2013/05/30(木) - 23:03
連載でお届けするプロバイクレポート。今回はツアー・オブ・ジャパンを走った海外チームのバイクの中からランプレ・メリダ、ヴィーニファンティーニ、チャンピオンシステム・プロサイクリング、ヒューオン・ジェネシスのバイクを紹介する。
ランプレ・メリダ
メリダ スクルトゥーラSL
今回唯一UCIプロツアーチームとして参加したランプレ・メリダ。チームが駆るのはもちろんスポンサーでもあるメリダの最高峰オールラウンドマシン「スクルトゥーラSL」だ。剛性を上げつつもカーボン繊維にバイオファイバーを採用することにより柔軟性を向上させ、長期に渡るグランツールなどのステージレースでの快適性を向上させたマシンだ。
コンポーネントには9070系デュラエースDi2を使用するが、7970系Di2を装備したスペアバイクも散見される。チェーンリングの歯数は53-39であった。ホイールはチームカラーのステッカーでコーディネイトされたフルクラムで、平坦な東京ステージでは50mmもしくは80mmハイトのレーシングスピードXLRが使用されたが、スペアバイクは軽量のレーシングライトだった。
組み合わせるタイヤはコンチネンタルのコンペティション(22mm)で、メカニックによると7.5気圧をベースに選手の好みで調整しているとのこと。パワーメーターはSRMを用い、その場合は7800系デュラエースクランクと7900系ギア版を組み合わせ。9000系用SRMは見受けられなかった。
なおメリダにはエアロを意識したバイク「リアクトEVO」と振動吸収性を高めたバイク「レースTEAM」が用意されるが、今回のツアー・オブ・ジャパンには持ち込まれなかったようだ。
ヴィーニファンティーニ
チポッリーニ RB1000、RB800
イタリアのプロコンチネンタルチーム・ヴィーニファンティーニが使用するのは、自国ブランドのチポッリーニ。主にエアロフォルムが際立つ最高峰モデルのRB1000を駆るものの、クリスティアーノ・モングッジ(イタリア)はジロで山岳賞を獲得した軽量モデルのRB800を使用した。
コンポーネントは7990系デュラエースDi2を使用し、9000系を使用している選手は見受けられなかったが、来日した選手には供給がまだ追いついていないのかもしれない。ホイールはURSUSの38mmハイトのカーボンをメインに使するものの、スペアバイクの一部にはアンブロッシオのリムを用いたクラシックな手組ホイールがアッセンブルされたバイクも散見された。
タイヤはシュワルベのアルトレモチューブラーHTを使い、選手によってはSRM(メーターは蛍光イエローのチームカラー)を使用してパワー計測を行なっていた。SRM未使用の選手はガーミンのEgde800を使用。ハンドルやステムはFSAのK-Forceで、サドルはセライタリア。ボトル/ボトルケージはエリート社製品を使用している。ペダルはシマノ・デュラエース。
チャンピオンシステム・プロサイクリング
フジ SSTチーム
チャンピオンシステム・プロサイクリングからは、総合順位で日本人トップの6位を獲得した西薗良太のバイクをピックアップ。ダークブルーとホワイト、オレンジというチームカラーにペイントされたSSTチームには、旧型のスラム・REDがアッセンブルされ、QUORK製パワーメーターのみ新型を使用する。
チェーンにはKMC製品を採用していることが特徴で、ホイールはEDCO社製OSEOUSの58mm。タイヤにはヴィットリアのパヴェを選択し、他のチームメイトも同じ物を使用している選手が見受けられた。ステムやハンドルはオーヴァルで、組み合わせるコンピュータはホワイトのEdge800J。ペダルはスピードプレイで、ワイヤー類はゴア・ライドオン。
尚、他のチームメンバーの中にはSRMを組み込んだ現行スラム・REDを使用選手もおり、統一感はまちまちといったところ。シンプルなTacxの金属製ボトルケージを使用している点は実戦的といえる部分だ。
ヒューオン・ジェネシス
アヴァンティ CORSA OR、QUANTUM
第4ステージ・富士山でベンジャミン・ディボール(オーストラリア)がコースレコードで勝利し注目を浴びたヒューオン・ジェネシスチーム。今年はアヴァンティを駆ってツアー・オブ・ジャパンに臨んできた。メインとしてエアロフォルムのCORSA ORを使用したものの、スプリンターのネイサン・アール(オーストラリア)はラウンド形状のトップチューブを持つオールラウンドモデル・QUANTUMを使用した。
ホワイト&ブラックにチームカラーであるオレンジとグリーンが配色されたマシンには、SRMを組み込んだ(使用しない選手も)現行型スラム・REDが組み込まれ、東京ステージでは全員がコンチネンタル・コンペティションを貼ったZIPP・404ホイールを使用。チェーンリングはほとんどが53/39Tだが、54Tのタイムトライアル用アウターリングを装備するバイクも見受けられた。
ステムやハンドルはZIPPやリッチー、ZEROなど多種多様で、なぜかフェルトロゴのトップキャップが使われているマシンも。ディボールのバイクにはi-linkと呼ばれるアルミ製のピースをつないだアウターケーブルが投入されていた。ボトルケージはブラックバーンのカーボン製で、全員がロングボトルを使用したのが興味深いところだ。
text:So.Isobe
photo:So.Isobe,Yuya.YAMAMOTO
ランプレ・メリダ
メリダ スクルトゥーラSL
今回唯一UCIプロツアーチームとして参加したランプレ・メリダ。チームが駆るのはもちろんスポンサーでもあるメリダの最高峰オールラウンドマシン「スクルトゥーラSL」だ。剛性を上げつつもカーボン繊維にバイオファイバーを採用することにより柔軟性を向上させ、長期に渡るグランツールなどのステージレースでの快適性を向上させたマシンだ。
コンポーネントには9070系デュラエースDi2を使用するが、7970系Di2を装備したスペアバイクも散見される。チェーンリングの歯数は53-39であった。ホイールはチームカラーのステッカーでコーディネイトされたフルクラムで、平坦な東京ステージでは50mmもしくは80mmハイトのレーシングスピードXLRが使用されたが、スペアバイクは軽量のレーシングライトだった。
組み合わせるタイヤはコンチネンタルのコンペティション(22mm)で、メカニックによると7.5気圧をベースに選手の好みで調整しているとのこと。パワーメーターはSRMを用い、その場合は7800系デュラエースクランクと7900系ギア版を組み合わせ。9000系用SRMは見受けられなかった。
なおメリダにはエアロを意識したバイク「リアクトEVO」と振動吸収性を高めたバイク「レースTEAM」が用意されるが、今回のツアー・オブ・ジャパンには持ち込まれなかったようだ。
ヴィーニファンティーニ
チポッリーニ RB1000、RB800
イタリアのプロコンチネンタルチーム・ヴィーニファンティーニが使用するのは、自国ブランドのチポッリーニ。主にエアロフォルムが際立つ最高峰モデルのRB1000を駆るものの、クリスティアーノ・モングッジ(イタリア)はジロで山岳賞を獲得した軽量モデルのRB800を使用した。
コンポーネントは7990系デュラエースDi2を使用し、9000系を使用している選手は見受けられなかったが、来日した選手には供給がまだ追いついていないのかもしれない。ホイールはURSUSの38mmハイトのカーボンをメインに使するものの、スペアバイクの一部にはアンブロッシオのリムを用いたクラシックな手組ホイールがアッセンブルされたバイクも散見された。
タイヤはシュワルベのアルトレモチューブラーHTを使い、選手によってはSRM(メーターは蛍光イエローのチームカラー)を使用してパワー計測を行なっていた。SRM未使用の選手はガーミンのEgde800を使用。ハンドルやステムはFSAのK-Forceで、サドルはセライタリア。ボトル/ボトルケージはエリート社製品を使用している。ペダルはシマノ・デュラエース。
チャンピオンシステム・プロサイクリング
フジ SSTチーム
チャンピオンシステム・プロサイクリングからは、総合順位で日本人トップの6位を獲得した西薗良太のバイクをピックアップ。ダークブルーとホワイト、オレンジというチームカラーにペイントされたSSTチームには、旧型のスラム・REDがアッセンブルされ、QUORK製パワーメーターのみ新型を使用する。
チェーンにはKMC製品を採用していることが特徴で、ホイールはEDCO社製OSEOUSの58mm。タイヤにはヴィットリアのパヴェを選択し、他のチームメイトも同じ物を使用している選手が見受けられた。ステムやハンドルはオーヴァルで、組み合わせるコンピュータはホワイトのEdge800J。ペダルはスピードプレイで、ワイヤー類はゴア・ライドオン。
尚、他のチームメンバーの中にはSRMを組み込んだ現行スラム・REDを使用選手もおり、統一感はまちまちといったところ。シンプルなTacxの金属製ボトルケージを使用している点は実戦的といえる部分だ。
ヒューオン・ジェネシス
アヴァンティ CORSA OR、QUANTUM
第4ステージ・富士山でベンジャミン・ディボール(オーストラリア)がコースレコードで勝利し注目を浴びたヒューオン・ジェネシスチーム。今年はアヴァンティを駆ってツアー・オブ・ジャパンに臨んできた。メインとしてエアロフォルムのCORSA ORを使用したものの、スプリンターのネイサン・アール(オーストラリア)はラウンド形状のトップチューブを持つオールラウンドモデル・QUANTUMを使用した。
ホワイト&ブラックにチームカラーであるオレンジとグリーンが配色されたマシンには、SRMを組み込んだ(使用しない選手も)現行型スラム・REDが組み込まれ、東京ステージでは全員がコンチネンタル・コンペティションを貼ったZIPP・404ホイールを使用。チェーンリングはほとんどが53/39Tだが、54Tのタイムトライアル用アウターリングを装備するバイクも見受けられた。
ステムやハンドルはZIPPやリッチー、ZEROなど多種多様で、なぜかフェルトロゴのトップキャップが使われているマシンも。ディボールのバイクにはi-linkと呼ばれるアルミ製のピースをつないだアウターケーブルが投入されていた。ボトルケージはブラックバーンのカーボン製で、全員がロングボトルを使用したのが興味深いところだ。
text:So.Isobe
photo:So.Isobe,Yuya.YAMAMOTO