2014/06/02(月) - 14:54
ジロ・デ・イタリアは終着地トリエステに到着。海岸通のゴールスプリントで、隣国スロベニアのルーカ・メスゲツ(ジャイアント・シマノ)が勝利した。集団内で安全にフィニッシュしたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が第97回大会の総合優勝に輝いた。
3週間の闘いを終えた選手たちが、終着地トリエステに凱旋する。ジェモーナ・デル・フリウリからゆったりと東に向かい、最後はトリエステの7.25km周回コースを8周。高低差50mほどの起伏ある周回コースだが、通例として、総合成績をひっくり返すような動きは生まれない。
お互いの健闘を讃え合いながら走る選手たちが、マリアローザ擁するモビスターを先頭にしてトリエステの周回コースに突入。しばらくマリアローザの凱旋走行が続いた後、アタックの火ぶたが切って落とされた。
最初に仕掛けたのはスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)とラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)の2人で、最大45秒のリードでエスケープ。これをチームスカイやキャノンデール、トレックファクトリーレーシングが追撃する展開となる。
タイム差が縮まると、ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)、ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニCSF)、カルロス・キンテロ(コロンビア、コロンビア)の3人が先頭グループに合流。新たに5人での逃げを試みたものの、スプリンターチームの追撃を振り切ることは出来ずに残り2周で吸収される。
前日のモンテゾンコランでチャンスを逃したフランチェスコ・ボンジョルノ(イタリア、バルディアーニCSF)らのアタックは成功せず、ハイスピードなゴールスプリントに持ち込まれた。
コロンビアとスロベニアの応援団に見守られながらのスプリント。最終ストレートでセバスティアン・シャヴァネル(フランス、FDJ.fr)によるリードアウトが終わると、ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)とジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)が好位置からスプリントを開始した。
「確実にジャージを獲得するためにリスクを冒さなかった」というマリアロッサのナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が後方でスプリントする中、ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)が先頭の3人を追撃。フィニッシュライン手前で先頭に立ったメスゲツが、喜びの雄叫びを挙げながらフィニッシュした。
ステージ2勝を飾りながらも体調不良でリタイアしたマルセル・キッテル(ドイツ)に代わって、見事に最終ステージを制してみせたメスゲツ。昨年チームに合流した25歳のスプリンターで、今年のボルタ・ア・カタルーニャではステージ3勝を飾っている。
「残り500mの時点で良いポジションを走っていたものの、残り350mで前を塞がれたので、終わったと思った。でも空いているスペースを見つけて突っ込んだんだ。運に味方されていたとも言える」と、グランツール初優勝を飾ったメスゲツは語る。キッテルやデゲンコルブに続く第3のスプリンターとして今後も注目の存在だ。
この日はステージ32位と33位の間に9秒差がついたものの、総合上位陣の成績には大きな影響は無し。ガッツポーズをしながら82番目にフィニッシュラインを切ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が総合優勝を決めた。
「言葉にならない。夢が叶った」と感極まるキンタナが、降りしきる雨の中での表彰式でマリアローザとトロフェオ・センツァ・フィーネを受け取った。コロンビア人によるジロ制覇はキンタナが初めて。
総合2位にリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)が入り、ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)がマリアアッズーラを獲得。かつてないほどコロンビア色の強いジロが終わった。
新城幸也(ユーロップカー)と別府史之(トレックファクトリーレーシング)はともに集団内でフィニッシュ。新城は6度目のグランツール(ジロは2度目)完走、別府は4度目のグランツール(ジロは3度目)完走を果たした。
ジロ・デ・イタリア2014第21ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
チーム総合成績
AG2Rラモンディアール
text&photo:Kei Tsuji in Trieste, Italy
3週間の闘いを終えた選手たちが、終着地トリエステに凱旋する。ジェモーナ・デル・フリウリからゆったりと東に向かい、最後はトリエステの7.25km周回コースを8周。高低差50mほどの起伏ある周回コースだが、通例として、総合成績をひっくり返すような動きは生まれない。
お互いの健闘を讃え合いながら走る選手たちが、マリアローザ擁するモビスターを先頭にしてトリエステの周回コースに突入。しばらくマリアローザの凱旋走行が続いた後、アタックの火ぶたが切って落とされた。
最初に仕掛けたのはスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)とラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)の2人で、最大45秒のリードでエスケープ。これをチームスカイやキャノンデール、トレックファクトリーレーシングが追撃する展開となる。
タイム差が縮まると、ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)、ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニCSF)、カルロス・キンテロ(コロンビア、コロンビア)の3人が先頭グループに合流。新たに5人での逃げを試みたものの、スプリンターチームの追撃を振り切ることは出来ずに残り2周で吸収される。
前日のモンテゾンコランでチャンスを逃したフランチェスコ・ボンジョルノ(イタリア、バルディアーニCSF)らのアタックは成功せず、ハイスピードなゴールスプリントに持ち込まれた。
コロンビアとスロベニアの応援団に見守られながらのスプリント。最終ストレートでセバスティアン・シャヴァネル(フランス、FDJ.fr)によるリードアウトが終わると、ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)とジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)が好位置からスプリントを開始した。
「確実にジャージを獲得するためにリスクを冒さなかった」というマリアロッサのナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が後方でスプリントする中、ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)が先頭の3人を追撃。フィニッシュライン手前で先頭に立ったメスゲツが、喜びの雄叫びを挙げながらフィニッシュした。
ステージ2勝を飾りながらも体調不良でリタイアしたマルセル・キッテル(ドイツ)に代わって、見事に最終ステージを制してみせたメスゲツ。昨年チームに合流した25歳のスプリンターで、今年のボルタ・ア・カタルーニャではステージ3勝を飾っている。
「残り500mの時点で良いポジションを走っていたものの、残り350mで前を塞がれたので、終わったと思った。でも空いているスペースを見つけて突っ込んだんだ。運に味方されていたとも言える」と、グランツール初優勝を飾ったメスゲツは語る。キッテルやデゲンコルブに続く第3のスプリンターとして今後も注目の存在だ。
この日はステージ32位と33位の間に9秒差がついたものの、総合上位陣の成績には大きな影響は無し。ガッツポーズをしながら82番目にフィニッシュラインを切ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が総合優勝を決めた。
「言葉にならない。夢が叶った」と感極まるキンタナが、降りしきる雨の中での表彰式でマリアローザとトロフェオ・センツァ・フィーネを受け取った。コロンビア人によるジロ制覇はキンタナが初めて。
総合2位にリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)が入り、ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)がマリアアッズーラを獲得。かつてないほどコロンビア色の強いジロが終わった。
新城幸也(ユーロップカー)と別府史之(トレックファクトリーレーシング)はともに集団内でフィニッシュ。新城は6度目のグランツール(ジロは2度目)完走、別府は4度目のグランツール(ジロは3度目)完走を果たした。
ジロ・デ・イタリア2014第21ステージ結果
1位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コロンビア)
7位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)
8位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
10位 イーリョ・ケイセ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
52位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
79位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コロンビア)
7位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)
8位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
10位 イーリョ・ケイセ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
52位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
79位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
4h23'58"
+09"
+09"
マリアローザ 個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
4位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
6位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
7位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
9位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
4位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
6位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
7位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
9位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
88h14'32"
+2'58"
+4'04"
+5'46"
+6'32"
+7'04"
+11'00"
+11'51"
+13'35"
+15'49"
+2'58"
+4'04"
+5'46"
+6'32"
+7'04"
+11'00"
+11'51"
+13'35"
+15'49"
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
チーム総合成績
AG2Rラモンディアール
text&photo:Kei Tsuji in Trieste, Italy
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