2018/03/13(火) - 11:03
マヴィックから遂に登場したロード用チューブレスタイヤホイールシステム「ロードUST」。vol.3ではレース現場における本命ホイールとも言えるカーボンディープホイール、COSMIC PRO CARBON SL USTとCOMETE PRO CARBON SL USTをインプレッションした。
マヴィックが遂に打ち出したロードバイク用チューブレスシステム「ロードUST」。今までのロードバイク向けチューブレスタイヤにおける唯一かつ最大のデメリットであった取り扱いの難しさを排除し、より簡単にトラブルレスで運用することが出来る革新的な規格だ。ロードUSTの詳しいテクノロジーはvol.1で紹介しているので、是非目を通して欲しい。
vol.2ではマヴィック伝統のアルミホイールシリーズ、KSYRIUM USTを紹介したが、このvol.3では現在のレースシーンで主流を占めるカーボンディープリムホイールであるCOSMIC PRO CARBON SL USTとCOMETE PRO CARBON SL USTをインプレッションする。それぞれ40mmと64mmというリムハイトを持った実戦的エアロホイールとなっている。
NASAの前身であるNACAが開発し、今では世界で最も有名な翼断面形状として知られる「NACAプロファイル」に基づきデザインされ、3Kカーボンで成形されるリムは、ラウンド形状とワイドリムデザインにより前方からの風だけでなく、実走では避けられない横風への空力特性にも優れている。
リムサイズはCOSMIC PRO CARBON SL USTが高さ40mm、外幅25mm。一方、COMETE PRO CARBON SL USTは高さ64mm、外幅26mmとリムハイトが高くなるため1mm広いワイドリムデザインが採用されている。なお、内幅は共通して19mmであり、25mmから32mmまでのタイヤサイズが推奨されている。COSMIC PRO CARBON SL USTはリム重量も公開されており、450gとこのボリュームのカーボンチューブレスリムとしては非常に軽く仕上がっている。
マヴィックの十八番である制動面についても抜かりはない。ブレーキトラック面にはマヴィック独自の処理技術「iTgMax」が施される。カーボン繊維を痛めることなくレーザーでブレーキ当たり面のレジンを焼くことでリムの耐熱性を強化し制動力を向上させるこのテクノロジーによって、リムの表面温度が200℃まで上昇してもフェード現象(熱による制動力の低下現象)が発生せず、安定したブレーキパワーを発揮することが可能となっている。
フリーハブはマヴィックがハイエンドモデルに採用するInstant Drive 360を搭載。通常の爪タイプラチェットに比べ、2枚の面で噛み合わせるため高いパワー伝達効率が特長だ。またスプロケットを外さなくてもフリーを外すことが出来るため、メンテナンス性が高いのもポイントだろう。
スポークはステンレススチール製の薄く扁平させたエアロスポークで、フロントホイールはノーマルなラジアル組。リアホイールは駆動側をラジアル組、反駆動側をクロス組とするISOPULSE(イソパルス)を採用するのは他のマヴィックホイールと同様だ。
タイヤのセットアップにおいて、1番悩ましいのが空気圧の設定だろう。自分の体重に対して、または走る場所や路面状況に応じてどれくらいの空気圧が最適なのかは、ビギナーにとっては中々分からないもの。マヴィックはこの問題をスマートフォンアプリ「MY MAVIC」で解決する。
使用方法は簡単。App StoreまたはGoogle Playから「MY MAVIC」をインストール。メイン画面の下部にある「タイヤ空気圧を計算」をタップすると空気圧計算の画面になる。ここで自転車のタイプ、目標(乗り方)、チューブタイプ、ウェザー(天候)、リム幅、タイヤ幅、ブレーキタイプ、体重、自転車重量といった項目を入力していくと最適なタイヤ空気圧が算出される仕組みとなっている。
例えば「ロード、バーサタイル(万能な乗り方)、チューブレス、リム幅19mm、タイヤ幅25mm、ドライ、体重60kg、自転車重量7.5kg」で計算すると、前4.7気圧、後ろ4.9気圧と表示される。0.1気圧刻みで参考空気圧を表示出来る辺り、マヴィックの本気度を感じ取ることが出来るだろう。低い空気圧でも走行出来るというチューブレスだが、過去の経験が活かせない分ベテランであっても適正な空気圧を導き出すのは時間がかかるはず。この「MY MAVIC」を使用すればロードUSTの持っている性能をより手軽に体感することが出来るだろう。
またこの「MY MAVIC」は空気圧の計算以外にもマヴィック製品の登録による保証期間の延長、最適なタイヤ幅の計算などマヴィック製品を使う上で便利な機能が付いているアプリとなっている。マヴィック製品を購入したら必ずスマートフォンにインストールしたい。
ロードUSTチューブレスホイール第2弾 COSMIC & COMETE
マヴィックが遂に打ち出したロードバイク用チューブレスシステム「ロードUST」。今までのロードバイク向けチューブレスタイヤにおける唯一かつ最大のデメリットであった取り扱いの難しさを排除し、より簡単にトラブルレスで運用することが出来る革新的な規格だ。ロードUSTの詳しいテクノロジーはvol.1で紹介しているので、是非目を通して欲しい。
vol.2ではマヴィック伝統のアルミホイールシリーズ、KSYRIUM USTを紹介したが、このvol.3では現在のレースシーンで主流を占めるカーボンディープリムホイールであるCOSMIC PRO CARBON SL USTとCOMETE PRO CARBON SL USTをインプレッションする。それぞれ40mmと64mmというリムハイトを持った実戦的エアロホイールとなっている。
NASAの前身であるNACAが開発し、今では世界で最も有名な翼断面形状として知られる「NACAプロファイル」に基づきデザインされ、3Kカーボンで成形されるリムは、ラウンド形状とワイドリムデザインにより前方からの風だけでなく、実走では避けられない横風への空力特性にも優れている。
リムサイズはCOSMIC PRO CARBON SL USTが高さ40mm、外幅25mm。一方、COMETE PRO CARBON SL USTは高さ64mm、外幅26mmとリムハイトが高くなるため1mm広いワイドリムデザインが採用されている。なお、内幅は共通して19mmであり、25mmから32mmまでのタイヤサイズが推奨されている。COSMIC PRO CARBON SL USTはリム重量も公開されており、450gとこのボリュームのカーボンチューブレスリムとしては非常に軽く仕上がっている。
マヴィックの十八番である制動面についても抜かりはない。ブレーキトラック面にはマヴィック独自の処理技術「iTgMax」が施される。カーボン繊維を痛めることなくレーザーでブレーキ当たり面のレジンを焼くことでリムの耐熱性を強化し制動力を向上させるこのテクノロジーによって、リムの表面温度が200℃まで上昇してもフェード現象(熱による制動力の低下現象)が発生せず、安定したブレーキパワーを発揮することが可能となっている。
フリーハブはマヴィックがハイエンドモデルに採用するInstant Drive 360を搭載。通常の爪タイプラチェットに比べ、2枚の面で噛み合わせるため高いパワー伝達効率が特長だ。またスプロケットを外さなくてもフリーを外すことが出来るため、メンテナンス性が高いのもポイントだろう。
スポークはステンレススチール製の薄く扁平させたエアロスポークで、フロントホイールはノーマルなラジアル組。リアホイールは駆動側をラジアル組、反駆動側をクロス組とするISOPULSE(イソパルス)を採用するのは他のマヴィックホイールと同様だ。
最適な空気圧を教えてくれるスマートフォンアプリ「MY MAVIC」
タイヤのセットアップにおいて、1番悩ましいのが空気圧の設定だろう。自分の体重に対して、または走る場所や路面状況に応じてどれくらいの空気圧が最適なのかは、ビギナーにとっては中々分からないもの。マヴィックはこの問題をスマートフォンアプリ「MY MAVIC」で解決する。
使用方法は簡単。App StoreまたはGoogle Playから「MY MAVIC」をインストール。メイン画面の下部にある「タイヤ空気圧を計算」をタップすると空気圧計算の画面になる。ここで自転車のタイプ、目標(乗り方)、チューブタイプ、ウェザー(天候)、リム幅、タイヤ幅、ブレーキタイプ、体重、自転車重量といった項目を入力していくと最適なタイヤ空気圧が算出される仕組みとなっている。
例えば「ロード、バーサタイル(万能な乗り方)、チューブレス、リム幅19mm、タイヤ幅25mm、ドライ、体重60kg、自転車重量7.5kg」で計算すると、前4.7気圧、後ろ4.9気圧と表示される。0.1気圧刻みで参考空気圧を表示出来る辺り、マヴィックの本気度を感じ取ることが出来るだろう。低い空気圧でも走行出来るというチューブレスだが、過去の経験が活かせない分ベテランであっても適正な空気圧を導き出すのは時間がかかるはず。この「MY MAVIC」を使用すればロードUSTの持っている性能をより手軽に体感することが出来るだろう。
またこの「MY MAVIC」は空気圧の計算以外にもマヴィック製品の登録による保証期間の延長、最適なタイヤ幅の計算などマヴィック製品を使う上で便利な機能が付いているアプリとなっている。マヴィック製品を購入したら必ずスマートフォンにインストールしたい。
COSMICとCOMETE 2つのカーボンUSTホイール インプレッション
今回は東京スカイツリーのすぐそばにショップを構えるフォーチュンバイクの錦織大祐さん、関東に133店舗を持つセオサイクルの中でも最大規模を誇るバイシクルセオ新松戸店から飯島悠さんにCOSMIC PRO CARBON SL USTとCOMETE PRO CARBON SL USTをテストしてもらった。「MY MAVIC」アプリによる推奨空気圧の設定は、錦織さんが前4.7気圧、後ろ5気圧。飯島さんが前後6気圧だ。コスミックとコメット、二人はUSTカーボンチューブレスホイールをどのように感じたのだろうか?「チューブレスタイヤという規格を次の段階へと押し上げる新たなスタンダードだ」錦織大祐
錦織:正直、驚きました。私がチューブレスタイヤに対して抱いていたネガティヴなイメージをまったく覆してくれましたね。最初にロード用チューブレスが発表されてから、かなりの時間が経つ中で自分自身もいろいろなモデルを使ってきたのですが、どうしても好きになれない部分があったんです。それは路面からの振動の伝わり方で、既存のタイヤだと空洞感のある共振が目立ち、その波紋が広がりすぎてしまうように感じていました。ロードUSTでは、タイヤが変形してから元の形へ収まるまでのタイムラグが非常に短く、よりクリンチャータイヤに近いフィーリングに仕上がっています。この特性こそが、ロードUSTの最も大きなメリットなのではないでしょうか。
この性能を実現するためには適正な空気圧セッティングが欠かせないでしょう。これまでの常識では考えられないような低めの空気圧と、低圧での運用で発生する問題を解決した構造こそがロードUSTのコアとなる部分なのだと思います。あえて言うならば、チューブレスタイヤに加わったワンオブゼムの選択肢ではなく、マヴィックのロードUSTこそチューブレスタイヤという規格を次の段階へと押し上げるニュースタンダードだと言えるでしょう。
飯島:実は、チューブレスタイヤというものにしっかりと乗ったのは今回が初めてで、これまでの他のチューブレスシステムに比較してのインプレッションというものは出来ないのですが、全体としてとても高い完成度を持っているホイールシステムだと感じました。チューブラーの乗り心地とクリンチャーの転がり感、両者の「良いところ取り」のような乗り味で、非常に軽やかな加速感も魅力的です。
走りにおいて、既存のチューブレスシステムとの比較はできませんが、扱いやすさにおいて長足の進歩を果たしていることは確かです。ビードがリム中央の溝にしっかり落ちていることを確認しさえすれば、携帯ポンプでもビードが上がりますし、このロードUSTが出来たおかげでチューブレスというタイヤシステムが身近に感じられるようなりましたね。
錦織:やはりポイントとしては、低い空気圧での運用が可能になったことでしょう。つまりは高い精度による密着度の高さがその根底にあるわけです。作業性の良さも、振動に対する特性もその賜物ですね。付け加えるなら、トラクションのかかり方も優れています。かなり荒れている箇所でもテストしましたが、滑るような気配は微塵もありませんでしたね。
飯島:そうですね。更に言うなら、快適でグリップするタイヤでありながら、転がりの軽さまで兼ね備えています。6気圧という低圧で、ここまで軽快な加速感が味わえるなんて思ってもいませんでした。クリンチャーであれば、もっと高い空気圧が必要ですし、それだけ高圧にしてしまうと乗り味も悪くなりますし、タイヤも跳ねてしまいます。この相反する性能をそれぞれ高いレベルでバランスするというのは、ロードUSTという規格にしか成しえないことなのでしょう。
ちなみに私の体重は90kgほどあり、サイクリストの中ではかなり大柄な部類なのですが、あえてタイヤをこじるようにもがいても、腰砕けになることなくまっすぐ前へ進んでくれるのはとても好印象でした。タイヤが変形しても戻りが早く、パワーを無駄にしないしっかりとした剛性感があり安心できます。
錦織:飯島さんと自分では体格も乗り方もかなり違いますが、このタイヤへに感じている印象はとても近いと感じますね。おそらく誰が乗っても同じ良さを感じることが出来るのではないか、そんな風に思わせるほどの完成度を持っています。
適正な空気圧を教えてくれるアプリケーションの存在は非常に大きいですね。もちろん、推奨空気圧から外れたからといって、急に性格を変えるような懐の狭さは感じませんが、タイヤのもっとも美味しいところを簡単に確認できるというのは大きなメリットです。他社のタイヤでも推奨空気圧は表示されていますが、実際に使ってみると一番気持ちよく走ることが出来る数字とはズレているものが多いと感じていました。アテにならない、と。その点このアプリはかなり好みのド真ん中を突いてきましたね。
飯島:そうですね。「MY MAVIC」に情報を入力するだけで、理想に近い空気圧を確認できるのは本当に良いと思います。正直、空気圧なんてそれぞれの好みやシチュエーションによって差があると思っていましたが、かなり高い精度で満足出来る乗り心地なので驚きです。「雨が降っているからタイヤの空気圧を下げよう」「幅広のタイヤだから少し低めで良いかな」「レースだから空気圧は高めに入しておこう」と、これまでは経験と感覚に基づいて調整してきた部分を、アプリが「この状況でこの機材ならこの空気圧だ」と、はっきりとした数字で示してくれるのは一般ユーザーとして安心できるでしょう。
錦織:このアプリの正確性はマヴィックがホイールとタイヤをシステムとして設計し、空気圧まで考慮に入れたうえでパフォーマンスを把握していることの証左でしょう。もはや一つの選択肢というよりは、絶対的な指標として受け止めることが出来るほどの精度だと感じましたね。これまで、好みの空気圧を見つけるまで何度も試行錯誤してきた作業が必要でなくなるのはビギナーはもちろん、ベテランライダーにとっても嬉しいことでしょう。
「COSMICが思いのほか登ってくれて、想定以上のパフォーマンスを発揮してくれた」
飯島:ホイールに関しても、不安に感じるようなことは一切なかったですね。体重がある私が無理やりなダンシングをしてみても、しっかりと受け止めてくれます。これまでのタイヤシステムとは異なり、カーボン素材でありながらリム自体に直接内圧を掛けることになるので、不安に感じる人もいるでしょう。ただ、一つ言えるのは実走時においてそういった不安要素は少しも感じることはありませんでした。錦織:強度や外周部の剛性に関するネガティブな側面は一切無いですね。ロードUSTに関してはリム自体の上限空気圧がチューブレスなら6気圧まで、クリンチャーなら7気圧までの設定ですが、タイヤメーカーによっては下限空気圧がこのホイールの上限空気圧に満たない物があります。ですので、使えないタイヤが出てくるのが1番の心配だったのですが、それもこのYKSION PRO USTを試せば変える必要がないことに気が付くでしょう。この性能や扱いやすさを体験してしまうと、他のタイヤを使う理由はちょっと思いつきません。
飯島:COSMIC PRO CARBON SL USTとCOMETE PRO CARBON SL USTの違いは、単純に走るシチュエーションによる使い分けでしょう。個人的にはCOMETEの方が好みですね。平坦を走ることが多い人、好きな人には最高のホイールでしょう。
高速域からアタック、そこから巡航に持ち込み、更にもう一段階加速する。そんな、逃げ集団を形成するような動きがイメージできますね。まるで多段式ロケットのような加速感がスーパーディープリムであるCOMETE PRO CARBON SL USTの良いところだと思います。
一方で、ある程度登坂も視野にいれたオールラウンドな使い方をするならば、COSMIC PRO CARBON SL USTに分があると思いますね。COMETEではヒルクライムはやはり少し重さを感じてしまう。あらゆる局面で活躍する万能性や扱いやすさといった面ではCOSMICを選ぶと間違いない。トライアスロンや平地のクリテリウムで逃げたい、というように明確にエアロへと特化させるならCOMETEというように、使用用途に応じて切り替えていくのがベストでしょう。
錦織:実を言いますと、このテストをする前はCOMETE PRO CARBON SL USTを購入する気でいたんです。どうせディープリムを買うのであれば、中途半端に登坂性能も求めるよりかは、エアロダイナミクスとルックスの派手さを優先しようと考えていました。それが、今回2本を試してみたらCOSMIC PRO CARBON SL USTがイメージしていたよりも断然軽快に登ってしまって……。ちょっともう一回悩みます(笑)
以前からCOSMIC CARBONは愛用しているのですが、空気圧を高めに入れた硬いクリンチャータイヤだと路面へ推進力が伝わっていない感覚がありました。チューブレスタイヤのトラクション性能はその部分をしっかりと補ってくれて、ヒルクライムでトルクを掛けるのが下手な人でも前へと進ませてくれます。
もちろん、重量面で見ればもっと軽いホイールはいくらでもあります。ですが、皆が軽いホイールの良さをしっかりと引き出して使えるようなきれいなペダリングが出来ているのかといえば、そうではない。軽量ホイールは、元気なうちは振りも軽くどんどん加速することができますが、いったん脚が終わってしまうと助けてくれないですよね。でも、COSMIC PRO CARBON SL USTはそういった状況でも前へと押し出してくれるような優しさを秘めています。
飯島:カーボンリムということで、制動面で不安を感じる人もいらっしゃるでしょうが、その心配は無用です。もともと制動力に定評のあるマヴィックらしい安定感で、カーボンリムにありがちな急な制動力の立ち上がりもなく、ブレーキを握りこむ力に対して一定の感覚で減速していく。アルミリムとほぼ感覚としては変わらないので、初めてのカーボンホイールとしてもぴったりでしょう。
錦織:精度が低いカーボンリムだと波打つような感覚がありますが、そんなことも一切ありません。しっかりと平行が出たリムは成型技術の精度の高さを窺わせます。突然ロックするようなこともなく、人間の感覚にフィットした自然な感覚で、とても扱いやすいですね。
飯島:このトータルバランスならレースに持っていって、そのまま使っても全く問題ないでしょう。今回、バイクを倒し込んで限界まで攻めるようなコーナーは無かったですが、そういった状況でも安心して倒しこんでいけるグリップも感じましたね。
雨などで路面が滑りやすくなっていても、この食いつき具合は変わらないと思います。いえ、むしろライバルたちに対してアドバンテージになるはずです。もしもレース会場でタイヤを嵌めなければいけなくなっても、コンプレッサー無しでビードが上がりますし、メカニック的な側面でも安心できます。
錦織:このロードUSTがスタンダードになれば、クリンチャータイヤはレースユースとしての役目を終えざるを得ないと思います。突拍子もない意見に聞こえるかもしれませんが、MTBでチューブレスタイヤが発表された当時、「これがスタンダードになる」と主張していた人は僅かでした。しかし、現在MTBタイヤの中にチューブを入れるなんて行為は出先でのパンク修理くらいです。それほどまでチューブレスにはメリットがあったということです。
もちろん、MTBとはタイヤの太さも違えば走るシチュエーションも異なりますから、MTBで主流になったからと言ってこのロードUSTが必ず普及するとは言い切れません。ですが、ロード用チューブレスタイヤが確実に技術を蓄積し、より進化していることは確かです。ロードUSTによってロードチューブレスという基礎技術づくりは完了し、新たなステージへと進んだことは間違いありません。
インプレッションライダープロフィール
錦織大祐(フォーチュンバイク)
幼少のころより自転車屋を志し、都内の大型プロショップで店長として経験を積んだ後、2010年に東京錦糸町にフォーチュンバイクをオープンさせた新進気鋭の若手店主。世界各国の自転車メーカーと繋がりを持ち、実際に海外の製造現場で得た見聞をユーザーに伝えることを信条としている。シマノ鈴鹿ロードへ20年以上に渡り連続出場する一方、普段はロングライドやスローペースでのサイクリングを楽しむ。
飯島悠(バイシクルセオ新松戸)
高校大学と自転車競技部に所属し、国体に通算4回出場した経歴を持つ競技派。国体ではロードと短距離トラック種目に出場しており、豊かな体格を活かしたスプリントを得意とする。過去にはメッセンジャーやスポーツジムでのパーソナルトレーナーなどの経験も持ち、自転車に対する多方面からの知見をユーザーに還元している。現在ではメカニックや接客の他に、クラブチームでの走り方やトレーニング指導も行う。
COSMIC&COMETE UST スペック
マヴィック COSMIC PRO CARBON SL UST
タイヤタイプ | ロードチューブレス |
リム | 3Kカーボンファイバー |
リムサイズ | 高さ40mm、外幅25mm、内幅19mm |
スポーク | ステンレススチール |
重量 | 1,490g(前後ペア) |
付属タイヤ | マヴィック YKSION PRO UST |
タイヤサイズ | 700x25C |
税別価格 | フロント135,000円、リア145,000円、ペア280,000円(税抜) |
マヴィック COMETE PRO CARBON SL UST
タイヤタイプ | ロードチューブレス |
リム | 3Kカーボンファイバー |
リムサイズ | 高さ64mm、外幅26mm、内幅19mm |
スポーク | ステンレススチール |
重量 | 1,635g(前後ペア) |
付属タイヤ | マヴィック YKSION PRO UST |
タイヤサイズ | 700x25C |
税別価格 | フロント135,000円、リア145,000円、ペア280,000円(税抜) |
提供:アメアスポーツジャパン 製作:シクロワイアード