2013/05/18(土) - 14:55
今大会最長となる254kmのステージ。残り少ないスプリントステージを制したのは、昨日に続いてマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)。総合1位はニーバリが維持。今大会の行方は明日からの山岳ステージで本格化する。
ステージ優勝・ポイント賞のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
今日はいつものスプリントとは違っていた。今日のステージは長距離で、最後の数kmには上りもあって、簡単な上りでもなかった。自分としては、今日はスプリントするつもりはなかったけど、監督がチームメイトたちに牽くようにオーダーした。
ぼくの仕事かって? 牽くのは彼らの仕事だ。監督が牽けと言ったのなら、それが当たり前のことだ。でも、ぼくは幸運だと思う。このチームは完璧だから。彼らは、登坂やスプリント、向かい風のときも常に傍にいてくれる。彼らの仕事ほど心強いものはない。
(信じられないほど伸びたスプリントについて)体調もよかったし、あの瞬間は精神的にも充実していた。でも、結局はこのチームの能力なんだと思う。彼らの実力は、このジロで証明されている通りだ。
そのおかげで、脚を温存できる以上に、精神的にも好調でいられる。彼らが最後の一滴まで努力を絞り出すなら、ぼくは奇跡を起こせるーー自分でも信じられない力を発揮できる。だからこそ、次のレースにも励みが出る。
次のスプリントステージは、ブレシアの最終ステージだ。ビチェンツァはスプリントステージだと言われている。でも、ぼくにとっては最後の上りがハードだと思う。
総合1位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
(ウィギンズのリタイアで)ジロが簡単になることはまったくない。ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)がいなくても、マリア・ローザの候補は他にもいる。ライダー・ヘジダル(ガーミン・シャープ)がリタイアしても同じだ。たとえばスカイにはリゴベルト・ウラン(スカイプロサイクリング)がいるし、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)もいる。
総合成績はまだ決まっていない。エヴァンスとの差も僅かだから、まだまだ差をつける必要があると思う。体調は良いので、次の山岳ステージでは攻めてみるつもりだ。
(ステージ優勝がないことについて)ジロでのステージ優勝は、簡単にできることではない。挑戦はするつもりだ。こうは言ったけど、本当にできるかは難しい。山岳ステージのどこで誰がアタックするのかを予想するのかさえ難しい。明日からの数日は天気の状態が良くないと言われている。プロトン全体のことを考えても、あまり寒すぎないことを願う。
ステージ2位のジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード)
この失意をバネに上を目指したい。今日はロングスプリントの日になりそうだと思っていた。2位になって残念だ。1つミスをしたとすれば、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)とマーク・カヴェンディッシュに後ろに付かれたときだ。あそこでスプリントを始めたのはまずかった。いくつか理由はある。
うまく説明できないけど、ちょっとためらう瞬間があって、そこでカヴェンディッシュにバイク1台分の差をつけられて、それを取り戻すことはできなかった。あそこでためらったせいで、レースに負けてしまった。
総合5位のミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)
ジロにとっても、自分にとっても重要となる週末がやってくる。火曜日の第10ステージ以来の勝負所のひとつとなる。火曜日のモンタジオのステージでは、ちょうどバッドデイだった。
あのステージの後は、脚も好調だ。体調も良いという自覚もある。悪天候がレースのコンディションを左右するのはまちがいないが、明日は(山岳コースがキャンセルされることなく)セストリエーレでペダルを踏めればいいと思う。
ツールでの復帰を宣言してジロを去るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)
とても残念だ。しかし、自分でコントロールできる問題でもない。こんな形で辞めることになって本当に残念だ。今回は大きな成果を出そうとして参戦していただけに。今朝、チームのドクターに「もう充分だろう」と言われた。というのも、昨晩もその前の晩も充分な睡眠時間がとれずに、体調不良のまま今日の最長ステージを迎えてしまったからだ。これから先どれだけ戦ったとしても、もう総合成績の見込みはなくなっていた。
このジロで総合候補のひとりとして走るのは難しい。これ以上は、みんなの期待には添えられないと思う。プロトンには、いまこの瞬間にも病気を抱えて走っている選手もたくさんいる。でも、ツールの総合優勝者としての走りを要求される立場としては、逃げ隠れはできないし、病気も克服できなかった。
昨日の(第12)ステージのあの順位は厳しかった。自分でもああなるとは思わなかった。平坦なコースで、グルペットから落ちてしまうとは考えてもみなかった。あれは健康状態が良くないというサインだ。
このリタイアの決定は、体調万全でツールに挑みたいという意欲もあってのものだ。自分ではジロをこのまま走り続けられると思ったが、これから先ずっとダメージを受けるリスクもある。そこでチームとして、ここでストップすることにして、次のツールに体調万全で復帰することに決めた。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
photo:Kei.Tsuji,Cor.Vos
ステージ優勝・ポイント賞のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
今日はいつものスプリントとは違っていた。今日のステージは長距離で、最後の数kmには上りもあって、簡単な上りでもなかった。自分としては、今日はスプリントするつもりはなかったけど、監督がチームメイトたちに牽くようにオーダーした。
ぼくの仕事かって? 牽くのは彼らの仕事だ。監督が牽けと言ったのなら、それが当たり前のことだ。でも、ぼくは幸運だと思う。このチームは完璧だから。彼らは、登坂やスプリント、向かい風のときも常に傍にいてくれる。彼らの仕事ほど心強いものはない。
(信じられないほど伸びたスプリントについて)体調もよかったし、あの瞬間は精神的にも充実していた。でも、結局はこのチームの能力なんだと思う。彼らの実力は、このジロで証明されている通りだ。
そのおかげで、脚を温存できる以上に、精神的にも好調でいられる。彼らが最後の一滴まで努力を絞り出すなら、ぼくは奇跡を起こせるーー自分でも信じられない力を発揮できる。だからこそ、次のレースにも励みが出る。
次のスプリントステージは、ブレシアの最終ステージだ。ビチェンツァはスプリントステージだと言われている。でも、ぼくにとっては最後の上りがハードだと思う。
総合1位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
(ウィギンズのリタイアで)ジロが簡単になることはまったくない。ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)がいなくても、マリア・ローザの候補は他にもいる。ライダー・ヘジダル(ガーミン・シャープ)がリタイアしても同じだ。たとえばスカイにはリゴベルト・ウラン(スカイプロサイクリング)がいるし、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)もいる。
総合成績はまだ決まっていない。エヴァンスとの差も僅かだから、まだまだ差をつける必要があると思う。体調は良いので、次の山岳ステージでは攻めてみるつもりだ。
(ステージ優勝がないことについて)ジロでのステージ優勝は、簡単にできることではない。挑戦はするつもりだ。こうは言ったけど、本当にできるかは難しい。山岳ステージのどこで誰がアタックするのかを予想するのかさえ難しい。明日からの数日は天気の状態が良くないと言われている。プロトン全体のことを考えても、あまり寒すぎないことを願う。
ステージ2位のジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード)
この失意をバネに上を目指したい。今日はロングスプリントの日になりそうだと思っていた。2位になって残念だ。1つミスをしたとすれば、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)とマーク・カヴェンディッシュに後ろに付かれたときだ。あそこでスプリントを始めたのはまずかった。いくつか理由はある。
うまく説明できないけど、ちょっとためらう瞬間があって、そこでカヴェンディッシュにバイク1台分の差をつけられて、それを取り戻すことはできなかった。あそこでためらったせいで、レースに負けてしまった。
総合5位のミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)
ジロにとっても、自分にとっても重要となる週末がやってくる。火曜日の第10ステージ以来の勝負所のひとつとなる。火曜日のモンタジオのステージでは、ちょうどバッドデイだった。
あのステージの後は、脚も好調だ。体調も良いという自覚もある。悪天候がレースのコンディションを左右するのはまちがいないが、明日は(山岳コースがキャンセルされることなく)セストリエーレでペダルを踏めればいいと思う。
ツールでの復帰を宣言してジロを去るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)
とても残念だ。しかし、自分でコントロールできる問題でもない。こんな形で辞めることになって本当に残念だ。今回は大きな成果を出そうとして参戦していただけに。今朝、チームのドクターに「もう充分だろう」と言われた。というのも、昨晩もその前の晩も充分な睡眠時間がとれずに、体調不良のまま今日の最長ステージを迎えてしまったからだ。これから先どれだけ戦ったとしても、もう総合成績の見込みはなくなっていた。
このジロで総合候補のひとりとして走るのは難しい。これ以上は、みんなの期待には添えられないと思う。プロトンには、いまこの瞬間にも病気を抱えて走っている選手もたくさんいる。でも、ツールの総合優勝者としての走りを要求される立場としては、逃げ隠れはできないし、病気も克服できなかった。
昨日の(第12)ステージのあの順位は厳しかった。自分でもああなるとは思わなかった。平坦なコースで、グルペットから落ちてしまうとは考えてもみなかった。あれは健康状態が良くないというサインだ。
このリタイアの決定は、体調万全でツールに挑みたいという意欲もあってのものだ。自分ではジロをこのまま走り続けられると思ったが、これから先ずっとダメージを受けるリスクもある。そこでチームとして、ここでストップすることにして、次のツールに体調万全で復帰することに決めた。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
photo:Kei.Tsuji,Cor.Vos
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