2014/05/05(月) - 12:08
ツール・ド・ロマンディの最終ステージ。登りを含む個人タイムトライアルで、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がステージ優勝を飾り、総合順位を逆転し第68回大会の覇者に輝いた。
ツール・ド・ロマンディ第5ステージコースプロフィール
ヌシャテルのサッカースタジアムがスタート/ゴール地点となった photo:Tim de Waele迎えたロマンディ最終ステージ個人タイムトライアル。コースはレマン湖畔のヌシャテルを発着する18.5kmと短いが、道中には高低差200mの登りが組み込まれており、オールラウンダーと純粋なTTスペシャリストどちらにもチャンスはある。第4ステージ終了時点で、総合1位のサイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)と2位フルームのタイム差は僅かに1秒。順当にいけば、TTに強さを発揮するフルームが逆転することは確実と予想されていた。
午前11時53分、第1走者のクリストファー・サットン(イギリス、チームスカイ)から1分おきに選手達がスタートしていく。総合成績下位の選手よりスタートが行われ、もちろん最終走者はスピラックだ。
まず好タイムをマークしたのは、34番手スタートのジェシー・サージェント(オーストラリア、トレックファクトリーレーシング)。24分58秒のタイムを叩き出したが、その6番手後ろでスタートしたTT世界王者、トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)がおよそ7秒上回ってベストタイムをマークした。
ダウンヒル区間を攻めるTT世界王者、トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele
ステージ8位のルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)は総合3位に photo:Tim de Waele「ダウンヒルの下りで落車を防ぐためにペダルから脚を外してしまうミスがあったんだ。そこで数秒をロスがあった。最初の区間はとても良い入りができて、登りも良くこなせていたよ。登りは厳しくて自分のペースをつかむのが難しかったけれど、調子は良かった。」と語るマルティンは長時間に渡ってホットシートにつくこととなる。
リーダージャージを着て走るサイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)だが、首位の防衛はならず photo:Tim de Waeleそしていよいよ終盤になり、総合上位陣がスタートを切っていく。ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)やヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)が好走したがマルティンのタイムには及ばない。
そんな中、総合2位のフルームがスタート。淡々とペースを刻むフルームだが、9.6km地点の中間計測地点ではマルティンのタイムに16秒及ばず。ただし後半になって、その勢いは徐々に増していく。「最高にキツく、とてもタフなコースレイアウト。でも登りを含むコースは僕に合っていたね。」と言うフルームは、最終的に1秒マルティンを上回った。平均速度は44.698km/h。
続くスピラックも好走したものの、フルームのタイムには及ばず。自らの力でスピラックを打倒したフルームが、昨年大会に続く2年連続の総合優勝に輝いた。チームスカイとしては2年前のブラドレー・ウィギンズ(イギリス)に続く、3年連続の同大会制覇だ。
ハイペースを維持したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele
祝福を受けるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele
リーダージャージを受け取るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele
第68回ツール・ド・ロマンディ総合表彰 photo:Tim de Waele以下はフルームのコメント。「スピラックを1秒上回るのはとても難しいことだった。なぜなら2日前のステージで、彼は本当に強いクライミングをしていたから。だから絶対に勝てるとは思っていなかった。
今年のロマンディは頂上ゴールが一つも無かったことで、昨年とは少し違った展開になったね。でも再びタイトルを獲ることができて良かった。(ツールに向けて)とても良いテストになったし、今日のリザルトや再びイエロージャージを着ることができてただただ嬉しい。とても良い気分だよ。
これまで肺感染症を煩っていたし、今シーズンは背中の痛みもあったから、いろいろなことが簡単では無かったよ。本調子を取り戻すために多くの努力をしたし、このままツールに向けて調子を上げていければ良いと思っている。」
総合2位となったスピラックは、「キツい登りを含む、本当にハードなタイムトライアルだった。でも可能な限り良い結果を残すために力の全てを尽くしたから、総合2位という結果には満足しているよ。」とコメント。「とても良い1週間だったし、クイーンステージで勝利できたことに喜んでいる。加えて、チームにUCIもたらすことができた、これは良いことだよ。」と加えた。
ツール・ド・ロマンディ2014第5ステージ結果
個人総合成績
山岳賞
ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
ポイント賞
マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)
新人賞
ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
チーム総合成績
モビスター
text:So.Isobe
photo:Tim de Waele
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午前11時53分、第1走者のクリストファー・サットン(イギリス、チームスカイ)から1分おきに選手達がスタートしていく。総合成績下位の選手よりスタートが行われ、もちろん最終走者はスピラックだ。
まず好タイムをマークしたのは、34番手スタートのジェシー・サージェント(オーストラリア、トレックファクトリーレーシング)。24分58秒のタイムを叩き出したが、その6番手後ろでスタートしたTT世界王者、トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)がおよそ7秒上回ってベストタイムをマークした。
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そんな中、総合2位のフルームがスタート。淡々とペースを刻むフルームだが、9.6km地点の中間計測地点ではマルティンのタイムに16秒及ばず。ただし後半になって、その勢いは徐々に増していく。「最高にキツく、とてもタフなコースレイアウト。でも登りを含むコースは僕に合っていたね。」と言うフルームは、最終的に1秒マルティンを上回った。平均速度は44.698km/h。
続くスピラックも好走したものの、フルームのタイムには及ばず。自らの力でスピラックを打倒したフルームが、昨年大会に続く2年連続の総合優勝に輝いた。チームスカイとしては2年前のブラドレー・ウィギンズ(イギリス)に続く、3年連続の同大会制覇だ。
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今年のロマンディは頂上ゴールが一つも無かったことで、昨年とは少し違った展開になったね。でも再びタイトルを獲ることができて良かった。(ツールに向けて)とても良いテストになったし、今日のリザルトや再びイエロージャージを着ることができてただただ嬉しい。とても良い気分だよ。
これまで肺感染症を煩っていたし、今シーズンは背中の痛みもあったから、いろいろなことが簡単では無かったよ。本調子を取り戻すために多くの努力をしたし、このままツールに向けて調子を上げていければ良いと思っている。」
総合2位となったスピラックは、「キツい登りを含む、本当にハードなタイムトライアルだった。でも可能な限り良い結果を残すために力の全てを尽くしたから、総合2位という結果には満足しているよ。」とコメント。「とても良い1週間だったし、クイーンステージで勝利できたことに喜んでいる。加えて、チームにUCIもたらすことができた、これは良いことだよ。」と加えた。
ツール・ド・ロマンディ2014第5ステージ結果
1位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ジェシー・サージェント(オーストラリア、トレックファクトリーレーシング)
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
6位 リカルド・ゾイドル(オーストリア、トレックファクトリーレーシング)
7位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
8位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
9位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
10位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
2位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ジェシー・サージェント(オーストラリア、トレックファクトリーレーシング)
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
6位 リカルド・ゾイドル(オーストリア、トレックファクトリーレーシング)
7位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
8位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
9位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
10位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
24'50"
+01"
+08"
+15"
+20"
+29"
+31"
+35"
+01"
+08"
+15"
+20"
+29"
+31"
+35"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
5位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
6位 ベナト・インサウスティ(スペイン、モビスター)
7位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
8位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
9位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
10位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
2位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
5位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
6位 ベナト・インサウスティ(スペイン、モビスター)
7位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
8位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
9位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
10位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
16h18'46"
+28"
+1'32"
+1'44"
+1'48"
+1'52"
+1'56"
+2'07"
+2'15"
+2'31"
+28"
+1'32"
+1'44"
+1'48"
+1'52"
+1'56"
+2'07"
+2'15"
+2'31"
山岳賞
ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
ポイント賞
マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)
新人賞
ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
チーム総合成績
モビスター
text:So.Isobe
photo:Tim de Waele
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