2014/07/24(木) - 15:56
ここまで波乱続きの様相を呈してきたツール・ド・フランス2014。ヴォージュ山塊、ボジョレーの丘、アルプス山脈を超えた第2週を終え、勝負を決するハードな山岳ステージと個人TTが待ち構える第3週が始まるここで、シマノ、そしてPROを使用する選手の活躍を写真を交えて振り返る。
そこから、超級山岳シャムルースの頂上にゴールが設けられた第13ステージでは5位で、1級山岳ロタレ峠と超級山岳イゾアール峠を越え、標高1855mの1級山岳リゾルにゴールする第14ステージでは4位でフィニッシュするクレバーな走りを披露、第15ステージ終了時点で総合4位とした。
ピノは新人賞争いでも第15ステージまで2位につけており、この時点で首位とのタイム差は16秒。続く第16ステージで果敢な走りを見せて逆転、新人賞1位、総合も3位へと躍り出た。地元フランス勢としてはリシャール・ヴィランク以来17年ぶりとなるパリでの総合表彰台と同時に、新人賞獲得へ目指すピノの走りに注目が集まる。
そんなピノは4種類のリムハイトを揃えるWH-9000ホイールをコースプロフィールによって使い分ける。エアロダイナミクスと加速性を兼ね備える35mmハイトのC35をメインに、第14ステージでは前輪により軽量な24mmハイトのC24を組み合わせた。そして、古くから製品開発に協力するほどシマノとは密接な関係にあるFDJ.frなだけに、コンポーネントはサテライトスイッチを組み込んだ9070系デュラエースDi2。ハンドルやシートポストはPRO製品で固められている。
また、ピノの他にも総合争いでは、6位にティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、8位にローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)、10位にバウク・モレマ(オランダ、ベルキン)、と、第16ステージ終了時で計4名のシマノサポートライダーがトップ10につけている。
そんな彼らが使うコンポーネントであるデュラエースDi2の特徴の1つに、フロントディレイラー(FD)の位置を自動的に調整してくれるオートトリム機能がある。これはリアの段数に応じて、フロントのディレイラーが最適なポジションに自動で動く機能。チェーンとFDの接触を防ぎ、ライダーのストレスを大幅に低減する。極限の状態で長時間走り続けるプロ選手はもちろんのこと、ホビーレーサーでもその恩恵は十分に感じ取ることができるだろう。
総合勢が活躍する一方、スプリント勢も積極的なレース展開を繰り広げている。その急先鋒が最初の4ステージで3勝をマークしたマルセル・キッテル(ドイツ)擁するジャイアント・シマノだ。特に「エスケープ・キラー」として一躍名を挙げた中国初のツール出場選手であるジ・チェンの働きはプロトンの中でも一目置かれるところ。残るチャンスは少ないが、キッテルの2年連続シャンゼリゼゴール制覇に向けてチームの士気は俄然高まっている。
その他、オリカ・グリーンエッジのサイモン・クラーク(オーストラリア)が第12ステージで逃げ集団に乗り、約170kmに渡ってロングエスケープを敢行したことも忘れてはならない。逃げ巧者として知られるクラークは最後の5kmまで粘り、最後は集団に吸収されたものの敢闘賞を獲得した。
登場から2年が経過し、レーシングコンポーネントとしてトッププロから抜群の信頼を得ている9000系デュラエース。そのラインナップの中でも特徴的なダイレクトマウントブレーキが、昨年に増して更に普及してきた。高い制動力とコンパクトなデザインによる優れたエアロダイナミクスを兼ね備えるこのシステムは、より注目が高まっている。
サポートチームに限ると、トレックファクトリーレーシングとFDJ.frのバイクサプライヤーは、昨年は1モデルずつだったダイレクトマウントブレーキ採用バイクを、今年は2モデルずつとしている。その他、シマノ以外のコンポーネントを使用するチームでもダイレクトマウントブレーキ対応バイクの投入が着実に増加しており、今後のフレームの進化には目が離せない。
そして、ダイレクトマウントブレーキで新たな装着方法が流行の兆しを見せている。その最初の例となったのがトレックファクトリーレーシングの新型バイクで、シートステーにフロント用ダイレクトマウントブレーキを取り付けている。恐らく、一般的なキャリパーブレーキに対して制動力を高めつつ、BB下に取り付けるダイレクトマウントブレーキに対して空力性能を維持しつつ整備性を向上させるという狙いがあるのだろう。なお、既に他の2チームのバイクにもこの新方式が採用された。
コンポーネントに先駆けて2012シーズンに投入された9000系デュラエースホイールは、SHIMANOロゴのみがリムに貼られたプロトタイプの段階から注目を集めると同時に、プロからも好んでチョイスされてきた。
開発当初は汎用性に優れる「WH-9000-C50-TU」と「WH-9000-C35-TU」の2種類のみだったが、正式発表時にはトレンドのスーパーディープタイプ「WH-9000-C75-TU」が登場。そして、昨年からはシマノ史上最軽量の前後セット重量1,151gを実現した「WH-9000-C24-TU」が追加された。
アルプス山脈などの超級山岳コースではC24、ボジョレーの丘の様のような丘陵地帯や中級山岳ステージでは軽量性とエアロを両立したC35、細かいアップダウンや平坦基調では50mmハイトのC50、更に完全な平坦やタイムトライアルではC75といったように、様々なコースプロフィールに細かく対応できる豊富なバリエーションがデュラエースホイールの特徴だろう。
加速性能に長けた24mmハイトのリムを持つ、シマノ史上最軽量ホイール。前後セットで1,151gと非常に軽量であることから難関山岳コースで多く使用されている。その他、アルミ+カーボンラミネートのクリンチャーとチューブレスタイプも用意されており、こちらも超軽量だ。
35mmというミッドハイトリムによって、空力性能と加速性を両立したのがこのWH-9000-C35。重量は1,362gと軽く、様々なコースに対応する万能モデルだ。ニップルは整備性の高いリム側の外出し。その他、アルミ+カーボンラミネートのクリンチャータイプも用意される。
WH-9000-C50はスピードの持続性に優れる50mmハイトのリムを装備したことで、平坦コースから細かいアップダウンのあるコースに対応するプロ選手にとってのスタンダードモデル。山岳でも使用される機会が多い。その他、アルミ+カーボンコンポジットのクリンチャータイプもラインナップ。
ハイト75mm、幅24mmという圧倒的なボリュームを誇るスーパーディープリムホイールがこのWH-9000-C75。横風に対して安定したハンドリングを得るD2リムの採用など、平坦やTTで優れた空力効果を発揮しながら1,545gと十分に軽量だ。ラインナップはフルカーボンのチューブラーのみとなる。
今年のツール・ド・フランスも最終週に突入し、いよいよ勝負は佳境を迎える。新人賞を射程圏内に捉えたピノや2年連続シャンゼリゼゴール制覇を狙うキッテルをはじめ、今後もシマノ製品を使用する選手の活躍に注目だ。
地元の期待を背に走るピノ フランス人として17年ぶりの表彰台と新人賞を目指す
第2週目に入り、観客を沸かせ輝きを放ったのが、個人総合争いと新人賞の有力候補と目されてきたティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)だ。まず、生まれ故郷の近くを通る第10ステージでは、最大斜度20%の激坂区間を含むゴールの1級山岳ラプランシェ・デ・ベルフィーユで切れ味鋭い走りを見せ2位でゴール。総合でも15位から6位にジャンプアップして見せた。そこから、超級山岳シャムルースの頂上にゴールが設けられた第13ステージでは5位で、1級山岳ロタレ峠と超級山岳イゾアール峠を越え、標高1855mの1級山岳リゾルにゴールする第14ステージでは4位でフィニッシュするクレバーな走りを披露、第15ステージ終了時点で総合4位とした。
ピノは新人賞争いでも第15ステージまで2位につけており、この時点で首位とのタイム差は16秒。続く第16ステージで果敢な走りを見せて逆転、新人賞1位、総合も3位へと躍り出た。地元フランス勢としてはリシャール・ヴィランク以来17年ぶりとなるパリでの総合表彰台と同時に、新人賞獲得へ目指すピノの走りに注目が集まる。
そんなピノは4種類のリムハイトを揃えるWH-9000ホイールをコースプロフィールによって使い分ける。エアロダイナミクスと加速性を兼ね備える35mmハイトのC35をメインに、第14ステージでは前輪により軽量な24mmハイトのC24を組み合わせた。そして、古くから製品開発に協力するほどシマノとは密接な関係にあるFDJ.frなだけに、コンポーネントはサテライトスイッチを組み込んだ9070系デュラエースDi2。ハンドルやシートポストはPRO製品で固められている。
また、ピノの他にも総合争いでは、6位にティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、8位にローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)、10位にバウク・モレマ(オランダ、ベルキン)、と、第16ステージ終了時で計4名のシマノサポートライダーがトップ10につけている。
そんな彼らが使うコンポーネントであるデュラエースDi2の特徴の1つに、フロントディレイラー(FD)の位置を自動的に調整してくれるオートトリム機能がある。これはリアの段数に応じて、フロントのディレイラーが最適なポジションに自動で動く機能。チェーンとFDの接触を防ぎ、ライダーのストレスを大幅に低減する。極限の状態で長時間走り続けるプロ選手はもちろんのこと、ホビーレーサーでもその恩恵は十分に感じ取ることができるだろう。
総合勢が活躍する一方、スプリント勢も積極的なレース展開を繰り広げている。その急先鋒が最初の4ステージで3勝をマークしたマルセル・キッテル(ドイツ)擁するジャイアント・シマノだ。特に「エスケープ・キラー」として一躍名を挙げた中国初のツール出場選手であるジ・チェンの働きはプロトンの中でも一目置かれるところ。残るチャンスは少ないが、キッテルの2年連続シャンゼリゼゴール制覇に向けてチームの士気は俄然高まっている。
その他、オリカ・グリーンエッジのサイモン・クラーク(オーストラリア)が第12ステージで逃げ集団に乗り、約170kmに渡ってロングエスケープを敢行したことも忘れてはならない。逃げ巧者として知られるクラークは最後の5kmまで粘り、最後は集団に吸収されたものの敢闘賞を獲得した。
登場から2年が経過し、レーシングコンポーネントとしてトッププロから抜群の信頼を得ている9000系デュラエース。そのラインナップの中でも特徴的なダイレクトマウントブレーキが、昨年に増して更に普及してきた。高い制動力とコンパクトなデザインによる優れたエアロダイナミクスを兼ね備えるこのシステムは、より注目が高まっている。
サポートチームに限ると、トレックファクトリーレーシングとFDJ.frのバイクサプライヤーは、昨年は1モデルずつだったダイレクトマウントブレーキ採用バイクを、今年は2モデルずつとしている。その他、シマノ以外のコンポーネントを使用するチームでもダイレクトマウントブレーキ対応バイクの投入が着実に増加しており、今後のフレームの進化には目が離せない。
そして、ダイレクトマウントブレーキで新たな装着方法が流行の兆しを見せている。その最初の例となったのがトレックファクトリーレーシングの新型バイクで、シートステーにフロント用ダイレクトマウントブレーキを取り付けている。恐らく、一般的なキャリパーブレーキに対して制動力を高めつつ、BB下に取り付けるダイレクトマウントブレーキに対して空力性能を維持しつつ整備性を向上させるという狙いがあるのだろう。なお、既に他の2チームのバイクにもこの新方式が採用された。
ツールを走るトッププロ選手の要求に応えるDURA-ACEホイールラインナップ
さて、この章では多彩なバリエーションを揃えるデュラエースホイールに焦点をあてたい。今ツールではジャイアント・シマノ、ベルキン、チームスカイ、オリカ・グリーンエッジ、FDJ.fr、BMCレーシングの計6チームがシマノオフィシャルサポートチームとしてデュラエースホイールを使用している。コンポーネントに先駆けて2012シーズンに投入された9000系デュラエースホイールは、SHIMANOロゴのみがリムに貼られたプロトタイプの段階から注目を集めると同時に、プロからも好んでチョイスされてきた。
開発当初は汎用性に優れる「WH-9000-C50-TU」と「WH-9000-C35-TU」の2種類のみだったが、正式発表時にはトレンドのスーパーディープタイプ「WH-9000-C75-TU」が登場。そして、昨年からはシマノ史上最軽量の前後セット重量1,151gを実現した「WH-9000-C24-TU」が追加された。
アルプス山脈などの超級山岳コースではC24、ボジョレーの丘の様のような丘陵地帯や中級山岳ステージでは軽量性とエアロを両立したC35、細かいアップダウンや平坦基調では50mmハイトのC50、更に完全な平坦やタイムトライアルではC75といったように、様々なコースプロフィールに細かく対応できる豊富なバリエーションがデュラエースホイールの特徴だろう。
ツールを走るDURA-ACEホイール ラインナップ
WH-9000-C24-TU
加速性能に長けた24mmハイトのリムを持つ、シマノ史上最軽量ホイール。前後セットで1,151gと非常に軽量であることから難関山岳コースで多く使用されている。その他、アルミ+カーボンラミネートのクリンチャーとチューブレスタイプも用意されており、こちらも超軽量だ。
仕様 | チューブラー、2:1スポークシステム、 エクストラワイドフランジ |
重量 | 1,151g |
価格 | ¥275,562(税込み) |
WH-9000-C35-TU
35mmというミッドハイトリムによって、空力性能と加速性を両立したのがこのWH-9000-C35。重量は1,362gと軽く、様々なコースに対応する万能モデルだ。ニップルは整備性の高いリム側の外出し。その他、アルミ+カーボンラミネートのクリンチャータイプも用意される。
仕様 | チューブラー、2:1スポークシステム、 エクストラワイドフランジ |
重量 | 1,362g |
価格 | ¥308,329(税込み) |
WH-9000-C50-TU
WH-9000-C50はスピードの持続性に優れる50mmハイトのリムを装備したことで、平坦コースから細かいアップダウンのあるコースに対応するプロ選手にとってのスタンダードモデル。山岳でも使用される機会が多い。その他、アルミ+カーボンコンポジットのクリンチャータイプもラインナップ。
仕様 | チューブラー、D2リム、 2:1スポークシステム、エクストラワイドフランジ |
重量 | 1,449g |
価格 | ¥240,111(税込み) |
WH-9000-C75-TU
ハイト75mm、幅24mmという圧倒的なボリュームを誇るスーパーディープリムホイールがこのWH-9000-C75。横風に対して安定したハンドリングを得るD2リムの採用など、平坦やTTで優れた空力効果を発揮しながら1,545gと十分に軽量だ。ラインナップはフルカーボンのチューブラーのみとなる。
仕様 | チューブラー、D2リム、 2:1スポークシステム、エクストラワイドフランジ |
重量 | 1,545g |
価格 | ¥271,044(税込み) |
今年のツール・ド・フランスも最終週に突入し、いよいよ勝負は佳境を迎える。新人賞を射程圏内に捉えたピノや2年連続シャンゼリゼゴール制覇を狙うキッテルをはじめ、今後もシマノ製品を使用する選手の活躍に注目だ。
提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード