2018/03/05(月) - 13:07
大海原を望むシーサイドライン、内陸の丘陵地帯。風光明媚な自然が広がる千葉県の房総半島はサイクリングに適した環境が広がっている。モデルでサイクリストの日向涼子とスポーツジャーナリストのハシケンの“坂バカ夫婦”が、B.B.BASEに乗って南房総へ。約70kmのロングライドへと出かけた。
JR両国駅から千葉県に入り、JR館山駅経由でB.B.BASEに揺られること3時間15分。南房総のJR和田浦駅に到着。バイクラックから愛車を降ろしてホームに出れば、春の到来を告げる菜の花が迎えてくれた。「さすが南房総、春の陽気が走りたい気持ちにさせてくれる。房総半島のシーサイドラインは、起伏が少なく気楽に走れるところが好き。坂道は好きだけど、昔からフラットな道をどこまでも走っているのも好き」と、坂バカキャラとは思えないコメントを発する日向さん。そんな彼女とともに和田浦駅から走り出した。
B.B.BASEの公式ホームページでは、房総を満喫できるサイクリングコースを、内房、外房、佐原、銚子の4エリア別に紹介。さらに、1コースごと3つのルートを展開。体力レベルに応じて、走りたいコースを選べるようになっている。例えば、和田浦駅を出発して、ゴールの館山駅を目指す内房コースには、ロング(約63km)・ミドル(約44km)・ショート(約29km)の3つのモデルルートを用意。どれもB.B.BASEの発着時刻に合わせて、無理のないプランが組まれている。
今回、僕らが選んだのはロングコース。海岸線沿いの和田浦から出発し、しばらく内陸を走り、再び南房総のシーサイドラインを館山までグルっと時計回りに回るルートだ。ランチには、道の駅「ちくら潮風王国」で大人気の特大海鮮丼「王様丼」を事前に予約しておき準備は万端!?
このロングコースに、僕は、坂バカ夫婦としてスパイスを効かせた。彼女には秘密で……。これが後々、ちょっとしたハプニングを引き起こすことになる。
アレンジしたルートは、房総内陸の丘陵地帯をさらに奥深くへと進み、ルートラボ上では道がわずかに繋がっている林道を通る全長約70km。距離的は少し頑張れば、館山発の帰りのB.B.BASEには十分に間に合う感じだ。
さて、11時過ぎに和田浦駅を出発した僕らは、道の駅「和田浦WA・O!」へ立ち寄り、名物のクジラ肉まんで腹ごしらえ。左手前から潮風を感じながら、見通しのよい房総フラワーラインを南下。「フラワーラインもいいけど、より海沿いを走れる和田白浜館山自転車道がおすすめ」と、さすが南房総エリアに詳しい日向さん。
実は、この地で10月末に開催される「ステーションライドin南房総」(ロングライドイベント)に僕ら二人は2年連続でゲスト参加しているため、このエリアにそこそこ詳しい。そもそも、B.B.BASEのルーツは、ステーションライドにある。ここでイベント参加者のために試験的に走らせたサイクルトレインが人気を呼んでB.B.BASEの実現に至っているのだ。二人にとってもどこか感慨深い。
海岸線に一旦別れを告げて、外房黒潮ラインで内陸へと入っていく。緩やかな上り基調なので、気持ちよく汗をかきながらサイクリングを楽しめる。僕は先頭で風よけになる。後ろを振り向けばすぐ後ろに張りついている日向さん。まだまだ余裕シャクシャクだ。その後、安房グリーンラインへと入ると、さらにダイナミックなアップダウンが断続的に現れる。
「海岸線とは雰囲気が違って、坂があると走りごたえもあって楽しい!」と、坂バカの本領を発揮。房総半島の内陸は、起伏があると言っても急な坂はほとんどなく、せいぜい標高150mほどだ。それでも、上りのピークからあたりを見渡せば、木々が生い茂る森に包まれた南国的な雰囲気が広がっている。海の房総とはイメージが異なり、これまた魅力的だ。
ここまで1時間半ほど走って、ランチを予定している道の駅「ちくら潮風王国」まであとわずか……。ところが、房総の内陸に張り巡らされている林道を少し甘くみていたようだ。千倉へ抜けるため、安房グリーンラインから逸れて林道へ入った途端に、道は細くなり、路面は所々ガレだした。GPSの電波も届かなくなり……。グラベルを楽しむ感覚でなければちょっとツライ。「怖いんだけど。本当に道は繋がっているの?」と不安顔の彼女に、申し訳ない気持ちになりながらも、このアドベンチャー的な世界観を楽しんでいた。
とはいえ、ちょっとコースにスパイスを加えすぎてしまっただろうか。細いトンネルを抜けて無事に下界に戻れた時には、ほっと胸をなでおろしたのだった。まずは、公式ルートにチャレンジすることをオススメしたい。
そんなハプニングを挟みつつ、予定よりもやや遅れたランチタイム。例の事前予約していた海鮮丼「王様丼」だ。道の駅「ちくら潮風王国」の中にある「旬膳 はな房」でいただくことができる。2名様ボリュームで5500円だ。「輪島塗の特製器に、てんこ盛りの海の幸。インスタ映えもするし、魅力的なランチはロングライドに必須」と、さっきまでの悪路にご機嫌斜めだった日向さんも満足げだ。よかった、よかった!
ランチ後は、館山駅発B.B.BASEの帰りの発車時刻から逆算して、プランを練り直した。輪行をする時間を考慮しなくて良いのはラクだけど、楽しみすぎて電車を乗り遅れては洒落にならない!乗り遅れた時のために、輪行袋は持参しよう。実際にすでに乗り遅れた人がいるらしい……。
房総半島最南端の野島埼灯台に立ち寄って、房総フラワーラインをひた走っていると、陽も傾き出した。結局、途中で館山市街へと抜けるショートカットルートに変更して時間を帳尻合わせ。南房総ルートは、アレンジの幅が意外に広くて、時間と距離を調整してリカバリーができるのは有難い。JR館山駅の近くにある渚の駅「たてやま」には、16時ごろには到着。帰りの電車が発車するまでの約1時間、対象エリアの指定店舗での買い物に使えるフリーチケットを利用して、お土産購入タイムだ。
ちなみに、「びゅう旅行商品」のプランの中に、500円分のフリーチケットが2枚と、館山駅前の銘菓店で房総銘菓の詰め合わせと交換できるバウチャー券も含まれている。なんともお得感がある!
両国駅までの帰りのB.B.BASEは館山駅を17時10分に出発。愛車はサイクルラックにセットし、1日の終わりまで愛車と一緒に過ごす。この日は、B.B.BASEを楽しみ、南房総のハイライトを中心に走って、海鮮丼や地産の物に舌打ち、買い物までした充実の1日。「かなり凝縮した1日だった。アドベンチャーなコースもあったけど、よい思い出になったかな」と、両国駅へ向かって走る帰りのB.B.BASEの中で思い出を振り返った二人だった。
両国駅到着は19時30分すぎ。「心地よい疲れを感じながら、仲間と夕飯を食べたり、乾杯したり。これもサイクリスト専用列車ならではの魅力だと思う。両国駅から自走で帰るならノンアルコールですね!」。気がつけば、二人とも愛車を背にして夢の世界へ……。
切符のみの販売はなく、全席指定席でJR東日本の旅行商品として購入するB.B.BASE。インターネット販売および、電話での申し込み、びゅうプラザで購入可能だ。そして、千葉県内を4つのエリアに分けて、さまざまな特典が付いた日帰りプランと宿泊プランを用意。各エリアの道の駅や食事処などのスポットは、「B.B.BASEエイドステーション」としてサイクリストを歓迎する。サイクルラックや、工具やフロアポンプなどを設置するほか、B.B.BASE特典でアイスクリームはじめ指定商品の割引サービスも展開する。
今回の「B.B.BASEで行く!BOSO Ride 日帰りプラン 内房コース」の料金は8500円(往路が和田浦駅下車の場合8800円)だ。「高価な印象を受けるけど、週末に特急列車や高速道路を使って、遠方へロングライドに出かけてかかるコストを考えれば、妥当な金額だと思います。むしろ、最新鋭のサイクルトレインを楽しめて、クーポンなど様々な特典が付くことを考慮すれば、お得感があります。B.B.BASEは移動手段としての価値を超えた魅力がありますし、気軽に房総へサイクリストを運んでくれる夢の自転車移動基地ですね」と、B.B.BASEに初乗車し、房総を満喫した二人だった。
県内でも温暖な気候に恵まれたエリアで、春の訪れをいち早く感じられる。海だけでなく内陸の丘陵エリアなどバリエーションも豊富。
勝浦を起点に、房総内陸と海岸沿いをバランス良く楽しめる。ご当地グルメや温泉も魅力。現地滞在時間が長く、しっかり走るも、観光をするもよし。
水源の町として知られる江戸情緒溢れる古い街並みを楽しめる。伊能忠敬ゆかりの地にふれながらサイクリングを楽しめる。茨城エリアへのアクセスも良い。
本州最南端の犬吠埼灯台や、銚子のドーバーラインと呼ばれる屏風ケ浦、九十九里ビーチラインなど、銚子エリアの魅力に触れることができる。
菜の花の咲く和田浦に到着 海も山も楽しめる初春の南房総ライドへ出発!
JR両国駅から千葉県に入り、JR館山駅経由でB.B.BASEに揺られること3時間15分。南房総のJR和田浦駅に到着。バイクラックから愛車を降ろしてホームに出れば、春の到来を告げる菜の花が迎えてくれた。「さすが南房総、春の陽気が走りたい気持ちにさせてくれる。房総半島のシーサイドラインは、起伏が少なく気楽に走れるところが好き。坂道は好きだけど、昔からフラットな道をどこまでも走っているのも好き」と、坂バカキャラとは思えないコメントを発する日向さん。そんな彼女とともに和田浦駅から走り出した。
B.B.BASEの公式ホームページでは、房総を満喫できるサイクリングコースを、内房、外房、佐原、銚子の4エリア別に紹介。さらに、1コースごと3つのルートを展開。体力レベルに応じて、走りたいコースを選べるようになっている。例えば、和田浦駅を出発して、ゴールの館山駅を目指す内房コースには、ロング(約63km)・ミドル(約44km)・ショート(約29km)の3つのモデルルートを用意。どれもB.B.BASEの発着時刻に合わせて、無理のないプランが組まれている。
今回、僕らが選んだのはロングコース。海岸線沿いの和田浦から出発し、しばらく内陸を走り、再び南房総のシーサイドラインを館山までグルっと時計回りに回るルートだ。ランチには、道の駅「ちくら潮風王国」で大人気の特大海鮮丼「王様丼」を事前に予約しておき準備は万端!?
このロングコースに、僕は、坂バカ夫婦としてスパイスを効かせた。彼女には秘密で……。これが後々、ちょっとしたハプニングを引き起こすことになる。
アレンジしたルートは、房総内陸の丘陵地帯をさらに奥深くへと進み、ルートラボ上では道がわずかに繋がっている林道を通る全長約70km。距離的は少し頑張れば、館山発の帰りのB.B.BASEには十分に間に合う感じだ。
さて、11時過ぎに和田浦駅を出発した僕らは、道の駅「和田浦WA・O!」へ立ち寄り、名物のクジラ肉まんで腹ごしらえ。左手前から潮風を感じながら、見通しのよい房総フラワーラインを南下。「フラワーラインもいいけど、より海沿いを走れる和田白浜館山自転車道がおすすめ」と、さすが南房総エリアに詳しい日向さん。
実は、この地で10月末に開催される「ステーションライドin南房総」(ロングライドイベント)に僕ら二人は2年連続でゲスト参加しているため、このエリアにそこそこ詳しい。そもそも、B.B.BASEのルーツは、ステーションライドにある。ここでイベント参加者のために試験的に走らせたサイクルトレインが人気を呼んでB.B.BASEの実現に至っているのだ。二人にとってもどこか感慨深い。
海岸線に一旦別れを告げて、外房黒潮ラインで内陸へと入っていく。緩やかな上り基調なので、気持ちよく汗をかきながらサイクリングを楽しめる。僕は先頭で風よけになる。後ろを振り向けばすぐ後ろに張りついている日向さん。まだまだ余裕シャクシャクだ。その後、安房グリーンラインへと入ると、さらにダイナミックなアップダウンが断続的に現れる。
「海岸線とは雰囲気が違って、坂があると走りごたえもあって楽しい!」と、坂バカの本領を発揮。房総半島の内陸は、起伏があると言っても急な坂はほとんどなく、せいぜい標高150mほどだ。それでも、上りのピークからあたりを見渡せば、木々が生い茂る森に包まれた南国的な雰囲気が広がっている。海の房総とはイメージが異なり、これまた魅力的だ。
隧道、海鮮、灯台にこれでもかのお土産攻勢 房総を遊びつくしても心配ご無用
ここまで1時間半ほど走って、ランチを予定している道の駅「ちくら潮風王国」まであとわずか……。ところが、房総の内陸に張り巡らされている林道を少し甘くみていたようだ。千倉へ抜けるため、安房グリーンラインから逸れて林道へ入った途端に、道は細くなり、路面は所々ガレだした。GPSの電波も届かなくなり……。グラベルを楽しむ感覚でなければちょっとツライ。「怖いんだけど。本当に道は繋がっているの?」と不安顔の彼女に、申し訳ない気持ちになりながらも、このアドベンチャー的な世界観を楽しんでいた。
とはいえ、ちょっとコースにスパイスを加えすぎてしまっただろうか。細いトンネルを抜けて無事に下界に戻れた時には、ほっと胸をなでおろしたのだった。まずは、公式ルートにチャレンジすることをオススメしたい。
そんなハプニングを挟みつつ、予定よりもやや遅れたランチタイム。例の事前予約していた海鮮丼「王様丼」だ。道の駅「ちくら潮風王国」の中にある「旬膳 はな房」でいただくことができる。2名様ボリュームで5500円だ。「輪島塗の特製器に、てんこ盛りの海の幸。インスタ映えもするし、魅力的なランチはロングライドに必須」と、さっきまでの悪路にご機嫌斜めだった日向さんも満足げだ。よかった、よかった!
ランチ後は、館山駅発B.B.BASEの帰りの発車時刻から逆算して、プランを練り直した。輪行をする時間を考慮しなくて良いのはラクだけど、楽しみすぎて電車を乗り遅れては洒落にならない!乗り遅れた時のために、輪行袋は持参しよう。実際にすでに乗り遅れた人がいるらしい……。
房総半島最南端の野島埼灯台に立ち寄って、房総フラワーラインをひた走っていると、陽も傾き出した。結局、途中で館山市街へと抜けるショートカットルートに変更して時間を帳尻合わせ。南房総ルートは、アレンジの幅が意外に広くて、時間と距離を調整してリカバリーができるのは有難い。JR館山駅の近くにある渚の駅「たてやま」には、16時ごろには到着。帰りの電車が発車するまでの約1時間、対象エリアの指定店舗での買い物に使えるフリーチケットを利用して、お土産購入タイムだ。
ちなみに、「びゅう旅行商品」のプランの中に、500円分のフリーチケットが2枚と、館山駅前の銘菓店で房総銘菓の詰め合わせと交換できるバウチャー券も含まれている。なんともお得感がある!
両国駅までの帰りのB.B.BASEは館山駅を17時10分に出発。愛車はサイクルラックにセットし、1日の終わりまで愛車と一緒に過ごす。この日は、B.B.BASEを楽しみ、南房総のハイライトを中心に走って、海鮮丼や地産の物に舌打ち、買い物までした充実の1日。「かなり凝縮した1日だった。アドベンチャーなコースもあったけど、よい思い出になったかな」と、両国駅へ向かって走る帰りのB.B.BASEの中で思い出を振り返った二人だった。
両国駅到着は19時30分すぎ。「心地よい疲れを感じながら、仲間と夕飯を食べたり、乾杯したり。これもサイクリスト専用列車ならではの魅力だと思う。両国駅から自走で帰るならノンアルコールですね!」。気がつけば、二人とも愛車を背にして夢の世界へ……。
4つの行先で千葉を余すところなく楽しむB.B.BASE
切符のみの販売はなく、全席指定席でJR東日本の旅行商品として購入するB.B.BASE。インターネット販売および、電話での申し込み、びゅうプラザで購入可能だ。そして、千葉県内を4つのエリアに分けて、さまざまな特典が付いた日帰りプランと宿泊プランを用意。各エリアの道の駅や食事処などのスポットは、「B.B.BASEエイドステーション」としてサイクリストを歓迎する。サイクルラックや、工具やフロアポンプなどを設置するほか、B.B.BASE特典でアイスクリームはじめ指定商品の割引サービスも展開する。
今回の「B.B.BASEで行く!BOSO Ride 日帰りプラン 内房コース」の料金は8500円(往路が和田浦駅下車の場合8800円)だ。「高価な印象を受けるけど、週末に特急列車や高速道路を使って、遠方へロングライドに出かけてかかるコストを考えれば、妥当な金額だと思います。むしろ、最新鋭のサイクルトレインを楽しめて、クーポンなど様々な特典が付くことを考慮すれば、お得感があります。B.B.BASEは移動手段としての価値を超えた魅力がありますし、気軽に房総へサイクリストを運んでくれる夢の自転車移動基地ですね」と、B.B.BASEに初乗車し、房総を満喫した二人だった。
千葉のロングライドを楽しめるモデルコース
内房コース 両国~館山or和田浦
県内でも温暖な気候に恵まれたエリアで、春の訪れをいち早く感じられる。海だけでなく内陸の丘陵エリアなどバリエーションも豊富。
外房コース 両国~勝浦
勝浦を起点に、房総内陸と海岸沿いをバランス良く楽しめる。ご当地グルメや温泉も魅力。現地滞在時間が長く、しっかり走るも、観光をするもよし。
佐原コース 両国~佐原
水源の町として知られる江戸情緒溢れる古い街並みを楽しめる。伊能忠敬ゆかりの地にふれながらサイクリングを楽しめる。茨城エリアへのアクセスも良い。
銚子コース 両国~松尾or干潟or銚子
本州最南端の犬吠埼灯台や、銚子のドーバーラインと呼ばれる屏風ケ浦、九十九里ビーチラインなど、銚子エリアの魅力に触れることができる。
提供:JR東日本 text:Kenji.Hashimoto photo:Naoki.Yasuoka