2014/06/10(火) - 12:27
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)は大会2日目にして総合有力勢による激しい山岳勝負が勃発。圧倒的な登坂力を誇示したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がライバルを粉砕し、昨日の個人TTに続くステージ2連勝を飾ってみせた。
6月9日に開催されたクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第2ステージ。リヨンで行われた10kmの個人TTから一夜明け、レースは早速総合順位に大きく影響する大一番を迎えた。
コースはリヨンからほど近いタラールから南西へ移動し、ペイ・ドリエルグに至る158.5km。スタート直後から5つの山岳(2級→4級→2級→2級→3級)を越え、最後は登坂距離13.8km/平均勾配6.6%を誇る超級山岳コル・ドゥ・ベアルの山頂フィニッシュへと至る本格的な山岳ステージだ。
強く風が吹いたこの日、レースは予定時刻より10分遅れた10時45分にスタート。すぐに大会最初の山岳ポイントを狙う5名がエスケープし、チームスカイがコントロールする集団を引き離しにかかる。
マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)やケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)ら逃げグループは最大で4分半ほどのリードを確保する。次々と現れるKOMポイントは全てレザが先頭通過し、37ポイントを荒稼ぎして山岳リーダーの座についた。
コル・ドゥ・ベアが近づくにつれて集団のペースが上がり、チームスカイのゲラント・トーマス(イギリス)やミケル・ニエベ(スペイン)がペースを整えつつ先頭とのタイム差を3分ほどで登坂に突入。先頭から抜け出していたアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール)を吸収し、いよいよ本格的な振り落としが掛かっていく。
ニエベの高速牽きで集団がバラけた残り5kmから、突然フルームが猛然とアタックを敢行する。このペースアップで集団は粉々となり、フォローできたのはアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)ただ一人だけ。やがて2人が見合ってペースが落ちたところでウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)、ユルゲン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が合流に成功した。
すぐさま「お見合いしてくれればチャンスがあると思った」と言うケルデルマンがアタックする一方、苦しい表情で遅れかけるのはニーバリだ。後方集団から単独で合流したアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)を含め、先頭6名は互いに見合いながら、タランスキーとケルデルマンのアタックを封じ込めながら残り距離を減らしていった。
そのまま残り1kmのフラムルージュを通過すると、それまで静観していたフルームが再び強烈なペースアップを開始。コンタドール以外の全員を引き千切ると、もがき倒したまま先頭を譲らずにゴールへ。圧倒的な登坂力でライバル達を屈させた。
「今日は本当に、本当にタフな一日だったけれど、チームが良く働いてくれた。」と語るのはフルーム。「並みいるライバル達と共に山岳を登るのは久しぶりだったから、アタックの口火を切って皆の仕上がりや反応をチェックしようと思ったんだ。その結果アルベルトだけがフォローできた。簡単ではなかったけれど、彼に揺さぶりをかけることはできたと思う。」と言う。
また、タイム差無しの2位でゴールしたコンタドールについては「アルベルトと僕は全力を出し尽くしあった。彼にはこれ以上の脚が無いと思いたいけれど、間違いなく良いコンディションにある。」と語った。
ステージ3位は4秒遅れでケルデルマンが入り、ヴァンデンブロックが10秒差の4位、タランスキーは12秒差5位。途中で何度も遅れながら粘ったニーバリは40秒差の6位となっている。フルームはボーナスタイムを獲得して総合リードを12秒に広げることにも成功。第2ステージにしてリーダージャージの座を確固たるものにしつつある。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第2ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
ケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
チーム総合成績
アスタナ
text:So.Isobe
photo:Cor.Vos
6月9日に開催されたクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第2ステージ。リヨンで行われた10kmの個人TTから一夜明け、レースは早速総合順位に大きく影響する大一番を迎えた。
コースはリヨンからほど近いタラールから南西へ移動し、ペイ・ドリエルグに至る158.5km。スタート直後から5つの山岳(2級→4級→2級→2級→3級)を越え、最後は登坂距離13.8km/平均勾配6.6%を誇る超級山岳コル・ドゥ・ベアルの山頂フィニッシュへと至る本格的な山岳ステージだ。
強く風が吹いたこの日、レースは予定時刻より10分遅れた10時45分にスタート。すぐに大会最初の山岳ポイントを狙う5名がエスケープし、チームスカイがコントロールする集団を引き離しにかかる。
マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)やケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)ら逃げグループは最大で4分半ほどのリードを確保する。次々と現れるKOMポイントは全てレザが先頭通過し、37ポイントを荒稼ぎして山岳リーダーの座についた。
コル・ドゥ・ベアが近づくにつれて集団のペースが上がり、チームスカイのゲラント・トーマス(イギリス)やミケル・ニエベ(スペイン)がペースを整えつつ先頭とのタイム差を3分ほどで登坂に突入。先頭から抜け出していたアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール)を吸収し、いよいよ本格的な振り落としが掛かっていく。
ニエベの高速牽きで集団がバラけた残り5kmから、突然フルームが猛然とアタックを敢行する。このペースアップで集団は粉々となり、フォローできたのはアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)ただ一人だけ。やがて2人が見合ってペースが落ちたところでウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)、ユルゲン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が合流に成功した。
すぐさま「お見合いしてくれればチャンスがあると思った」と言うケルデルマンがアタックする一方、苦しい表情で遅れかけるのはニーバリだ。後方集団から単独で合流したアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)を含め、先頭6名は互いに見合いながら、タランスキーとケルデルマンのアタックを封じ込めながら残り距離を減らしていった。
そのまま残り1kmのフラムルージュを通過すると、それまで静観していたフルームが再び強烈なペースアップを開始。コンタドール以外の全員を引き千切ると、もがき倒したまま先頭を譲らずにゴールへ。圧倒的な登坂力でライバル達を屈させた。
「今日は本当に、本当にタフな一日だったけれど、チームが良く働いてくれた。」と語るのはフルーム。「並みいるライバル達と共に山岳を登るのは久しぶりだったから、アタックの口火を切って皆の仕上がりや反応をチェックしようと思ったんだ。その結果アルベルトだけがフォローできた。簡単ではなかったけれど、彼に揺さぶりをかけることはできたと思う。」と言う。
また、タイム差無しの2位でゴールしたコンタドールについては「アルベルトと僕は全力を出し尽くしあった。彼にはこれ以上の脚が無いと思いたいけれど、間違いなく良いコンディションにある。」と語った。
ステージ3位は4秒遅れでケルデルマンが入り、ヴァンデンブロックが10秒差の4位、タランスキーは12秒差5位。途中で何度も遅れながら粘ったニーバリは40秒差の6位となっている。フルームはボーナスタイムを獲得して総合リードを12秒に広げることにも成功。第2ステージにしてリーダージャージの座を確固たるものにしつつある。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第2ステージ結果
1位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
4位 ユルゲン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
6位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
7位 イゴール・アントン(スペイン、モビスター)
8位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
9位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング)
10位 ダニエル・ナヴァーロ(フランス、コフィディス)
83位 別府史之(トレックファクトリーレーシング)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
4位 ユルゲン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
6位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
7位 イゴール・アントン(スペイン、モビスター)
8位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
9位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング)
10位 ダニエル・ナヴァーロ(フランス、コフィディス)
83位 別府史之(トレックファクトリーレーシング)
4h24'41"
+04"
+10"
+12"
+27"
+40"
+42"
+44"
+45"
+11'14"
+04"
+10"
+12"
+27"
+40"
+42"
+44"
+45"
+11'14"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
4位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 ユルゲン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
8位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
9位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
4位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 ユルゲン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
8位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
9位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
4h37'44"
+12"
+21"
+33"
+35"
+50"
+1'22"
+1'31"
+1'35"
+12"
+21"
+33"
+35"
+50"
+1'22"
+1'31"
+1'35"
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
ケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
チーム総合成績
アスタナ
text:So.Isobe
photo:Cor.Vos
Amazon.co.jp