2014/03/28(金) - 09:12
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)の恒例となりつつある標高2200mの超級山岳バルテル2000フィニッシュ。雪と霧に包まれた山頂に先頭でフィニッシュしたのはティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)だった。
ピレネー山脈のスキー場バルテル2000を目指すプロトン photo:Tim de Waele
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2014第4ステージ image:www.voltacatalunya.catレース序盤から1級山岳が連続し、登坂距離12km/平均勾配7.8%の超級山岳バルテル2000でクライマックスを迎えるボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ第4ステージ。フィニッシュ地点の標高は2200mで、この時期に登場するフィニッシュとしては最も高い。距離166.4km、獲得標高差3800mのクイーンステージが姿を現した。
レース序盤から逃げたトーマス・デヘント(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)ら photo:Tim de Waele悪天候が予想されていたこともあり、この日はパリ〜ニースの覇者カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)やクリストファー・ホーナー(アメリカ、ランプレ・メリダ)、ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)がDNS。160名に縮小したプロトンが、ピレネーの山間の街アルプをスタートして行った。
カチューシャがコントロールするメイン集団 photo:Tim de Waeleアタック合戦の末に形成されたのはスタフ・クレメント(オランダ、ベルキン)、ルーベン・プラサ(スペイン、モビスター)、マキシム・メドレル(フランス、ユーロップカー)、トーマス・デヘント(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)によるエスケープグループ。合計4つの山岳を先頭通過したクレメントが、チームメイトのジャック・ボブリッジ(オーストラリア)から山岳賞ジャージを引き継ぐことに成功している。
バルデを振り切ってフィニッシュするティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) photo:Tim de Waeleリーダージャージ擁するカチューシャは逃げとのタイム差を計りながらメイン集団を牽引。最後の超級山岳バルテル2000が近づくと、先頭ではデヘントが独走を試みる。メイン集団から飛び出したホセ・セルパ(コロンビア、ランプレ・メリダ)がプラサとともに先頭デヘントに合流し、1分のリードを得て超級山岳に突入した。
8秒差でフィニッシュするアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)とクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waeleデヘントら3名は、登りの中腹でメイン集団に吸収。ティンコフ・サクソやチームスカイがペースを作るメイン集団からは、昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝を飾ったワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)らがアタックを仕掛ける。気温低下とともに雪が舞う中、総合上位陣によるバトルが始まった。
寒さに震えながら表彰を待つホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Tim de Waele残り3kmで飛び出したバーギルが吸収されると、続いてクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)やアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がアタック。しかしいずれも決まらず、隙を突いてティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)とロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)が先行を開始する。霧の九十九折りを先頭で駆け上がったヴァンガーデレンとバルデの勝負に持ち込まれ、ヴァンガーデレンが先着した。
2012年のツール・ド・フランスで総合5位&新人賞、2013年ツアー・オブ・カリフォルニア&USAプロチャレンジ総合優勝という成績を残してきた25歳のヴァンガーデレン。今シーズンはツアー・オブ・オマーンを総合2位で終えながらも、パリ〜ニースを体調不良でリタイアしている。
オールラウンダーとしては大柄の部類に入る身長185cm/体重70kgのヴァンガーデレンは「体重60kgの選手たちよりも自分は寒さに強いんだ」と、この日の勝利の秘訣を語る。「他の選手たちが互いにアタックして消耗したところで飛び出した。タイミングが良かったし、この寒い環境が自分に味方したと思う。グランツールで活躍する選手たちを振り切ってUCIワールドツアー初勝利を飾ったことを誇りに思うよ」。
コンタドールは3秒遅れ、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は4秒遅れでフィニッシュ。ヴァンガーデレンが総合3位まで順位を上げたが、ロドリゲスが堅実に総合首位を守った。ロドリゲスはコンタドールに対して4秒リードで残る3ステージに挑む。
ロベルト・キセロフスキー(クロアチア)をステージ10位に送り込んだトレックファクトリーレーシングの別府史之は、111位でクイーンステージを終えている。
翌日の第5ステージは、ゴール9km手前に2級山岳が設定された今大会最長218.2km。小集団によるゴールスプリントに持ち込まれる可能性が高い。
選手コメントはBMCレーシング公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2014第4ステージ結果
個人総合成績
山岳賞
スタフ・クレメント(オランダ、ベルキン)
スプリント賞
ミヘル・コッホ(ドイツ、キャノンデール)
チーム総合成績
ガーミン・シャープ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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2012年のツール・ド・フランスで総合5位&新人賞、2013年ツアー・オブ・カリフォルニア&USAプロチャレンジ総合優勝という成績を残してきた25歳のヴァンガーデレン。今シーズンはツアー・オブ・オマーンを総合2位で終えながらも、パリ〜ニースを体調不良でリタイアしている。
オールラウンダーとしては大柄の部類に入る身長185cm/体重70kgのヴァンガーデレンは「体重60kgの選手たちよりも自分は寒さに強いんだ」と、この日の勝利の秘訣を語る。「他の選手たちが互いにアタックして消耗したところで飛び出した。タイミングが良かったし、この寒い環境が自分に味方したと思う。グランツールで活躍する選手たちを振り切ってUCIワールドツアー初勝利を飾ったことを誇りに思うよ」。
コンタドールは3秒遅れ、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は4秒遅れでフィニッシュ。ヴァンガーデレンが総合3位まで順位を上げたが、ロドリゲスが堅実に総合首位を守った。ロドリゲスはコンタドールに対して4秒リードで残る3ステージに挑む。
ロベルト・キセロフスキー(クロアチア)をステージ10位に送り込んだトレックファクトリーレーシングの別府史之は、111位でクイーンステージを終えている。
翌日の第5ステージは、ゴール9km手前に2級山岳が設定された今大会最長218.2km。小集団によるゴールスプリントに持ち込まれる可能性が高い。
選手コメントはBMCレーシング公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2014第4ステージ結果
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
2位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
6位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
8位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
111位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
2位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
6位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
8位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
111位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
4h49'30"
+03"
+04"
+05"
+08"
+15"
+16"
+21"
+25'01"
+03"
+04"
+05"
+08"
+15"
+16"
+21"
+25'01"
個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
4位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
6位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
7位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
10位 ダビ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
4位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
6位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
7位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
10位 ダビ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
17h47'34"
+04"
+07"
+10"
+17"
+18"
+26"
+42"
+45"
+04"
+07"
+10"
+17"
+18"
+26"
+42"
+45"
山岳賞
スタフ・クレメント(オランダ、ベルキン)
スプリント賞
ミヘル・コッホ(ドイツ、キャノンデール)
チーム総合成績
ガーミン・シャープ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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