2013/08/21(水) - 12:28
富士山頂に迫る標高3688mのインデペンデンスパスを越えるUSAプロチャレンジ(UCI2.HC)第2ステージ。マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)とラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)がゴールまで逃げ切り、ステージ優勝とリーダージャージを分けあった。
第2ステージは開幕地アスペンからブレッケンリッジまでの202.9km。スタート直後に標高3688m(!)の1級山岳インデペンデンスパスの登りが始まり、後半に標高3513mの2級山岳フージャーパスと3級山岳ボリアスパスを越える。
今大会最大となる獲得標高差3800mの難関山岳コースで逃げたのは、ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)とルイスエンリケ・レムスダビラ(メキシコ、ジェリーベリー)、マシュー・クック(アメリカ、ジェーミス・ハーゲンズバーマン)の3人。
このスイスチャンピオンとメキシコチャンピオン、山岳賞ジャージ着用者のトリオは、メイン集団との距離を広げながら1級山岳インデペンデンスパスを登頂。メイン集団からはデーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)とカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、スカイプロサイクリング)の2人がカウンターアタックを仕掛けて追走した。
インデペンデンスパス通過後のダウンヒルを経て、広大なコロラド高原に出たところで追走2名が先頭3名をキャッチする。メイン集団はキャノンデールプロサイクリングとレディオシャック・レオパードが牽引した。
連日メイン集団のローテーションに加わっている増田成幸(キャノンデールプロサイクリング)は「今日は3600mの山岳を越えてから、逃げを捕まえるために他チームと協力してメイングループを牽引。一緒に回ったイェンス・フォイクトがあまりにも強烈だった。モーターバイクだ。今日はとても疲れました」とコメントしている。2チームの集団牽引によって、ゴールまで75kmを残して逃げは吸収された。
この早めの逃げ吸収により、メイン集団では新たな展開に向けた動きが活性化。カウンターアタックでアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)を含む15名が飛び出す。
新たに形成された15名の逃げは最大4分のリードを得たが、総合上位のファンアフェルマートらが入っていたため、その協力体制に歪みが生じる。サクソ・ティンコフが牽引するメイン集団が徐々にタイム差を詰めた。
やがてゴール24km手前の2級山岳フージャーパスでラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が逃げグループからアタック。これにマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)とローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガーサイクリング)が反応する。
先頭3名はメイン集団から1分リードしたままゴール4km手前の3級山岳ボリアスパスに突入。この最後の登りでフランクがモートンとクラドックを振り切り、そのままゴールまで独走した。
大歓声を受けて独走でフィニッシュラインを駆け抜けたフランクから遅れること3秒でモートンがゴール。3級山岳ボリアスパスでメイン集団から抜け出したリーダージャージのペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)が、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)とともに14秒遅れでゴールした。
「今日は標高があまりにも高くて、山の頂上では上手くペダリング出来なかった。リカバリーに時間がかかったけど、トラブルを抱えていたのが自分だけではなくて助かった。最後の登りではかなり追い込んだよ」と、今シーズン3勝目を飾ったフランクは語る。ツアー・オブ・カリフォルニアを総合4位、ツール・ド・スイスを総合5位で終えたスイス人オールラウンダーは2秒差の総合2位につけている。チームメイトのヴァンガーデレンは11秒差の総合4位だ。
リーダージャージはステージ2位のモートンの手に。ツアー・オブ・ユタに続いてリーダージャージを着用した21歳のモートンは「逃げグループが上手く機能せず、終盤にチャンスがあったのでアタックした。最後の登りはアドレナリンが出たよ。徐々にステージ優勝について考え始めたけど、リーダージャージなんて考えもしなかった。だからこの結果はアメイジングだ」と驚く。チームメイトで、ユタ総合優勝のトム・ダニエルソン(アメリカ)は29秒差の総合6位につけている。
増田成幸と西薗良太(チャンピオンシステム)は11分12秒遅れでフィニッシュ。増田は「今日はラスト25kmの山岳でグルペット。憧れのクリスフルームも一緒だったから、じっくり観察しました。今日はホテルが標高2900mにあって息苦しいです」とコメントしている。
選手コメントはチーム公式サイトと各選手Twitterより。
USAプロチャレンジ2013第2ステージ結果
1位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) 5h05'19"
2位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +03"
3位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) +14"
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
5位 ローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガーサイクリング) +21"
6位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +32"
7位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア) +33"
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) +44"
9位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)
75位 増田成幸(キャノンデールプロサイクリング) +11'12"
81位 西薗良太(チャンピオンシステム)
個人総合成績
1位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) 7h31'22"
2位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +02"
3位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) +11"
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
5位 ローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガーサイクリング) +18"
6位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +29"
7位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア) +35"
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) +41"
9位 クリストファー・ボールドウィン(アメリカ、ビッセルプロサイクリング)
10位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
マシュー・クック(アメリカ、ジェーミス・ハーゲンズバーマン)
新人賞
ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
第2ステージは開幕地アスペンからブレッケンリッジまでの202.9km。スタート直後に標高3688m(!)の1級山岳インデペンデンスパスの登りが始まり、後半に標高3513mの2級山岳フージャーパスと3級山岳ボリアスパスを越える。
今大会最大となる獲得標高差3800mの難関山岳コースで逃げたのは、ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)とルイスエンリケ・レムスダビラ(メキシコ、ジェリーベリー)、マシュー・クック(アメリカ、ジェーミス・ハーゲンズバーマン)の3人。
このスイスチャンピオンとメキシコチャンピオン、山岳賞ジャージ着用者のトリオは、メイン集団との距離を広げながら1級山岳インデペンデンスパスを登頂。メイン集団からはデーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)とカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、スカイプロサイクリング)の2人がカウンターアタックを仕掛けて追走した。
インデペンデンスパス通過後のダウンヒルを経て、広大なコロラド高原に出たところで追走2名が先頭3名をキャッチする。メイン集団はキャノンデールプロサイクリングとレディオシャック・レオパードが牽引した。
連日メイン集団のローテーションに加わっている増田成幸(キャノンデールプロサイクリング)は「今日は3600mの山岳を越えてから、逃げを捕まえるために他チームと協力してメイングループを牽引。一緒に回ったイェンス・フォイクトがあまりにも強烈だった。モーターバイクだ。今日はとても疲れました」とコメントしている。2チームの集団牽引によって、ゴールまで75kmを残して逃げは吸収された。
この早めの逃げ吸収により、メイン集団では新たな展開に向けた動きが活性化。カウンターアタックでアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)を含む15名が飛び出す。
新たに形成された15名の逃げは最大4分のリードを得たが、総合上位のファンアフェルマートらが入っていたため、その協力体制に歪みが生じる。サクソ・ティンコフが牽引するメイン集団が徐々にタイム差を詰めた。
やがてゴール24km手前の2級山岳フージャーパスでラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が逃げグループからアタック。これにマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)とローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガーサイクリング)が反応する。
先頭3名はメイン集団から1分リードしたままゴール4km手前の3級山岳ボリアスパスに突入。この最後の登りでフランクがモートンとクラドックを振り切り、そのままゴールまで独走した。
大歓声を受けて独走でフィニッシュラインを駆け抜けたフランクから遅れること3秒でモートンがゴール。3級山岳ボリアスパスでメイン集団から抜け出したリーダージャージのペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)が、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)とともに14秒遅れでゴールした。
「今日は標高があまりにも高くて、山の頂上では上手くペダリング出来なかった。リカバリーに時間がかかったけど、トラブルを抱えていたのが自分だけではなくて助かった。最後の登りではかなり追い込んだよ」と、今シーズン3勝目を飾ったフランクは語る。ツアー・オブ・カリフォルニアを総合4位、ツール・ド・スイスを総合5位で終えたスイス人オールラウンダーは2秒差の総合2位につけている。チームメイトのヴァンガーデレンは11秒差の総合4位だ。
リーダージャージはステージ2位のモートンの手に。ツアー・オブ・ユタに続いてリーダージャージを着用した21歳のモートンは「逃げグループが上手く機能せず、終盤にチャンスがあったのでアタックした。最後の登りはアドレナリンが出たよ。徐々にステージ優勝について考え始めたけど、リーダージャージなんて考えもしなかった。だからこの結果はアメイジングだ」と驚く。チームメイトで、ユタ総合優勝のトム・ダニエルソン(アメリカ)は29秒差の総合6位につけている。
増田成幸と西薗良太(チャンピオンシステム)は11分12秒遅れでフィニッシュ。増田は「今日はラスト25kmの山岳でグルペット。憧れのクリスフルームも一緒だったから、じっくり観察しました。今日はホテルが標高2900mにあって息苦しいです」とコメントしている。
選手コメントはチーム公式サイトと各選手Twitterより。
USAプロチャレンジ2013第2ステージ結果
1位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) 5h05'19"
2位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +03"
3位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) +14"
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
5位 ローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガーサイクリング) +21"
6位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +32"
7位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア) +33"
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) +44"
9位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)
75位 増田成幸(キャノンデールプロサイクリング) +11'12"
81位 西薗良太(チャンピオンシステム)
個人総合成績
1位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) 7h31'22"
2位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +02"
3位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) +11"
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
5位 ローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガーサイクリング) +18"
6位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +29"
7位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア) +35"
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) +41"
9位 クリストファー・ボールドウィン(アメリカ、ビッセルプロサイクリング)
10位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
マシュー・クック(アメリカ、ジェーミス・ハーゲンズバーマン)
新人賞
ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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