2013/09/29(日) - 05:24
2月に行なわれたシクロクロス世界選手権でジュニアチャンピオンに輝いたマテュー・ファンデルポール(オランダ)が、ゴール5km手前に位置する急勾配のサルヴィアーティでアタック。後続を振り切ったシクロクロス世界チャンピオンが、ロード世界チャンピオンに輝いた。
フィレンツェ市内を駆け抜ける逃げグループ photo:Kei Tsuji前日のU23ロードレースと同様に、モンテカティーニ・テルメから平野を57.2km走ってフィレンツェに向かうジュニア男子ロードレース。フィニッシュライン通過後、全カテゴリー共通のフィエーゾレとサルヴィアーティ通りを含む周回コースを5周する。コース全長は140.0km。
少し蛇行しながらサルヴィアーティ通りを登る逃げグループ photo:Kei Tsujiレース序盤のアタック合戦をくぐり抜けたのはミカル・シュレゲル(チェコ)やジーク・モストフ(アメリカ)ら15名。イタリアはピエトロ・アンドレオレッティとセイド・リスデの2人を逃げに送り込んだ。
メイン集団の先頭でサルヴィアーティ通りを登るマテュー・ファンデルポール(オランダ) photo:Kei Tsujiフィレンツェ周回コースに差し掛かるころ、逃げグループとメイン集団のタイム差は5分に。周回を重ねる毎に逃げグループとメイン集団は人数を減らし、タイム差は縮小する。残り2周に入ると先頭はイタリアのリスデとダニエル・マルティネス(コロンビア)の2人に絞られた。
先行して最終周回に入るフランク・ボナムール(フランス)とダニエル・マルティネス(コロンビア) photo:Kei Tsujiやがて先頭ではマルティネスの独走が始まり、メイン集団からジャンプしたフランク・ボナムール(フランス)がマルティネスに合流。2人で15秒ほどのリードをもって最終周回へと入って行く。
フィエーゾレの登りで先頭からマルティネスが遅れると、代わってマテュー・ファンデルポール(オランダ)がボムナールにジョイン。ゴール5km手前に位置する最大勾配16%のサルヴィアーティで、ファンデルポールがボムナールを振り切った。
独走に持ち込んだファンデルポールは、20名ほどの追走グループを引き離す走りでフィニッシュラインが引かれたパオリ通りへ。沿道から受け取ったオランダ国旗を掲げながら、独走でゴールした。
ファンデルポールの父親は、1980年代にロンド・ファン・フラーンデレンやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで優勝し、6度オランダチャンピオンに輝き、1996年にシクロクロスの世界チャンピオンに輝いているアドリ・ファンデルプール。1960年代にブエルタ・ア・エスパーニャやツール・ド・フランスで成績を残したレイモン・プリドールの孫にあたる。
「アタックは予定していなかった。ボナムールが徐々に失速しているのを見て飛び出したんだ。テクニカルな下りは自分に味方したよ」。ファンデルポールはレース後の記者会見でそう語る。
「ロードレースでは初めてのタイトルだから特別だ」。2月のシクロクロスの世界タイトルに続くロードの世界タイトル。ファンデルポール本人は今後もシクロクロスと二足の草鞋を履くと語っている。
オランダ国旗を持ってゴールするマテュー・ファンデルポール(オランダ) photo:TDWsport/Kei Tsuji
スタッフとともに表彰台に向かうマテュー・ファンデルポール(オランダ) photo:Kei Tsuji
ロード世界選手権ジュニア男子ロードレース表彰台 photo:Kei Tsuji
メイン集団から遅れてサルヴィアーティ通りを登る黒枝咲哉(日出暘谷高校) photo:Kei Tsuji日本勢の最高位は黒枝咲哉(日出暘谷高校)の106位。レース序盤に落車した黒枝は、前輪を交換して再スタート。「集団に復帰するために脚を使ってしまった」と振り返る黒枝は、3周目まで集団内でこなしたが、その後のペースアップで集団から遅れ、12分25秒遅れでフィニッシュした。「落車で変速が壊れてしまい、軽いギアに入らなくなった。最初の落車で予定が狂って、それを最後まで引きずってしまった」。
メイン集団から遅れてサルヴィアーティ通りを登る横山航太(篠ノ井高校) photo:Kei Tsuji1周目の登りで落車に巻き込まれた横山航太(篠ノ井高校)は「前でこけた選手に突っ込んでしまい、自転車が絡んでしまって復帰に時間がかかってしまいました。一旦は集団に復帰したんですが、中切れで遅れてしまった」と語る。横山は長時間追走を続けたが、DNFに終わっている。
岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム)は常に集団前方に位置する走りを見せ、およそ40名ほどに絞られた集団に残って残り2周へ。しかし補給ポイントで他選手が投げたサコッシュが後輪に絡んでしまう。バイクを交換して再スタートを切ったものの、スピードの上がったメイン集団には届かなかった。
好位置で周回をこなし、本格的に勝負が始まる前での戦線離脱に岡は悔しさを隠せない。最終周回で落車し、14分46秒遅れでフィニッシュした岡は「(バイク交換までは)きつかったものの、まだ行けると思っていました。ただ、一回でも遅れたらもう戻れないほどの厳しさだった。代車という発想がなくて、再スタートに時間がかかってしまった。少しパニックになってしまいました」と語っている。
メイン集団内で周回を重ねる岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム) photo:Kei Tsuji
ゴール後にレースを振り返る黒枝咲哉(日出暘谷高校)と岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム) photo:Kei Tsuji
ロード世界選手権2013ジュニア男子ロードレース結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ) 3h33'14"
2位 マッズ・ペデルセン(デンマーク) +03"
3位 リトヤン・ニカ(アルバニア)
4位 ローガン・オーウェン(アメリカ)
5位 ロレンツォ・ロータ(イタリア)
6位 ルーカス・エリクソン(スウェーデン)
7位 スコット・デイヴィス(イギリス)
8位 アルテム・ナイク(ロシア)
9位 セルゲイ・シェムヤキン(カザフスタン)
10位 ベンジャミン・ブルキク(オーストリア)
106位 黒枝咲哉(日出暘谷高校) +12'25"
121位 岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム) +14'46"
DNF 横山航太(篠ノ井高校)
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フィエーゾレの登りで先頭からマルティネスが遅れると、代わってマテュー・ファンデルポール(オランダ)がボムナールにジョイン。ゴール5km手前に位置する最大勾配16%のサルヴィアーティで、ファンデルポールがボムナールを振り切った。
独走に持ち込んだファンデルポールは、20名ほどの追走グループを引き離す走りでフィニッシュラインが引かれたパオリ通りへ。沿道から受け取ったオランダ国旗を掲げながら、独走でゴールした。
ファンデルポールの父親は、1980年代にロンド・ファン・フラーンデレンやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで優勝し、6度オランダチャンピオンに輝き、1996年にシクロクロスの世界チャンピオンに輝いているアドリ・ファンデルプール。1960年代にブエルタ・ア・エスパーニャやツール・ド・フランスで成績を残したレイモン・プリドールの孫にあたる。
「アタックは予定していなかった。ボナムールが徐々に失速しているのを見て飛び出したんだ。テクニカルな下りは自分に味方したよ」。ファンデルポールはレース後の記者会見でそう語る。
「ロードレースでは初めてのタイトルだから特別だ」。2月のシクロクロスの世界タイトルに続くロードの世界タイトル。ファンデルポール本人は今後もシクロクロスと二足の草鞋を履くと語っている。
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岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム)は常に集団前方に位置する走りを見せ、およそ40名ほどに絞られた集団に残って残り2周へ。しかし補給ポイントで他選手が投げたサコッシュが後輪に絡んでしまう。バイクを交換して再スタートを切ったものの、スピードの上がったメイン集団には届かなかった。
好位置で周回をこなし、本格的に勝負が始まる前での戦線離脱に岡は悔しさを隠せない。最終周回で落車し、14分46秒遅れでフィニッシュした岡は「(バイク交換までは)きつかったものの、まだ行けると思っていました。ただ、一回でも遅れたらもう戻れないほどの厳しさだった。代車という発想がなくて、再スタートに時間がかかってしまった。少しパニックになってしまいました」と語っている。
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ロード世界選手権2013ジュニア男子ロードレース結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ) 3h33'14"
2位 マッズ・ペデルセン(デンマーク) +03"
3位 リトヤン・ニカ(アルバニア)
4位 ローガン・オーウェン(アメリカ)
5位 ロレンツォ・ロータ(イタリア)
6位 ルーカス・エリクソン(スウェーデン)
7位 スコット・デイヴィス(イギリス)
8位 アルテム・ナイク(ロシア)
9位 セルゲイ・シェムヤキン(カザフスタン)
10位 ベンジャミン・ブルキク(オーストリア)
106位 黒枝咲哉(日出暘谷高校) +12'25"
121位 岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム) +14'46"
DNF 横山航太(篠ノ井高校)
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