2020/11/17(火) - 12:00
世界的ムーブメントと言われて久しいE-BIKE。国内にも既に本格的なモデルがいくつも投入され、熱い視線を集めるカテゴリーだが、その中でもスポーツサイクリストにとって本命とされるのがE-MTBだ。舗装路よりも圧倒的に厳しい区間が登場するオフロードライドにとって、アシストユニットは好相性。
とはいえ、どこをどうやって走ればいいの?というのもMTBというジャンルに付きまとう悩み。そんな難題を解決してくれE-MTBの楽しみ方を詰め込んだ新たなフィールドが、関西は兵庫県豊岡市にオープン。今回の特集では、そんな期待の"UP MTB PARK IN KANNABE"をフィーチャーしていく。
関西初のリフト付きMTBゲレンデ「アップかんなべ」 photo:Hiroyuki NAKAGAWA
羽田から伊丹空港でこじんまりしたプロペラ機へ乗り継ぐ。離陸したと思ったのもつかの間、すぐに降下体制に入るアナウンスが流れ、コウノトリ但馬空港へと降り立った。東京からでもおよそ2時間、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星に選ばれた 「コウノトリの郷」豊岡へ到着だ。
今回の目的地となるのは「アップかんなべ」。大阪や神戸からは車で2時間半ほどで、関西圏のスキーヤーやスノーボーダーにとって馴染み深いフィールドとして知られる神鍋高原を代表するスノーパークに、一体全体シクロワイアードが何用で?という疑問はごもっとも。実は、昨年からサマーアクティビティとして、MTBゲレンデがオープンしているのだ。
山頂へ向かうリフトが完備されている 下にはパンプトラックも整備されている photo:Hiroyuki NAKAGAWA
そう、昨年SNSなどで話題になったクラウドファンディングで造成されたMTBコースが、ここアップかんなべにオープンした"UP MTB PARK IN KANNABE"。プロMTBライダーの阿藤寛氏が関西で初となるリフト付きMTBゲレンデを作るべく開始したクラウドファンディングは、目標金額を大幅に超える成功を収め、オープン前から関西のMTBライダーを中心に高い注目を集めていた。
上級者向けの"KITAKABE"コースはフローなつづら折れのダウンヒルを楽しめる photo:Hiroyuki NAKAGAWA
"UP MTB PARK IN KANNABE"のメインフィールドとなるのは、すり鉢状の休火山である神鍋山の東斜面。もっとも北側にある上級者向けの"KITAKABE"コースを筆頭に、"カミカゼ"と"マシュマロ"という2つの初級者向けコースをあわせた3つのダウンヒルコースがオープン当初から用意されている。
「とにかく初心者に向けたコースが関西には少なかったんですよ」と阿藤寛さん。「いわゆるトレイルはたくさんあるんですけど、オープンにできるようなところは少なくて。初心者の人が安心して走れて、自然にうまくなれるような場所を作りたかったんです」と、このフィールドにかけた思いを語る。
そこに今年6月、新たに加わったのがE-MTB専用コースとなる"BOSCH Uphill Flow Volcano"。その名の通り神鍋山を登るヒルクライムコースで、E-MTBの本領を発揮できるフィールドとして阿藤さん監修のもと造成された新コースだ。
リフト乗り場横に設置されたエアアーチが新コースのスタート地点 photo:Hiroyuki NAKAGAWA
リフト乗り場横に設置されたエアアーチが新コースのスタート地点で、一旦西側斜面から南側へとトラバースし、山頂へ向けて設けられたつづら折れを登っていく。序盤のトラバース区間は斜度もゆるく、E-MTBでなくとも登れそうなのだが、南側斜面の上りは相当な実力を持つXCレーサーでもなければ押し歩き待ったなしの激坂が約1kmに渡って続く。だが、E-MTBであれば流れを感じながら坂を駆け上がる楽しみを味わえる。最近、日本でも「フロートレイル」という言葉が膾炙してきたけれども、まさに"Uphill Flow"の名に相応しいコースだ。
山頂に辿り着いたあとは、そのままダウンヒルコースを下ることもできる。だが、実はその先にもコースは続いており、神鍋山の火口を周る「お鉢巡り」を半周走ることもできるのだ。Volcano、と名付けられた由縁である。
E-MTBでなければ走れないような、そしてE-MTBであればコースとバイクの持つ魅力を最高に味わえるルーティング photo:Hiroyuki NAKAGAWA
まさにE-MTBでなければ走れないような、そしてE-MTBであればコースとバイクの持つ魅力を最高に味わえるルーティングで、初心者から中上級者まで楽しめるのが"BOSCH Uphill Flow Volcano"の最大の特徴。
初心者にとってスピードの出やすいダウンヒルは怖いもの。一方で、ヒルクライムは安全だけれどMTBらしい重力感や浮遊感は味わえず、体力的にも苦しいもの。そんなジレンマを解消してくれるのがE-MTBによるヒルクライムコースだと言えるだろう。登りでもある程度の速度が出せるE-MTBであれば、ヒルクライムでもMTBの楽しさが体感できる。そして、絶妙なコース設定があればその感覚は倍増しだ。そして阿藤氏によって引かれたコースはE-MTBの魅力を引き出すに余りある絶妙な難易度設計だ。
阿藤氏によって引かれたコースはE-MTBの魅力を引き出すに余りある絶妙な難易度設計だ photo:Hiroyuki NAKAGAWA
ゲレンデらしい草地をスタートし、土、火山灰の砂地と目まぐるしく変わるサーフェイス。緩やかな登り、キャンバーのついたトラバース、逆バンクに設けられたつづら折れ、前輪が浮きそうな激坂。目まぐるしく変わる状況を把握してバイクを操る、MTBの醍醐味を登りでも体験できる1.3kmは、MTB入門にこれ以上ないロケーションだ。
受付やレンタルの拠点となるセンターハウス photo:Hiroyuki NAKAGAWA
最高のE-MTB専用コースが登場し、ますます注目が集まるUP MTB PARK IN KANNABE。上級者向けコース1本に対し、新設の"BOSCH Uphill Flow Volcano"を含めば3本の初~中級者向けコースが用意されているところからも、ビギナーフレンドリーなゲレンデを目指しているのは伝わってくる。
MTBを持っていない完全な初心者、MTBを購入したけれども車に積む自信がない初級者向けに、レンタルバイクが充実しているのもUP MTB PARK IN KANNABEの特徴だ。リーズナブルなハードテールバイクだけでなく、フルサスバイクとしてトレックのオールマウンテンモデルであるREMEDYが用意されている。
レンタルバイクとして用意されるのはトレックのフルサスE-MTB Rail 9.7 (c)TREK
そしてE-MTBのレンタルバイクとなるのが、トレックのハイエンドE-MTBであるRail 9.7だ。フルカーボン製のフレームにF:160mm/R:150mmストロークのサスペンションを組み合わせたオールマウンテンな一台。ボッシュの最新モデルである第3世代のPerformance Line CXによるパワフルかつリニアなアシストによって乗り手の限界を押し広げてくれる一台。現在国内で手に入るE-MTBとして最高峰のバイクをE-MTBに最適化されたフィールドで楽しめるのだから、借りない手はないだろう。
更には、MTBだけでなく様々なサマーアクティビティが充実しているのもアップかんなべの魅力。ゲレンデでは熱気球やパラグライダーといった本格的なモノから、ソリによるグラスダウンヒルやリフト支柱を利用した巨大ブランコなんていう童心に帰って遊べるものも。周りにはグランピング施設やキャンプ場、更には温泉などもあり、家族や仲間たちと手ぶらで来ても一日中楽しめるエリアとなっている。
MTBだけじゃない色んな遊びが楽しめるアップかんなべ。リフト支柱を利用したブランコなんてものも(笑) photo:So Isobe
温泉もあるので、ひと汗流してから帰路につくことだってできる photo:So Isobe
隣接する道の駅ではご当地食材のメニューも楽しめる。写真はニジマスを使ったハンバーガー photo:So Isobe
また、周辺に広がる一帯はロードバイクユーザーにとっても魅力的なロケーション。山間部なのでアップダウンはあるのだけれど、どれもが程よいボリューム感。山を越えるたびに風景がコロコロと変わり、少し足を伸ばせば日本海だってすぐそこだ。手ぶらでOKなので、1泊2日で城崎温泉を拠点としつつ、ロードとMTBを同時に楽しむなんて贅沢だって夢じゃない。
北近畿豊岡自動車道の日高神鍋高原ICが開通したおかげで、関西からのアクセスも大幅に良くなったアップかんなべ。東京からでも、朝イチ便なら10時には到着できるので、まるっと一日満喫できる。暑さも和らぎ外遊びにぴったりなこのシーズン、一度遊びに出かけてみては。
とはいえ、どこをどうやって走ればいいの?というのもMTBというジャンルに付きまとう悩み。そんな難題を解決してくれE-MTBの楽しみ方を詰め込んだ新たなフィールドが、関西は兵庫県豊岡市にオープン。今回の特集では、そんな期待の"UP MTB PARK IN KANNABE"をフィーチャーしていく。
関西初のリフト付きMTBゲレンデ「アップかんなべ」へ
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羽田から伊丹空港でこじんまりしたプロペラ機へ乗り継ぐ。離陸したと思ったのもつかの間、すぐに降下体制に入るアナウンスが流れ、コウノトリ但馬空港へと降り立った。東京からでもおよそ2時間、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星に選ばれた 「コウノトリの郷」豊岡へ到着だ。
今回の目的地となるのは「アップかんなべ」。大阪や神戸からは車で2時間半ほどで、関西圏のスキーヤーやスノーボーダーにとって馴染み深いフィールドとして知られる神鍋高原を代表するスノーパークに、一体全体シクロワイアードが何用で?という疑問はごもっとも。実は、昨年からサマーアクティビティとして、MTBゲレンデがオープンしているのだ。
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そう、昨年SNSなどで話題になったクラウドファンディングで造成されたMTBコースが、ここアップかんなべにオープンした"UP MTB PARK IN KANNABE"。プロMTBライダーの阿藤寛氏が関西で初となるリフト付きMTBゲレンデを作るべく開始したクラウドファンディングは、目標金額を大幅に超える成功を収め、オープン前から関西のMTBライダーを中心に高い注目を集めていた。
2020年6月にE-MTB専用コース「BOSCH Uphill Flow Volcano」がオープン
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"UP MTB PARK IN KANNABE"のメインフィールドとなるのは、すり鉢状の休火山である神鍋山の東斜面。もっとも北側にある上級者向けの"KITAKABE"コースを筆頭に、"カミカゼ"と"マシュマロ"という2つの初級者向けコースをあわせた3つのダウンヒルコースがオープン当初から用意されている。
「とにかく初心者に向けたコースが関西には少なかったんですよ」と阿藤寛さん。「いわゆるトレイルはたくさんあるんですけど、オープンにできるようなところは少なくて。初心者の人が安心して走れて、自然にうまくなれるような場所を作りたかったんです」と、このフィールドにかけた思いを語る。
そこに今年6月、新たに加わったのがE-MTB専用コースとなる"BOSCH Uphill Flow Volcano"。その名の通り神鍋山を登るヒルクライムコースで、E-MTBの本領を発揮できるフィールドとして阿藤さん監修のもと造成された新コースだ。
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リフト乗り場横に設置されたエアアーチが新コースのスタート地点で、一旦西側斜面から南側へとトラバースし、山頂へ向けて設けられたつづら折れを登っていく。序盤のトラバース区間は斜度もゆるく、E-MTBでなくとも登れそうなのだが、南側斜面の上りは相当な実力を持つXCレーサーでもなければ押し歩き待ったなしの激坂が約1kmに渡って続く。だが、E-MTBであれば流れを感じながら坂を駆け上がる楽しみを味わえる。最近、日本でも「フロートレイル」という言葉が膾炙してきたけれども、まさに"Uphill Flow"の名に相応しいコースだ。
山頂に辿り着いたあとは、そのままダウンヒルコースを下ることもできる。だが、実はその先にもコースは続いており、神鍋山の火口を周る「お鉢巡り」を半周走ることもできるのだ。Volcano、と名付けられた由縁である。
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初心者にとってスピードの出やすいダウンヒルは怖いもの。一方で、ヒルクライムは安全だけれどMTBらしい重力感や浮遊感は味わえず、体力的にも苦しいもの。そんなジレンマを解消してくれるのがE-MTBによるヒルクライムコースだと言えるだろう。登りでもある程度の速度が出せるE-MTBであれば、ヒルクライムでもMTBの楽しさが体感できる。そして、絶妙なコース設定があればその感覚は倍増しだ。そして阿藤氏によって引かれたコースはE-MTBの魅力を引き出すに余りある絶妙な難易度設計だ。
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レンタルバイクにはトレックのフルサスE-MTBも 手ぶらで1日楽しめるアップかんなべ
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MTBを持っていない完全な初心者、MTBを購入したけれども車に積む自信がない初級者向けに、レンタルバイクが充実しているのもUP MTB PARK IN KANNABEの特徴だ。リーズナブルなハードテールバイクだけでなく、フルサスバイクとしてトレックのオールマウンテンモデルであるREMEDYが用意されている。
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更には、MTBだけでなく様々なサマーアクティビティが充実しているのもアップかんなべの魅力。ゲレンデでは熱気球やパラグライダーといった本格的なモノから、ソリによるグラスダウンヒルやリフト支柱を利用した巨大ブランコなんていう童心に帰って遊べるものも。周りにはグランピング施設やキャンプ場、更には温泉などもあり、家族や仲間たちと手ぶらで来ても一日中楽しめるエリアとなっている。
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北近畿豊岡自動車道の日高神鍋高原ICが開通したおかげで、関西からのアクセスも大幅に良くなったアップかんなべ。東京からでも、朝イチ便なら10時には到着できるので、まるっと一日満喫できる。暑さも和らぎ外遊びにぴったりなこのシーズン、一度遊びに出かけてみては。
提供:ボッシュジャパン 制作:シクロワイアード編集部