2012/09/20(木) - 09:28
ヨーロッパの石畳系クラシックレースで勝つために開発されたドマーネ。ファビアン・カンチェラーラらプロ選手が駆る6シリーズに加え、2013年モデルからはミドルグレードとなる5/4シリーズ、そしてアルミモデルの2シリーズが販売ラインナップに加わった。今回はそれらバリューモデルに着目してレポートする。
今年のロンド・ファン・フラーンデレン前夜にベルギーにて行われた発表会で初お披露目されたトレックのエンデュランスロードバイクが、ドマーネ6だ。石畳のクラシックレースを得意とするファビアン・カンチェラーラらと共に開発したパヴェレーサーは、シートチューブがトップチューブとシートステイに一体化されず、リンクを介して前後方向にしなるなど、革新的なIsoSpeed(アイソスピード)テクノロジーを搭載したことで大きな衝撃をもたらした。(発表時の特集ページはこちらから。)
ドマーネ6は荒れた路面のレースで勝つことをメインテーマとしたピュアレーシングバイクだが、「衝撃を吸収し、速く走ることができる」というその性能は、ホビーライダーにとってもメリットに働く。2013年モデルからラインナップに加えられた4/5シリーズは、6シリーズのテクノロジーを受け継ぎ、リーズナブルなプライスを実現したバリューモデルだ。
OCLV600を使用するドマーネ6シリーズに対して、ドマーネ5シリーズに採用されるカーボンはOCLV500。アジア生産となるが、北米以外で生産されるカーボンとしては最高級にランクされるカーボンで、コスト面においては、一般ユーザーにとっては大きなアドバンテージを有する。
もちろんドマーネの"顔"であるIsoSpeedが搭載されたシートポストやフロントフォークを備え、フレーム下側の剛性を意図的に強化する「パワートランスファー構造」は引き継がれる。さらにBB90やライドチューンドシートマスト、オーバル断面のフォークコラム、さらには電動コンポーネントに対応するパフォーマンスケーブルルーティングもドマーネ6と共通だ。
それでは逆に、カーボン素材以外の6シリーズとの相違点はどこにあるのか。一般ユーザーとして見た場合はプロジェクトワンが選択できないことが大きい。構造面ではフレームを接合する際に、6シリーズで用いられる「ステップジョイントテクノロジー」が用いられない点が挙げられる。パーツアッセンブルではハンドルバーがアルミ製となり、衝撃を緩和するゲルはハンドルバー上部のみに配置される。(6シリーズは下ハンドル部にも配置)
5シリーズは完成車2パッケージのみの販売となり、アルテグラDi2をフル装備する5.9と、機械式アルテグラの5.2がラインナップされる。5.2はカセットを105、ホイールをボントレガーのRaceとすることでプライスダウンを実施し、380,000円(税別)というリーズナブルな価格を実現した。6シリーズのフレームセットが385,000円(税別)という事を考えれば非常に買い求めやすいと言ってよい。
カーボンモデルの末弟に位置する4シリーズはOCLV400カーボンを使用することで、5種類用意される完成車はいずれも20万円台というリーズナブルな価格を実現する。
オーバル断面のフォークコラムは採用されていないものの、6シリーズと同様の上1-1/8"、下側1.5インチのE2ヘッドチューブやBB90システムを搭載することで能力を高めている。レースジオメトリー、内蔵チェーンキーパーなども上位機種と同様だ。
マドンシリーズにアルミモデル「2」が加わったのと同時に、今回のトレックワールドでは同じくドマーネのアルミバイク「2」が発表された。ドマーネの特徴である快適なライディングをアルミで実現したモデルだ。
ドマーネ2は、トレックが自身を持ってリリースするアルミエンデュランスロードバイクだ。衝撃吸収に長けたカーボン素材をあえて使用せず、ビギナーに手の届きやすい価格を実現するため、あえてアルミフレームが採用された。素材は入門用バイクに用いられて定評のあるアルファ200アルミニウムだ。
ドマーネシリーズのハイライトというべきIsoSpeedテクノロジーを搭載したシートチューブやフロントフォークは、もちろんこの2シリーズにも装備されるが、シートチューブとトップチューブ~シートステーを介するリンクはカーボンモデルとは少々構造を異としている。そしてその機能を最大限に発揮するため、シートチューブはリンク部分の下で一度パイプを溶接し直すなど、ただ単なるエントリーロードとは違う"手間"が加えられていることが特徴だ。
また、マドン2シリーズと同じく ボトムブラケットはBB86.5、フロントフォークにはスピードトラップを内蔵するなど、上位機種と同様のシステムが盛り込まれていることもビギナーにとっては大きな魅力となるだろう。
販売パッケージはシマノ・105を中心としたパーツアッセンブルのドマーネ2.3のワンパッケージ。クランクはR565、カセットはティアグラグレードと、コストの削減を図りながら、バイクの印象に大きな印象を与えるレバーは105を装備し高級感のある印象だ。ホイールはバイクとカラーコーディネイトされる。
今回のトレックワールドでは残念ながら試乗車の用意が間に合わなかったが、トレックでは「どんなコンディションでも高い快適性と安定性をもたらす本格アルミロードバイク」と自信を大きくする。販売価格は179,000円(税別)。数あるエントリーロードの中において、プラスアルファの魅力が光るバイクと言って良いだろう。
編集部スタッフがDomane各グレードのモデルを乗り比べたインプレッションは続いてお送りします。
プロユースモデルの性能を受け継ぐハイスペック Domane5シリーズ
今年のロンド・ファン・フラーンデレン前夜にベルギーにて行われた発表会で初お披露目されたトレックのエンデュランスロードバイクが、ドマーネ6だ。石畳のクラシックレースを得意とするファビアン・カンチェラーラらと共に開発したパヴェレーサーは、シートチューブがトップチューブとシートステイに一体化されず、リンクを介して前後方向にしなるなど、革新的なIsoSpeed(アイソスピード)テクノロジーを搭載したことで大きな衝撃をもたらした。(発表時の特集ページはこちらから。)
ドマーネ6は荒れた路面のレースで勝つことをメインテーマとしたピュアレーシングバイクだが、「衝撃を吸収し、速く走ることができる」というその性能は、ホビーライダーにとってもメリットに働く。2013年モデルからラインナップに加えられた4/5シリーズは、6シリーズのテクノロジーを受け継ぎ、リーズナブルなプライスを実現したバリューモデルだ。
OCLV600を使用するドマーネ6シリーズに対して、ドマーネ5シリーズに採用されるカーボンはOCLV500。アジア生産となるが、北米以外で生産されるカーボンとしては最高級にランクされるカーボンで、コスト面においては、一般ユーザーにとっては大きなアドバンテージを有する。
もちろんドマーネの"顔"であるIsoSpeedが搭載されたシートポストやフロントフォークを備え、フレーム下側の剛性を意図的に強化する「パワートランスファー構造」は引き継がれる。さらにBB90やライドチューンドシートマスト、オーバル断面のフォークコラム、さらには電動コンポーネントに対応するパフォーマンスケーブルルーティングもドマーネ6と共通だ。
それでは逆に、カーボン素材以外の6シリーズとの相違点はどこにあるのか。一般ユーザーとして見た場合はプロジェクトワンが選択できないことが大きい。構造面ではフレームを接合する際に、6シリーズで用いられる「ステップジョイントテクノロジー」が用いられない点が挙げられる。パーツアッセンブルではハンドルバーがアルミ製となり、衝撃を緩和するゲルはハンドルバー上部のみに配置される。(6シリーズは下ハンドル部にも配置)
5シリーズは完成車2パッケージのみの販売となり、アルテグラDi2をフル装備する5.9と、機械式アルテグラの5.2がラインナップされる。5.2はカセットを105、ホイールをボントレガーのRaceとすることでプライスダウンを実施し、380,000円(税別)というリーズナブルな価格を実現した。6シリーズのフレームセットが385,000円(税別)という事を考えれば非常に買い求めやすいと言ってよい。
コストパフォーマンスに長けたバリューモデル Domane4シリーズ
カーボンモデルの末弟に位置する4シリーズはOCLV400カーボンを使用することで、5種類用意される完成車はいずれも20万円台というリーズナブルな価格を実現する。
オーバル断面のフォークコラムは採用されていないものの、6シリーズと同様の上1-1/8"、下側1.5インチのE2ヘッドチューブやBB90システムを搭載することで能力を高めている。レースジオメトリー、内蔵チェーンキーパーなども上位機種と同様だ。
アルミ × バーティカルコンプライアンス 新たな境地を拓くエントリーモデル "2"
マドンシリーズにアルミモデル「2」が加わったのと同時に、今回のトレックワールドでは同じくドマーネのアルミバイク「2」が発表された。ドマーネの特徴である快適なライディングをアルミで実現したモデルだ。
ドマーネ2は、トレックが自身を持ってリリースするアルミエンデュランスロードバイクだ。衝撃吸収に長けたカーボン素材をあえて使用せず、ビギナーに手の届きやすい価格を実現するため、あえてアルミフレームが採用された。素材は入門用バイクに用いられて定評のあるアルファ200アルミニウムだ。
ドマーネシリーズのハイライトというべきIsoSpeedテクノロジーを搭載したシートチューブやフロントフォークは、もちろんこの2シリーズにも装備されるが、シートチューブとトップチューブ~シートステーを介するリンクはカーボンモデルとは少々構造を異としている。そしてその機能を最大限に発揮するため、シートチューブはリンク部分の下で一度パイプを溶接し直すなど、ただ単なるエントリーロードとは違う"手間"が加えられていることが特徴だ。
また、マドン2シリーズと同じく ボトムブラケットはBB86.5、フロントフォークにはスピードトラップを内蔵するなど、上位機種と同様のシステムが盛り込まれていることもビギナーにとっては大きな魅力となるだろう。
販売パッケージはシマノ・105を中心としたパーツアッセンブルのドマーネ2.3のワンパッケージ。クランクはR565、カセットはティアグラグレードと、コストの削減を図りながら、バイクの印象に大きな印象を与えるレバーは105を装備し高級感のある印象だ。ホイールはバイクとカラーコーディネイトされる。
今回のトレックワールドでは残念ながら試乗車の用意が間に合わなかったが、トレックでは「どんなコンディションでも高い快適性と安定性をもたらす本格アルミロードバイク」と自信を大きくする。販売価格は179,000円(税別)。数あるエントリーロードの中において、プラスアルファの魅力が光るバイクと言って良いだろう。
編集部スタッフがDomane各グレードのモデルを乗り比べたインプレッションは続いてお送りします。
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提供:トレック・ジャパン レポート:シクロワイアード編集部