2013/09/16(月) - 12:00
21日間の激戦がようやく終わった。第21ステージ、マドリードのゴールを制したのはマイケル・マシューズ。総合1位・複合賞はホーナーがキープし、歴史的な金字塔を打ち立てた。チーム総合優勝は、19年の歴史に幕を下ろすエウスカルテル。有終の美を飾った。
ステージ優勝のマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が真っ先に仕掛ける photo:Kei Tsuji
マドリードステージを制したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsuji今日はずっと3人のチームメイトたちと走っていた。クリスティアン・メイヤー(カナダ)が集団前方で走って、集団を仕切ったりコントロールしてくれていた。だからスプリント勝負になるまで、なんの心配もなかった。
今日のクリスティアンはまるで4人分の仕事をしてくれた。彼は本当に強い。ぼくたちチームのために、あらゆることをコントロールしてくれた。すべてが完璧に運んだ1日だった。チームメイトの存在なしには、今日の結果は出せなかった。チームメイトたちには、とても感謝し尽くせるものではない。
マドリードの表彰台に上がるマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsuji今回のブエルタは、チームにとっては良い形で終わりそうになかった。先週までにリタイアした選手が何人か出ていたけど、残されたぼくたちが今日は完璧な仕事をした。チームメイトたちは、ぼくをスプリントで発射するのに最適な位置取りをしてくれた。
驚きが連続するブエルタだったが、これ以上は想像できない良い結果を迎えた。初めてのグランツールで、ステージ2勝できたことと、ポイント賞の緑のジャージを着用できたことは自分にとって格別な意味がある。これからの人生でも特別な思い出になると思う。2つのステージ優勝は、ぼくだけのものではなく、チーム全員のものだ。チームメイトたちがしっかりアシストしてくれたときは、彼らの仕事を仕上げることに信じがたい喜びを感じた。
今日もチームメイトたちは素晴らしかった。最終周回ではプラン通りとはいかなかったが、結果的にはうまくいった。レースが残り4kmになったときに、サイモン・ゲランス(オーストラリア)が、リー・ハワード(オーストラリア)とミッチェル・ドッカー(オーストラリア)、そしてぼくを良い位置に押し上げてくれた。
その後、リーが前に出た。彼は、ぼくとミッチェルから離れるまでは、大きな役割を担ってくれた。アルゴス・シマノのトレインがひそかに形成されたので、ミッチェルがその後ろに付いた。残り200mの標識では2番手に付いていたので、そこからスプリントを開始した。
総合1位・複合賞のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
スタート前に記者会見を開くクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) photo:Kei Tsuji素晴らしいブエルタだった。今回は高いモチベーションでブエルタに挑んだ。今回のブエルタは、オーガナイザーがぼく向けに特注してくれたかのようなコースレイアウトで、短距離のタイムトライアルも含めて、ぼくのレーススタイルに合っていた。
総合優勝できるかはわからなかったが、表彰台は狙えるだろうとは思っていた。ここに至るには過酷な試練があったが、人生の良い思い出となった。
ブエルタ総合優勝に輝いたクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) photo:Kei Tsuji19年の長いプロ生活で、毎年、ぼくは良いサイクリストになれるように努力している。どの勝利も素晴らしいと感じるし、グランツールはどれも自転車選手にとって、その記憶の中で特別な場所を占める。だけど、このブエルタでの優勝は永遠に素晴らしいと感じるだろう。表彰台のこの場所に立つのは、本当に難しかった。
ぼくには16歳と14歳の娘、そして11歳の息子がいる。それが他のグランツールの総合優勝者とのちがいで、子供たちは何が起きているを理解できる年齢だ。自宅に戻ったら、きっと大騒ぎになるだろう。
スペインはとても相性が良かった。ぼくのキャラクターに、スペインのライフスタイルはとても合っているようだ。とくにバスク地方は故郷のように感じた。
総合トップスリーによるシャンパンファイト photo:Kei Tsuji
今後は、いまのチームメイトたちと一緒に走り続けられないかもしれない。来年、自分はどこにいるかわからない。来年のツール・ド・フランスについては、自分がどのチームで走るかがわからない限りは、まだ語れない。だけど、少なくともあと2年はプロ選手として活動したい。脚も好調だし、肉体的にもまだまだいけると感じている。
ポイント賞に輝いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsujiポイント賞・総合3位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
山岳賞に輝いたニコラ・エデ(フランス、コフィディス) photo:Kei Tsujiこの緑色のポイント賞ジャージが、この3週間の走りを象徴している。ステージ優勝寸前までの機会が2〜3回ほどあった。ツール・ド・フランスは、ミスさえしなければパリで表彰台に登れたはずだった。そのツールの後で、総合3位とポイント賞で2回も表彰台に登れたことに満足している。
山岳賞のニコラ・エデ(フランス、コフィディス)
この特別なジャージを着て、(マドリードの)プラド通りとカステリャーナ通りを走るのは感激だった。このブエルタの序盤で、この山岳賞ジャージを(一時的に)着てみようと挑戦してみたが、まさか元チームメイトのダヴィ・モンクティエ(フランス)のように、山岳賞を獲得できとは思わなかった。
ぼくの最初のブエルタは、モンクティエのアシストとして参加したが、役目を果たせなかった。この水玉のジャージこそ、まさにぼくのキャリアの出発点だ。
チーム総合優勝・総合8位のサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
エウスカルテルは喜びとともにレースシーンから去る。だけど、こうしてステージに関係者が集まったことで、つい涙してしまった[訳注:チーム総合優勝の表彰のために選手とスタッフが表彰台に登った]。ぼくたちは何年も一緒に素晴らしい歳月を過ごした。ぼくたちは家族だ。
チーム総合成績トップのエウスカルテル・エウスカディがステージに上がる photo:Kei Tsuji
総合2位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
表彰式で笑顔を見せるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsujiジロの総合優勝の後に、ブエルタで総合2位になれた。自分としては特別なシーズンになったと思う。このブエルタの最後の週をずっと調子良く走れていた。今日もまた疲れは感じてない。世界選手権前としては良い兆候だと思う。今後は少し体力を回復させてから、高地トレーニングをして仕上げたいと思う。フィレンツェ(の世界選手権)では、勇敢にそして賢くレースを展開したい。とても過酷な世界選手権になると思う。
クリス・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)がもう42歳になろうとするのに、ブエルタで総合優勝したことについては、今年の彼の活動も要因のひとつだろう。彼はスペインに来る前には、ほとんどレースをしていなかった。プロトンの中で、彼ほどフレッシュな選手はいなかった。
総合7位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
今回のブエルタでは、トップ10入りを目指してスタートした。その目的が果たせた。どのステージもとてもハードだったが、総合5位〜8位のあいだを維持していた。今回は2〜3日ほど難しい日を経験したけど、来年は総合成績の上位を狙うと自信をもって言える。自分たちのチーム・スピリッツとステージ2勝[第15ステージのペイラギュードでアレクサンドル・ジェニエ(フランス)、第20ステージのアングリルでケニー・エリッソンド(フランス)]という結果に満足している。
ステージ2位のタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
ガッカリだ。チームメイトたちのリードアウトはゴールから遠かったけど、トラブルに巻き込まれないための安全策だった。彼らのアシストは素晴らしかった。マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)の真後ろに付いていたが、彼の勝利は驚くことじゃなかった。
彼はスプリントでぼくより強く、速かった。今日でステージ2位は6回目で、ステージ優勝はわずか1回だけだ。今後の予定は世界選手権のチーム・タイムトライアルとフランコ・ベルジュ[ツール・ド・ワロニー・ピカルド]、パリ〜トゥールが残っている。調子は良いので、せめてあと1勝してシーズンを終えたい。
ステージ20位のミカエル・モルコフ(デンマーク、サクソ・ティンコフ)
ぼくはグランツールで初勝利を飾って故郷に帰る選手のひとりだ[訳注:第6ステージを制した]。この3週間で、ぼくの手のひらはすっかり変わってしまった。あの大きな勝利を誇らしく思っている。だからといって、ぼくが特別な人間というわけではない。
※ソースはレース公式リリース、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝のマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
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今日のクリスティアンはまるで4人分の仕事をしてくれた。彼は本当に強い。ぼくたちチームのために、あらゆることをコントロールしてくれた。すべてが完璧に運んだ1日だった。チームメイトの存在なしには、今日の結果は出せなかった。チームメイトたちには、とても感謝し尽くせるものではない。
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驚きが連続するブエルタだったが、これ以上は想像できない良い結果を迎えた。初めてのグランツールで、ステージ2勝できたことと、ポイント賞の緑のジャージを着用できたことは自分にとって格別な意味がある。これからの人生でも特別な思い出になると思う。2つのステージ優勝は、ぼくだけのものではなく、チーム全員のものだ。チームメイトたちがしっかりアシストしてくれたときは、彼らの仕事を仕上げることに信じがたい喜びを感じた。
今日もチームメイトたちは素晴らしかった。最終周回ではプラン通りとはいかなかったが、結果的にはうまくいった。レースが残り4kmになったときに、サイモン・ゲランス(オーストラリア)が、リー・ハワード(オーストラリア)とミッチェル・ドッカー(オーストラリア)、そしてぼくを良い位置に押し上げてくれた。
その後、リーが前に出た。彼は、ぼくとミッチェルから離れるまでは、大きな役割を担ってくれた。アルゴス・シマノのトレインがひそかに形成されたので、ミッチェルがその後ろに付いた。残り200mの標識では2番手に付いていたので、そこからスプリントを開始した。
総合1位・複合賞のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
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総合優勝できるかはわからなかったが、表彰台は狙えるだろうとは思っていた。ここに至るには過酷な試練があったが、人生の良い思い出となった。
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ぼくには16歳と14歳の娘、そして11歳の息子がいる。それが他のグランツールの総合優勝者とのちがいで、子供たちは何が起きているを理解できる年齢だ。自宅に戻ったら、きっと大騒ぎになるだろう。
スペインはとても相性が良かった。ぼくのキャラクターに、スペインのライフスタイルはとても合っているようだ。とくにバスク地方は故郷のように感じた。
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今後は、いまのチームメイトたちと一緒に走り続けられないかもしれない。来年、自分はどこにいるかわからない。来年のツール・ド・フランスについては、自分がどのチームで走るかがわからない限りは、まだ語れない。だけど、少なくともあと2年はプロ選手として活動したい。脚も好調だし、肉体的にもまだまだいけると感じている。
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山岳賞のニコラ・エデ(フランス、コフィディス)
この特別なジャージを着て、(マドリードの)プラド通りとカステリャーナ通りを走るのは感激だった。このブエルタの序盤で、この山岳賞ジャージを(一時的に)着てみようと挑戦してみたが、まさか元チームメイトのダヴィ・モンクティエ(フランス)のように、山岳賞を獲得できとは思わなかった。
ぼくの最初のブエルタは、モンクティエのアシストとして参加したが、役目を果たせなかった。この水玉のジャージこそ、まさにぼくのキャリアの出発点だ。
チーム総合優勝・総合8位のサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
エウスカルテルは喜びとともにレースシーンから去る。だけど、こうしてステージに関係者が集まったことで、つい涙してしまった[訳注:チーム総合優勝の表彰のために選手とスタッフが表彰台に登った]。ぼくたちは何年も一緒に素晴らしい歳月を過ごした。ぼくたちは家族だ。
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総合2位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
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クリス・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)がもう42歳になろうとするのに、ブエルタで総合優勝したことについては、今年の彼の活動も要因のひとつだろう。彼はスペインに来る前には、ほとんどレースをしていなかった。プロトンの中で、彼ほどフレッシュな選手はいなかった。
総合7位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
今回のブエルタでは、トップ10入りを目指してスタートした。その目的が果たせた。どのステージもとてもハードだったが、総合5位〜8位のあいだを維持していた。今回は2〜3日ほど難しい日を経験したけど、来年は総合成績の上位を狙うと自信をもって言える。自分たちのチーム・スピリッツとステージ2勝[第15ステージのペイラギュードでアレクサンドル・ジェニエ(フランス)、第20ステージのアングリルでケニー・エリッソンド(フランス)]という結果に満足している。
ステージ2位のタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
ガッカリだ。チームメイトたちのリードアウトはゴールから遠かったけど、トラブルに巻き込まれないための安全策だった。彼らのアシストは素晴らしかった。マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)の真後ろに付いていたが、彼の勝利は驚くことじゃなかった。
彼はスプリントでぼくより強く、速かった。今日でステージ2位は6回目で、ステージ優勝はわずか1回だけだ。今後の予定は世界選手権のチーム・タイムトライアルとフランコ・ベルジュ[ツール・ド・ワロニー・ピカルド]、パリ〜トゥールが残っている。調子は良いので、せめてあと1勝してシーズンを終えたい。
ステージ20位のミカエル・モルコフ(デンマーク、サクソ・ティンコフ)
ぼくはグランツールで初勝利を飾って故郷に帰る選手のひとりだ[訳注:第6ステージを制した]。この3週間で、ぼくの手のひらはすっかり変わってしまった。あの大きな勝利を誇らしく思っている。だからといって、ぼくが特別な人間というわけではない。
※ソースはレース公式リリース、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI