2013/05/11(土) - 12:28
起伏と終盤の荒天に見舞われた第7ステージ。アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)が逃げ切ってステージを制した。総合勢では、ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)が手堅く走ってマリア・ローザを獲得した。
ステージ優勝のアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
今日は逃げのステージだと思っていた。今朝はモチベーションが高くて、頭を剃った。逃げに入るのは、レースのなかでもかなり難しい部類だ。差が7分になったときにチャンスだと思った。差を詰められたときは、もうダメだと思った。エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニジョカトリ)は山岳が得意な選手だから、ぼくみたいな選手が山岳ステージでアタックするとは思わなかったはずだ。彼にメンタルでの勝負を仕掛けていた。
だから、彼が落ちていったのは驚きだった。ゴールのタイムも信じられない。集団が戻ってくると思っていたから。残り6kmで、まだ2分30秒のリードがあると聞いて、こう思った。ウソじゃない。今回こそ、ぼくは結果を出せたんだ。
ぼく自身はイタリア語は話せないけど、先祖がイタリア系だ。祖父母たちはイタリアのフォッサノからオーストラリアにやってきて、ノースクイーンズランドカウリで母が生まれて、サトウキビ農家になった。ただ、彼らはオーストラリアのイタリア大使館の関係者なので、ぼくはイタリアとオーストラリアのパスポートを持っている。
学校でコンピューター・プログラムを学んだあとに、4年間ほどプログラマーとして働いてた。最後に働いた会社が大学に行かせてくれたのだけど、1学期が終わったら教えるほうになっていた。自転車競技はトライアスロンを通して始めた。最初はランナーだったんだ。トライアスリートとしては、スイムやランはかなり得意だった。それでバイクを向上させるつもりで、オーストラリアの自転車チームに1年加入したんだ。そしたら自転車のほうが好きになってしまった。もう(トライアスロン)に戻れない。
[ジロ・デ・イタリア公式リリースより]
自分ひとりだけでゴールを通過できるのは、とても気持ちがよかった。セッラとふたりになったとき勝利の可能性が見えてきた。登りで彼にプレッシャーをかけたかったので、最後から2番目の登りでセッラを置いていった。この山岳(サンタマリア・デ・クリプティス)は長いだけじゃなくて、勾配も厳しかった。その前の段階で、集団の協調体制がずっと効いていたのも良かった。セッラは総合上位の選手なので、集団はぼくたちのリードをコントロールしようとしていた。
今朝は逃げに乗りたいと思っていた。このステージは前から注目していた。今日はモチベーションが高かった。逃げが決まって、そのまま逃げ切ってゴールできそうだったからだ。すべてのグランツールでステージ優勝をするつもりかだって? それは考えていない。ジロでは、ぼくのような選手にもチャンスはある。でも、ツールでは、チームの目的はアンドレ・グライペルや
ユルゲン・ヴァンデンブロックの勝利だ。今日はしっかり飲もうと思う。
[ロット・ベリソルの公式サイトより]
マリアローザ獲得のベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
起伏が激しくて、難しいステージだった。最後は、ヴィーニファンティーニと、そしてニーバリとアスタナが本気になってレースを作っていた。パオリーニが疲れ始めていたし、ウランはウィギンズのために仕事をしないといけなかったので、そのままチャンスを掴んだ。
このマリア・ローザはチームメイトに捧げたい。チーム・タイムトライアルの成績が、ぼくたちにしては上出来だった。それ以降、ぼくが勝てるようにチームが真剣に仕事してくれている。マリア・ローザを獲得できたことを、家族や友達、そして辛いときに一緒にいてくれた人々に捧げたい。
昔はタイムトライアルは得意だったけど、ずいぶん長い間タイムトライアルで真剣に走っていない。ブエルタで45kmのタイムトライアルを走ったけど、そのときは勝負が掛かってなかった。ぼくを遙かにしのぐTTスペシャリストたちが、たくさん控えている。ウィギンズ、ニーバリ、ヘジダル、エヴァンス。マリア・ローザをキープできれば、それで上出来だ。失うことになるとしても、ベストを尽くすつもりだ。
ウィギンズの落車について語るデイブ・ブレイルスフォード監督(スカイ・プロサイクリング)
ブラッドは大丈夫だ。肉体的な怪我は無い。究極的に難しい状況では、こんなことは起こるものだ。これがジロだ。
良い日もあれば悪い日もある。まだ最後までわからない。振り出しに戻ったが、ブラッドは依然としてジロを狙っている。明日以降も毎日を大切に走る。今夜は回復につとめ、明日のTTでは全力で行く。明日の夜、我々がどのポジションにいるか楽しみにしていて欲しい。株は持ち直してみせる。
第8ステージの長距離TTを期待される総合6位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
長くて過酷で忍耐を要求するタイムトライアルだと思う。自分が他の選手に対して、どれくらいのタイムで走ればいいか、その目安がまったくわからない。とりあえずベストを出せるように集中するつもりだ。もちろん総合順位が上がれば、言うまでもない。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝のアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
今日は逃げのステージだと思っていた。今朝はモチベーションが高くて、頭を剃った。逃げに入るのは、レースのなかでもかなり難しい部類だ。差が7分になったときにチャンスだと思った。差を詰められたときは、もうダメだと思った。エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニジョカトリ)は山岳が得意な選手だから、ぼくみたいな選手が山岳ステージでアタックするとは思わなかったはずだ。彼にメンタルでの勝負を仕掛けていた。
だから、彼が落ちていったのは驚きだった。ゴールのタイムも信じられない。集団が戻ってくると思っていたから。残り6kmで、まだ2分30秒のリードがあると聞いて、こう思った。ウソじゃない。今回こそ、ぼくは結果を出せたんだ。
ぼく自身はイタリア語は話せないけど、先祖がイタリア系だ。祖父母たちはイタリアのフォッサノからオーストラリアにやってきて、ノースクイーンズランドカウリで母が生まれて、サトウキビ農家になった。ただ、彼らはオーストラリアのイタリア大使館の関係者なので、ぼくはイタリアとオーストラリアのパスポートを持っている。
学校でコンピューター・プログラムを学んだあとに、4年間ほどプログラマーとして働いてた。最後に働いた会社が大学に行かせてくれたのだけど、1学期が終わったら教えるほうになっていた。自転車競技はトライアスロンを通して始めた。最初はランナーだったんだ。トライアスリートとしては、スイムやランはかなり得意だった。それでバイクを向上させるつもりで、オーストラリアの自転車チームに1年加入したんだ。そしたら自転車のほうが好きになってしまった。もう(トライアスロン)に戻れない。
[ジロ・デ・イタリア公式リリースより]
自分ひとりだけでゴールを通過できるのは、とても気持ちがよかった。セッラとふたりになったとき勝利の可能性が見えてきた。登りで彼にプレッシャーをかけたかったので、最後から2番目の登りでセッラを置いていった。この山岳(サンタマリア・デ・クリプティス)は長いだけじゃなくて、勾配も厳しかった。その前の段階で、集団の協調体制がずっと効いていたのも良かった。セッラは総合上位の選手なので、集団はぼくたちのリードをコントロールしようとしていた。
今朝は逃げに乗りたいと思っていた。このステージは前から注目していた。今日はモチベーションが高かった。逃げが決まって、そのまま逃げ切ってゴールできそうだったからだ。すべてのグランツールでステージ優勝をするつもりかだって? それは考えていない。ジロでは、ぼくのような選手にもチャンスはある。でも、ツールでは、チームの目的はアンドレ・グライペルや
ユルゲン・ヴァンデンブロックの勝利だ。今日はしっかり飲もうと思う。
[ロット・ベリソルの公式サイトより]
マリアローザ獲得のベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
起伏が激しくて、難しいステージだった。最後は、ヴィーニファンティーニと、そしてニーバリとアスタナが本気になってレースを作っていた。パオリーニが疲れ始めていたし、ウランはウィギンズのために仕事をしないといけなかったので、そのままチャンスを掴んだ。
このマリア・ローザはチームメイトに捧げたい。チーム・タイムトライアルの成績が、ぼくたちにしては上出来だった。それ以降、ぼくが勝てるようにチームが真剣に仕事してくれている。マリア・ローザを獲得できたことを、家族や友達、そして辛いときに一緒にいてくれた人々に捧げたい。
昔はタイムトライアルは得意だったけど、ずいぶん長い間タイムトライアルで真剣に走っていない。ブエルタで45kmのタイムトライアルを走ったけど、そのときは勝負が掛かってなかった。ぼくを遙かにしのぐTTスペシャリストたちが、たくさん控えている。ウィギンズ、ニーバリ、ヘジダル、エヴァンス。マリア・ローザをキープできれば、それで上出来だ。失うことになるとしても、ベストを尽くすつもりだ。
ウィギンズの落車について語るデイブ・ブレイルスフォード監督(スカイ・プロサイクリング)
ブラッドは大丈夫だ。肉体的な怪我は無い。究極的に難しい状況では、こんなことは起こるものだ。これがジロだ。
良い日もあれば悪い日もある。まだ最後までわからない。振り出しに戻ったが、ブラッドは依然としてジロを狙っている。明日以降も毎日を大切に走る。今夜は回復につとめ、明日のTTでは全力で行く。明日の夜、我々がどのポジションにいるか楽しみにしていて欲しい。株は持ち直してみせる。
第8ステージの長距離TTを期待される総合6位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
長くて過酷で忍耐を要求するタイムトライアルだと思う。自分が他の選手に対して、どれくらいのタイムで走ればいいか、その目安がまったくわからない。とりあえずベストを出せるように集中するつもりだ。もちろん総合順位が上がれば、言うまでもない。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
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