昨年カルロス・サストレ(スペイン)を初の総合優勝に導いたチームCSCは、サクソバンクと名前を替えて新たなスタートを切った。チームを離れたサストレに代わるエースは、若きアンディ・シュレク(ルクセンブルク)。兄のフランクやファビアン・カンチェラーラ(スイス)の活躍にも期待したい。

サクソバンクのナショナルチャンピオン3人。左はフランクではなくアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)サクソバンクのナショナルチャンピオン3人。左はフランクではなくアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:Cor Vos2003年からチームをサポートしていたCSC社が昨年撤退し、デンマークの大手外国為替銀行のサクソバンクが新たにスポンサーについたビャルヌ・リース監督率いる強豪チーム。団結力を高めるため、冬期にサバイバルキャンプを行なうなど、1996年ツール総合優勝者のリース監督独自のフィロソフィーがチームに活きている。

エースを担うのは、2007年に21歳の若さでジロ・デ・イタリア総合2位に入ったアンディ・シュレク(ルクセンブルク)だ。この山岳力に秀でた次世代オールラウンダーは、昨年ツールに初出場し、サストレのアシストとして勝利に貢献。ピレネーステージで崩れながらも総合11位&新人賞獲得を果たした。

フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:Makoto Ayanoリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ制覇を成し遂げた今年、Aシュレクは直前のルクセンブルク選手権を制してナショナルチャンピオンジャージを獲得。もちろんマイヨブラン(新人賞ジャージ)候補だが、同時にマイヨジョーヌ候補でもある。

弟のアンディが崩れた場合は、兄のフランク・シュレク(ルクセンブルク)が総合成績を狙うことになるだろう。2006年のラルプデュエズを制したFシュレクは、昨年ツールでマイヨジョーヌを獲得。サストレにマイヨジョーヌを譲ると、自身最高位の総合5位でフィニッシュしている。

サクソバンクは何人ものオールラウンダーを擁立するのではなく、“Aシュレクを軸にした”バランスのとれたアシスト体制を揃えてきた。タイムトライアル能力に秀でた選手が揃うのがサクソバンクの伝統で、中でもファビアン・カンチェラーラ(スイス)は際立って目立つ存在だ。

カンチェラーラはスイス選手権のロードレースで初優勝し、真っ赤なナショナルチャンピオンジャージを着て出場。シーズン序盤は低迷したが、ツール・ド・スイスの総合優勝で勢いに乗る。今年もカンチェラーラの鬼引きが集団を破壊するだろう。

サクソバンクは3人のナショナルチャンピオンを擁しており、もう一人は昨年ツールで逃げ切り勝利を飾ったクルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー)。頼もしいスチュアート・オグレディ(オーストラリア)とイェンス・フォイクト(ドイツ)のベテラン2人は、ともに12回目のツール出場だ。

サクソバンクメンバー
31 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)
32 クルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー)
33 ファビアン・カンチェラーラ(スイス)
34 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン)
35 スチュアート・オグレディ(オーストラリア)
36 フランク・シュレク(ルクセンブルク)
37 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク)
38 ニキ・セレンセン(デンマーク)
39 イェンス・フォイクト(ドイツ)

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