2012/09/22(土) - 16:13
トレックの放つ29erクロカンバイクシリーズがSuperfly(スーパーフライ)だ。リアリジッドのフラッグシップモデル「Superfly Pro SL」は、DHバイク「SESSION」のテクノロジーを受け継ぎ、驚きのフレーム重量896gを達成した超軽量バイクだ。開発に携わったゲイリー・フィッシャー氏のインタビューと共にレポートする。
トレックの2013モデルラインナップにおけるニュースは、マドンシリーズのフルモデルチェンジだけではない。MTBラインからは超軽量フルカーボンフレームがトピックスの29erXCレーサー、リジッドモデルのSuperfly Pro SLとフルサスモデルのSuperfly 100 Pro SLが発表された。
トレックの29erラインナップは、MTB、そして29er生みの親であるゲイリー・フィッシャー氏の名を取り「ゲイリフィッシャーコレクション」として近年幅広い拡充を見せている。話題のSuperfly Pro SLとSuperfly 100 Pro SLは、従来のモデルを進化させるのではなく、ゼロから開発された全く新しいバイクだ。構想から完成までは2年の歳月を要したという。
Superflyの軽量性を支えるのは、2012年モデルで「史上最軽量のDHバイク」と銘打って登場したSESSIONにも採用された、OCLV Moutain Carbon だ。オフロード走行で考えられる跳ね石や衝撃に対して強度を増す積層構造としながらも、DHバイクほどの衝撃が見込まれないXCバイクのために、更に軽量なカーボンとされている。OCLV Moutain Carbonの強度は、強化の必要なリアスイングアームに使用されていることからも推して分かる。
そしてロードバイクで培った応力解析を行うことで、必要な箇所を補強しつつも、軽量でありながらトレック独自の乗り味は維持。そうすることでフルサスのSuperfly 100 Pro SLで1850g、リジッドのSuperfly Pro SLではなんと896gのフレーム重量を達成するに至った。アウターケーブルを固定するタイラップを通すための「マイクロトラス・ルーティング」もSESSIONより継承されている。
しかし、単に軽量性や剛性を追い求めただけでは、レースで勝利するバイクは作れない。トレックが掲げるテーマは、オフロードでの扱いやすさや快適性も重視したバイクの開発だ。29erの弱点である「操作感のダルさ」を克服し、シャープなハンドリングを実現するため、ヘッド角とフォークのオフセット量を最適化し、トレール量を適正にするG2ジオメトリーを採用。さらにヘッドチューブはロードバイクと同様の上下異型テーパードe2ヘッドとした。
パワー伝達性能の鍵となるボトムブラケットは、シェル幅95mmとトレック史上最もワイドなBB95が採用された。さらにフルサスモデルではブレーキング時にもリアユニットの動作を妨げないABPシステムが採用されるなど、まさに史上最高の29erXCレーサーに仕上げられている。
今回のトレックワールドに合わせ、昨年に引き続きゲイリー・フィッシャー氏が来日。MTB、そして29er生みの親である"レジェンド"である氏に、2台のフラッグシップマシンの開発についてのインタビューを行なった。
ー昨年に続いての来日ですね。貴方の目から見た「TREK WORLD 2013 JAPAN」はいかがでしたか?
トレックワールドは、世界中を回って開催されるトレックグループの一大展示会です。昨年も感じたことなのですが、日本開催では、訪れた販売店のスタッフ全員が非常に真面目にレクチャーを受けていた事が印象的ですね。今朝行われたモーニングライドでは、トレック・ジャパンのメンバーやショップスタッフと一緒にライドを楽ことができました。京都は非常にロケーションも美しく感動しました。
ーMTBラインの目玉である2台について教えて下さい。
この2台のSuperflyは、完全にゼロから設計を行って生み出したバイクです。開発についてはMTBの専門部署のみならず、今まで別々に動いていたトレックグループ内の様々な部門からメンバーを集め、「アポロプロジェクト」を立ち上げました。それは既存の考えに因われない柔軟な発想を取り入れたかったからです。このプロジェクトには、普段それぞれが関わる分野の垣根を越えて、とても多くの技術者が関わっています。
ですから、カーボン素材はもちろんのこと、BB95システムなどの全く新しいシステムの投入、ロードバイク部門からはヘッド周りの安定を増すe2ヘッドチューブの導入などが行われましたが、チームを組んだことで社内の開発はスピーディーに進みました。
そして数多くの、本当に数えきれないほどのプロトタイプを作ってはテストを行い、R&Dを行ってきました。私も開発段階からバイクに乗っていますが、この2台のバイクにはとても満足していますよ。
ーこのバイクを一言で表すとしたら、どんな言葉があてはまるでしょうか。
The New Era(新時代)。それに尽きると思います。自信を持って言うことができますね。
飛ぶような軽さを実現した29erバイク Superfly Pro SL、Superfly 100 Pro SL
トレックの2013モデルラインナップにおけるニュースは、マドンシリーズのフルモデルチェンジだけではない。MTBラインからは超軽量フルカーボンフレームがトピックスの29erXCレーサー、リジッドモデルのSuperfly Pro SLとフルサスモデルのSuperfly 100 Pro SLが発表された。
トレックの29erラインナップは、MTB、そして29er生みの親であるゲイリー・フィッシャー氏の名を取り「ゲイリフィッシャーコレクション」として近年幅広い拡充を見せている。話題のSuperfly Pro SLとSuperfly 100 Pro SLは、従来のモデルを進化させるのではなく、ゼロから開発された全く新しいバイクだ。構想から完成までは2年の歳月を要したという。
超軽量を支えるテクノロジー 「全てはレースで勝つために」
Superflyの軽量性を支えるのは、2012年モデルで「史上最軽量のDHバイク」と銘打って登場したSESSIONにも採用された、OCLV Moutain Carbon だ。オフロード走行で考えられる跳ね石や衝撃に対して強度を増す積層構造としながらも、DHバイクほどの衝撃が見込まれないXCバイクのために、更に軽量なカーボンとされている。OCLV Moutain Carbonの強度は、強化の必要なリアスイングアームに使用されていることからも推して分かる。
そしてロードバイクで培った応力解析を行うことで、必要な箇所を補強しつつも、軽量でありながらトレック独自の乗り味は維持。そうすることでフルサスのSuperfly 100 Pro SLで1850g、リジッドのSuperfly Pro SLではなんと896gのフレーム重量を達成するに至った。アウターケーブルを固定するタイラップを通すための「マイクロトラス・ルーティング」もSESSIONより継承されている。
しかし、単に軽量性や剛性を追い求めただけでは、レースで勝利するバイクは作れない。トレックが掲げるテーマは、オフロードでの扱いやすさや快適性も重視したバイクの開発だ。29erの弱点である「操作感のダルさ」を克服し、シャープなハンドリングを実現するため、ヘッド角とフォークのオフセット量を最適化し、トレール量を適正にするG2ジオメトリーを採用。さらにヘッドチューブはロードバイクと同様の上下異型テーパードe2ヘッドとした。
パワー伝達性能の鍵となるボトムブラケットは、シェル幅95mmとトレック史上最もワイドなBB95が採用された。さらにフルサスモデルではブレーキング時にもリアユニットの動作を妨げないABPシステムが採用されるなど、まさに史上最高の29erXCレーサーに仕上げられている。
ゲイリー・フィッシャー氏インタビュー「トレックのエンジニア全員で作り上げた最高のバイク」
今回のトレックワールドに合わせ、昨年に引き続きゲイリー・フィッシャー氏が来日。MTB、そして29er生みの親である"レジェンド"である氏に、2台のフラッグシップマシンの開発についてのインタビューを行なった。
ー昨年に続いての来日ですね。貴方の目から見た「TREK WORLD 2013 JAPAN」はいかがでしたか?
トレックワールドは、世界中を回って開催されるトレックグループの一大展示会です。昨年も感じたことなのですが、日本開催では、訪れた販売店のスタッフ全員が非常に真面目にレクチャーを受けていた事が印象的ですね。今朝行われたモーニングライドでは、トレック・ジャパンのメンバーやショップスタッフと一緒にライドを楽ことができました。京都は非常にロケーションも美しく感動しました。
ーMTBラインの目玉である2台について教えて下さい。
この2台のSuperflyは、完全にゼロから設計を行って生み出したバイクです。開発についてはMTBの専門部署のみならず、今まで別々に動いていたトレックグループ内の様々な部門からメンバーを集め、「アポロプロジェクト」を立ち上げました。それは既存の考えに因われない柔軟な発想を取り入れたかったからです。このプロジェクトには、普段それぞれが関わる分野の垣根を越えて、とても多くの技術者が関わっています。
ですから、カーボン素材はもちろんのこと、BB95システムなどの全く新しいシステムの投入、ロードバイク部門からはヘッド周りの安定を増すe2ヘッドチューブの導入などが行われましたが、チームを組んだことで社内の開発はスピーディーに進みました。
そして数多くの、本当に数えきれないほどのプロトタイプを作ってはテストを行い、R&Dを行ってきました。私も開発段階からバイクに乗っていますが、この2台のバイクにはとても満足していますよ。
ーこのバイクを一言で表すとしたら、どんな言葉があてはまるでしょうか。
The New Era(新時代)。それに尽きると思います。自信を持って言うことができますね。
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提供:トレック・ジャパン レポート:シクロワイアード編集部