2012/08/26(日) - 08:34
granfondo GF01 BMCが考える新エンデュランスバイク
BMCが「エンデュランスシリーズ」と謳うバイク granfondo GF01を新たにリリースした。プロの要求するパフォーマンスを持ちながら、アマチュアライダーのためのコンフォート性能を併せ持つという新たなコンセプトだ。iSCフレーム、新世代TCC/Angleコンセプトにより、史上もっとも剛性が高く、かつ乗り心地が快適なエンデュランスロードバイクが誕生した。
BMCレーシングチームのトル・フースホフトやアレッサンドロ・バッランといったプロライダーが春のクラシック、パリ〜ルーベなどで使用したバイクがgranfondo GF01だ。バッランが2位になったことで、パヴェと呼ばれる荒れた石畳のレースに対応する柔軟性は実証済みと言えるだろう。
しかしGF01はクラシックレースで使用する目的で開発されたと同時に、一般サイクリストのライディングにも適したキャラクターを持つという。
アメリカ西海岸で行われたプレゼンテーションより、GF01の開発コンセプトを解説しよう。開発チームによる説明で、GF01の特長が次々に解き明かされていった。
GF01 そのポジショニング
GF01の登場により、BMCのロードバイクラインナップはより多くのライダーのニーズに応えることが出来るようになる。BMCのエンデュランスシリーズに属する最初のバイク、GF01は、レースシリーズ(SLR、RM)とエアロシリーズ (TM)と並ぶ位置にある。つまり現在のBMCユーザーにとっても、走り方やニーズに合わせて新しい選択肢になりえるのだ。granfondo GF01の主な特徴
SLR01と比べて衝撃吸収性が40%アップ
SLR01より高い剛性をもち、ぺダリング効率に優れる。かつハンドリングの安定性も上回っている。エンデュランス・ジオメトリーと各スペックにより、長距離ライディングをより快適に走りきれる性能を追求。レースとは違うロングライドバイクに仕上がった。フレーム重量は約1000g。最軽量のフレームではないが、強度や耐久性をもちつつ軽さを生かしたライディングが可能。
高い目標に向かって走るバイク
granfondo GF01が求めたものとターゲットユーザー
BMCの開発陣がGF01の設計にあたって意図したユーザー像は次のとおりだ。長距離ライドに快適性を大切にするライダー。レースに限らず、高い目標を持つライダー。そして安定したハンドリングと乗りやすいフォームを提供してくれるバイクが向くビギナーや、振動吸収性と乗りやすいジオメトリーを大切にする女性ライダーにも。
ストレスフリーの快適性をもたらす設計
GF01が求めたのは、どんな場面でも安定したハンドリングだ。それを実現するのは剛性の高いフレームベース(ヘッドチューブ〜ダウンチューブ〜チェーンステー)と、”エンデュランス・ジオメトリー”がもたらすライディングフォームの「ゆとり」、長いチェーンステーと、寝ているヘッドアングルとフォークオフセットがもたらす安定感。それらが、どんな状況下においても安定したハンドル操作感と、走行性能をもたらしてくれる。衝撃を吸収するTCC Angle Compliance Technology
GF01の振動吸収性のカギを握るのは、TCC(チューンド・コンプライアンス・コンセプト)をより昇華させたTCC Angle Compliance Technology(TCCアングル・コンプライアンス・テクノロジー)だ。カーボンの種類と使う場所によりフレームの縦方向の「しなり」を向上させるTCCテクノロジーに、屈曲をもたせることで振動吸収性を向上させている。フォークやリアステーもそのコンセプトに基づき設計されている。
しかし走りをスポイルする横方向のたわみに関しては極力排除される。ボリュームのあるダウンチューブ〜BB〜チェーンステイの強力な構造により、比較してSLR01よりも横剛性が高いことは特筆に値する。つまりGF01は、縦に柔らかいが横には頑強なフレームだと言える。
Ergonomics 人間工学に基づいたエルゴノミクス設計
快適なライディングのためのジオメトリーとコンポーネント、そのスペックをもつパーツをチョイスしている。長距離ライドのためのジオメトリーとしての特徴は、ハンドルまでのリーチが短めで、スタック(ハンドル高)は高めだ。SLR01と比べて、ヘッドチューブが少し長く、トップチューブが少し短い。スタックは14mm~19mm高く、リーチは4mm~16mm短い。これにより上体の起きた快適なポジションを出しやすいジオメトリーになっている。これはハンドルがより効率よく使えることにもつながる。
シートアングルはSLC01と同じ73.5°だが、ヘッドアングルは0.5°寝る(サイズ48を除く)。
Ease of use 使いやすいパーツ群
完成車パッケージではGF01のコンセプトをより補完するパーツセレクトがされる。コンパクトな曲げ形状のハンドル(イーストンEA70)、快適なサドル(フィジーク・アリアンテ)。そして、22mm幅をもつリムに28Cタイヤ(あるいは25C)の組み合わせも完成車パッケージとして推奨される。
太めで丈夫なタイヤ(コンチネンタル4SEASONS)と軽量チューブレスホイール(イーストンEA90 RT)。チューブド仕様が標準だが、そのままチューブレス化でき、さらに快適性を向上させることもできる。それらが路面に気を使わない、ストレスフリーなライドにつながる。推奨コンポのUltegra Di2仕様完成車の参考重量は7.38kgだ。
Integrated Chain keeper 内蔵チェーンキーパー
フレーム側にインストールされるチェーンキーパーは、フロントディレイラーに影響を与えず、効果的にチェーンの脱落を防止してくれる。高さ、振り幅共に調節が可能で、ノーマルおよびコンパクトともに対応する。電動もメカニカルもスマートにケーブル処理できるDTiシステム
Di2にもメカニカルにも対応するケーブル処理を可能にするDTi(デュアル・トランスミッション・インテグレーション)は、電動シフターのコードのスマートな内蔵処理を可能にしつつ、メカニカルシフターのワイヤーを使用することも可能。ケーブル仕様の際のアウターストッパーは簡単に取り外しが可能で、メンテナンス性も確保している。つまり走り方に応じてコンポを選ぶことも可能にした。granfondo GF01
Spec
フレーム |
|
フォーク |
|
シートポスト |
|
重量 |
|
続いて、BMC本社のチーフエンジニア、ヨナス氏の語るGF01開発ストーリーを紹介する。
提供:フタバ商店 編集:シクロワイアード