周回を省略した2014年フランドルのコース発表　ミュール復活は無し

「クラシックの王様」と称されるロンド・ファン・フラーンデレン（UCIワールドツアー）の2014年コースが発表された。第101回大会はブルージュからオウデナールデまでの259km。今年まで採用されていた周回コースは省略されている。

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ロンド・ファン・フラーンデレン2014コースマップ image:www.rondevanvlaanderen.be数あるクラシックレースの中で最も格式の高い「王様」と称されるロンド。フランス語で「ツール・デ・フランドル」と呼ばれるフランドル地方最大のロードレースは、2014年もUCIワールドツアーに組み込まれる。開催日はヘント〜ウェベルヘム翌週の4月6日だ。

パテルベルグでバトルを繰り広げるファビアン・カンチェラーラ（スイス、レディオシャック・レオパード）とペーター・サガン（スロバキア、キャノンデールプロサイクリング） photo:Cor Vos2012年、レース博物館のあるオウデナールデにゴール地点が移されるとともに、名物だったゴール前の「ミュール・カペルミュール」と「ボスベルグ」が消滅。代わりに「オウデクワレモント」と「パテルベルグ」を含む大小3つの周回コースが登場したが、その評判は決して思わしくなかった。

2014年のスタートとゴール地点はそのまま。しかし、大小3つの周回コースは省略され、代わって「オウデクワレモント」周辺を複雑に行き交うコースが導入された。残念ながら「ミュールカペルミュール」の復活は無し。

周回コースこそ登場しないものの、毎年仮設のVIPテントが登場する「オウデクワレモント」を3回通過し、ゴール13km手前で最後の難所である「パテルベルグ」を通過するレイアウトに変更は無い。コースは幾分シンプルになっており、終盤に登場する急坂の感覚が狭くなっている印象。なお、最も難易度の高い「コッペンベルグ」が例年よりもゴールに近い場所（ゴール44km手前）に置かれている。

今年2度目のロンド制覇を成し遂げたファビアン・カンチェラーラ（スイス、レディオシャック・レオパード）は、現在ベルギーのデュルビュイ近郊でトレーニングキャンプ中（別府史之も参加中）。ベルギーのニーウスブラット紙のインタビューの中でカンチェラーラは「美しく、魅力的なコースだ。伝統に則ったラインに近いコースで、地元のファンも満足しているはず。白熱したレースになると思う」とコメントしている。

2014年も「オウデクワレモント」と「パテルベルグ」のセットが優勝者を選び出す。今年は「オウデクワレモント」でアタックを仕掛けたカンチェラーラがペーター・サガン（スロバキア、キャノンデールプロサイクリング）だけが反応し、「パテルベルグ」で独走に持ち込んだカンチェラーラが優勝した。


ロンド・ファン・フラーンデレン2014登場する急坂
1　109km　オウデクワレモント　石畳　平均4%　最大11.6%　長さ2200m
2　119km　コルテケール　アスファルト　平均6.4%　最大17.1%　長さ1000m
3　127km　エイケンベルグ　石畳　平均6.2%　最大10%　長さ1300m
4　130km　ウォルヴェンベルグ　アスファルト　平均6.8%　最大17.3%　長さ666m
5　142km　モーレンベルグ　石畳　平均7%　最大14.2%　長さ463m
6　163km　レベルグ　アスファルト　平均6.1%　最大14%　長さ700m
7　171km　ヴァルケンベルグ　アスファルト　平均8.1%　最大12.8%　長さ540m
8　181km　カペリイ　アスファルト　平均5.5%　最大9%　長さ1000m
9　189km　カナリベルグ　アスファルト　平均7.7%　最大14%　長さ1000m
10　205km　オウデクワレモント　石畳　平均4%　最大11.6%　長さ2200m
11　208km　パテルベルグ　石畳　平均12.9%　最大20.3%　長さ360m
12　215km　コッペンベルグ　石畳　平均11.6%　最大22%　長さ600m
13　220km　シュテインビークドリシュ　石畳　平均5.3%　最大6.7%　長さ700m
14　222km　ターインベルグ　石畳　平均6.6%　最大15.8%　長さ530m
15　233km　クルイスベルグ　石畳　平均6.5%　最大9%　長さ1000m
16　243km　オウデクワレモント　石畳　平均4%　最大11.6%　長さ2200m
17　246km　パテルベルグ　石畳　平均12.9%　最大20.3%　長さ360m


text:Kei Tsuji