2011/05/31(火) - 12:14
兄の応援をしていた少女は、いつしか自転車競技そのものに衝撃を受け、目覚め、そして憧れの大学でキャプテンを務めるまでになった。
女性であるがゆえに考えてしまう悩みや意識。それでも彼女は、理解ある家族や指導者、そして仲間に支えられ、さらに先を見据えている。
全日本ステージレースinいわてを走る近藤
私たち自転車部員は、全国で唯一つの国立体育大学の学生として、体育を極める為の数々の授業や最先端のスポーツ医科学を導入したサポートを受け、一方で日本のスポーツ界に貢献できるようなデータを得るための実験・研究にも積極的に参加しています。
大自然に囲まれ、綺麗で交通量の少ない道路に加えて、自転車競技場も近くにあり、そして大学・地元連盟・スポンサー・地域の支援者等に支えられた地域密着型チームとして、皆様に愛されながら自転車競技に専念できる国内最高の環境がここにはあります。
このような恵まれた中で毎日充実した活動を展開できることに喜びと感謝の気持ちで一杯です。
その頃はもっぱら応援専門で、自分が選手として走るなんて全く思ってもいませんでした。
しかし、中学2年に兄の高校選抜大会を応援しに行った時、伊勢崎女子高校の萩原麻由子さんの走りを見て、同じ女性として「格好いい」と感じ、その素晴らしい走りっぷりに衝撃を受け、生まれて初めてレースに見入ってしまいました。
その後、憧れの萩原さんが鹿屋体育大学に進学をしたことを知り、自分も同じ大学で走りたいと思いましたが、進学するには高校3年間で成績を残さないと厳しいとわかり、迷わず愛工大名電高校に進学し本格的に自転車競技をすることを決めました。
高校では、河島勝利先生の指導のもと、短距離選手として数々の大会で成績を残すことができ、お陰で推薦入試で念願の鹿屋体育大学に入学ができました。
私は早生まれのため、大学1年で出場したアジア選手権ジュニア大会でもスプリントで優勝できましたが、黒川剛監督をはじめ、学内のトップ・アスリート・サポート・システム(TASS)のスタッフ陣は、数々のデータから私の有酸素能力の高さに長距離系種目でも成功する可能性があることを見抜き、今ではクリテリウムやポイントレースなどでも全国優勝できるオールラウンドに走れる選手に成長することが出来ました。
全日本学生クリテリウム2010、コーナーを攻める近藤。クリテリウムは得意の種目だ。このレースでも優勝を決めた
むしろ今では短距離種目より、レース中に何回ももがきあえる中距離種目が楽しくなってきましたが、特にクリテリウムではグリップ力に絶対的安心感を持てるパナレーサーのタイヤを使うようになってから、コーナーの攻め方なども随分上達し、各大会を連覇できています。
こうした競技を側面からサポート頂くスポンサーの皆様との出会いも、私の成功に大きく貢献していただいています。
自転車競技部の特徴的な伝統の一つは競技と学業との両立を強く求められる事です。
私は今、自転車競技部長でもあるスポーツトレーニング教育研究センター長の山本正嘉先生のゼミで卒論の研究に取り組んでいます。テーマは「短距離選手に於けるレジスタンストレーニングの効果」ですが、山本先生が自転車競技部の部長だからといった甘えは通じません。徹底した厳しい教育を通じ自分が日に日に成長することも感じ取れています。
因みに山本ゼミからは、清水都貴先輩、中島康晴先輩、村上純平先輩、内間康平先輩など、我が国の自転車競技界を担うそうそうたる選手達が巣立っているのです。
鹿屋体育大学自転車競技部は「鹿輪党(かりんとう)」と言う愛称のOB・OG会を作っていますが、皆さん鹿屋が大好きで、トレーニングや研究の名目で頻繁に鹿屋に帰ってこられます。その度に熱く自転車論議を交わす先輩方を見かけますが、このような熱意がきっと日本の自転車界を変えていくのだなと思う一方、もうすぐ私も「鹿輪党」のメンバーとして活動できることが今から楽しみです。
4年前は鹿屋体育大学に入学できただけでも嬉しかったのに、今ではこのチームのキャプテンを務めさせて頂けるまでに育てていただき、こうして思い返せば私の自転車人生は人との巡り合わせでチャンスを貰い続けてきたなと、出会った全ての皆さんに感謝の気持ちで一杯です。
運動音痴の兄が自転車競技にはまり、いろいろなレースに参加するようになり、それを応援しに行くうちに自転車競技の魅力に引きつけられた私は、それまで中学での陸上部の傍ら、週末に趣味程度に乗ってはいましたが、高校でしっかりと練習して成績を残し憧れの鹿屋体育大学に行きたいという気持ちになりました。
両親も自転車に乗っていたことから、親子の会話はもっぱら自転車のことが中心でしたが、それが嫌じゃなく、むしろ楽しいくらいでした。
今でも就職した兄と電話するときは、次の試合の予想や試合後の結果報告など、自転車の話がほとんどです。
高校生の兄のほとんどのレースは応援に行きましたので、大学進学後にクリテリウムやポイントレースなど走るようになっても展開などはスムーズに理解できました。
今でも時々判断に迷ったときには兄からアドバイスを貰っています。
神宮外苑学生クリテリウム、2009年は大先輩の荻島美香に独走を許し2位。学生としてはトップだが、悔しさも残った photo:Hideaki.TAKAGI
私が鹿屋体育大学に進学した年、兄は日本体育大学4年でした。日本体育大学は鹿屋体育大学と並び女子強化では日本を代表するライバル校でもあり、兄の周りには強い女子選手達が大勢いて、複雑な感情になったこともあります。
私が1年生の最初のインカレで、兄が4年の最後のインカレのときのこと。高校までいつも応援に来てくれた両親が何故か会場に来られず、不安と不満が交錯する中でレースを迎えた私に、ライバルチームに所属する兄が普段通りに笑顔で話かけてくれたり応援してくれて、少し気持ちに余裕が出来たことがありました。
インカレが終わり、大学入学後に初めて自宅に帰ることを許された私は、父が随分前から病に倒れ闘病中であることを初めて知りショックを受けましたが、兄はその事を知っていながら私が動揺しないようにレース会場で普通の顔で私に接し続けてくれたのでした。
大学に進学したばかりの私のことだけを心配してくれて、父の病気の事を知らせず競技に専念させてくれた兄や家族に感謝の気持ちで一杯でしたが、私がしっかり活躍することで父の病気も早く直ると思い、そのときから真剣に競技に向かい合う姿勢が生まれ今日に続いているように思います。
もし兄がいなかったら私も自転車競技と出会っていませんでしたし、こんなにも沢山の素晴らしい経験はできていなかった筈です。なので、いくつになっても私にとって兄はとても大きく有りがたい存在なのです。
JAPANCUP2010トークショーで語る近藤
最近では各種女子レースが行われたり女子競輪が復活したりと、女子選手が活動しやすい環境になってきているとはいえ、まだまだ女子選手の比率は男子より圧倒的に少なく、インターハイや国民体育大会などの重要大会にも女子種目は開催されず、少しずつでも改善し続けなければならないと感じています。
高校時代から「女子だから」とか言われるのはとても嫌で、絶対に言わせないように頑張ろうとずっと思っていました。
高校時代にお世話になった先生方も、男子選手と何も変わらない指導をしてくださり、そのお陰で数少ない全国大会でもいい成績を収めることができ、自分には夢のまた夢ぐらいに思っていた海外遠征にも連れて行って頂けたことはとても嬉しかったです。
高校の河島先生や大学の黒川監督、また親などいろんな人たちに助けられて今の自分があり、私はこれまで自転車を続けてこれたんだと感謝しています。
一方、自転車競技の世界では、選手だけでなく指導者にも女性の方が少なすぎると感じてきました。
多感な女子高校生の頃は悩みなどがあっても、なかなか異性に相談することが出来ませんでしたし、何時も緊張感を持って過ごしていたように思います。
そんなとき女性の指導者がいたらと何度も感じてきました。
今後、日本の女子自転車の発展を考えると、指導力を持った女性指導者や実力のある女性スタッフがなどが増えなければならないと強く思っています。
そして大学4年と言う次のステップに向けたこの重要な時期に、私がその一人になれないか熟慮しているところです。
もし来年の今頃、自転車競技の発展に携われる仕事に就いていることが出来れば、すなわち女子競技発展のために私の人生を賭けた次のステージが始まっていると言うことになります。
最初は「いままで先輩方が作りあげてこられた鹿屋体育大学自転車競技部の伝統を自分の代で崩してはいけない」というプレッシャー、「女性の私が男性の割合が多いこの部を引っ張っていけるのだろうか」などの多くの不安がありました。
トレーニングで集団をコントロールする近藤
新キャプテンは、引退する先輩方が、競技だけでなく後輩への配慮や厳しさなど、多くの角度から検討して決めることになっていますが、「なんで自分なんだろう」と思った時もありました。
しかし、先輩方から選んでもらい今年この部を任されることになると思うと、「いつまでも悩んでいてもしょうがない。この部をどのように発展させて行きたいのか考えなければいけない」。
これまで先輩方にほとんど頼りっぱなしだった甘えを捨て、平等な目で後輩たちを引っ張っていく自分に変わらなければいけないと思いました。
キャプテンを任された上での最大の不安は、やはり私が女性ということでした。
「自覚を持った強い女子選手を育てたい」
女子育成では国内の第一人者とも言える黒川監督率いるこの部からは、「組織のリーダーに男性も女性もない。出来る人間が役割を担え。女性だからといった甘えは捨て、女性リーダーには男性も協力しろ。」と言う徹底した男女平等主義の中で、多くの人材が輩出されてきました。
過去にも歴代OGの遠藤友子さんや萩原麻由子さんが立派にキャプテンを務めてこられたのは知っていましたが、果たしてそれが私にできるのか、また男子部員たちが女性リーダーの基で嫌にならずしっかりついて来てくれるのか不安でした。
しかし、そんなことで悩む必要は全くありませんでした。長距離で強化部長を務める吉田隼人や同じトラック班で活動を共にする副強化部長の新納大輝ら強い男子選手らが全面的にサポートしてくれ、同級生全員でチームを作っているなと感じることが出来ました。
神宮外苑クリテリウム2010、近藤は果敢に中間ポイントを取りに行く
ゴールポイントも獲得して優勝を決める。1年前の悔しさを晴らした photo:Hideaki.TAKAGI
さらに我が部の特徴では有りますが、黒川監督や先輩らが築いてきた伝統の中で、良い意味で男と女の区別がなかったこともスムーズなチーム運営に繋がっています。
男子選手達が女子選手を女性としてではなく1人の選手(人間)として見てくれているため、キャプテンになっても大きな問題は有りませんでした。
思えば大学に入ってからの3年間、毎年いろんなところでその時のキャプテンに支えられて来たなと思います。
1年の時の萩原キャプテンは、私が推薦で大学に入学したのに1年間全くいい成績が残すことが出来なかったことに喝を入れてくださり、その一言で目が覚め、入学してから何も考えずにただだらだらと毎日を過ごしてきた自分に変化を与えるきっかけとなりました。
2年の時の越智雄貴キャプテン(一般入学)も、3年の時の伊藤キャプテンも少しでも元気がない私を見かけると、絶妙なタイミングでご飯に連出してくれて、私のたわいもない話を聞いてくれたりして、本当にそれだけでも晴れた気分になり、深く悩む時を経験せずに今に至ることが出来ました。ですから今度は私が出来る限り部員の様子を伺いながら、1年間過ごしやすい環境を作っていきたいと考えています。
表彰台で喜びの笑顔を見せる近藤 photo:Hideaki.TAKAGI
また全く未定ながら、場合によっては競技者として最後の年になる可能性も有りますので、これまでになくしっかりとトレーニングを積んで後輩達の見本になれるよう頑張ります。
特に今年は28年ぶりにユニバーシアード大会で自転車競技がありますので、一人でも多くのチームメイトと一緒に私も参加できるよう精進を続けたいと考えています。
女子インカレ総合8連覇は勿論、大会史上初の男女同時総合優勝を達成するため、競技面では吉田強化部長を支えながら、より良いチーム運営のためにキャプテンとして出来ることを日々考えながら過ごしていきたいと思います。
Panaracer TOURER Plus
“本格的なロードバイクで安心してツーリングを楽しめるロードタイヤ”をコンセプトに開発された「ツアラー」がバージョンアップ。
ベースケーシングのカーカス密度を20%アップすることで耐パンク性能と剛性感をさらに高めている。
今、ツーリングバイクやレストアが注目されているが、昔ながらのセンタープルブレーキのスポルティーフには、28Cのブラウンサイドのチョイスも面白いかもしれない。
製品情報:パナレーサーTOURER Plus ロードバイクで安心ツーリング
女性であるがゆえに考えてしまう悩みや意識。それでも彼女は、理解ある家族や指導者、そして仲間に支えられ、さらに先を見据えている。
少女が自転車競技に目覚めたら
鹿屋体育大学自転車競技部は、「日本の自転車競技をメジャーにするために、強い選手とレベルの高い指導者を育成する」といった明確な目標に向かい、チーム一丸となって日々精進しています。
大自然に囲まれ、綺麗で交通量の少ない道路に加えて、自転車競技場も近くにあり、そして大学・地元連盟・スポンサー・地域の支援者等に支えられた地域密着型チームとして、皆様に愛されながら自転車競技に専念できる国内最高の環境がここにはあります。
このような恵まれた中で毎日充実した活動を展開できることに喜びと感謝の気持ちで一杯です。
人との出会いで...
私は小学校6年のときに兄の影響で自転車競技と出会いました。その頃はもっぱら応援専門で、自分が選手として走るなんて全く思ってもいませんでした。
しかし、中学2年に兄の高校選抜大会を応援しに行った時、伊勢崎女子高校の萩原麻由子さんの走りを見て、同じ女性として「格好いい」と感じ、その素晴らしい走りっぷりに衝撃を受け、生まれて初めてレースに見入ってしまいました。
その後、憧れの萩原さんが鹿屋体育大学に進学をしたことを知り、自分も同じ大学で走りたいと思いましたが、進学するには高校3年間で成績を残さないと厳しいとわかり、迷わず愛工大名電高校に進学し本格的に自転車競技をすることを決めました。
高校では、河島勝利先生の指導のもと、短距離選手として数々の大会で成績を残すことができ、お陰で推薦入試で念願の鹿屋体育大学に入学ができました。
私は早生まれのため、大学1年で出場したアジア選手権ジュニア大会でもスプリントで優勝できましたが、黒川剛監督をはじめ、学内のトップ・アスリート・サポート・システム(TASS)のスタッフ陣は、数々のデータから私の有酸素能力の高さに長距離系種目でも成功する可能性があることを見抜き、今ではクリテリウムやポイントレースなどでも全国優勝できるオールラウンドに走れる選手に成長することが出来ました。

こうした競技を側面からサポート頂くスポンサーの皆様との出会いも、私の成功に大きく貢献していただいています。
自転車競技部の特徴的な伝統の一つは競技と学業との両立を強く求められる事です。
私は今、自転車競技部長でもあるスポーツトレーニング教育研究センター長の山本正嘉先生のゼミで卒論の研究に取り組んでいます。テーマは「短距離選手に於けるレジスタンストレーニングの効果」ですが、山本先生が自転車競技部の部長だからといった甘えは通じません。徹底した厳しい教育を通じ自分が日に日に成長することも感じ取れています。
因みに山本ゼミからは、清水都貴先輩、中島康晴先輩、村上純平先輩、内間康平先輩など、我が国の自転車競技界を担うそうそうたる選手達が巣立っているのです。
鹿屋体育大学自転車競技部は「鹿輪党(かりんとう)」と言う愛称のOB・OG会を作っていますが、皆さん鹿屋が大好きで、トレーニングや研究の名目で頻繁に鹿屋に帰ってこられます。その度に熱く自転車論議を交わす先輩方を見かけますが、このような熱意がきっと日本の自転車界を変えていくのだなと思う一方、もうすぐ私も「鹿輪党」のメンバーとして活動できることが今から楽しみです。
4年前は鹿屋体育大学に入学できただけでも嬉しかったのに、今ではこのチームのキャプテンを務めさせて頂けるまでに育てていただき、こうして思い返せば私の自転車人生は人との巡り合わせでチャンスを貰い続けてきたなと、出会った全ての皆さんに感謝の気持ちで一杯です。
兄に対して...
そもそも自転車競技を始めたきっかけを作ってくれたのが兄でした。運動音痴の兄が自転車競技にはまり、いろいろなレースに参加するようになり、それを応援しに行くうちに自転車競技の魅力に引きつけられた私は、それまで中学での陸上部の傍ら、週末に趣味程度に乗ってはいましたが、高校でしっかりと練習して成績を残し憧れの鹿屋体育大学に行きたいという気持ちになりました。
両親も自転車に乗っていたことから、親子の会話はもっぱら自転車のことが中心でしたが、それが嫌じゃなく、むしろ楽しいくらいでした。
今でも就職した兄と電話するときは、次の試合の予想や試合後の結果報告など、自転車の話がほとんどです。
高校生の兄のほとんどのレースは応援に行きましたので、大学進学後にクリテリウムやポイントレースなど走るようになっても展開などはスムーズに理解できました。
今でも時々判断に迷ったときには兄からアドバイスを貰っています。

私が鹿屋体育大学に進学した年、兄は日本体育大学4年でした。日本体育大学は鹿屋体育大学と並び女子強化では日本を代表するライバル校でもあり、兄の周りには強い女子選手達が大勢いて、複雑な感情になったこともあります。
私が1年生の最初のインカレで、兄が4年の最後のインカレのときのこと。高校までいつも応援に来てくれた両親が何故か会場に来られず、不安と不満が交錯する中でレースを迎えた私に、ライバルチームに所属する兄が普段通りに笑顔で話かけてくれたり応援してくれて、少し気持ちに余裕が出来たことがありました。
インカレが終わり、大学入学後に初めて自宅に帰ることを許された私は、父が随分前から病に倒れ闘病中であることを初めて知りショックを受けましたが、兄はその事を知っていながら私が動揺しないようにレース会場で普通の顔で私に接し続けてくれたのでした。
大学に進学したばかりの私のことだけを心配してくれて、父の病気の事を知らせず競技に専念させてくれた兄や家族に感謝の気持ちで一杯でしたが、私がしっかり活躍することで父の病気も早く直ると思い、そのときから真剣に競技に向かい合う姿勢が生まれ今日に続いているように思います。
もし兄がいなかったら私も自転車競技と出会っていませんでしたし、こんなにも沢山の素晴らしい経験はできていなかった筈です。なので、いくつになっても私にとって兄はとても大きく有りがたい存在なのです。
女性として...
兄の応援に駆け付けていたので自転車競技選手は大半が男性と解っていましたが、私はあまり抵抗を感じず競技を始めました。怪我など落車をしたら危ないことを知っていた祖母は最初猛反対でしたが、それでも「自転車競技をしたい!!」という私の強い気持ちは変わることはなく、次第に祖母も応援してくれるようになりました。
高校時代から「女子だから」とか言われるのはとても嫌で、絶対に言わせないように頑張ろうとずっと思っていました。
高校時代にお世話になった先生方も、男子選手と何も変わらない指導をしてくださり、そのお陰で数少ない全国大会でもいい成績を収めることができ、自分には夢のまた夢ぐらいに思っていた海外遠征にも連れて行って頂けたことはとても嬉しかったです。
高校の河島先生や大学の黒川監督、また親などいろんな人たちに助けられて今の自分があり、私はこれまで自転車を続けてこれたんだと感謝しています。
一方、自転車競技の世界では、選手だけでなく指導者にも女性の方が少なすぎると感じてきました。
多感な女子高校生の頃は悩みなどがあっても、なかなか異性に相談することが出来ませんでしたし、何時も緊張感を持って過ごしていたように思います。
そんなとき女性の指導者がいたらと何度も感じてきました。
今後、日本の女子自転車の発展を考えると、指導力を持った女性指導者や実力のある女性スタッフがなどが増えなければならないと強く思っています。
そして大学4年と言う次のステップに向けたこの重要な時期に、私がその一人になれないか熟慮しているところです。
もし来年の今頃、自転車競技の発展に携われる仕事に就いていることが出来れば、すなわち女子競技発展のために私の人生を賭けた次のステージが始まっていると言うことになります。
キャプテンとして...
去年の伊藤雅和キャプテンから受け継ぎ、今年は私がキャプテンを務めさせて頂くことになりました。最初は「いままで先輩方が作りあげてこられた鹿屋体育大学自転車競技部の伝統を自分の代で崩してはいけない」というプレッシャー、「女性の私が男性の割合が多いこの部を引っ張っていけるのだろうか」などの多くの不安がありました。

しかし、先輩方から選んでもらい今年この部を任されることになると思うと、「いつまでも悩んでいてもしょうがない。この部をどのように発展させて行きたいのか考えなければいけない」。
これまで先輩方にほとんど頼りっぱなしだった甘えを捨て、平等な目で後輩たちを引っ張っていく自分に変わらなければいけないと思いました。
キャプテンを任された上での最大の不安は、やはり私が女性ということでした。
「自覚を持った強い女子選手を育てたい」
女子育成では国内の第一人者とも言える黒川監督率いるこの部からは、「組織のリーダーに男性も女性もない。出来る人間が役割を担え。女性だからといった甘えは捨て、女性リーダーには男性も協力しろ。」と言う徹底した男女平等主義の中で、多くの人材が輩出されてきました。
過去にも歴代OGの遠藤友子さんや萩原麻由子さんが立派にキャプテンを務めてこられたのは知っていましたが、果たしてそれが私にできるのか、また男子部員たちが女性リーダーの基で嫌にならずしっかりついて来てくれるのか不安でした。
しかし、そんなことで悩む必要は全くありませんでした。長距離で強化部長を務める吉田隼人や同じトラック班で活動を共にする副強化部長の新納大輝ら強い男子選手らが全面的にサポートしてくれ、同級生全員でチームを作っているなと感じることが出来ました。


さらに我が部の特徴では有りますが、黒川監督や先輩らが築いてきた伝統の中で、良い意味で男と女の区別がなかったこともスムーズなチーム運営に繋がっています。
男子選手達が女子選手を女性としてではなく1人の選手(人間)として見てくれているため、キャプテンになっても大きな問題は有りませんでした。
思えば大学に入ってからの3年間、毎年いろんなところでその時のキャプテンに支えられて来たなと思います。
1年の時の萩原キャプテンは、私が推薦で大学に入学したのに1年間全くいい成績が残すことが出来なかったことに喝を入れてくださり、その一言で目が覚め、入学してから何も考えずにただだらだらと毎日を過ごしてきた自分に変化を与えるきっかけとなりました。
2年の時の越智雄貴キャプテン(一般入学)も、3年の時の伊藤キャプテンも少しでも元気がない私を見かけると、絶妙なタイミングでご飯に連出してくれて、私のたわいもない話を聞いてくれたりして、本当にそれだけでも晴れた気分になり、深く悩む時を経験せずに今に至ることが出来ました。ですから今度は私が出来る限り部員の様子を伺いながら、1年間過ごしやすい環境を作っていきたいと考えています。

また全く未定ながら、場合によっては競技者として最後の年になる可能性も有りますので、これまでになくしっかりとトレーニングを積んで後輩達の見本になれるよう頑張ります。
特に今年は28年ぶりにユニバーシアード大会で自転車競技がありますので、一人でも多くのチームメイトと一緒に私も参加できるよう精進を続けたいと考えています。
女子インカレ総合8連覇は勿論、大会史上初の男女同時総合優勝を達成するため、競技面では吉田強化部長を支えながら、より良いチーム運営のためにキャプテンとして出来ることを日々考えながら過ごしていきたいと思います。
プロフィール

近藤 美子 こんどう よしこ
1990年1月5日(21歳)
1990年1月5日(21歳)
愛媛県出身
鹿屋体育大学 自転車競技部 所属
自転車選手の兄の影響を受けるとともに、萩原麻由子選手に憧れて鹿屋体大に入学。国内外での経験と成績を積み重ね、今年は自転車競技部のキャプテンとしてチームをまとめる。
主な戦歴:
第12回全日本学生クリテリウム 優勝
第12回修善寺カップ女子オープン 総合優勝
神宮外苑自転車クリテリウム2010 優勝
神宮外苑自転車クリテリウム2011 2位
鹿屋体育大学 自転車競技部 所属
自転車選手の兄の影響を受けるとともに、萩原麻由子選手に憧れて鹿屋体大に入学。国内外での経験と成績を積み重ね、今年は自転車競技部のキャプテンとしてチームをまとめる。
主な戦歴:
第12回全日本学生クリテリウム 優勝
第12回修善寺カップ女子オープン 総合優勝
神宮外苑自転車クリテリウム2010 優勝
神宮外苑自転車クリテリウム2011 2位

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ベースケーシングのカーカス密度を20%アップすることで耐パンク性能と剛性感をさらに高めている。
今、ツーリングバイクやレストアが注目されているが、昔ながらのセンタープルブレーキのスポルティーフには、28Cのブラウンサイドのチョイスも面白いかもしれない。
商品名 | Panaracer TOURER Plus |
サイズおよび重量 | 700×23C(ave:250g)、26C(ave:280g)、28C(ave:310g) ※ご使用になる自転車がロードバイクの場合、タイヤがフレームと接触する可能性があります。 タイヤのご購入前に必ずフレームとタイヤの間隔をご確認ください。 |
ビード | アラミド |
カラー | ブラック、ブラウンサイド |
税込参考価格 | 4,850円 |
製品情報:パナレーサーTOURER Plus ロードバイクで安心ツーリング
ソール・ソジャサン ニュース |
ツール・ド・フランス2011 ワイルドカード獲得 |
関連ニュース:ツール・ド・フランス招待22チーム発表 ユーロップカーとソール・ソジャサンがワイルドカード獲得 |
パリ~ルーベ(UCIワールドツアー) |
第2ステージ 2位 ジミー・カスペール選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:パヴェを闘ったスペシャルバイクたち vol.1 |
ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1) |
第1ステージ 7位 ジョナタン・イヴェール選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:4度目の大会制覇を狙うコンタドールが出場 初日はベントソが勝利 |
ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1) |
第1ステージ 7位 ジョナタン・イヴェール選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:4度目の大会制覇を狙うコンタドールが出場 初日はベントソが勝利 第4ステージ 9位 ジェローム・コッペル選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:コンタドールが個人TT優勝 モビスターのトンドが総合首位を奪う 個人総合 5位 ジェローム・コッペル選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:スカイのスウィフトが最終スプリント制覇 トンドが総合優勝に輝く |
Panaracerサポート選手の注目リザルト |
ジロ・デル・トレンティーノ(UCI2.HC) |
第1ステージ 29位 佐野淳哉選手(ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO) 関連ニュース:トレンティーノ開幕TTは好調クレーデンが制する 新城、NIPPO佐野・内間らも参戦 第2ステージ 5位 フォルトゥナート・バリアーニ選手(ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO) 関連ニュース:ヴォクレールが登りアタックを決めステージ優勝 スカルポーニが総合首位に浮上 第3ステージ 10位 ルーカ・アスカーニ選手(ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO) 関連ニュース:ジェオックスの新鋭ドゥアルテが山岳で輝く ニーバリが脱落、佐野・内間も苦しんだ 個人総合 3位 ルーカ・アスカーニ選手(ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO) 関連ニュース:クロイツィゲルが今季初優勝 ジロに向け順調な仕上がりのスカルポー二が総合制覇 内間康平(ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)インタビュー 関連ニュース:欧州プロ1年生 難関山岳を走りきった22歳の内間康平 |
Jプロツアー2011第2戦白浜エアポートクリテリウム2011 |
優勝 辻善光選手(宇都宮ブリッツェン) 関連ニュース:辻善光が仕上げた宇都宮ブリッツェンの闘い |
ツール・ド・熊野(UCI2.2) |
プロローグ 優勝 マキシミリアーノ・リケーゼ選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) 関連ニュース:0.7kmのTTはNIPPOのリケーゼがトップタイム 藤岡徹也、西谷泰治が続く 第1ステージ 4位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) 関連ニュース:福田真平が3年ぶりの優勝 総合リーダーに 第2ステージ 優勝 フォルトゥナート・バリアーニ選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) 関連ニュース:NIPPO別格のワン・ツー・スリー バリアーニが総合首位に 第3ステージ 2位 マキシミリアーノ・リケーゼ選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) 3位 辻善光選手(宇都宮ブリッツェン) 個人総合時間賞 1位 フォルトゥナート・バリアーニ選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) 個人総合ポイント賞 2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) 個人総合山岳賞 1位 フォルトゥナート・バリアーニ選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) 3位 山本元喜選手(鹿屋体育大学) 団体総合時間賞 1位 ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO 関連ニュース:西谷泰治が意地のスプリント勝利 NIPPOに一矢報いた愛三工業 |
ITUコンチネンタルカップ・ソウル大会(トライアスロン) |
3位 細田雄一選手(グリーンタワー・稲毛インター) |
ボストンマラソン(アメリカ) |
車イス男子 優勝 副島正純選手(C's Athlete) 車イス女子 優勝(5連覇) 土田和歌子選手(サノフィ・アベンティス)※大会新記録・未公認世界新記録 |
提供:パナソニック ポリテクノロジー株式会社