2013/12/28(土) - 17:06
春のクラシックシーズンが終わると、いよいよシーズンは最盛期を迎える。4月のアルデンヌ・クラシックから、5月のジロ・デ・イタリアとツアー・オブ・カリフォルニア、6月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネとツール・ド・スイスまで、2013年シーズンを振り返るシリーズ第2弾。
4月
ヘント〜ウェベルヘム、ロンド・ファン・フラーンデレンと続いた「北のクラシック」を締めくくるのは、「北の地獄」パリ〜ルーベ。別府史之(オリカ・グリーンエッジ)も出場した第111回大会は、下馬評通りの力を見せたファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)に、24歳のセプ・ファンマルケ(ベルギー、ブランコプロサイクリング)が食らいつく白熱の展開に。ヴェロドロームでゴールスプリントが繰り広げられ、カンチェラーラが3度目の優勝を果たした。
4月11日にフランスで開催されたグランプリ・ド・ドナン・ポルトドゥエノーで宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)は5位に。
新城幸也(ユーロップカー)出場のアムステル・ゴールドレースでは、優勝候補の筆頭ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)が失速し、ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)が独走勝利(新城は24位)。
続くフレーシュ・ワロンヌではダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)が優勝を飾っている。ひと際格式が高い「ラ・ドワイエンヌ=最古参」ことリエージュ〜バストーニュ〜リエージュのタイトルはダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)の手に渡っている。
クラシックシーズンの裏側では、各国で大小のステージレースが開催。ブエルタ・アル・パイスバスコではリッチー・ポルト(オーストラリア)とセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)擁するスカイプロサイクリングとナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)がバトルを繰り広げ、クインターナが逆転総合優勝を飾っている。
4月中旬にはトルコでツアー・オブ・ターキーが開催され、宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)、別府史之(オリカ・グリーンエッジ)、佐野淳哉(ヴィーニファンティーニ)の3名が顔を揃えた。8日間の大会で総合優勝に輝いたのは、地元トルコのコンチネンタルチームに所属するムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール)。しかし7月にサヤルのEPO(エリスロポエチン)陽性が発覚する。処分はまだ決まっていないが、サヤルは引退の意志を示している。
また、ジロ・デ・イタリアの前哨戦ジロ・デル・トレンティーノで、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)らを下したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が総合優勝。スイスを舞台にしたツール・ド・ロマンディでクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)が総合優勝を果たした。
5月
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)が突然の現役引退を発表(後に撤回してオメガファーマ・クイックステップ加入)し、イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)が嚢胞(のうほう)で欠場する中、ジロ・デ・イタリアがイタリア・ナポリで開幕。
悪天候続きの3週間は、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)のスプリント勝利に始まり、スプリント勝利に終わる。ステージ5勝を飾ったカヴェンディッシュがジロで初めてポイント賞を獲得した。
マリアローザ争いの主役は、イタリアの期待を背負うヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)。前年度のツール覇者ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)が悪天候と故障でノックアウトされる中、ニーバリは第8ステージで首位に。抜群の安定感を見せ、最終的に下位を5分近く引き離して総合優勝に輝いた。
また、第96回ジロは波乱の連続。降雪と低温によって第19ステージがキャンセルとなり、レースに復帰したヴィーニファンティーニのダニーロ・ディルーカ(イタリア)がEPO陽性。クイーンステージの第20ステージはマイナス2度の銀世界となった。
アメリカ最大のステージレースツアー・オブ・カリフォルニアを制したのは、個人TTで優勝したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)。また、ツアー・オブ・ベルギーでは新城幸也(ユーロップカー)がステージのトップ10に3度入り、総合12位に。トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が総合優勝に輝いている。
6月
ジロ・デ・イタリアが終わると、人々の関心はツール・ド・フランスへと急速に移ろう。6月上旬から中旬にかけてクリテリウム・ドゥ・ドーフィネとツール・ド・スイスというツールの二大前哨戦がフランスとスイスで開催された。
王座奪回を狙うアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)を封じ、クイーンステージを制したクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)がドーフィネのマイヨジョーヌを獲得。リッチー・ポルト(オーストラリア)との強力タッグはライバルたちを寄せ付けず、スカイプロサイクリングが総合ワンツーでドーフィネを制する。また、第3ステージでは別府史之(オリカ・グリーンエッジ)が150km逃げを披露した。
「第4のグランツール」とも呼ばれるツール・ド・スイスでは、前年度覇者のルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)が躍進。クイーンステージと最終山岳TTで優勝したコスタが大会連覇を果たした。
各国ナショナル選手権ではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)やアンドレ・グライペル(ドイツ)、ペーター・サガン(スロバキア)、イヴァン・サンタロミータ(イタリア)、ステイン・デヴォルデル(ベルギー)らがそれぞれ優勝。そして6月29日に第100回ツール・ド・フランスが開幕する。世界を沸かせるフランスレースを含め、7月移行のレースの模様はvol.3でお伝えします。
text:Kei Tsuji
4月
ヘント〜ウェベルヘム、ロンド・ファン・フラーンデレンと続いた「北のクラシック」を締めくくるのは、「北の地獄」パリ〜ルーベ。別府史之(オリカ・グリーンエッジ)も出場した第111回大会は、下馬評通りの力を見せたファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)に、24歳のセプ・ファンマルケ(ベルギー、ブランコプロサイクリング)が食らいつく白熱の展開に。ヴェロドロームでゴールスプリントが繰り広げられ、カンチェラーラが3度目の優勝を果たした。
4月11日にフランスで開催されたグランプリ・ド・ドナン・ポルトドゥエノーで宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)は5位に。
新城幸也(ユーロップカー)出場のアムステル・ゴールドレースでは、優勝候補の筆頭ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)が失速し、ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)が独走勝利(新城は24位)。
続くフレーシュ・ワロンヌではダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)が優勝を飾っている。ひと際格式が高い「ラ・ドワイエンヌ=最古参」ことリエージュ〜バストーニュ〜リエージュのタイトルはダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)の手に渡っている。
クラシックシーズンの裏側では、各国で大小のステージレースが開催。ブエルタ・アル・パイスバスコではリッチー・ポルト(オーストラリア)とセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)擁するスカイプロサイクリングとナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)がバトルを繰り広げ、クインターナが逆転総合優勝を飾っている。
4月中旬にはトルコでツアー・オブ・ターキーが開催され、宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)、別府史之(オリカ・グリーンエッジ)、佐野淳哉(ヴィーニファンティーニ)の3名が顔を揃えた。8日間の大会で総合優勝に輝いたのは、地元トルコのコンチネンタルチームに所属するムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール)。しかし7月にサヤルのEPO(エリスロポエチン)陽性が発覚する。処分はまだ決まっていないが、サヤルは引退の意志を示している。
また、ジロ・デ・イタリアの前哨戦ジロ・デル・トレンティーノで、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)らを下したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が総合優勝。スイスを舞台にしたツール・ド・ロマンディでクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)が総合優勝を果たした。
5月
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)が突然の現役引退を発表(後に撤回してオメガファーマ・クイックステップ加入)し、イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)が嚢胞(のうほう)で欠場する中、ジロ・デ・イタリアがイタリア・ナポリで開幕。
悪天候続きの3週間は、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)のスプリント勝利に始まり、スプリント勝利に終わる。ステージ5勝を飾ったカヴェンディッシュがジロで初めてポイント賞を獲得した。
マリアローザ争いの主役は、イタリアの期待を背負うヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)。前年度のツール覇者ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)が悪天候と故障でノックアウトされる中、ニーバリは第8ステージで首位に。抜群の安定感を見せ、最終的に下位を5分近く引き離して総合優勝に輝いた。
また、第96回ジロは波乱の連続。降雪と低温によって第19ステージがキャンセルとなり、レースに復帰したヴィーニファンティーニのダニーロ・ディルーカ(イタリア)がEPO陽性。クイーンステージの第20ステージはマイナス2度の銀世界となった。
アメリカ最大のステージレースツアー・オブ・カリフォルニアを制したのは、個人TTで優勝したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)。また、ツアー・オブ・ベルギーでは新城幸也(ユーロップカー)がステージのトップ10に3度入り、総合12位に。トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が総合優勝に輝いている。
6月
ジロ・デ・イタリアが終わると、人々の関心はツール・ド・フランスへと急速に移ろう。6月上旬から中旬にかけてクリテリウム・ドゥ・ドーフィネとツール・ド・スイスというツールの二大前哨戦がフランスとスイスで開催された。
王座奪回を狙うアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)を封じ、クイーンステージを制したクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)がドーフィネのマイヨジョーヌを獲得。リッチー・ポルト(オーストラリア)との強力タッグはライバルたちを寄せ付けず、スカイプロサイクリングが総合ワンツーでドーフィネを制する。また、第3ステージでは別府史之(オリカ・グリーンエッジ)が150km逃げを披露した。
「第4のグランツール」とも呼ばれるツール・ド・スイスでは、前年度覇者のルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)が躍進。クイーンステージと最終山岳TTで優勝したコスタが大会連覇を果たした。
各国ナショナル選手権ではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)やアンドレ・グライペル(ドイツ)、ペーター・サガン(スロバキア)、イヴァン・サンタロミータ(イタリア)、ステイン・デヴォルデル(ベルギー)らがそれぞれ優勝。そして6月29日に第100回ツール・ド・フランスが開幕する。世界を沸かせるフランスレースを含め、7月移行のレースの模様はvol.3でお伝えします。
text:Kei Tsuji
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