2012/10/26(金) - 10:35
海外で人気の高い、MTBライドの中でも過激なライドの「スロープスタイル」。国内初と銘打って開催されたダートバイクジャムは、海外からライダーを招待しスリリングかつ素晴らしいライドを目のあたりにすることができた。
MTBライディングスタイルの一つ「スロープスタイル」は、大きなジャンプ台や人口セクションでアクロバティックなライディングを行い、空中で一回転するトリックや選手独自のパフォーマンスを決めて得点を競うもの。BMXでもこの類いのライディングは行われるが、スロープスタイルはタイヤ径が大きくサスペンションもあり走破性が高いMTBをするためよりダイナミックなトリックが繰り広げられる。
コースに設置される人工物のセクションは、巨大な「キッカー」や木で作られたシャンプ台などがあり、普通は危険と思われるコースにライダー達は果敢に挑戦し、観客から声援を受ける。国内では専用のコースが無いため馴染みが無いが、海外ではXゲームの一つとして人気も高い。
そんなスロープスタイルを国内で初めて行うために、愛知県名古屋市のMTBショップ「Rookies」が岐阜県土岐市に専用コースを造成し、ショートダウンヒル、そしてスロープスタイルの複合イベント「ダートバイクジャム」が10月7日に開催された。
ショートダウンヒルとスロープスタイルの二本立てイベント
山林を造成したコースで行われたダートバイクジャムは、午前はダウンヒルの帝王として名を馳せた「Yans」こと柳原康弘氏のプロデュースによるショートダウンヒルからスタート。ビギナーからエキスパートと各クラスに分かれての、2トライの計測のベストタイムで勝敗を決める。
コースは約150mと短くジャンプなど難しいセクションは無いものの、コーナーリングのテクニックが試されるもの。転倒やコースアウトをしながらも果敢に攻めタイムを必死に削るライダー達に観客からは声援が飛んだ。最上位のエキスパートクラスで優勝を挙げたのは、JシリーズDHIエリートライダーの阿藤寛(1-jyoTelescope/Lapierre)。
続いて専用コースではストライダーやBMXで争われるキッズレースが開催。お父さんの助けを借りたりと懸命に走る子供達に親御さんや周りからも応援に熱が入りこちらも大きく盛り上がった。
過激なライディングのスロープスタイル
午後からはメインとなるスロープスタイルの実演が始まった。スタートの前にギャラリーは実際にコースを歩いてセクションの難易度の解説を受ける。初めのジャンプから次へのジャンプまでの落差と繋ぎ方を見ると「失敗すると大変危ない」のが分かる。ライダー達はここをノーブレーキで突っ込んで技を繰り出すのだ。
今回海外から「beddo」チームが来日し、マリウス・ホッペンサック、マックス・フリードリクソン、アントン・サランダーの三人がライディングを披露。彼ら「beddo」はマリウスを中心に若手をサポートするMTBストリート、ダートジャンプ、スロープスタイルを得意とするチームで、活動3年目ながらヨーロッパではNo.1チームとしてと世界的にも有名だそうだ。マリウスが24歳、マックスが16歳、アントンが17歳ととても若い!
今回のスロープスタイルのコースは、「beddo」チームと何度もミーティングしてコースを決定したそうで、製作期間はおよそ一年というから、今回のイベントに掛ける意気込みが伝わってくる。国内からも名うてのライダーが集まり、日本が誇るマルチライダーの栗瀬裕太(team mongoose)も参加しハイレベルなライディングがスタート!
練習走行から派手なライディングが繰り出されていたのに、本番はさらに迫力のあるトリックになっていく。難易度の高いバックフリップは当たり前で、長い滞空時間のジャンプで腕を広げたりポーズをとったりと表現力が凄い技が繰り広げられる。
海外ライダーは力強さを感じるライディングで唸ってしまうばかり。栗瀬はさすがのベテランといった感じてウケを押さえたアクションで観客を沸かす。危険と紙一重な技を見ていると、緊張感と興奮でまさしく目が離せない。
2本のライドが終了すると観客からはため息と興奮が漏れるばかり。最後はバニーホップ競争とショートダウンヒルの表彰でイベントはフィナーレとなった。私も「凄いものを見た!」という満足感をいっぱいに感じたイベントとなった。
イベントを実現させた「Rookies」の榎本寛大さんに話を聞いてみた。
「私は今まで様々な場所を探し、イベントを開催しては『スロープスタイルを開催できる場所は無いものか』と考えていました。会場までのアクセス、駐車場、敷地の規模、発展性の有無など様々考え知人を通じてこの場所にMTBパークを製作することが決まりました。
その間、地主、住民への説明会を定期的に開き理解していただくように努めました。様々な意見、トラブルは発生いたしましたが何とか乗り切り、イベント開催に至ったわけですね。私がイベント開催地で最も重視した点は、「すべてが見渡せる、みんなが楽しめる」ということです。イベントに一体感を生むために、コーステープはできる限り張らずに、スタッフの動きで危険個所をカバーしました。
そうすれば、観客はぎりぎりまで近くに寄って楽しめるのでさらに迫力が増します。ただ、これを行うにはコース幅が必要になりますので苦労しましたが…。今後もスロープスタイルやMTBライドが継続できるコースとして発展させていきたいと思います」
国内初となった迫力のスロープスタイルを感じた今大会、日本のMTBシーンがまた一歩世界に近づいたはず。
text&photo:Akihiro.NAKAO
MTBライディングスタイルの一つ「スロープスタイル」は、大きなジャンプ台や人口セクションでアクロバティックなライディングを行い、空中で一回転するトリックや選手独自のパフォーマンスを決めて得点を競うもの。BMXでもこの類いのライディングは行われるが、スロープスタイルはタイヤ径が大きくサスペンションもあり走破性が高いMTBをするためよりダイナミックなトリックが繰り広げられる。
コースに設置される人工物のセクションは、巨大な「キッカー」や木で作られたシャンプ台などがあり、普通は危険と思われるコースにライダー達は果敢に挑戦し、観客から声援を受ける。国内では専用のコースが無いため馴染みが無いが、海外ではXゲームの一つとして人気も高い。
そんなスロープスタイルを国内で初めて行うために、愛知県名古屋市のMTBショップ「Rookies」が岐阜県土岐市に専用コースを造成し、ショートダウンヒル、そしてスロープスタイルの複合イベント「ダートバイクジャム」が10月7日に開催された。
ショートダウンヒルとスロープスタイルの二本立てイベント
山林を造成したコースで行われたダートバイクジャムは、午前はダウンヒルの帝王として名を馳せた「Yans」こと柳原康弘氏のプロデュースによるショートダウンヒルからスタート。ビギナーからエキスパートと各クラスに分かれての、2トライの計測のベストタイムで勝敗を決める。
コースは約150mと短くジャンプなど難しいセクションは無いものの、コーナーリングのテクニックが試されるもの。転倒やコースアウトをしながらも果敢に攻めタイムを必死に削るライダー達に観客からは声援が飛んだ。最上位のエキスパートクラスで優勝を挙げたのは、JシリーズDHIエリートライダーの阿藤寛(1-jyoTelescope/Lapierre)。
続いて専用コースではストライダーやBMXで争われるキッズレースが開催。お父さんの助けを借りたりと懸命に走る子供達に親御さんや周りからも応援に熱が入りこちらも大きく盛り上がった。
過激なライディングのスロープスタイル
午後からはメインとなるスロープスタイルの実演が始まった。スタートの前にギャラリーは実際にコースを歩いてセクションの難易度の解説を受ける。初めのジャンプから次へのジャンプまでの落差と繋ぎ方を見ると「失敗すると大変危ない」のが分かる。ライダー達はここをノーブレーキで突っ込んで技を繰り出すのだ。
今回海外から「beddo」チームが来日し、マリウス・ホッペンサック、マックス・フリードリクソン、アントン・サランダーの三人がライディングを披露。彼ら「beddo」はマリウスを中心に若手をサポートするMTBストリート、ダートジャンプ、スロープスタイルを得意とするチームで、活動3年目ながらヨーロッパではNo.1チームとしてと世界的にも有名だそうだ。マリウスが24歳、マックスが16歳、アントンが17歳ととても若い!
今回のスロープスタイルのコースは、「beddo」チームと何度もミーティングしてコースを決定したそうで、製作期間はおよそ一年というから、今回のイベントに掛ける意気込みが伝わってくる。国内からも名うてのライダーが集まり、日本が誇るマルチライダーの栗瀬裕太(team mongoose)も参加しハイレベルなライディングがスタート!
練習走行から派手なライディングが繰り出されていたのに、本番はさらに迫力のあるトリックになっていく。難易度の高いバックフリップは当たり前で、長い滞空時間のジャンプで腕を広げたりポーズをとったりと表現力が凄い技が繰り広げられる。
海外ライダーは力強さを感じるライディングで唸ってしまうばかり。栗瀬はさすがのベテランといった感じてウケを押さえたアクションで観客を沸かす。危険と紙一重な技を見ていると、緊張感と興奮でまさしく目が離せない。
2本のライドが終了すると観客からはため息と興奮が漏れるばかり。最後はバニーホップ競争とショートダウンヒルの表彰でイベントはフィナーレとなった。私も「凄いものを見た!」という満足感をいっぱいに感じたイベントとなった。
イベントを実現させた「Rookies」の榎本寛大さんに話を聞いてみた。
「私は今まで様々な場所を探し、イベントを開催しては『スロープスタイルを開催できる場所は無いものか』と考えていました。会場までのアクセス、駐車場、敷地の規模、発展性の有無など様々考え知人を通じてこの場所にMTBパークを製作することが決まりました。
その間、地主、住民への説明会を定期的に開き理解していただくように努めました。様々な意見、トラブルは発生いたしましたが何とか乗り切り、イベント開催に至ったわけですね。私がイベント開催地で最も重視した点は、「すべてが見渡せる、みんなが楽しめる」ということです。イベントに一体感を生むために、コーステープはできる限り張らずに、スタッフの動きで危険個所をカバーしました。
そうすれば、観客はぎりぎりまで近くに寄って楽しめるのでさらに迫力が増します。ただ、これを行うにはコース幅が必要になりますので苦労しましたが…。今後もスロープスタイルやMTBライドが継続できるコースとして発展させていきたいと思います」
国内初となった迫力のスロープスタイルを感じた今大会、日本のMTBシーンがまた一歩世界に近づいたはず。
text&photo:Akihiro.NAKAO
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