2014/12/19(金) - 12:55
アクションカメラの中では独自の機能をいくつも搭載して登場した「Garmin VIRB-J(ヴァーブ)」。基本的な機能と魅力やファーストインプレッションをお伝えした前回に続き、今回は後編をお伝えする。Edgeシリーズとの連携など、多彩な機能を実際に使用しながら紹介する。
アクションカメラはいまや自転車マニアやスポーツ好きだけのものではなくなった。”ガジェッター”だけのものだったのは昔の話。まるでデジカメのごとく多くの人に使われるモノになり、家電量販店の店頭にも多くの商品が並ぶ。
撮るだけから、撮った素材をどう料理するか? という点がアクションカメラの使途ではとても大事になる。スマートフォンとの連携は他メーカー製品でも実現できるが、GPS付きサイクルコンピュータとの連携はガーミンだけが持つ強みだ。
さて、今回の応用編では様々な使い方ができるヴァーブをサイクリストの視点から実際に使ってレビューすることにした。カメラのスペックなど、表面からは分からない実際の使い勝手が購入後の満足度や楽しさに直結していくからだ。
屋外で使うアクションカメラとしては丈夫さ、つまり「堅牢製」は大事な要素だ。しかもヴァーブはハウジングが不要。そのままでIPX7の防水性能を持っているので、汚れたら適度な水で洗えるのは毎回便利この上なかった。軽くて小さいは良いのだが、水に濡れて壊れしまっては元も子もない。
ちなみにIPXとは防水性能を表す指標であり、最高は0〜8で表される。7は「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)」となっているので、普段濡れる程度の使用は全く問題がない。
「本体のみで機能する」というシンプルな使い勝手を優先した設計で、ガーミンらしいシンプルな詰め込み感がとても使いやすい。設定変更等をスマートフォンからすることもできるのだが、この液晶があれば何の問題も無いだろう。
ここでいったん話をEdgeシリーズに移そう。Edgeシリーズは他のメーカーのサイクルコンピュータと比較してメニュー操作などが大変わかりやすく設計されているのではないかと筆者は感じているのだが、お使い頂いている皆さんはどうだろうか?
おそらくマニュアルを読まずともある程度の操作は可能だろうと思う。この特徴はガーミンの製品に共通しており、もちろんヴァーブでも継承されている。
ヴァーブはシンプルな見た目の中に必要最低限のボタン数を備え、使い勝手も維持しているので、多様な機能をも容易に操作することができた。Edgeシリーズではタッチパネル方式になっているのだが、こちらはそうしなくて正解だろう。メーカー側が使い勝手をしっかりとチェックしているのだろうと思われる。
その象徴がスライダースイッチだ。ボタンを押すという動作は意外と分かりにくい。なぜなら、機器側の反応を確認する必要があるからだ。例えばテレビのリモコンではボタンを押し、チャンネルが変わりきってはじめて押したという動作を終えることが出来る。
また、録画中に赤いランプが点灯する機能があっても、それが見えない位置にあれば確認することはできないので、もう一度ボタンを押すべきかはすぐに判断することができない。
しかしスライダースイッチは違う。手が伸びる位置にあれば走りながらでもON/OFFを切り替えることが容易だし、サドルの下に装着する際にも操作することができる。一度これに慣れてしまうと、他を使う場合にストレスを感じるほどの便利さだ。
実際、筆者はとあるメーカーのアクションカメラを使用していた時には、録画中にもかかわらず録画スタートできていないと勘違いして停止させてしまったことがあるが、ヴァーブにしてからそれは起きていない。
MTBでも使用してみたが、途中で動いてしまうようなことはなく、振動によってマウント部からカメラが脱落してしまうことも全く無かったので、安心して撮影できるだろう。
後方撮影は後ろのライダーを正面から撮れて迫力があり、絵的にも面白いのでオススメだ。ハンドル周りがスッキリするし、カメラがライダーの視界に入らないので、装着を気にせず走れるのもメリットだろう。
お察しの通り頭部が重たくなるのは仕方がないところ。ライディング向きかというと微妙ではあるが、視線と同じ映像を撮影できるので、バリエーションの中にあっても良いのではないかと思う。見る方向を撮ることができるので、コース状況の撮影やライダー目線の映像を意識して撮影するにはもってこいだ。
だが、MTBで山に入る場合には藪に気をつけた方が良い。筆者は山中を走行中、危うく首を持って行かれそうになった。アクションカメラを通称”ヘルカム”と呼ぶように必携アクセサリである。
これは想像するよりも便利だった。実際に走行しているところを想像して欲しい。必ずしもすぐに操作できる場所にヴァーブを取り付けるとは限らない。例えば、クイックリリースマウントを使う場合にはスライダースイッチまで手を伸ばすことは出来ないし、複数のヴァーブをリモート接続している場合にも、この機能を使うことができる。
サイクリングでは余計なモノは身につけたくないので、サイクルコンピュータからリモート操作ができるというのはまさに理想型であると感じた。Edgeという資産を持つガーミンだけが実現できる素晴らしい機能だ。
将来的にはEdgeからヴァーブの設定変更や撮影画面のリモート表示も可能になるのだろうか。そうなったら、さらに素晴らしい。
編集する操作の過程はAppleのiMovieに似ており、直感的で使いやすい。筆者も特にマニュアルを必要とすることなく、最初の一本の編集動画を書き出すことができた。
映像を撮影した後の編集は欠かせない作業であり、編集の出来次第で映像を観る側の楽しさは全く違うものになってくる。ヴァーブであれば、アプリケーションの操作を何時間もかけて習得する必要は無い。撮影から動画の完成までオールインワンでパッケージされているヴァーブならではの強みだ。
まず、取得した情報の表示パターンが大変に豊富なことに驚く。VIRB Editでの編集作業は容易なので、マニュアルを読まずとも操作をすることができた。データを表示する際の表現方法は大変種類が多くて楽しいので、映像素材にどのデータをどのように表示しようかと想像するのが楽しくなる。
例えばレースやトレーニングの映像にパワーデータや心拍数を表示できるし、地図も表示されるのでどこを走っているかが一目瞭然。周回路での映像では何周目の映像なのかが分かりにくいだろうが、Edgeシリーズとの連携によってラップデータを取り込むことができるので、周回数をデータとして表示することができる。クリテリウムなどで使用すれば、現ラップ、ベストラップ、ラップ数などを比較して映像と共に表現できるのはヴァーブならではの機能のひとつだ。
なお、VIRB Editでの編集方法については、いいよねっと公式サイト内にソフトの詳しい使用方法についてのVIRB Edit操作方法スペシャルサイトが公開されているので、併せてご参照ください。
秋ヶ瀬の森バイクロア4に出場し、ライド中に撮影を行った動画を紹介しよう。
録画のスタートとストップも可能なので、簡易三脚などで置きカメラにしてリモート操作することもできる。
そこで今回はヴァーブならではの機能を活かして、”ストイックではないサイクリストのためのサイクルコンピュータ”としても提案したい。
自転車はストイックにレースなどを楽しむ世界もあれば、気楽に乗る世界もある。使い方は自由、それが自転車の良さだ。前者の方にはエッジシリーズが欠かせないデバイスだと思うが、私は後者の様なタイプにはヴァーブをサイコンとして活用する方が楽しいのではないかと提案したい。
例えば、都市部でサイクリングする場合や、土地勘のある場所をサイクリングする場合。これなら、いくつもの”数字”を画面に表示しておく必要などない。そんな場合には自転車にスマートフォンを搭載するのもよいが、GPS機能を使用した場合にはバッテリーがすぐに切れてしまうし、万が一落とした場合の被害は大きい。また、雨天時にはケアが必要になってしまう。
ヴァーブは別売りのANT+スピードセンサー・ケイデンスセンサーに対応しているのでそれを利用することもできる。しかし、ヴァーブ本体に搭載されているGPSセンサーによってスピードを測定することもできる。スピードや距離などシンプルな数値をダッシュボードに表示することができるので、シンプルなサイコンとしての機能も十分に果たすだろう。
自転車ではない場合を想像して欲しい。散歩に心拍系や速度計が必要だろうか?むしろ、散歩中に五感で感じたことを記憶し、それを思い起こすことが出来るデータを必要とはならないだろうか? 散歩しながら写真を撮るのはそれにあたるだろう。
「この曲がり角にはカフェがあったのか」とか、走っているときにはゆっくり見ることができない景色をもう一度楽しむことができる。まさに旅の記録だ。
ヴァーブのディスプレイには基本的なサイクルコンピュータのようにスピードや距離、時計などのデータを表示することも可能だから、サイクリングをするには十分な情報を表示させながら映像を記録することができる。
超ワイドな、約170度ほどと思われる画角を持つヴァーブは、眼で見る視界の範囲を越えて、全てを記録する。HDMI端子も付いているので、テレビとHDMIケーブルがあれば、撮ってすぐに再生することも可能だ。これならサイクリングを楽しくすること間違いなしだろう。
だがヴァーブは違う。2次元の地図データの隣に、映像をシンクロさせて再生することができる。
紙の地図を眺めるのが好きな筆者は、地図帳を指でなぞりながら「あ〜、ここ行ったことあるなぁ」とか「ここのうどんが美味しいんだよねぇ」なんて思い出を補完し合いながら楽しむのが好きだ。ヴァーブを搭載してのサイクリングは、記憶の中で再生していた風景を周囲の人と共有しつつみんなで楽しむことが出来るのだ。
アクションカメラはいまや自転車マニアやスポーツ好きだけのものではなくなった。”ガジェッター”だけのものだったのは昔の話。まるでデジカメのごとく多くの人に使われるモノになり、家電量販店の店頭にも多くの商品が並ぶ。
撮るだけから、撮った素材をどう料理するか? という点がアクションカメラの使途ではとても大事になる。スマートフォンとの連携は他メーカー製品でも実現できるが、GPS付きサイクルコンピュータとの連携はガーミンだけが持つ強みだ。
さて、今回の応用編では様々な使い方ができるヴァーブをサイクリストの視点から実際に使ってレビューすることにした。カメラのスペックなど、表面からは分からない実際の使い勝手が購入後の満足度や楽しさに直結していくからだ。
頑丈で防水性の高いボディが安心
屋外で使うアクションカメラとしては丈夫さ、つまり「堅牢製」は大事な要素だ。しかもヴァーブはハウジングが不要。そのままでIPX7の防水性能を持っているので、汚れたら適度な水で洗えるのは毎回便利この上なかった。軽くて小さいは良いのだが、水に濡れて壊れしまっては元も子もない。
ちなみにIPXとは防水性能を表す指標であり、最高は0〜8で表される。7は「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)」となっているので、普段濡れる程度の使用は全く問題がない。
液晶ディスプレイ付き。 目で見て確認できるのはやはり便利だ
ボディ上面にある液晶ディスプレイは小さく、カラー表現は鮮やかではないし、表示のタイムラグもある。しかしながら、これが有るか無いかでは使い勝手が大きく違う。他製品のようにリモート機器を通して撮影画面確認をする必要があったり、あるいはこれよりもさらに小さな画面だけで設定を行わないといけないということにはならない。「本体のみで機能する」というシンプルな使い勝手を優先した設計で、ガーミンらしいシンプルな詰め込み感がとても使いやすい。設定変更等をスマートフォンからすることもできるのだが、この液晶があれば何の問題も無いだろう。
確実な操作感のスライダースイッチ
小型の電子機器のボタン類は数を少なくスマートにデザインされることが多い。なぜなら、見た目からシンプルさやミニマルさを表現できるし、コストも削減できるからだ。しかしその反面で操作が複雑になるケースが多くなる。ボタンを長押ししたり複数ボタンを同時押しするなどの操作を小さな電子機器で何度も行うのは面倒に感じる。ここでいったん話をEdgeシリーズに移そう。Edgeシリーズは他のメーカーのサイクルコンピュータと比較してメニュー操作などが大変わかりやすく設計されているのではないかと筆者は感じているのだが、お使い頂いている皆さんはどうだろうか?
おそらくマニュアルを読まずともある程度の操作は可能だろうと思う。この特徴はガーミンの製品に共通しており、もちろんヴァーブでも継承されている。
ヴァーブはシンプルな見た目の中に必要最低限のボタン数を備え、使い勝手も維持しているので、多様な機能をも容易に操作することができた。Edgeシリーズではタッチパネル方式になっているのだが、こちらはそうしなくて正解だろう。メーカー側が使い勝手をしっかりとチェックしているのだろうと思われる。
その象徴がスライダースイッチだ。ボタンを押すという動作は意外と分かりにくい。なぜなら、機器側の反応を確認する必要があるからだ。例えばテレビのリモコンではボタンを押し、チャンネルが変わりきってはじめて押したという動作を終えることが出来る。
また、録画中に赤いランプが点灯する機能があっても、それが見えない位置にあれば確認することはできないので、もう一度ボタンを押すべきかはすぐに判断することができない。
しかしスライダースイッチは違う。手が伸びる位置にあれば走りながらでもON/OFFを切り替えることが容易だし、サドルの下に装着する際にも操作することができる。一度これに慣れてしまうと、他を使う場合にストレスを感じるほどの便利さだ。
実際、筆者はとあるメーカーのアクションカメラを使用していた時には、録画中にもかかわらず録画スタートできていないと勘違いして停止させてしまったことがあるが、ヴァーブにしてからそれは起きていない。
豊富なマウント用パーツ
アクションカメラを買う際に大きなポイントとして、マウント用パーツの豊富さは譲ることが出来ない。これらはカメラを選ぶ際に大きな要素となるし、その使い勝手のポイントでもあるだからだ。また、自転車以外の様々なスポーツにも対応していれば、ヴァーブを楽しむチャンスは大きく拡大する。ラージチューブマウント 3600円(税抜)
ハンドルバーに固定する場合にはこれが必要になる。対応するバーの直径は19〜38mm。ハンドルバーに取り付けるマウントの中では大型の部類なのだが、実際に使ってみるとその安定した固定状態に驚いた。カメラ側の手ぶれ防止機能と合わせて、オンロードであればほぼブレの無い映像が撮れた。MTBでも使用してみたが、途中で動いてしまうようなことはなく、振動によってマウント部からカメラが脱落してしまうことも全く無かったので、安心して撮影できるだろう。
サドルレールマウント 4000円(税抜)
後方を臨む映像を撮るにはこれ。サドルレールを堅牢なアルミ製のパーツで挟んで固定し、そこにマウントパーツを取り付けるため、マウンテンバイクでオフロードを走っても固定がずれることはなかった。後方撮影は後ろのライダーを正面から撮れて迫力があり、絵的にも面白いのでオススメだ。ハンドル周りがスッキリするし、カメラがライダーの視界に入らないので、装着を気にせず走れるのもメリットだろう。
ベンテッドヘルメットマウント 2000円(税抜)
ロードヘルメットに固定するにはこれを使用する。ベンチレーション用の穴が2カ所以上開いているヘルメットであれば装着することができる。お察しの通り頭部が重たくなるのは仕方がないところ。ライディング向きかというと微妙ではあるが、視線と同じ映像を撮影できるので、バリエーションの中にあっても良いのではないかと思う。見る方向を撮ることができるので、コース状況の撮影やライダー目線の映像を意識して撮影するにはもってこいだ。
ロープロファイルクレードル 4500円(税抜)
頭頂部がフラットになっているヘルメットを入手し、このマウントで取り付けることが最も安定して頭頂部へ固定する方法だろう。目線そのままに撮影できる臨場感は素晴らしく、撮れた映像も揺れが少なく安定していた。だが、MTBで山に入る場合には藪に気をつけた方が良い。筆者は山中を走行中、危うく首を持って行かれそうになった。アクションカメラを通称”ヘルカム”と呼ぶように必携アクセサリである。
とても便利なEdgeとの連携
ヴァーブは、Edge1000J、810J、510JからBluetooth接続によりリモート操作することができる。Edgeの画面からワンタッチで呼び出し、素早く操作することが可能。録画の開始と停止、また静止画の撮影をリモートで操作することができる。これは想像するよりも便利だった。実際に走行しているところを想像して欲しい。必ずしもすぐに操作できる場所にヴァーブを取り付けるとは限らない。例えば、クイックリリースマウントを使う場合にはスライダースイッチまで手を伸ばすことは出来ないし、複数のヴァーブをリモート接続している場合にも、この機能を使うことができる。
サイクリングでは余計なモノは身につけたくないので、サイクルコンピュータからリモート操作ができるというのはまさに理想型であると感じた。Edgeという資産を持つガーミンだけが実現できる素晴らしい機能だ。
将来的にはEdgeからヴァーブの設定変更や撮影画面のリモート表示も可能になるのだろうか。そうなったら、さらに素晴らしい。
オート録画スタート/ストップ機能
撮影機能には本機が移動すると撮影を開始する自動録画機能がある。信号待ちの間の映像が不要だったり、走行時のみの映像だけ録画したい場合にはとても使い勝手が良い専用編集ソフト「VIRB Edit」で編集する
ヴァーブには専用編集ソフト「VIRB Edit」がガーミンから提供されている。これを無料でダウンロードして使うことができる上に、Windows用もMac用も共に提供されているため、PC環境を選ばない。ここまで出来るのはヴァーブだけだ。編集する操作の過程はAppleのiMovieに似ており、直感的で使いやすい。筆者も特にマニュアルを必要とすることなく、最初の一本の編集動画を書き出すことができた。
映像を撮影した後の編集は欠かせない作業であり、編集の出来次第で映像を観る側の楽しさは全く違うものになってくる。ヴァーブであれば、アプリケーションの操作を何時間もかけて習得する必要は無い。撮影から動画の完成までオールインワンでパッケージされているヴァーブならではの強みだ。
ANT+による情報を編集時にオーバーレイできる
VIRBはANT+に対応しており、各種センサー類で取得した情報を純正編集ソフトであるVIRB EDITで動画の上に重ねて表示させることができる。まず、取得した情報の表示パターンが大変に豊富なことに驚く。VIRB Editでの編集作業は容易なので、マニュアルを読まずとも操作をすることができた。データを表示する際の表現方法は大変種類が多くて楽しいので、映像素材にどのデータをどのように表示しようかと想像するのが楽しくなる。
例えばレースやトレーニングの映像にパワーデータや心拍数を表示できるし、地図も表示されるのでどこを走っているかが一目瞭然。周回路での映像では何周目の映像なのかが分かりにくいだろうが、Edgeシリーズとの連携によってラップデータを取り込むことができるので、周回数をデータとして表示することができる。クリテリウムなどで使用すれば、現ラップ、ベストラップ、ラップ数などを比較して映像と共に表現できるのはヴァーブならではの機能のひとつだ。
なお、VIRB Editでの編集方法については、いいよねっと公式サイト内にソフトの詳しい使用方法についてのVIRB Edit操作方法スペシャルサイトが公開されているので、併せてご参照ください。
2台同時に記録することも可能
2台のヴァーブをBluetoothで接続し、片方をメイン機、もう一方をサブ機として2台同時に録画をすることができる。もちろん、メイン機をEdgeから操作し、2台同時に録画をすることもできる。秋ヶ瀬の森バイクロア4に出場し、ライド中に撮影を行った動画を紹介しよう。
設定はスマートフォンからも可能
ハンズ・オン・デバイスの設定は、デバイスに搭載された小さな液晶画面とにらめっこしながら”コチョコチョと”操作する必要があるが、ヴァーブではスマートフォンとWi-Fiで接続を行い、設定を変更することもできる。画質の調整や画角、解像度など全て操作し変更することが可能だ。録画のスタートとストップも可能なので、簡易三脚などで置きカメラにしてリモート操作することもできる。
ヴァーブは単なるアクションカメラではない
ヴァーブは単なるアクションカメラという枠では収まらない数多くの機能を搭載している。自転車やバイク、サーフボードなどに搭載して撮影することはどのカメラにでも可能だ。だが、ヴァーブが目指したのはその先。一歩二歩進むというより、別の用途にも対応し、新たな使い方を生み出せるデバイスなのだ。そこで今回はヴァーブならではの機能を活かして、”ストイックではないサイクリストのためのサイクルコンピュータ”としても提案したい。
自転車はストイックにレースなどを楽しむ世界もあれば、気楽に乗る世界もある。使い方は自由、それが自転車の良さだ。前者の方にはエッジシリーズが欠かせないデバイスだと思うが、私は後者の様なタイプにはヴァーブをサイコンとして活用する方が楽しいのではないかと提案したい。
大きな液晶画面はサイコン代わりに
多くのサイクリストに広く普及しているEdgeシリーズ。Edgeは、簡単に言えば自転車用サイクルコンピュータにGPS機能を搭載し多機能化したデバイスだ。地図付きモデルではナビゲーション機能を搭載しているものの、基本的にはトレーニング用コンピュータであるということはガーミンもアピールしている。プロチームに採用されるのは、バイクライドのためにつくられているからだ。しかしながら、全てのサイクリストがEdgeで満足するわけではないだろう。例えば、都市部でサイクリングする場合や、土地勘のある場所をサイクリングする場合。これなら、いくつもの”数字”を画面に表示しておく必要などない。そんな場合には自転車にスマートフォンを搭載するのもよいが、GPS機能を使用した場合にはバッテリーがすぐに切れてしまうし、万が一落とした場合の被害は大きい。また、雨天時にはケアが必要になってしまう。
ヴァーブは別売りのANT+スピードセンサー・ケイデンスセンサーに対応しているのでそれを利用することもできる。しかし、ヴァーブ本体に搭載されているGPSセンサーによってスピードを測定することもできる。スピードや距離などシンプルな数値をダッシュボードに表示することができるので、シンプルなサイコンとしての機能も十分に果たすだろう。
映像を同時に残せるのはとても楽しい
もちろん、筆者も使っているのでEdgeを否定するわけではない。だが、Edgeが必要なく、むしろ別のデバイスがあった方が楽しいのではないか?と感じる用途もあるはずだ。自転車ではない場合を想像して欲しい。散歩に心拍系や速度計が必要だろうか?むしろ、散歩中に五感で感じたことを記憶し、それを思い起こすことが出来るデータを必要とはならないだろうか? 散歩しながら写真を撮るのはそれにあたるだろう。
自転車散歩の相棒にヴァーブを
単に時間や速度を画面に表示・記録することと、映像を含めて記録するのは楽しさの種類が違うはず。自分が仲間と一緒に走った映像を軌跡などのデータと一緒に眺めるといろいろな発見があるのではないだろうか。「この曲がり角にはカフェがあったのか」とか、走っているときにはゆっくり見ることができない景色をもう一度楽しむことができる。まさに旅の記録だ。
ヴァーブのディスプレイには基本的なサイクルコンピュータのようにスピードや距離、時計などのデータを表示することも可能だから、サイクリングをするには十分な情報を表示させながら映像を記録することができる。
超ワイドな、約170度ほどと思われる画角を持つヴァーブは、眼で見る視界の範囲を越えて、全てを記録する。HDMI端子も付いているので、テレビとHDMIケーブルがあれば、撮ってすぐに再生することも可能だ。これならサイクリングを楽しくすること間違いなしだろう。
編集とアップロードで記録を共有できる
数字だけの記録では、見る側にその数字を読み取る能力と知識が必要になる。それゆえ、データをアップしても自分自身が楽しめないケースが多々ある。もちろん、GPSデータは記録されているので、どこを通ったのかということは記録されるのだが、あくまでも2次元のデータに過ぎない。だがヴァーブは違う。2次元の地図データの隣に、映像をシンクロさせて再生することができる。
紙の地図を眺めるのが好きな筆者は、地図帳を指でなぞりながら「あ〜、ここ行ったことあるなぁ」とか「ここのうどんが美味しいんだよねぇ」なんて思い出を補完し合いながら楽しむのが好きだ。ヴァーブを搭載してのサイクリングは、記憶の中で再生していた風景を周囲の人と共有しつつみんなで楽しむことが出来るのだ。
文:朝倉 誠(Bicicletta Di Mattino) 編集:シクロワイアード 提供:いいよねっと