増田成幸出場のイタリア開幕戦　ランプレのポッツァートが3度目の勝利

イタリア国内における2013年シーズンの開幕戦トロフェオ・ライグエリア（UCI1.1）が、2月16日、イタリア北部のリグーリア海沿岸で開催。終盤に集団から抜け出した逃げグループによる勝負で、フィリッポ・ポッツァート（イタリア、ランプレ・メリダ）が勝利した。

ヨーロッパレース初戦を迎えた増田成幸（キャノンデールプロサイクリング） photo:Riccardo Scanferla今年で開催50回目を迎えるトロフェオ・ライグエリアは、1964年にスタートした伝統のワンデーレース。過去の優勝者リストにはエディ・メルクス（ベルギー）やジュゼッペ・サロンニ（イタリア）らの名前が並ぶ。

晴れ渡るリグーリア海沿岸を走る photo:Riccardo Scanferla例年2月上旬に開催されるGPコスタ・デッリ・エトゥルスキがシーズン開幕戦とされたが、2013年、財政難により同レースは中止に。代わって、リグーリア海岸沿いの田舎町ライグエリアを中心とするこのトロフェオ・ライグエリアが「イタリア国内におけるシーズン初戦」となった。

レースは序盤からUCIプロコンチネンタルチームのアンドローニジョカトリやバルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス、コロンビア、コフィディスなどが逃げの展開を作るが、UCIプロチームが統率を取る集団によって吸収。勝負は終盤のアップダウン区間へ。

ラスト10kmに位置するピナマーレの登りでイタリアチャンピオンのフランコ・ペッリツォッティ（イタリア、アンドローニジョカトリ）がアタックを仕掛けたが、ランプレ・メリダ勢がこれを封じる。すると、続くカーポメーレの登りで、BMCレーシングチームから移籍したマウロ・サンタンブロジオ（イタリア、ヴィーニファンティーニ）が飛び出す。

サンタンブロジオにはポッツァートとディエゴ・ウリッシ（イタリア）のランプレコンビ、そしてフランチェスコ・レーダ（イタリア、アンドローニジョカトリ）が合流。ウリッシがこの4名グループを懸命にリードし、後続を振り切ってラスト1km。ウリッシのアシストを受けたポッツァートがレーダとサンタンブロジオをスプリントで下した。

レーダをスプリントで下したフィリッポ・ポッツァート（イタリア、ランプレ・メリダ） photo:Riccardo Scanferla

3度目の優勝をアピールするフィリッポ・ポッツァート（イタリア、ランプレ・メリダ） photo:Riccardo Scanferla今シーズン、ファルネーゼヴィーニからランプレ・メリダに移籍した32歳のポッツァート。クラシックシーズンに向けて順調な仕上がりを見せる。「今からちょうど10年前に、ここでプロ初勝利を飾ったんだ。そんな記念すべきレースで3度目の優勝。ランプレ・メリダのエースとして走る初めてのレースで、しかもレース無線が無かったけど、ゴールまで30kmを切ってから起こる全ての動きに責任感をもって対応した。ゴールでは開放感に包まれたよ」。3月上旬に行なわれるUCIワールドツアーレースのティレーノ〜アドリアティコでは「脚質的に適しているクネゴとウリッシをサポートしたい」とコメントしている。

また、このイタリアシーズン開幕戦にはキャノンデールプロサイクリングから増田成幸が出場した。ディフェンディングチャンピオンのモレーノ・モゼール（イタリア、キャノンデールプロサイクリング）は、バッソらとともに山岳トレーニングキャンプ中のため欠場。チームとして上位に絡むことは出来ず、増田はDNFに終わった。

選手コメントはガゼッタ紙より。

トロフェオ・ライグエリア2013
1位　フィリッポ・ポッツァート（イタリア、ランプレ・メリダ）　　　　　　　　　　5h03'40"
2位　フランチェスコ・レーダ（イタリア、アンドローニジョカトリ）
3位　マウロ・サンタンブロジオ（イタリア、ヴィーニファンティーニ）　　　　　　　　　+03"
4位　ディエゴ・ウリッシ（イタリア、ランプレ・メリダ）
5位　ゲラルド・チオレック（ドイツ、MTNキュベカ）　　　　　　　　　　　　　　　　　+07"
6位　アントニー・ルー（フランス、FDJ）
7位　マテイ・ムジェルリ（スロベニア、アドリアモビル）
8位　オスカル・ガット（イタリア、ヴィーニファンティーニ）
9位　エリア・ファヴィッリ（イタリア、ランプレ・メリダ）
10位　ダニーロ・ウィス（スイス、BMCレーシングチーム）
DNF　増田成幸（日本、キャノンデールプロサイクリング）

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla