2017/01/25(水) - 18:38
DOGMA F10のスペシャルコンテンツ最終回となる本章では、テストライドに参加したチームスカイのジャンニ・モスコン(イタリア)と、ピナレロ社代表であるファウスト氏へのインタビューを紹介する。初めてF10を試したと言うモスコンは「F8はもちろん素晴らしいバイクだったけれど、F10の方がずっと好き」と自信を持って言い切った。
そしてロードバイクとして何より重要なフロントフォークの剛性が増したことも良かった。ダウンヒルで思いっきりブレーキングしてもたわまなかったので、下りで攻めなくてはいけない時により信頼できると思う。ハンドリングは僅かにクイックになったけれど、ブレーキ時の安定感が増しているのですごく良いね。バイクに頼れるかどうかは選手としてとても大切だ。
振動吸収性能も決して悪くないし、レーシングバイクとしては十分だと思う。反応性と乗り心地の妥協点をどこに置くかという問題になってくる部分だが、チームの仲間から不満が上がることも無いはずさ。実際の数字以上に走りの軽さが際立っているので、F8以上に様々なシーンでメリットが生まれると思う。グランツアーやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュなど、体力を絞り尽くすようなレースではより効果的だ。
平坦ステージではエアロモデルを、登りステージでは軽量モデルをと乗り換えて使っているチームもあるが、バイク毎に乗り味が異なるので、僕は正直言えばそれは嫌。チームスカイの場合、石畳クラシックを除けば全てDOGMA1台でこなせるのでありがたいよ。それにスプリントステージだとしても、ゴール前には大抵峠や丘があるので、そこで重たいエアロモデルを使うチームと比べてずっと楽ができる。使用車種が少ないことはメカニックの負担が減ることもあるし、良いと思う。
F8はもちろん素晴らしいバイクだったけれど、F10の方がずっと好き。いち自転車乗りとして、F8を更に進化させてきたことに驚いているよ。来シーズンはクラシックレースで活躍したい。まだ僕は若く必ず勝つ!と言える段階には無いけれど、目立った走りができればと思っている。その後はブエルタ・ア・エスパーニャに出る予定だけれど、今からF10に乗ってレースを走ることが楽しみだ。今日1日バイクを試して本当にそう思ったよ。
F8は今までのDOGMAから全てを進化させたものでしたので、「議論は終わりだ」というキャッチコピーを付けました。F10はツール・ド・フランスでの勝利が約束されたようなバイクですし、今回は「#F10NaturalBornWinner(生まれながらの勝者)」とコピーを与えています。F10をそのまま表現した良い言葉だと思っています。
F10の開発は難しいチャレンジだったとプレゼンテーションで語られました
ええ、いつだってフラッグシップモデルの開発は苦労を伴います。けれど、常に歩みを止めないことが私たちピナレロのDNA。一般ユーザーの購買欲を刺激することだけが目的ではなく、我々の進歩のため、そして選手たちがより良い成績を出すために開発を止めることはありません。
我々には優れた開発チームがあり、優れたカーボンを提供してくれる東レとも関係が深い。そして製品をテストしてくれるチームスカイもいる。これ以上無い素晴らしい環境だと自負していますし、そこから生まれる製品に自信を持っています。
私自身、F10の走りには驚き、そして満足しています。DOGMAとしての方向性や味付け、ジオメトリーは一切変更していないので、以前からピナレロに乗ってくれている方でも全く不安は要りません。これはピナレロにとって、最も大切にしているポイントなのです。
プレゼンテーションの2週間前にF10に乗ったというフルームの感想は?
「すごく反応性が良くなった」と、非常にポジティブな感想を聞きました。カーボン積層のコントロールに加えてフレームの左右非対称設計を推し進めたことも一因にあると思いますが、今日共に走ったジャンニ・モスコンやヴィヴィアーニは特にリアの剛性に好印象を持っていたようです。
F8のデビューから2年半という短いスパンでF10が登場したわけですが
私たちは北米ブランドに比べて小規模ですが、その分、企画から開発、製品化までの流れが早いという長所があります。DOGMAはもちろんKシリーズの登場や、TTバイクに関して言えばここ6年間で4モデルをデビューさせました。大規模ブランドの場合リリースまで時間が掛かりがちですが、ピナレロはこの部分に関して有利だと言えます。
そして、チームスカイに更なるマイヨジョーヌ獲得を始めとした成功を期待する以上、3シーズンも4シーズンも同じバイクに乗せ続けることは、前述した我々のDNAが許しません。新型に乗れると聞いてモチベーションが上がるのは、クリス・フルームだってエリア・ヴィヴィアーニだって、誰だって一緒です。
私たちはパリ〜ルーベ用のサスペンション付きK8-Sや、山岳用のX-lightなど、常に新しいモデルをチームと共に作り上げ実戦投入してきました。ずっと同じモデルに乗せ続けている他ブランドもありますが、私から言わせればナンセンスですよ。彼らが喜んでくれれば我々も嬉しいですし、そのために開発を止めることはありません。
F8から数字を一つ飛ばしてF10となりましたが、その理由を教えて下さい
これには2つの理由があって、第1にはX-lightが言わばF9であったこと。そして第2が、私が偶数が好きだからです(笑)。F8の「8」が私のラッキーナンバーとは以前お伝えしましたが、その理由は私の誕生日が1962年8月28日と8がたくさんあるから。それに8を横に向けると「∞(無限)」にも読め、ピナレロの終わりなき探究心・製品開発・イノベーションとも共通していて気に入っているんです。
当然K10、K10-Sの発表にも期待が掛かります
K8は2016年に発表したばかりですから、後継となるK10の本格的な開発はこれから着手することになります。来年を目処にリリースできるようスケジューリングしています。今年のパリ〜ルーベにはK8もしくはK8-Sを投入することになるでしょう。
日本のピナレロファンにメッセージをお願いします
そうですね、まずは普段からピナレロをサポートしてくれる日本のユーザーに感謝を。そして「皆さんをワクワクさせる新しいバイクができましたよ!」と声を大にしてお伝えしたいです(笑)。先ほど述べたこととも共通しますが、ニューモデルほどサイクリストを喜ばせるものはありません。それも性能はピカイチですし、ルックスだってよりシェイプされました。美しいでしょう?たくさんのテクノロジーをつぎ込んでいる分高価ですが、きっと満足してもらえるはずです。
ピナレロの正規取扱店の中で、以下の4店舗ではすでにDOGMA F10が販売されている。関東、関西、九州のピナレロファンは一度足を運んでみると良いだろう。用意店舗は今後順次増えていく予定だという。
ジャンニ・モスコン(イタリア):「物凄く速いバイクだ。様々なシーンで武器になる」
物凄く速いバイクで驚いた。特にリアセクションの反応性が上がっていて、ダッシュを掛けた時にF8よりもスピードが格段に上がっているような感触だったよ。そしてロードバイクとして何より重要なフロントフォークの剛性が増したことも良かった。ダウンヒルで思いっきりブレーキングしてもたわまなかったので、下りで攻めなくてはいけない時により信頼できると思う。ハンドリングは僅かにクイックになったけれど、ブレーキ時の安定感が増しているのですごく良いね。バイクに頼れるかどうかは選手としてとても大切だ。
振動吸収性能も決して悪くないし、レーシングバイクとしては十分だと思う。反応性と乗り心地の妥協点をどこに置くかという問題になってくる部分だが、チームの仲間から不満が上がることも無いはずさ。実際の数字以上に走りの軽さが際立っているので、F8以上に様々なシーンでメリットが生まれると思う。グランツアーやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュなど、体力を絞り尽くすようなレースではより効果的だ。
平坦ステージではエアロモデルを、登りステージでは軽量モデルをと乗り換えて使っているチームもあるが、バイク毎に乗り味が異なるので、僕は正直言えばそれは嫌。チームスカイの場合、石畳クラシックを除けば全てDOGMA1台でこなせるのでありがたいよ。それにスプリントステージだとしても、ゴール前には大抵峠や丘があるので、そこで重たいエアロモデルを使うチームと比べてずっと楽ができる。使用車種が少ないことはメカニックの負担が減ることもあるし、良いと思う。
F8はもちろん素晴らしいバイクだったけれど、F10の方がずっと好き。いち自転車乗りとして、F8を更に進化させてきたことに驚いているよ。来シーズンはクラシックレースで活躍したい。まだ僕は若く必ず勝つ!と言える段階には無いけれど、目立った走りができればと思っている。その後はブエルタ・ア・エスパーニャに出る予定だけれど、今からF10に乗ってレースを走ることが楽しみだ。今日1日バイクを試して本当にそう思ったよ。
ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)プロフィール
1994年生まれの22歳で、現在イタリアで最も注目されている若手選手の一人。2015年の世界選手権U23で3位に入ったことを足掛かりに、翌年チームスカイへと加入。
まだ育成段階にありながら、パリ〜ルーベなどビッグレースを経験し、8月のアークティック・レース・オブ・ノルウェー(UCI2.HC)では難関山岳ステージを制し、そのまま総合優勝に輝いた。「登りも好きだけれど、一番はクラシックレース」と言う期待のオールラウンダー。
まだ育成段階にありながら、パリ〜ルーベなどビッグレースを経験し、8月のアークティック・レース・オブ・ノルウェー(UCI2.HC)では難関山岳ステージを制し、そのまま総合優勝に輝いた。「登りも好きだけれど、一番はクラシックレース」と言う期待のオールラウンダー。
ファウスト・ピナレロ氏:「進化し続けることが我々のDNA。速い開発スピードが強み」
F8の登場時には#EndofDiscussionと語られましたが、F10を一言で表すと?F8は今までのDOGMAから全てを進化させたものでしたので、「議論は終わりだ」というキャッチコピーを付けました。F10はツール・ド・フランスでの勝利が約束されたようなバイクですし、今回は「#F10NaturalBornWinner(生まれながらの勝者)」とコピーを与えています。F10をそのまま表現した良い言葉だと思っています。
F10の開発は難しいチャレンジだったとプレゼンテーションで語られました
ええ、いつだってフラッグシップモデルの開発は苦労を伴います。けれど、常に歩みを止めないことが私たちピナレロのDNA。一般ユーザーの購買欲を刺激することだけが目的ではなく、我々の進歩のため、そして選手たちがより良い成績を出すために開発を止めることはありません。
我々には優れた開発チームがあり、優れたカーボンを提供してくれる東レとも関係が深い。そして製品をテストしてくれるチームスカイもいる。これ以上無い素晴らしい環境だと自負していますし、そこから生まれる製品に自信を持っています。
私自身、F10の走りには驚き、そして満足しています。DOGMAとしての方向性や味付け、ジオメトリーは一切変更していないので、以前からピナレロに乗ってくれている方でも全く不安は要りません。これはピナレロにとって、最も大切にしているポイントなのです。
プレゼンテーションの2週間前にF10に乗ったというフルームの感想は?
「すごく反応性が良くなった」と、非常にポジティブな感想を聞きました。カーボン積層のコントロールに加えてフレームの左右非対称設計を推し進めたことも一因にあると思いますが、今日共に走ったジャンニ・モスコンやヴィヴィアーニは特にリアの剛性に好印象を持っていたようです。
F8のデビューから2年半という短いスパンでF10が登場したわけですが
私たちは北米ブランドに比べて小規模ですが、その分、企画から開発、製品化までの流れが早いという長所があります。DOGMAはもちろんKシリーズの登場や、TTバイクに関して言えばここ6年間で4モデルをデビューさせました。大規模ブランドの場合リリースまで時間が掛かりがちですが、ピナレロはこの部分に関して有利だと言えます。
そして、チームスカイに更なるマイヨジョーヌ獲得を始めとした成功を期待する以上、3シーズンも4シーズンも同じバイクに乗せ続けることは、前述した我々のDNAが許しません。新型に乗れると聞いてモチベーションが上がるのは、クリス・フルームだってエリア・ヴィヴィアーニだって、誰だって一緒です。
私たちはパリ〜ルーベ用のサスペンション付きK8-Sや、山岳用のX-lightなど、常に新しいモデルをチームと共に作り上げ実戦投入してきました。ずっと同じモデルに乗せ続けている他ブランドもありますが、私から言わせればナンセンスですよ。彼らが喜んでくれれば我々も嬉しいですし、そのために開発を止めることはありません。
F8から数字を一つ飛ばしてF10となりましたが、その理由を教えて下さい
これには2つの理由があって、第1にはX-lightが言わばF9であったこと。そして第2が、私が偶数が好きだからです(笑)。F8の「8」が私のラッキーナンバーとは以前お伝えしましたが、その理由は私の誕生日が1962年8月28日と8がたくさんあるから。それに8を横に向けると「∞(無限)」にも読め、ピナレロの終わりなき探究心・製品開発・イノベーションとも共通していて気に入っているんです。
当然K10、K10-Sの発表にも期待が掛かります
K8は2016年に発表したばかりですから、後継となるK10の本格的な開発はこれから着手することになります。来年を目処にリリースできるようスケジューリングしています。今年のパリ〜ルーベにはK8もしくはK8-Sを投入することになるでしょう。
日本のピナレロファンにメッセージをお願いします
そうですね、まずは普段からピナレロをサポートしてくれる日本のユーザーに感謝を。そして「皆さんをワクワクさせる新しいバイクができましたよ!」と声を大にしてお伝えしたいです(笑)。先ほど述べたこととも共通しますが、ニューモデルほどサイクリストを喜ばせるものはありません。それも性能はピカイチですし、ルックスだってよりシェイプされました。美しいでしょう?たくさんのテクノロジーをつぎ込んでいる分高価ですが、きっと満足してもらえるはずです。
ピナレロの正規取扱店の中で、以下の4店舗ではすでにDOGMA F10が販売されている。関東、関西、九州のピナレロファンは一度足を運んでみると良いだろう。用意店舗は今後順次増えていく予定だという。
DOGMA F10 販売車設置店舗(2017年1月23日現在)
都道府県 | 店名 | 住所 | TEL |
北海道 | サイクルショップ ナカムラSAPPORO | 札幌市中央区南4条西1丁目1-2 第87松井ビル | 011-532-9588 |
大阪 | シルベストサイクル梅田店 | 大阪府大阪市北区梅田2-5-2 | 06-6344-3808 |
兵庫 | ヤマダサイクルセンター | 兵庫県神戸市中央区三宮町1-7-9 | 078-331-2712 |
福岡 | ワイズロード福岡天神店 | 福岡県福岡市中央区渡辺通4-9-25天神ロフト | 092-753-6910 |
提供:ピナレロ・ジャパン text:シクロワイアード編集部