2013/04/20(土) - 16:37
マヨルカ島で催されたメリダのプレスキャンプで2013&2014モデルが公開された。これらのモデルをプロライダーの斉藤 亮と国内ショップのスタッフがテストライド。情報解禁となった今、そのインプレッションをお届けしよう。
※各モデルの詳細は前ページを参照して下さい。
今回乗ったバイクは、見た目は全く同じなのに非常に乗りやすく感じました。どちらかというと剛性感が目立った2012年モデルに対し、2013年モデルはリアバックのしなやかさが感じられ、あきらかにコーナーを曲がりやすくなっています。
カーボン素材の構成を変えたと聞きましたが、スピードが乗ったときの安定感はそのままに、より高いスピードで回れると思います。王滝などのフラットダート主体のロングレースで威力を発揮すると思いますね。
27.5インチはホイールサイズだけでなく、あらゆる面で26インチと29インチの長所を備えていると思います。タイヤの選択肢が増えれば、レースだけでなくいろいろな走らせかたができると思います。またポジションについてですが、もともと他のメーカーよりヘッド長が短く、自分の身長(176cm)でも比較的ポジション出しが楽なBIG.NINEですが、それでも妥協せざるを得ない部分があったことは否定できません。
今回試乗したBIG.SEVENは、ステム長やハンドル幅が自分のものではないにも関わらず乗りやすいポジションを得ることができたので、自分のセッティングで乗るのが楽しみです。
レースでの使い分けですが、2台持てると仮定して、JシリーズやXCエリミネーターは27.5インチ。マラソンレースや平坦基調なら29インチもアリだと思っています」
前後サスペンションが ROCKSHOXのため、前後 FOXを使っている私物との純粋な比較は出来ないのですが、リアバックのカーボン化は、このバイクの特徴である長めのシートステーの剛性が上がり、コーナーでの切り返しに磨きがかかった感じがしました。
後で聞いた話では、2012モデルに対して完成車で 500gの軽量化が図られているとのこと。チームモデルならではのレーシンググラフィックと共に、今年も心を奪われました。
今回は17インチと18.5インチの両方を試乗してみましたが、トップが短めな造りなので、私(身長175cm)が乗るなら迷わず18.5インチをチョイス。
肝心の乗り味は?というと、下りは楽しく走れるものの、登りではBBからリア周りにかけての硬さが影響しているのか、トラクションコントロールがとても難しく、小砂利が浮いた急な登り返しでは、一度滑り出すと縦方向のグリップがなかなか復活してくれない面も。
2012モデルから 2013モデルになった際に、フルモデルチェンジかと思うほどマイルドな乗り味に激変した BIG-NINE TEAMの例もあるので、量産時には我々一般的なライダー向けに扱いやすくなっているだろうと思われます。
VPKと呼ばれる仮想ピボットを持つフレームワークに、1×11スピードの SRAM XX1コンポが組み込まれ、レーシングコンポーネントながらも右手だけですべての変速が行える、楽しいトレイルバイクを目指している感じですね。
ヘッドアングルはやや寝気味ながら、走り出すと下りでは癖のないハンドリングに加え、27.5インチによるグリップ力の高さで、ハイスピードでの安定感は抜群です。登りにおいてはガレた路面でややふらつく感じはあるものの、下りを楽しむためのトレイルバイクとしては問題無いレベル。ここから量産までにどう味付けしてくるのかが楽しみな1台です。
フレームサイズ 17インチのものに乗りましたが、まさにジャストフィット。コンポーネントのSRAM X.X.がチェーンリング 42-29Tという、私にはとても踏みきれないギア比だったので、だいぶインナーギアのお世話にもなりましたが、秀逸なフレームです。
フォークが ROCKSHOX SIDになり、アクスルも15mmになったので下りでのハンドリングやレーンチェンジがたまらなく気持ち良い! レースだけでなく、トレイルライドも楽しむ1台として、超オススメのバイクと言えるでしょう。
特にスクルトゥーラSLは自分もレースで使用していますが『剛性感があるのに、長距離を走っても疲れにくい』という、まさにオールラウンダーなので、いろいろなタイプの人に乗ってもらえると思います。
スクルトゥーラEVOは、SLよりもさらに振動吸収性を高めたロングライド向き。ライド・カーボンはもともとロングライドに特化したモデルなので、ビギナーや女性にも扱いやすいと思います。
メリダのバイク全体に言えることですが、フレーム品質の高さは、販売する側にとっても間違いがないと言えます。今年からランプレに供給が決まり、早速ポッツァートやクネゴが活躍していますから、プロツアーでも活躍してくれるでしょう。彼らのためにスペシャルモデルも用意されるそうなので、非常に楽しみです。
XCO日本チャンプ斉藤 亮が29と噂の27.5インチをインプレッション
2012年JCFジャパンシリーズにおいて、XCO年間チャンピオンを獲得した斉藤亮(ミヤタ・メリダバイキングチーム)。2013年はシリーズタイトル防衛と全日本選手権奪取を第一目標に掲げながら、海外レースへもスポット参戦を計画しているが、その斉藤がメリダの2014年モデルに試乗して感想を語ってくれた。※各モデルの詳細は前ページを参照して下さい。
BIG.NINE インプレッション
「昨年から自分も乗っているBIG NINEですが、おそらく29インチハードテールの中では一番ハンドリングレスポンスが良いと思います。車重も軽く、高速レースではアドバンテージがあります。今回乗ったバイクは、見た目は全く同じなのに非常に乗りやすく感じました。どちらかというと剛性感が目立った2012年モデルに対し、2013年モデルはリアバックのしなやかさが感じられ、あきらかにコーナーを曲がりやすくなっています。
カーボン素材の構成を変えたと聞きましたが、スピードが乗ったときの安定感はそのままに、より高いスピードで回れると思います。王滝などのフラットダート主体のロングレースで威力を発揮すると思いますね。
BIG.SEVEN インプレッション
27.5インチはホイールサイズだけでなく、あらゆる面で26インチと29インチの長所を備えていると思います。タイヤの選択肢が増えれば、レースだけでなくいろいろな走らせかたができると思います。またポジションについてですが、もともと他のメーカーよりヘッド長が短く、自分の身長(176cm)でも比較的ポジション出しが楽なBIG.NINEですが、それでも妥協せざるを得ない部分があったことは否定できません。
今回試乗したBIG.SEVENは、ステム長やハンドル幅が自分のものではないにも関わらず乗りやすいポジションを得ることができたので、自分のセッティングで乗るのが楽しみです。
レースでの使い分けですが、2台持てると仮定して、JシリーズやXCエリミネーターは27.5インチ。マラソンレースや平坦基調なら29インチもアリだと思っています」
メリダの2014年ラインナップを一足早く試乗したプロショップのスタッフたち
今回のプレゼンテーションには、メディアとともに世界中のディストリビューター、プロショップのスタッフたちも参加。2013年モデルだけでなく、2014年発売予定のプロトタイプもテストライドしてきた。小川康浩さんによるインプレッション
BIG NINETY-NINE TEAM
昨年試乗したプロトタイプがあまりに乗りやすく、29erと思えないほど気持ち良いハンドリングに一目(乗り)惚れして私物で購入してしまったバイクが、予想通りフルカーボン化しました。前後サスペンションが ROCKSHOXのため、前後 FOXを使っている私物との純粋な比較は出来ないのですが、リアバックのカーボン化は、このバイクの特徴である長めのシートステーの剛性が上がり、コーナーでの切り返しに磨きがかかった感じがしました。
後で聞いた話では、2012モデルに対して完成車で 500gの軽量化が図られているとのこと。チームモデルならではのレーシンググラフィックと共に、今年も心を奪われました。
BIG SEVEN
いまの世間の流れで最も注目されているであろうホイールサイズ 27.5/650Bのレーシングバイク。完全に新設計されたカーボンフレームは、見るからに剛性が高そうなヘッド周りが見た目にも格好良いですね。今回は17インチと18.5インチの両方を試乗してみましたが、トップが短めな造りなので、私(身長175cm)が乗るなら迷わず18.5インチをチョイス。
肝心の乗り味は?というと、下りは楽しく走れるものの、登りではBBからリア周りにかけての硬さが影響しているのか、トラクションコントロールがとても難しく、小砂利が浮いた急な登り返しでは、一度滑り出すと縦方向のグリップがなかなか復活してくれない面も。
2012モデルから 2013モデルになった際に、フルモデルチェンジかと思うほどマイルドな乗り味に激変した BIG-NINE TEAMの例もあるので、量産時には我々一般的なライダー向けに扱いやすくなっているだろうと思われます。
ONE-FORTY-B
北米メーカーが、昨年のインターバイクでこぞって出品した140mmトラベルを持つ27.5/650Bのオールマウンテン。当然のごとくメリダも造ってきた。ブラックアウトされた塗装に赤い文字で PROTOTYPEとセンス良く描かれ、個人的には是非このテイストで量産して欲しいデザインです。VPKと呼ばれる仮想ピボットを持つフレームワークに、1×11スピードの SRAM XX1コンポが組み込まれ、レーシングコンポーネントながらも右手だけですべての変速が行える、楽しいトレイルバイクを目指している感じですね。
ヘッドアングルはやや寝気味ながら、走り出すと下りでは癖のないハンドリングに加え、27.5インチによるグリップ力の高さで、ハイスピードでの安定感は抜群です。登りにおいてはガレた路面でややふらつく感じはあるものの、下りを楽しむためのトレイルバイクとしては問題無いレベル。ここから量産までにどう味付けしてくるのかが楽しみな1台です。
BIG NINE
BIG SEVENでも触れたが、2013モデルからシートステーにバイオファイバーを採用して乗り味が激変。乗り心地、トラクションの掛かり方が絶妙のバランスで、市販されている 29erレーシングバイクの中でトップクラスに乗りやすいバイクだと思います。フレームサイズ 17インチのものに乗りましたが、まさにジャストフィット。コンポーネントのSRAM X.X.がチェーンリング 42-29Tという、私にはとても踏みきれないギア比だったので、だいぶインナーギアのお世話にもなりましたが、秀逸なフレームです。
フォークが ROCKSHOX SIDになり、アクスルも15mmになったので下りでのハンドリングやレーンチェンジがたまらなく気持ち良い! レースだけでなく、トレイルライドも楽しむ1台として、超オススメのバイクと言えるでしょう。
遠藤健太さんによるインプレッション
今回はできるだけいろいろなバイクに乗ろうと思い、ロードを3モデル(スクルトゥーラSL、EVO、ライド・カーボン)に加えてMTBもテストしましたが、改めて「メリダらしさ」を感じることができました。
特にスクルトゥーラSLは自分もレースで使用していますが『剛性感があるのに、長距離を走っても疲れにくい』という、まさにオールラウンダーなので、いろいろなタイプの人に乗ってもらえると思います。
スクルトゥーラEVOは、SLよりもさらに振動吸収性を高めたロングライド向き。ライド・カーボンはもともとロングライドに特化したモデルなので、ビギナーや女性にも扱いやすいと思います。
メリダのバイク全体に言えることですが、フレーム品質の高さは、販売する側にとっても間違いがないと言えます。今年からランプレに供給が決まり、早速ポッツァートやクネゴが活躍していますから、プロツアーでも活躍してくれるでしょう。彼らのためにスペシャルモデルも用意されるそうなので、非常に楽しみです。
photo&text : 鈴木英之 Hideyuki.Suzuki 提供:ミヤタサイクル