2014/05/17(土) - 10:24
イタリアを拠点として幅広い種類のホームトレーナーをラインナップするELITE(エリート)。エリートからリリースされたこれまでの方式とは異なるドライブトレイン直結型ホームトレーナー「Turbo Muin(ターボムイン)」とこれまでのエリートのトレーナーに対応したトレーニングアプリ「My E-Training」をインプレッション。
エリート Turbo Muin
固定ローラーや三本ローラー、フルード式や磁気式、自重式と固定式、様々なバリエーションのホームトレーナーのラインナップを持ち、もはや死角はないのでは?と思えるほどに充実したエリートの製品群。だが、その鉄壁の布陣にも満足せず、新たな形式のローラー台に挑戦する姿勢こそがホームトレーナー市場のリーディングカンパニーたる所以なのだろう。
トレーナーを使用するとファンが回転し、フルードの冷却をサポートする
大きなドラムの中に負荷装置が収められる 今回インプレッションを行ったターボムインは、タイヤやリムとの摩擦で負荷を生みだす、これまでの固定ローラー台とは異なり、負荷装置にドライブトレインを直結するダイレクトトランスミッション式ホームトレーナー。形式としてはリアホイールの代わりにTurbo Muinを装着し、使用するようになっている。
ダイレクトトランスミッション式の負荷装置を採用することで、急速なタイヤの摩耗やホイールの振動による騒音といった、従来のホームトレーナーに存在した問題をクリアしている。負荷装置にはエリートの得意分野であるフルード式を採用し、速度の上昇に伴ってスムーズに負荷が高くなり、最大2250ワットの負荷をかけることができる。
フライホイールにはマグネットが内蔵されており、チェーンステーにセンサー設置すればスピードを計測することも可能となっている。今回、共にインプレッションを行ったトレーニングアプリ「My E-Training」と連携することで、出力をベースとしたトレーニングも可能だ。
My E-TrainingはiphoneやipadといったiOS機器でトレーニングを行うことができる様に開発されたアプリケーション。様々なトレーニングモードが用意され、退屈になりがちなホームトレーナーでのトレーニングをより有意義にしてくれる。今回のインプレッションでは、この2つの組み合わせを試してみた。
ーインプレッション
編集部に届いた箱を開ければ、重厚な造りのローラー台が姿を見せた。これまでのローラー台とは大きく異なる外観は、まるでSF作品に出てくる宇宙船のような未来的なたたずまいを見せている。ローラー台の中ではかなり重い部類に入るのと、折りたたんでもそこまでコンパクトになるわけでは無いため、普段はしまっておいて使用時にのみ設置するというような使用方法には向いていないだろう。
エリート Turbo Muin
ローラー台に直接ドライブトレインが取り付けられる
金属パーツが全面に配される左側面
幅広の脚が高いスタビリティを発揮する スプロケットを取り付けて、リアホイールを交換する要領で自転車を取り付ければすぐにでもトレーニングを開始することができる。負荷ユニットをタイヤに押しつけることで負荷を発生させる通常の固定ローラーでは、タイヤの押し付け具合で負荷が変わってしまうという欠点があるが、ターボムインではそんな心配は無用だ。何も考えず、ただリアホイールの代わりにターボムインを装着するだけ。
My E-Trainingとの連携のために、自転車のチェーンステーにANT+のセンサーを装着する必要があった。右側チェーンステーにセンサーを取り付ける必要があるため、できればローラー専用の自転車を用意したほうが手間がかからず済むだろう。
さて、実際に自転車を取り付けて漕ぎだしてまず感じるのは高い安定感。横方向へのたわみが少なく、踏みこんだときにも不安を感じることが少ないため、高出力を出した時も「ローラーから自転車が外れるかも?」というような心配は無用だ。タイヤドライブ方式でありがちな、急激に出力を上げた際にタイヤがスリップしてしまい、負荷が抜けてしまうという現象も起こらないため、インターバルトレーニングにもぴったりと感じる。
負荷はダイヤルなどの調整はできず、速度に合わせて負荷が増していく方式。速度が上がれば上がるほど、二次曲線的な負荷の上がり方をする。感覚としては、高速になればなるほど空気抵抗が増大するような感覚で非常に実走感に富んだ乗り心地だ。
他のドライブトレイン直結型のローラー台とは異なり、エリートの得意とするフルード式の負荷ユニットを搭載することで、騒音もかなり低いレベルに抑えられている。通常のローラー台でバランスのとれていないリアホイールを使用したときに起きる振動は発生しようがないという構造上の利点と合わせて、かなり静粛性に優れていると感じた。
さて、ipadにMy E-Trainingをインストールして走行してみれば、速度や出力といった項目が確認できる。My E-Trainingには、プリセットされたメニューおよび、自分で作成したメニューをこなすベーストレーニングモードや、有酸素運動閾値を測定するコンコーニテスト、身体能力を計測しトレーニングメニューを作成してくれるトレーニングテスト、自転車をこいだ分だけマップ上のアイコンが事前に設定したルートに沿って動いていくことで疑似サイクリングを楽しめるコースマップモードといった4つの機能がある。
センサー取り付け位置はこの位置となる
My E-Trainingはトレーニング中にも操作しやすい
その中から今回は、ベーストレーニングモードを試してみた。ベーストレーニングモードは、出力をベースに指定した強度と時間が表示され、その値を目標にトレーニングを行うというもの。高価なパワーメーターがなくとも、パワートレーニングを始められるというのはありがたい。
ベーストレーニングモードの画面。パワー欄のカッコに囲まれた部分が目標値。 事前に選択するメニューは、プリセットされているものが10種類あるが、ユーザーが自分で作成することもできる。iOSならではの直感的な操作でメニューを設定できるため、マニュアルがなくても簡単にメニューを作成することができる。日本語版は用意されていないが、特に問題はないだろう。
実際にベーストレーニングモードを行ってみたが、一人であればつい心がくじけてしまいがちなローラー台でのトレーニングが、具体的な強度と時間の目標が常に表示されることで、「もうひと踏ん張りしよう」という気がわいてくる。まるでトレーナーが付いているかのように、充実したトレーニングを行うことができるだろう。
ただひとつ気になったのが、実際の出力よりもMy E-Trainingに表示される出力が低いのではないかということ。生憎とクランク型のパワーメーターを装着したバイクがなかったため正確な評価はできないが、普段からパワーメーターを使用している筆者の感覚よりも10~20%程度出力の値が低く表示されていると感じた。
なので、メニューを組む際に普段からパワートレーニングを行っている人は少し低めの強度でのメニュー作成を行ったほうが良いかもしれない。また、初めてのパワートレーニングとして割り切って、他の人との比較などをしないのであれば、絶対的な出力値はそこまで重要にならないため、十分に指標としては利用することができるだろう。
静粛性と実走感に優れたターボムインと、お手軽にパワートレーニングを始められ、トレーニングメニューの作成も行えるMy E-Trainingのコンビネーションは効率的で濃密なトレーニング体験を実現するだろう。これからの梅雨の時季、ライバルに差をつけたい人の強い味方となるに違いない。
エリート ターボムイン
サイズ:縦59cm × 横56cm × 高さ46cm(使用時)
重 量:18kg
フリーボディー:シマノ&スラム 10/11s対応
価 格:66,476円(税抜)
※スプロケットは別売
※オプションにてカンパニョーロ9/10/11sに対応、フリーボディーの価格は6,190円(税抜)
My E-Training
価格 無料(一日10分以上の利用は$10.99の年間ライセンスが必要)
ダウンロードはApp Storeより
対応トレーナー:Digitalシリーズ(Arion Digital、Crono Wireless、Novo Powermag Dgital、Qubo Digital、Qubo Hydromag Digital 5、Qubo Hydromag Digital 8、Supercrono Digital 5、Supercrono Digital 8、Supercrono Forte、Supercrono Hydromag Digital)、 Fluidシリーズ(Crono Fluid、Fluid Alu、Power Fluid、Power Fluid Ritmo、Qubo Fluid、Qubo Fluid+Integrato、Qubo Fluid Integrato、Supercrono Power Fluid、Turbo Muin)、Hydromagシリーズ(Crono Hydromag、Qubo Hydromag 5、Qubo Hydromag 8、Supercrono Hydromag)、Magシリーズ(Crono FOrce、Novo Force、Novo mag + Speed Alu、Novo Powermag、Qubo Powermag、Supercrono Mag Alu、Supercrono Mag Gel、Supercrono Powermag、Volare Mag Force、Volare Mag Force Gel、Volare Mag Speed Alu、Volare Mag Speed Gel、3本ローラーシリーズ(Arion、Arion AL13、Arion Mag、E-Motion、Parabolic、V-Arion)
対応iOS機器:iPhone、iPad(iPhone 5での利用に最適化されています。)
対応OS:iOS 5.0以降に対応
※アプリケーションに関するサポートは myetraining@elite-it.com にて英語でのみ対応する。
text:Naoki,YASUOKA
photo:CW編集部
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固定ローラーや三本ローラー、フルード式や磁気式、自重式と固定式、様々なバリエーションのホームトレーナーのラインナップを持ち、もはや死角はないのでは?と思えるほどに充実したエリートの製品群。だが、その鉄壁の布陣にも満足せず、新たな形式のローラー台に挑戦する姿勢こそがホームトレーナー市場のリーディングカンパニーたる所以なのだろう。
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ダイレクトトランスミッション式の負荷装置を採用することで、急速なタイヤの摩耗やホイールの振動による騒音といった、従来のホームトレーナーに存在した問題をクリアしている。負荷装置にはエリートの得意分野であるフルード式を採用し、速度の上昇に伴ってスムーズに負荷が高くなり、最大2250ワットの負荷をかけることができる。
フライホイールにはマグネットが内蔵されており、チェーンステーにセンサー設置すればスピードを計測することも可能となっている。今回、共にインプレッションを行ったトレーニングアプリ「My E-Training」と連携することで、出力をベースとしたトレーニングも可能だ。
My E-TrainingはiphoneやipadといったiOS機器でトレーニングを行うことができる様に開発されたアプリケーション。様々なトレーニングモードが用意され、退屈になりがちなホームトレーナーでのトレーニングをより有意義にしてくれる。今回のインプレッションでは、この2つの組み合わせを試してみた。
ーインプレッション
編集部に届いた箱を開ければ、重厚な造りのローラー台が姿を見せた。これまでのローラー台とは大きく異なる外観は、まるでSF作品に出てくる宇宙船のような未来的なたたずまいを見せている。ローラー台の中ではかなり重い部類に入るのと、折りたたんでもそこまでコンパクトになるわけでは無いため、普段はしまっておいて使用時にのみ設置するというような使用方法には向いていないだろう。
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My E-Trainingとの連携のために、自転車のチェーンステーにANT+のセンサーを装着する必要があった。右側チェーンステーにセンサーを取り付ける必要があるため、できればローラー専用の自転車を用意したほうが手間がかからず済むだろう。
さて、実際に自転車を取り付けて漕ぎだしてまず感じるのは高い安定感。横方向へのたわみが少なく、踏みこんだときにも不安を感じることが少ないため、高出力を出した時も「ローラーから自転車が外れるかも?」というような心配は無用だ。タイヤドライブ方式でありがちな、急激に出力を上げた際にタイヤがスリップしてしまい、負荷が抜けてしまうという現象も起こらないため、インターバルトレーニングにもぴったりと感じる。
負荷はダイヤルなどの調整はできず、速度に合わせて負荷が増していく方式。速度が上がれば上がるほど、二次曲線的な負荷の上がり方をする。感覚としては、高速になればなるほど空気抵抗が増大するような感覚で非常に実走感に富んだ乗り心地だ。
他のドライブトレイン直結型のローラー台とは異なり、エリートの得意とするフルード式の負荷ユニットを搭載することで、騒音もかなり低いレベルに抑えられている。通常のローラー台でバランスのとれていないリアホイールを使用したときに起きる振動は発生しようがないという構造上の利点と合わせて、かなり静粛性に優れていると感じた。
さて、ipadにMy E-Trainingをインストールして走行してみれば、速度や出力といった項目が確認できる。My E-Trainingには、プリセットされたメニューおよび、自分で作成したメニューをこなすベーストレーニングモードや、有酸素運動閾値を測定するコンコーニテスト、身体能力を計測しトレーニングメニューを作成してくれるトレーニングテスト、自転車をこいだ分だけマップ上のアイコンが事前に設定したルートに沿って動いていくことで疑似サイクリングを楽しめるコースマップモードといった4つの機能がある。
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実際にベーストレーニングモードを行ってみたが、一人であればつい心がくじけてしまいがちなローラー台でのトレーニングが、具体的な強度と時間の目標が常に表示されることで、「もうひと踏ん張りしよう」という気がわいてくる。まるでトレーナーが付いているかのように、充実したトレーニングを行うことができるだろう。
ただひとつ気になったのが、実際の出力よりもMy E-Trainingに表示される出力が低いのではないかということ。生憎とクランク型のパワーメーターを装着したバイクがなかったため正確な評価はできないが、普段からパワーメーターを使用している筆者の感覚よりも10~20%程度出力の値が低く表示されていると感じた。
なので、メニューを組む際に普段からパワートレーニングを行っている人は少し低めの強度でのメニュー作成を行ったほうが良いかもしれない。また、初めてのパワートレーニングとして割り切って、他の人との比較などをしないのであれば、絶対的な出力値はそこまで重要にならないため、十分に指標としては利用することができるだろう。
静粛性と実走感に優れたターボムインと、お手軽にパワートレーニングを始められ、トレーニングメニューの作成も行えるMy E-Trainingのコンビネーションは効率的で濃密なトレーニング体験を実現するだろう。これからの梅雨の時季、ライバルに差をつけたい人の強い味方となるに違いない。
エリート ターボムイン
サイズ:縦59cm × 横56cm × 高さ46cm(使用時)
重 量:18kg
フリーボディー:シマノ&スラム 10/11s対応
価 格:66,476円(税抜)
※スプロケットは別売
※オプションにてカンパニョーロ9/10/11sに対応、フリーボディーの価格は6,190円(税抜)
My E-Training
価格 無料(一日10分以上の利用は$10.99の年間ライセンスが必要)
ダウンロードはApp Storeより
対応トレーナー:Digitalシリーズ(Arion Digital、Crono Wireless、Novo Powermag Dgital、Qubo Digital、Qubo Hydromag Digital 5、Qubo Hydromag Digital 8、Supercrono Digital 5、Supercrono Digital 8、Supercrono Forte、Supercrono Hydromag Digital)、 Fluidシリーズ(Crono Fluid、Fluid Alu、Power Fluid、Power Fluid Ritmo、Qubo Fluid、Qubo Fluid+Integrato、Qubo Fluid Integrato、Supercrono Power Fluid、Turbo Muin)、Hydromagシリーズ(Crono Hydromag、Qubo Hydromag 5、Qubo Hydromag 8、Supercrono Hydromag)、Magシリーズ(Crono FOrce、Novo Force、Novo mag + Speed Alu、Novo Powermag、Qubo Powermag、Supercrono Mag Alu、Supercrono Mag Gel、Supercrono Powermag、Volare Mag Force、Volare Mag Force Gel、Volare Mag Speed Alu、Volare Mag Speed Gel、3本ローラーシリーズ(Arion、Arion AL13、Arion Mag、E-Motion、Parabolic、V-Arion)
対応iOS機器:iPhone、iPad(iPhone 5での利用に最適化されています。)
対応OS:iOS 5.0以降に対応
※アプリケーションに関するサポートは myetraining@elite-it.com にて英語でのみ対応する。
text:Naoki,YASUOKA
photo:CW編集部
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ELITE(エリート) トレーニングマット 149560001 レッド
ELITE(エリート)
博文館 2014年4月始まり エリートプランナー(紺) 471
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