2013/04/22(月) - 21:29
旧滑走路の直線ゴール、ヴィオラジャージのマリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)がロングスプリントで圧勝。前日チームTT2位の雪辱を果たした。
白浜連戦の2日目、4月21日(日)はクリテリウム。会場は和歌山県西牟婁郡白浜町の旧南紀白浜空港跡地の滑走路で1周2.5km。朝から晴れたものの強風が終日吹き続ける。ホーム側は追い風、バック側は強い正面からの向かい風で時速20キロほどになる。
女子は豊岡英子(パナソニックレディース)が優勝
女子レースは6周15kmで行われた。スタートから豊岡英子(パナソニックレディース)がペースを上げていく。そして坂口聖香・楓華(パナソニックレディース)姉妹がアタック。これを吉川美穂(Team ASAHI)が追走し豊岡とともに合流、先頭集団は豊岡、吉川、坂口聖香の3人に。豊岡と坂口が揺さぶるが吉川も対抗する。ゴールは直線勝負で豊岡が先行のまま優勝。
風速10m以上の強風が吹き荒れたP1
朝からの強風は夕方スタートのP1クラス時も同じ。ただしおよそ正面からの風なので逃げができても集団が吸収することもしやすい。逃げ切りのスプリント勝負か、あるいは集団でのゴール勝負か、各チームの思惑が交錯する。
開幕から2連勝のチーム右京は、大久保陣でのゴールスプリントを目指した。しかし圧倒的な力を持つホセ・ビセンテが逃げ切ることも他チームにとっては脅威。マトリックスパワータグはマリウス・ヴィズィアックでのスプリント勝負に持ち込む構え。また昨年まで2連覇の辻善光(湘南ベルマーレ)は本調子ではないものの、チームの若手とどう走るかが注目された。
強力な6人の逃げ
スタートアタックは栂尾大知(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)。その後は各チームの激しいアタック合戦に。もっともアタックを連発したのは澤田賢匠(キャノンデール・チャンピオンシステム)。それらアタックをチェックするのは阿部嵩之・土井雪広(チーム右京)、中村誠(宇都宮ブリッツェン)ら。
ちょうど中盤の30分経過時、高岡亮寛(イナーメ信濃山形)がアタック、これに阿部が反応、さらに郡司昌紀(宇都宮ブリッツェン)らが追走しすぐに7人の逃げができる。メンバーはほかに遠藤績穂(キャノンデール・チャンピオンシステム)、紺野元汰(湘南ベルマーレ)、伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)、青木誠(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)。
青木は2周ほどで後退し先頭は6人に。独走力のある阿部、郡司、高岡の入った逃げは強力で、メイン集団との差は最大50秒まで広がる。これが横風ならば決定的な逃げだがこの日は正面からの風。チーム右京がコントロールしマトリックス勢らがアタックするメイン集団は次第にその差を詰めていく。
ラスト4kmで集団はひとつに
メイン集団の先頭は土井、狩野智也、ビセンテらチーム右京勢が中心。窪木一茂(マトリックスパワータグ)が鋭いアタックを連発して活性化。ビセンテ、ヴィズィアック、飯野智行(宇都宮ブリッツェン)の強力な追走ができたが飯野が接触落車、ふたたび集団での追走に。
ラスト2周、逃げメンバーの中では最後に高岡がアタックするが集団は吸収し、ラスト4kmで集団はひとつに。ここから佐藤信哉(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)がアタックするが半周で吸収。
カウンターでビセンテがアタック、これに窪木がヴィズィアックを連れて合流。さらに小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)、小室雅成(イナーメ信濃山形)、大場政登志(キャノンデール・チャンピオンシステム)のスピードマン6人が先頭集団を作る。
マトリックスパワータグ 会心の勝利
危険なスピードマン6人の逃げを紺野がメイン集団を牽引して吸収、集団は再び一つになり最後の直線勝負へ。土井が先頭を走りその後からヴィズィアックがゴールまで200mで先頭に。コースのど真ん中を加速するヴィズィアックにその後ろにいたビセンテも大久保も及ばない。ゴールライン前に勝利を確信したヴィズィアックがガッツポーズ。
マトリックスは前日のチーム・タイムトライアルで2位。中盤前に2人を落車で失い、後半はペースをセーブしながらの走り。あるいは落車がなければ20分は切っていた走り。優勝したチーム右京は終盤ペースを抑えていたが、もしも落車がなければいい勝負をしていたはず。
そしてクリテリウムには、落車した2人は負傷のため欠場。決勝には3人しか上がれていなかった。チームTTは優勝しか考えていなかった同チーム。2位の雪辱を果たすには十分なチームで勝ち得た栄冠だ。
チーム右京は逃げに阿部を送り込み、逃げでも集団ゴールでも勝負できるレース展開を作った。誤算はラスト300mだけ。土井の後ろに付いたのはビセンテでなくヴィズィアックだった。3位の大久保は今まででの最高順位。チーム加入1年目でこの成績は評価されていいだろう。そして驚くのはビセンテの平地でのスピード。逃げではもっとも余裕を持っていた阿部。負けはしたが、あらためてチーム右京の層の厚さを知らしめる結果に。
結果
P1 40km
1位 マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)1時間03分54秒
2位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)
3位 大久保陣(チーム右京)
4位 藤岡克磨(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
5位 辻善光(湘南ベルマーレ)
6位 井上人志(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)
7位 小室雅成(イナーメ信濃山形)
8位 小坂光(那須ブラーゼン)
9位 浜頭恭(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)
10位 窪木一茂(マトリックスパワータグ)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(チーム右京)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
F 15km
1位 豊岡英子(パナソニックレディース)28分15秒
2位 吉川美穂(Team ASAHI)
3位 坂口聖香(パナソニックレディース)+01秒
E1 30km
1位 今井雄輝(EURO-WORKS Racing)48分38秒
2位 所司純一(MOJYUMA Area075)
3位 大永剛志(トラクターRC)
4位 福田透(ナカガワAS.K'デザイン)
5位 小山幸次(MUUR zero Velofutur)
6位 鎌谷哲也(クラブシルベスト)+01秒
E2 20km
1位 小南友和(ADON Cycling Team)33分10秒
2位 安井広彦(イナーメ信濃山形-EFT)+02秒
3位 松井正通(PZ Racing MW)
4位 佐井輝久(クラブシルベスト)+03秒
5位 棟久明博(エスペランススタージュ我逢人)
6位 川合崇志(天狗党)
E3 1組 17.5km
1位 竹浪芳晃(masahikomifune.com Cyclingteam)29分01秒
2位 前田真吾(まんま-AO・HANI Cycling Team)
3位 菅原裕登(ナカガワAS.K'デザイン)+01秒
4位 内藤風真(ボンシャンス)
5位 高谷薫(チームシャンテ)
6位 木村太郎(Blue Grass)+02秒
E3 2組 17.5km
1位 涌本正樹(チームスクアドラ)29分22秒
2位 西村和樹(Espoir Asia)
3位 浅尾銀二(ボンシャンス)+01秒
4位 川口浩孝(EURO-WORKS Racing)+02秒
5位 多端亮(TEAM☆ルパン・ttm)
6位 高橋昌志(Tyrell Kagawa Racing)
photo&text:高木秀彰
白浜連戦の2日目、4月21日(日)はクリテリウム。会場は和歌山県西牟婁郡白浜町の旧南紀白浜空港跡地の滑走路で1周2.5km。朝から晴れたものの強風が終日吹き続ける。ホーム側は追い風、バック側は強い正面からの向かい風で時速20キロほどになる。
女子は豊岡英子(パナソニックレディース)が優勝
女子レースは6周15kmで行われた。スタートから豊岡英子(パナソニックレディース)がペースを上げていく。そして坂口聖香・楓華(パナソニックレディース)姉妹がアタック。これを吉川美穂(Team ASAHI)が追走し豊岡とともに合流、先頭集団は豊岡、吉川、坂口聖香の3人に。豊岡と坂口が揺さぶるが吉川も対抗する。ゴールは直線勝負で豊岡が先行のまま優勝。
風速10m以上の強風が吹き荒れたP1
朝からの強風は夕方スタートのP1クラス時も同じ。ただしおよそ正面からの風なので逃げができても集団が吸収することもしやすい。逃げ切りのスプリント勝負か、あるいは集団でのゴール勝負か、各チームの思惑が交錯する。
開幕から2連勝のチーム右京は、大久保陣でのゴールスプリントを目指した。しかし圧倒的な力を持つホセ・ビセンテが逃げ切ることも他チームにとっては脅威。マトリックスパワータグはマリウス・ヴィズィアックでのスプリント勝負に持ち込む構え。また昨年まで2連覇の辻善光(湘南ベルマーレ)は本調子ではないものの、チームの若手とどう走るかが注目された。
強力な6人の逃げ
スタートアタックは栂尾大知(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)。その後は各チームの激しいアタック合戦に。もっともアタックを連発したのは澤田賢匠(キャノンデール・チャンピオンシステム)。それらアタックをチェックするのは阿部嵩之・土井雪広(チーム右京)、中村誠(宇都宮ブリッツェン)ら。
ちょうど中盤の30分経過時、高岡亮寛(イナーメ信濃山形)がアタック、これに阿部が反応、さらに郡司昌紀(宇都宮ブリッツェン)らが追走しすぐに7人の逃げができる。メンバーはほかに遠藤績穂(キャノンデール・チャンピオンシステム)、紺野元汰(湘南ベルマーレ)、伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)、青木誠(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)。
青木は2周ほどで後退し先頭は6人に。独走力のある阿部、郡司、高岡の入った逃げは強力で、メイン集団との差は最大50秒まで広がる。これが横風ならば決定的な逃げだがこの日は正面からの風。チーム右京がコントロールしマトリックス勢らがアタックするメイン集団は次第にその差を詰めていく。
ラスト4kmで集団はひとつに
メイン集団の先頭は土井、狩野智也、ビセンテらチーム右京勢が中心。窪木一茂(マトリックスパワータグ)が鋭いアタックを連発して活性化。ビセンテ、ヴィズィアック、飯野智行(宇都宮ブリッツェン)の強力な追走ができたが飯野が接触落車、ふたたび集団での追走に。
ラスト2周、逃げメンバーの中では最後に高岡がアタックするが集団は吸収し、ラスト4kmで集団はひとつに。ここから佐藤信哉(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)がアタックするが半周で吸収。
カウンターでビセンテがアタック、これに窪木がヴィズィアックを連れて合流。さらに小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)、小室雅成(イナーメ信濃山形)、大場政登志(キャノンデール・チャンピオンシステム)のスピードマン6人が先頭集団を作る。
マトリックスパワータグ 会心の勝利
危険なスピードマン6人の逃げを紺野がメイン集団を牽引して吸収、集団は再び一つになり最後の直線勝負へ。土井が先頭を走りその後からヴィズィアックがゴールまで200mで先頭に。コースのど真ん中を加速するヴィズィアックにその後ろにいたビセンテも大久保も及ばない。ゴールライン前に勝利を確信したヴィズィアックがガッツポーズ。
マトリックスは前日のチーム・タイムトライアルで2位。中盤前に2人を落車で失い、後半はペースをセーブしながらの走り。あるいは落車がなければ20分は切っていた走り。優勝したチーム右京は終盤ペースを抑えていたが、もしも落車がなければいい勝負をしていたはず。
そしてクリテリウムには、落車した2人は負傷のため欠場。決勝には3人しか上がれていなかった。チームTTは優勝しか考えていなかった同チーム。2位の雪辱を果たすには十分なチームで勝ち得た栄冠だ。
チーム右京は逃げに阿部を送り込み、逃げでも集団ゴールでも勝負できるレース展開を作った。誤算はラスト300mだけ。土井の後ろに付いたのはビセンテでなくヴィズィアックだった。3位の大久保は今まででの最高順位。チーム加入1年目でこの成績は評価されていいだろう。そして驚くのはビセンテの平地でのスピード。逃げではもっとも余裕を持っていた阿部。負けはしたが、あらためてチーム右京の層の厚さを知らしめる結果に。
結果
P1 40km
1位 マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)1時間03分54秒
2位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)
3位 大久保陣(チーム右京)
4位 藤岡克磨(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
5位 辻善光(湘南ベルマーレ)
6位 井上人志(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)
7位 小室雅成(イナーメ信濃山形)
8位 小坂光(那須ブラーゼン)
9位 浜頭恭(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)
10位 窪木一茂(マトリックスパワータグ)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(チーム右京)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
F 15km
1位 豊岡英子(パナソニックレディース)28分15秒
2位 吉川美穂(Team ASAHI)
3位 坂口聖香(パナソニックレディース)+01秒
E1 30km
1位 今井雄輝(EURO-WORKS Racing)48分38秒
2位 所司純一(MOJYUMA Area075)
3位 大永剛志(トラクターRC)
4位 福田透(ナカガワAS.K'デザイン)
5位 小山幸次(MUUR zero Velofutur)
6位 鎌谷哲也(クラブシルベスト)+01秒
E2 20km
1位 小南友和(ADON Cycling Team)33分10秒
2位 安井広彦(イナーメ信濃山形-EFT)+02秒
3位 松井正通(PZ Racing MW)
4位 佐井輝久(クラブシルベスト)+03秒
5位 棟久明博(エスペランススタージュ我逢人)
6位 川合崇志(天狗党)
E3 1組 17.5km
1位 竹浪芳晃(masahikomifune.com Cyclingteam)29分01秒
2位 前田真吾(まんま-AO・HANI Cycling Team)
3位 菅原裕登(ナカガワAS.K'デザイン)+01秒
4位 内藤風真(ボンシャンス)
5位 高谷薫(チームシャンテ)
6位 木村太郎(Blue Grass)+02秒
E3 2組 17.5km
1位 涌本正樹(チームスクアドラ)29分22秒
2位 西村和樹(Espoir Asia)
3位 浅尾銀二(ボンシャンス)+01秒
4位 川口浩孝(EURO-WORKS Racing)+02秒
5位 多端亮(TEAM☆ルパン・ttm)
6位 高橋昌志(Tyrell Kagawa Racing)
photo&text:高木秀彰
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