2009/07/08(水) - 14:10
待ちに待ったツール・ド・フランス2009が開幕。ランス・アームストロングの復帰に加え、スキルシマノの別府史之をはじめ日本人選手2名が出場を果たし、欧州から遥か離れたここ日本でも、例年以上の盛り上がりを見せている。
日本人選手は今中大介氏以来久々の出場となったが、機材はこれに限らない。日本の誇る自転車コンポーネントのトップブランドとして、シマノは以前から各プロチームに機材を供給し続けているのだ。ランス・アームストロングのツール7連覇を支えたことは、いまだ鮮烈な印象を持っているファンも多いことだろう。
そんなシマノの最新モデルを、近年注目を集めつつある"PRO"ブランドを中心に、レース現地から入ったばかりの写真を交えながら紹介しよう。
PRO
日本では登場して間もない印象があり、最近になってその良さが次第に認められつつあるPROだが、実はヨーロッパではすでに高品質ブランドとしての地位が確立、多くのユーザから高い評価を得ている。今回のツール・ド・フランス2009でも数多くのチームが採用するPRO。ジロ・デ・イタリア覇者デニス・メンショフ擁するラボバンク、最強スプリンターのマーク・カヴェンディッシュ擁するコロンビア・HTC、フランセーズデジュ、そして別府史之が所属するスキルシマノなど、ナンバーワンの使用率を誇る。
PROのラインナップはトップ選手向けのものからシティユースまで幅広い。この製品バリエーションの多さもPROの優れている点だ。用途に合わせた素材、形状を選択可能なため、プロ選手たちの厳しい要求に応える。ステムに見られるVのマークは貪欲にヴィクトリーを狙うライダー達を力づけるシンボルだ。
SPD-SL ペダル & シューズ
続いてSPD-SLを紹介しよう。
ランス・アームストロングがこだわり続けたペダルの進化系がここにある。ワイドなプラットフォーム 、安定性が大幅に向上。幅広なベアリング位置。 ペダル軸から足裏までの距離を極限まで近づけ、ダイレクト感を向上。回転部の精度も徹底的に追求。トップレーサーのパワーを余すことなく伝達する。
そしてシューズ。こちらは熱成型によってライダー一人一人の足型に対し、最高のフィット感を実現する「カスタムフィットシステム」を導入。SPD-SLペダルシステムとともに、考え得る最高のパワー伝達性を発揮、軽量さと耐久性を兼ね備え、長時間のペダリングにもシューズの重さをほとんど感じさせず、疲労を軽減する。
DURA-ACE
“DURA-ACEは常にベストであらねばならない” それがシマノの設計思想である。そのために先進の技術を採り入れ、どこまでも品質にこだわり、妥協なき高性能を追求してやまない。なぜならば、使う人がまさにプロライダーだからである。そして今年、DURA-ACEが新しい次元のコンポーネントへとステップアップした。それがDURA-ACE 7900。
旧モデルとの見た目の違いは少ないが、その性能向上は明らかだ。例えば、超高精度ドライブトレイン。実際に使ってみたライダー達は「長距離・長時間のライディングでは明らかな違いを感じる」と話す。7800で極まったのでは?と思われた変速性能も「まだ煮詰まるのか」と唸らせるほどに向上している。
限界まで攻めることを余儀なくされるライダー達にとって、デュラエース7900は必須のコンポーネントと言える。
次のページからは、いよいよ現地フォトレポート。プロレーサー達がツールで実際に使用している機材をレース中の写真も交えながら紹介していく。また、ツールは世界最大のロードレースであるとともに、新しい機材を試す最大のテストケースでもある。市場に出回ることのないプロトタイプや来年以降登場予定のモデルも見られる。今回のレポートでは秘密のベールを纏ったこれらの機材もピックアップするので、ぜひ注目してほしい。