2014/04/29(火) - 11:01
連載でお届けするプロバイクレポート。今回は「北の地獄」の異名を持つパリ~ルーベを走ったバイクのディテールに迫る第3弾。ランプレ・メリダ、トレックファクトリーレーシング、オリカ・グリーンエッジ、BMCレーシング、アスタナ、ワンティをピックアップする。
ランプレ・メリダ < メリダ RIDE >
フィリッポ・ポッツァート(イタリア)をエースに据えたランプレ・メリダは、新型エンデュランスモデル「RIDE」を投入した。このバイクはチームがメインに使用するオールラウンドモデルの「SCULTURA」をベースとし、安定性を重視したジオメトリーの採用や、チューブの形状や太さに変化を持たせることで快適性を高めた1台だ。
コンポーネントは電動式のシマノ9070系デュラエースをメインとし、クランク及びチェーンリングはローターとされている。クランクのアクスル径は他のローターサポートチームが30mmを選択するなか、ランプレ・メリダは24mmを使用した。またチェーンリングは楕円タイプではなく、真円タイプのno-Qをチョイスしたライダーが多かったようだ。
ホイールはチームカラーのデカールに換装されたロープロファイルのフルクラムRACING SPEED XLRで統一された。組み合わせられるタイヤはコンチネンタルCOMPETITION PROLTDの28mm幅が選択。これに伴いクリアランスを確保するため、リアブレーキのみ105グレードに相当するBR-561に換装されていた。
ハンドルまわりはチームカラーのグリーンを纏ったFSAで固められる。ポッツァートのバイクには、理想のポジションを実現するために150mmのアルミ製ステムが取り付けられていた。なお、このステムはハイエンドモデルの「OS-99」と記されているものの、中身はセカンドグレードの「OS-115」だ。そしてシートポストには固定力向上のためにクランプが2つ配されていた。その他、サドルはプロロゴを、ボトルケージは北のクラシックでは定番のエリートCIUSSI GELをアッセンブル。
トレックファクトリーレーシング < トレック DOMANE Classics Edition >
3回目のロンド&ルーベ連覇を逃すも3位表彰台を獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス)は、もちろん今回も「DOMANE Classics Edition」を駆って北の地獄を戦った。バイクはロンド・フラーンデレンと変わらないものの、パーツアッセンブルは細かい変更が行われている。
コンポーネントはシマノ9000系デュラエースの機械式を頑なに愛用する。ロンドでは純正のワイヤーセットだったものの、ルーベではアルミ製リンクを繋ぎあわせた真っ赤なアルマイトのノコンを使用。加えてハンドルには創業25周年を記念した赤いSRMのモニターがセットされており、ノコンと相まって赤が目を引くカラーコーディネートとされていた。なお、クランクにはパワーメーター非搭載のノーマルタイプをチョイス。そして、リアディレーラーのプーリーゲージはバーナーではなく純正品だ。
ホイール及びタイヤは、50mmハイトのボントレガーAeolus5 D3に27mm幅のFMB・PARIS ROUBAIXという組み合わせ。ハンドル周りはもちろんボントレガーで統一され、ステムにはお守り代わりのバッジがあしらわれていた。サドルも同様にボントレガー。ボトルケージには既に廃盤となっているトレックの名品「バッドケージ」をアッセンブル。
オリカ・グリーンエッジ < スコット ADDICT >
オリカ・グリーンエッジは、同じくスコットのサポートを受けるIAMサイクリングと同様に、パリ~ルーベでは軽量オールラウンドモデルの「ADDICT」をメインに使用した。なお、グリーンエッジも今回はエンデュランスモデル「SOLACE」の投入はなかった。
コンポーネントは電動式のシマノ9070系デュラエースで統一し、一部バイクにはSRMパワーメーター搭載クランクを装備されていた。ホイールもコンポーネントと同じくシマノ9000系デュラエースで、35mmハイトの「C35」と50mmハイトの「C50」を使い分けた。タイヤは他のコンチネンタルサポートチームも挙って使用する28mm幅のCOMPETITION PROLTDだが、サイドウォールがオレンジなのはオリカ・グリーンエッジだけだ。
ハンドル周りはPROで統一され、アルミ製パーツを多用。なお、イェンス・モーリス(オランダ)のバイクのステムはVIBEであるものの、ユニークなハンドル固定方式を持つ現行型に代わって、シンプルなクランプ方式の旧型を選択した。サドルはプロロゴで、半数ほどのライダーが信頼性を重視して金属レール採用モデルを使用。ボトルゲージはエリートだが、今回のパリ~ルーベでは少数派のSIORで統一された。
BMCレーシング < BMC Granfondo GF01 >
BMCレーシングは、ロンド・ファン・フラーンデレンでは数選手が使用したエンデュランスモデル「Granfondo GF01」を全ライダーで統一。なお、「teammachine SLR01」用に差し替えられていたフロントフォークは、先端の急激なベンドが特徴的な通常仕様のものに戻されていた。
コンポーネントは電動式のシマノ9070系デュラエースで、クランクには4アームのSRMを装備した。ホイールもシマノ9000系デュラエースで、マークス・ブルグハート(ドイツ)は50mmハイトの「C50」を選択。タイヤはコンチネンタルのサポートチームとしては珍しく契約外ブランドを使用した。
ハンドル周りは3Tをメインに、シートポストのみフレーム特性を考慮し設計されたBMCオリジナルとしている。サドル及びバーテープはフィジークを使用し、バーテープは2重巻きされたものの元々薄手であるため、見た目にボリューム感はない。ボトルケージは北のクラシックでは定番のエリートCIUSSI GELだ。
アスタナ < スペシャライズド S-Works ROUBAIX SL4 >
UCIワールドツアーチームの中で3つあるスペシャライズドサポートチームの1つであるアスタナは、他チームと同様にスペシャライズドのエンデュランスモデル「S-Works Roubaix SL4」を駆った。ただし、パーツアッセンブルは同じくスペシャライズドを使用するオメガファーマ・クイックステップとティンコフ・サクソが多くの部分で共通であったのに対して一味異なる。
コンポーネントはカンパニョーロからサポートを受けるものの、機械式を装着したバイクが目立った。クランクはスペシャライズドオリジナルのFactカーボンクランクのアームにカンパニョーロ純正チェーンリングという組合せ。ルスラン・トレバイェフ(カザフスタン)のバイクには変速を確実とするためにコーラスグレードのフロントディレーラーが装着されていた。
ホイールは昨今の石畳系クラシックレースでは珍しい手組。かつては定番リムとして多くの勝利に貢献してきたアンブロシオNEMESISにカンパニョーロのハブ、シルバーのプレーンスポークで組み上げられている。そして、リムには公式なホイールサプライヤーであるコリマのロゴがあしらわれていた。タイヤはスペシャライズドのロゴが記されているものの、オメガファーマ・クイックステップが使用したFMBのケーシング+スペシャライズドのGriptonコンパウンドのスペシャルモデルでは無く、通常の27mm幅のFMB・PARIS ROBAIXを使用した。
ハンドルまわりはFSAで固められ、シートポストは普段使用するK-Forceの代わりにアルミ製のEnergyで統一されていた。サドルはスペシャライズドだが、数名の選手が他ブランドを使用している様だ。ボトルゲージはタックスの定番モデルであるTAO、ペダルはルックだ。
ワンティ < クォータ KOM、KIRAL、KROSS >
ベルギーのプロコンチネンタルチームであるワンティは今シーズン、イタリアのカーボンバイク専業ブランドのクォータを使用。メインバイクであるオールラウンドモデル「KOM」に加え、エンデュランスモデル「KIRAL」、シクロクロスバイク「KROSS」の3モデルでパリ~ルーベに挑んだ。
コンポーネントは機械式のシマノ9000系デュラエースをメインにローターのクランク及びチェーンリングを組み合わせる。ホイールはフルクラムからサポートを受け、北のクラシックではFMBタイヤをアッセンブルした。ハンドル周りはデダ・エレメンティ、サドルはセラサンマルコ。ボトルケージはタックスであるものの、多くの他チームがTAOであるのに対して、トラディショナルな造りのアルーラプロを選択した。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
ランプレ・メリダ < メリダ RIDE >
フィリッポ・ポッツァート(イタリア)をエースに据えたランプレ・メリダは、新型エンデュランスモデル「RIDE」を投入した。このバイクはチームがメインに使用するオールラウンドモデルの「SCULTURA」をベースとし、安定性を重視したジオメトリーの採用や、チューブの形状や太さに変化を持たせることで快適性を高めた1台だ。
コンポーネントは電動式のシマノ9070系デュラエースをメインとし、クランク及びチェーンリングはローターとされている。クランクのアクスル径は他のローターサポートチームが30mmを選択するなか、ランプレ・メリダは24mmを使用した。またチェーンリングは楕円タイプではなく、真円タイプのno-Qをチョイスしたライダーが多かったようだ。
ホイールはチームカラーのデカールに換装されたロープロファイルのフルクラムRACING SPEED XLRで統一された。組み合わせられるタイヤはコンチネンタルCOMPETITION PROLTDの28mm幅が選択。これに伴いクリアランスを確保するため、リアブレーキのみ105グレードに相当するBR-561に換装されていた。
ハンドルまわりはチームカラーのグリーンを纏ったFSAで固められる。ポッツァートのバイクには、理想のポジションを実現するために150mmのアルミ製ステムが取り付けられていた。なお、このステムはハイエンドモデルの「OS-99」と記されているものの、中身はセカンドグレードの「OS-115」だ。そしてシートポストには固定力向上のためにクランプが2つ配されていた。その他、サドルはプロロゴを、ボトルケージは北のクラシックでは定番のエリートCIUSSI GELをアッセンブル。
トレックファクトリーレーシング < トレック DOMANE Classics Edition >
3回目のロンド&ルーベ連覇を逃すも3位表彰台を獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス)は、もちろん今回も「DOMANE Classics Edition」を駆って北の地獄を戦った。バイクはロンド・フラーンデレンと変わらないものの、パーツアッセンブルは細かい変更が行われている。
コンポーネントはシマノ9000系デュラエースの機械式を頑なに愛用する。ロンドでは純正のワイヤーセットだったものの、ルーベではアルミ製リンクを繋ぎあわせた真っ赤なアルマイトのノコンを使用。加えてハンドルには創業25周年を記念した赤いSRMのモニターがセットされており、ノコンと相まって赤が目を引くカラーコーディネートとされていた。なお、クランクにはパワーメーター非搭載のノーマルタイプをチョイス。そして、リアディレーラーのプーリーゲージはバーナーではなく純正品だ。
ホイール及びタイヤは、50mmハイトのボントレガーAeolus5 D3に27mm幅のFMB・PARIS ROUBAIXという組み合わせ。ハンドル周りはもちろんボントレガーで統一され、ステムにはお守り代わりのバッジがあしらわれていた。サドルも同様にボントレガー。ボトルケージには既に廃盤となっているトレックの名品「バッドケージ」をアッセンブル。
オリカ・グリーンエッジ < スコット ADDICT >
オリカ・グリーンエッジは、同じくスコットのサポートを受けるIAMサイクリングと同様に、パリ~ルーベでは軽量オールラウンドモデルの「ADDICT」をメインに使用した。なお、グリーンエッジも今回はエンデュランスモデル「SOLACE」の投入はなかった。
コンポーネントは電動式のシマノ9070系デュラエースで統一し、一部バイクにはSRMパワーメーター搭載クランクを装備されていた。ホイールもコンポーネントと同じくシマノ9000系デュラエースで、35mmハイトの「C35」と50mmハイトの「C50」を使い分けた。タイヤは他のコンチネンタルサポートチームも挙って使用する28mm幅のCOMPETITION PROLTDだが、サイドウォールがオレンジなのはオリカ・グリーンエッジだけだ。
ハンドル周りはPROで統一され、アルミ製パーツを多用。なお、イェンス・モーリス(オランダ)のバイクのステムはVIBEであるものの、ユニークなハンドル固定方式を持つ現行型に代わって、シンプルなクランプ方式の旧型を選択した。サドルはプロロゴで、半数ほどのライダーが信頼性を重視して金属レール採用モデルを使用。ボトルゲージはエリートだが、今回のパリ~ルーベでは少数派のSIORで統一された。
BMCレーシング < BMC Granfondo GF01 >
BMCレーシングは、ロンド・ファン・フラーンデレンでは数選手が使用したエンデュランスモデル「Granfondo GF01」を全ライダーで統一。なお、「teammachine SLR01」用に差し替えられていたフロントフォークは、先端の急激なベンドが特徴的な通常仕様のものに戻されていた。
コンポーネントは電動式のシマノ9070系デュラエースで、クランクには4アームのSRMを装備した。ホイールもシマノ9000系デュラエースで、マークス・ブルグハート(ドイツ)は50mmハイトの「C50」を選択。タイヤはコンチネンタルのサポートチームとしては珍しく契約外ブランドを使用した。
ハンドル周りは3Tをメインに、シートポストのみフレーム特性を考慮し設計されたBMCオリジナルとしている。サドル及びバーテープはフィジークを使用し、バーテープは2重巻きされたものの元々薄手であるため、見た目にボリューム感はない。ボトルケージは北のクラシックでは定番のエリートCIUSSI GELだ。
アスタナ < スペシャライズド S-Works ROUBAIX SL4 >
UCIワールドツアーチームの中で3つあるスペシャライズドサポートチームの1つであるアスタナは、他チームと同様にスペシャライズドのエンデュランスモデル「S-Works Roubaix SL4」を駆った。ただし、パーツアッセンブルは同じくスペシャライズドを使用するオメガファーマ・クイックステップとティンコフ・サクソが多くの部分で共通であったのに対して一味異なる。
コンポーネントはカンパニョーロからサポートを受けるものの、機械式を装着したバイクが目立った。クランクはスペシャライズドオリジナルのFactカーボンクランクのアームにカンパニョーロ純正チェーンリングという組合せ。ルスラン・トレバイェフ(カザフスタン)のバイクには変速を確実とするためにコーラスグレードのフロントディレーラーが装着されていた。
ホイールは昨今の石畳系クラシックレースでは珍しい手組。かつては定番リムとして多くの勝利に貢献してきたアンブロシオNEMESISにカンパニョーロのハブ、シルバーのプレーンスポークで組み上げられている。そして、リムには公式なホイールサプライヤーであるコリマのロゴがあしらわれていた。タイヤはスペシャライズドのロゴが記されているものの、オメガファーマ・クイックステップが使用したFMBのケーシング+スペシャライズドのGriptonコンパウンドのスペシャルモデルでは無く、通常の27mm幅のFMB・PARIS ROBAIXを使用した。
ハンドルまわりはFSAで固められ、シートポストは普段使用するK-Forceの代わりにアルミ製のEnergyで統一されていた。サドルはスペシャライズドだが、数名の選手が他ブランドを使用している様だ。ボトルゲージはタックスの定番モデルであるTAO、ペダルはルックだ。
ワンティ < クォータ KOM、KIRAL、KROSS >
ベルギーのプロコンチネンタルチームであるワンティは今シーズン、イタリアのカーボンバイク専業ブランドのクォータを使用。メインバイクであるオールラウンドモデル「KOM」に加え、エンデュランスモデル「KIRAL」、シクロクロスバイク「KROSS」の3モデルでパリ~ルーベに挑んだ。
コンポーネントは機械式のシマノ9000系デュラエースをメインにローターのクランク及びチェーンリングを組み合わせる。ホイールはフルクラムからサポートを受け、北のクラシックではFMBタイヤをアッセンブルした。ハンドル周りはデダ・エレメンティ、サドルはセラサンマルコ。ボトルケージはタックスであるものの、多くの他チームがTAOであるのに対して、トラディショナルな造りのアルーラプロを選択した。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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