖陵高)、渡辺歩(学法石川高)らが積極的に仕掛けてゆく。
男子アンダー17+男子アンダー15 アタックをかける日野竜嘉(松山聖陵工) photo:Hideaki.Takagi上りごとに人数を減らす先頭集団は、3周目には大町のアタックでさらに人数が減る。4周目に入ると抜け出した大町に中川涼(浦和工高)が追いつき先頭は2人になるが吸収され、先頭は15人ほどに。最終周回の5周目に入ってもこの集団のまま、最後の登坂勝負に持ち込まれた。
アタックして独走したのは日野。これを大町や沢田桂太郎(東北高)らが追走して吸収、さらに沢田は先頭に立ってペースを上げる。攻撃と牽制を繰り返す先頭集団は崩れずそのままゴールへ。ここで鋭く先頭に出たのは吉岡衛(奈良北高)。しかしゴール直前で沢田がかわして優勝。沢田は前日の個人TTに続いて2冠を達成した。
沢田は中学の時には陸上で走り高飛びを経験している選手で、昨年高校に入ってから本格的に自転車を始めたばかりだという。ロードとトラック両方をこなし、トラックでは個人追い抜きが得意。脚質的にはスプリンターだ。
男子アンダー17+男子アンダー15 吉岡衛(奈良北高)を差し切った沢田桂太郎(東北高)が勝利 photo:Hideaki.Takagi
ゴール後に互いの健闘を称えあう選手達 photo:Hideaki.Takagi
ゴールで差しきり、TTにつぐ2冠を達成した沢田桂太郎(東北高) (c)Makoto.AYANO
沢田は「最後は"ごちそうさま"になってしまって申し訳なかったですが、自分としては最後までちぎれなかったので良いレースでした。2冠を狙っていたので嬉しいです。前を行く選手たちには最後に追いつけることはわかっていました。本当は僕も逃げて勝ちたいのですが、ゴールスプリントに持ち込めないと勝てないので、自分の得意なパターンに持ち込めた。ゴールまで溜めて最後に爆発させるのが自分の走りなんです」と語る。
沢田は謙遜するが常に先頭集団の前方で展開し、逃げができれば自力で追う場面が多く、特にゴール前の上りは強い向かい風。勝利を諦めなかった沢田に軍配が上がった。
結果 男子アンダー17+男子アンダー15 79.0km
女子ジュニア+女子アンダー17
独走状態に入った梶原悠未(筑波大附属坂戸高) (c)Makoto.AYANO
坂口聖香(日本体育大)が中心となって追うが、ペースが上がらない photo:Hideaki.Takagi女子ジュニアと同アンダー17は4周回、計63.2kmのレース。1周目は集団で推移するが、上りでのペースアップで集団は分裂。しかし2周目の上りで10人にまとまった先頭から梶原悠未(筑波大付属坂戸高)が仕掛けるとすぐに差が開いた。集団は下りでまとまり9人になるが、梶原を追う動きにはならず独走が続く。結局梶原は約2周で2位以下に4分53秒もの大差をつけて優勝。前日の個人TTと合わせて2冠を達成した。
優勝した梶原悠未(筑波大付属坂戸高)
本当は一周目の上りからすべて独走したかったのですが、タイム差をずっと広げ続けられたので良かったです。来年はもっともっと大きな差をつけて勝ちたい。不安はありませんでした。自分に自信をもって走りました。次の目標は世界選手権でメダルを獲ることです。
結果 女子ジュニア+女子アンダー17 63.2km
text:Hideaki.Takagi
phorto:Hideaki.Takagi,MAkoto.Ayano,So.Isobe
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全日本選手権ロード2日目に行なわれた男子ジュニア、男子U17+U15、女子ジュニア+U17。いずれも有力候補と目されていた若木実力者がレースを制した。
男子ジュニア
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最終周回の8周目上り。ここでゴールへ向けてアタックと牽制が入る。小山貴大(前橋育英高)がアタックを繰り出す中、冨尾大地(南大隅高)の動きをきっかけに松本祐典(明治大)が反応。さらに水谷翔(南大隅高)が合流し先頭は3人に。この3人の中からゴール前に松本が抜け出し優勝を飾った。
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松本はここ八幡平市で行なわれた2012年全日本選手権ロードU17で優勝(当時北桑田高)。しかしその直後から脚の故障を患い、およそ2シーズンをレギュラーの座も得られないほどの不調で過ごした。「我慢して、そして自転車を続けてきて良かった」と晴れ晴れとした表情でインタビューに応えた。
結果 男子ジュニア 126.4km
1位 松本祐典(明治大)
2位 水谷翔(南大隅高)
3位 冨尾大地(南大隅高)
4位 小山貴大(前橋育英高)
5位 中村圭佑(昭和第一学園高)
6位 石上優大(横浜高)
2位 水谷翔(南大隅高)
3位 冨尾大地(南大隅高)
4位 小山貴大(前橋育英高)
5位 中村圭佑(昭和第一学園高)
6位 石上優大(横浜高)
3時間29分09秒
3時間29分17秒
3時間29分21秒
3時間29分49秒
3時間29分57秒
3時間30分11秒
3時間29分17秒
3時間29分21秒
3時間29分49秒
3時間29分57秒
3時間30分11秒
男子アンダー17+男子アンダー15
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アタックして独走したのは日野。これを大町や沢田桂太郎(東北高)らが追走して吸収、さらに沢田は先頭に立ってペースを上げる。攻撃と牽制を繰り返す先頭集団は崩れずそのままゴールへ。ここで鋭く先頭に出たのは吉岡衛(奈良北高)。しかしゴール直前で沢田がかわして優勝。沢田は前日の個人TTに続いて2冠を達成した。
沢田は中学の時には陸上で走り高飛びを経験している選手で、昨年高校に入ってから本格的に自転車を始めたばかりだという。ロードとトラック両方をこなし、トラックでは個人追い抜きが得意。脚質的にはスプリンターだ。
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沢田は「最後は"ごちそうさま"になってしまって申し訳なかったですが、自分としては最後までちぎれなかったので良いレースでした。2冠を狙っていたので嬉しいです。前を行く選手たちには最後に追いつけることはわかっていました。本当は僕も逃げて勝ちたいのですが、ゴールスプリントに持ち込めないと勝てないので、自分の得意なパターンに持ち込めた。ゴールまで溜めて最後に爆発させるのが自分の走りなんです」と語る。
沢田は謙遜するが常に先頭集団の前方で展開し、逃げができれば自力で追う場面が多く、特にゴール前の上りは強い向かい風。勝利を諦めなかった沢田に軍配が上がった。
結果 男子アンダー17+男子アンダー15 79.0km
1位 沢田桂太郎(東北高)
2位 吉岡衛(奈良北高)
3位 日野竜嘉(松山聖陵高)
4位 中川涼(浦和工高)
5位 渡辺歩(学法石川高)
6位 大町健斗(チームサイクルプラス)
2位 吉岡衛(奈良北高)
3位 日野竜嘉(松山聖陵高)
4位 中川涼(浦和工高)
5位 渡辺歩(学法石川高)
6位 大町健斗(チームサイクルプラス)
2時間16分18秒
2時間16分18秒
2時間16分19秒
2時間16分19秒
2時間16分19秒
2時間16分26秒
2時間16分18秒
2時間16分19秒
2時間16分19秒
2時間16分19秒
2時間16分26秒
女子ジュニア+女子アンダー17
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優勝した梶原悠未(筑波大付属坂戸高)
本当は一周目の上りからすべて独走したかったのですが、タイム差をずっと広げ続けられたので良かったです。来年はもっともっと大きな差をつけて勝ちたい。不安はありませんでした。自分に自信をもって走りました。次の目標は世界選手権でメダルを獲ることです。
結果 女子ジュニア+女子アンダー17 63.2km
1位 梶原悠未(筑波大付属坂戸高)
2位 大谷杏奈(桜丘工)
3位 細谷夢那(浦和工高)
4位 内村舞織(南大隅高)
5位 佐々木美郁(古川工高)
6位 谷伊央里(日本体育大)
2位 大谷杏奈(桜丘工)
3位 細谷夢那(浦和工高)
4位 内村舞織(南大隅高)
5位 佐々木美郁(古川工高)
6位 谷伊央里(日本体育大)
1時間57分33秒
2時間02分26秒
2時間02分27秒
2時間02分28秒
2時間02分29秒
2時間02分30秒
2時間02分26秒
2時間02分27秒
2時間02分28秒
2時間02分29秒
2時間02分30秒
text:Hideaki.Takagi
phorto:Hideaki.Takagi,MAkoto.Ayano,So.Isobe
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