アメリカはウィスコンシン州に本拠を構え、出力計測器を中心としたレース&トレーニング用機材の開発を行うパワータップ。その主力製品でもあり、ブランド名の由来ともなった出力計測器内蔵型ハブ、パワータップにストレートプルスポークに対応した新モデル、「GS」が追加された。



パワータップ GS

パワータップ GSパワータップ GS (c)キルシュベルク
日本でもプロ選手やハイアマチュアを中心にシリアス志向のサイクリストの間ではかなりの普及してきた感があるパワーメーター。多くのブランドがクランク周辺で出力を計測するのに対し、リアハブでの計測を行う唯一のパワーメータがパワータップだ。

ストレートプルスポーク仕様となったGSストレートプルスポーク仕様となったGS (c)キルシュベルク統一感のあるグラフィックをまとったフロントハブも用意される統一感のあるグラフィックをまとったフロントハブも用意される (c)キルシュベルクスターラチェットシステムにより、メンテナンスが容易なフリーボディスターラチェットシステムにより、メンテナンスが容易なフリーボディ (c)キルシュベルクスターラチェットシステム展開イメージスターラチェットシステム展開イメージ (c)キルシュベルクオプションでセラミックベアリング仕様にもグレードアップ可能オプションでセラミックベアリング仕様にもグレードアップ可能 (c)キルシュベルクアップグレードに使用されるベアリングは最高の精度を持つセラミックスピード社のG3等級のモデルアップグレードに使用されるベアリングは最高の精度を持つセラミックスピード社のG3等級のモデル (c)キルシュベルク近年、雨後の筍のごとくさまざまなブランドが新規参入しているパワーメーター市場。数多のブランドが新しいパワーメータを発表し、市場に出回ると同時にパワーメーターフリークのユーザーがその製品の計測精度を測定し、世界へ向けて発信していくというのがここ最近、よく見る光景だ。

その時に、多くのテストではベンチマークとしてパワータップが用いられている。それは新製品の大半がクランク型のパワーメーターということで、数値を比較するためにはクランク型とも同時に使用できるパワータップが必要という側面もあるが、その計測精度の正確さ、安定性が認められているところが大きいだろう。

ハブの内側にひずみゲージをはじめとした、主要な計測部品が格納されているという構造上の利点もあり、パワーメーターの最大の敵である温度変化による測定誤差にも強く、落車の衝撃などによる故障も起きづらい、正確性と堅牢性を併せ持ったパワーメーターがパワータップ。

そんなパワータップの最新モデル「パワータップ G3」のストレートプルスポークモデルとして登場した「GS」。パワータップの心臓部である「G3トルクチューブ」に組み合わされるのは、高性能ハブとして高い評価を持ち、多くの高級完組ホイールにも採用されるDTスイスの240S。結果として、ハブ単体としても高い性能を持っている。

ラチェットシステムにはDTスイスが誇る、「スターラチェット」を採用。二枚の歯車がかみ合うことで高い伝達効率とかかりの良さを持つスターラチェットシステムは工具なしでの分解清掃ができるため、これまでのパワータップハブに劣らないメンテナンス性を持つ。

回転性能については、もともと高い評価を持つ240Sの回転性能をもとに、オプションでセラミックベアリング仕様へのアップグレードも用意される。

オプションで使用されるベアリングはセラミックスピード社のカートリッジベアリングで、ISO3290-2に定められる最高の精度であるG3等級のセラミックボールを使用している。

ストレートプルスポーク仕様とすることで、トラディショナルなJベンドスポークに比べ、スポークパターンの自由度はなくなるものの、スポークへの負担の減少と長寿命化、ホイールとして組み上げた時の剛性の向上といったメリットが生まれる。

また、2本のスポークをペアにする設計によって、フランジへとかかる応力を相殺することで無駄をそぎ落とし軽量化へと貢献している。

太くボリュームのある外見からは想像できない軽さを持つのもGSの特長だ。本体重量は320gとなり、デュラエースよりは重いが、アルテグラよりは軽量に仕上がっている。ベースとなった240Sと比べるとおよそ100gの重量増に収まっている。

また同時に、パワータップロゴが入って統一のあるデザインとされたフロントハブも販売される。用意される穴数はフロント20H、リア24Hのみ。価格はフロント24,000円、リア130,000円となっている。

ベースとなるDTスイス240Sの価格が約5万円程度であることを考慮するならば、リーズナブルな価格設定と言えるだろう。また、2年間の製品保証もついており、万が一のトラブルの際も安心だ。

パワータップ GS
穴数:フロント 20H  リア 24H
重量:フロント 100g  リア 320g
価格:フロント24,000円、リア130,000円


パワータップ GS 完組ホイール

パワータップ GS完組 SES6.7パワータップ GS完組 SES6.7 (c)キルシュベルク
上述の新型ハブ「GS」の登場に合わせて、GSを使用した完組ホイールも用意される。リムには軽量で高い性能を持つエンヴィのエアロカーボンリム、「SES3.4」と「SES6.7」のチューブラーモデルとクリンチャーモデルを使用した、計4種類のホイールが用意される。スポークにはDTスイスのエアロスポーク、「Aerolite」が使用される。

重量は最も軽いSES3.4のチューブラーモデルで1,446gとなり普段のトレーニングだけでなく、レースでも使用できるだけの高い性能を持っている。価格は前後ペアで380,000円で全モデル共通となる。これらの完組ホイールもセラミックベアリングへとアップグレードすることができる。セラミックベアリング仕様の価格は420,000円となる。

ホイールに関してもハブと同じく保証が付与される。リムが2年間、スポーク及びニップルが1年間の保証期間となる。落車や事故等による破損は保障対象外となるが、通常使用時のトラブルではしっかりと対応してもらえるため安心だろう。

パワータップ SES3.4 完組ホイール
サイズ:700C
リム形式:チューブラー/クリンチャー
リム:エンヴィ SES3.4
リム高:フロント 30mm リア 40mm
ハブ:パワータップ GS
対応スプロケット:シマノ11S/スラム、カンパニョーロ
スポーク:DTスイス Aerolite
重量:チューブラー 1,446g(前後セット)クリンチャー 1,539g(前後セット)
価格:380,000円(税込・前後セット)

パワータップ SES6.7 完組ホイール
サイズ:700C
リム形式:チューブラー/クリンチャー
リム:エンヴィ SES6.7
リム高:フロント 60mm リア 70mm
ハブ:パワータップ GS
対応スプロケット:シマノ11S/スラム、カンパニョーロ
スポーク:DTスイス Aerolite
重量:チューブラー 1,670g(前後セット)クリンチャー 1,722g(前後セット)
価格:380,000円(税込・前後セット)



パワータップ G3 トラック仕様ハブ

パワータップ G3 トラック仕様ハブパワータップ G3 トラック仕様ハブ (c)キルシュベルク
また、トラック競技向けに固定ギア仕様のパワータップハブも新型となった。GSと同じく、実績のあるG3トルクチューブを使用し、軽量化及びメンテナンス性能の向上を果たした。すでに多くの国内プロ競輪選手やスクールに導入されている実績を持っている。

穴数は20H,24H,28H,32Hの4種類が用意される。GSとは異なり、対応スポークはJベンドスポークとなるため、用途に合わせたスポークアレンジメントが可能。コグには専用品が必要となり、14T,15T,16Tの3種類が用意されている。価格は120,000円。

パワータップ G3 トラック仕様ハブ
穴数:20H,24H,28H,32H
重量:400g(固定金具含む)
価格:120,000円



※5/23(金)まではG3ハブを使用した製品が安価で購入できる『最新パワータップに履き替えよう!』キャンペーンが開催されている。
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