8ステージを終えて第1回目の休息日を迎えた7月8日(月)、チームの滞在するナントのホテルで共同記者会見に応えてくれた新城幸也(ユーロップカー)。自宅やチームの拠点が50km圏内と近いため、リラックスしている。

休息日はしっかりと休み、にこやかに登場した新城幸也(ユーロップカー)休息日はしっかりと休み、にこやかに登場した新城幸也(ユーロップカー) (c)Makoto.AYANO

山岳を走る新城幸也(ユーロップカー)山岳を走る新城幸也(ユーロップカー) photo:MakotoAYANO緊張や不安もなく、余裕が感じられる緊張や不安もなく、余裕が感じられる (c)Makoto.AYANO― 4回目のツール、1週間走ってみてどうですか?何か今までと違いはありますか?

経験を積んでいるのでどういうふうにレースが動いて、というのがわかってきたし、たしかにツールは特別なレースですけれど、何があってもだいたいのことには対応できるようにはなりましたね。例えば渋滞に巻き込まれても白バイ隊が助けに来てくれるのが分かっているから慌てなくなりましたね(笑)。

今のところ天気も毎日いいので準備に時間がかかることもなく、比較的楽にこなせています。スタート前に自分ですることは日焼け止めを自分で塗るぐらいです。まぁ、慣れたものです。他のレースとそんなに変わらない。

酷暑の続いたステージに日焼けの跡はくっきりと酷暑の続いたステージに日焼けの跡はくっきりと (c)Makoto.AYANO― コルシカ島での思い出は?

普段レースに帯同するカミオンレストラン(チーム専用の移動式のトラックレストラン)がいなかったんですが、海の幸の食事がおいしく食べられましたね。マグロとか、魚料理が美味しかった。普段レースで食べないものが出たのが楽しかったですね。本土に渡ってカミオンが来たので、食事の心配はなしです。

― 日本チャンピオンジャージを着て走ってみて、他の選手からの反応はどうですか?

選手より観客の声援が多くなったのが嬉しいですね。たまにマイヨ・アン・ポア(水玉がひとつのジャージ)!と声をかけられますけれど(笑)

日の丸を持つ沿道のファンの姿も目立つ今大会日の丸を持つ沿道のファンの姿も目立つ今大会 (c)Makoto.AYANO― チャンピオンジャージは1着しかなかったようですが?

カーボン繊維でできた涼しいやつが今日ホテルに4セット届きました。今までは普通の素材で暑かったんですが、明日からは楽になります。素材にカーボンが混じっているので少し色が薄黒くなりますが、白い目立つデザインはそのままです。

今までの1着は素材が酷暑用のものではなかったんです。ウェアの差は大きいですね。これからは安心です。
ヘルメットは日替わりでデザインやサイズの違うものを3種類ぐらいを被っています。

第1ステージで初披露された全日本チャンピオンジャージ第1ステージで初披露された全日本チャンピオンジャージ photo:Makoto.Ayano― ジャージが一着しかなかったときは苦労したのでは?

幸い転ばなかったし、雨も降らなかったので1着でも困らなかったですね。ジャージは毎日洗ってもらっていました。今は白いシューズを使う人も増えて多いので、色が移らないように白いものは別で洗っています。スタッフには2度洗濯機を回してもらうことになるので申し訳ないんですが。

白は汚れやすいですけれど、着ていて気持ちはいいですね。

― 100回記念大会のツールに日本チャンピオンジャージを着て走る気持ちを教えてください。

100回記念大会に日本チャンピオンジャージを着て走るというのは自分にとってはとても名誉なことなので、嬉しいですね。このジャージを着ていることで観客のみなさんにも「ユキヤ」と名前で呼んでもらえるようになりました。現地の声が日本にも届くといいですね。

― 南の暑い土地から来た新城選手が連日「暑い」と言っているこれだけの暑さは、やはり厳しいものですか?

普通なら暑さは歓迎なんですが、ウェアの差は大きかったと思います。これからは安心して走れます。

ユーロップカーの記者会見に出席ユーロップカーの記者会見に出席 (c)Makoto.AYANO

― 日本でいろいろなメディアによってツール・ド・フランスと自分の活躍が報道されていることに対しては、どう思いますか?

出場者全員に贈られるという出場記念メダル。100回大会のものはひとまわり大きい出場者全員に贈られるという出場記念メダル。100回大会のものはひとまわり大きい (c)Makoto.AYANOそれを見てくれた人が自転車レースに興味を持ったくれたり、自転車を始めてくれたらもっともっと盛り上がるので、それはモチベーションの一つになりますね。

ピエール・ロランが山岳賞ジャージをキープしているが、果たして最終週の後にそれが維持できているかは疑問だピエール・ロランが山岳賞ジャージをキープしているが、果たして最終週の後にそれが維持できているかは疑問だ (c)Makoto.AYANO― 山岳賞ジャージを着るピエール・ロランのお手伝いをする役割が大きくなったと思いますが、決意や覚悟のほどはどうでしょう?

それなんですが、最終週の超級山岳を2回獲ったら一気に逆転しちゃえるほどのポイントの大量獲得が可能なんですよね。当然(クリス・)フルームがステージ優勝をとりに行くことが考えられるので、マイヨアポアを守るのはそもそも難しい話なのかもしれません。だから、それだけを守って走るというわけにはいかないですね。

フルームはマイヨジョーヌをとるために一生懸命走るはずだし、一昨日みたいな結果になることは大いに予想されます。だから山岳賞だけに焦点を絞る訳にも行かないですよね。難しいところです。総合は圏外ですが、ポイント稼ぎの動きも簡単には逃がしてくれないと思います。

― フルームの強さについてはどう思いますか? このまま難なく総合優勝する?

山岳の厳しいステージは試走済み。マップには詳しいメモが書き込まれていた山岳の厳しいステージは試走済み。マップには詳しいメモが書き込まれていた (c)Makoto.AYANO見ていなのでなんとも言えないです。後ろでひらひらしているだけだし(笑)。でも、第8、9ステージをみると別格に強いことは確実ですね。

― チームでは出場4回めで年齢的にも上から3番目。ツールデビューを飾った選手に何かアドバイスをしたりしていますか?

ツール・ド・フランスメンバーになった選手たちはタダじゃここにいない選ばれた選手なので、ぼくが何かを教えなくても問題なく走るし、パリまで到達できると思うんですよね。まったく心配もしていません。

明日から第2週に入ります。残りのステージも頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。


photo&text:Makoto.AYANO


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