2012/07/26(木) - 11:36
長野県・白馬を舞台に開催されたスペシャライズドデイズ。「全てのサイクリストたちへ贈る最高の2日間」を合言葉にする初開催のオン/オフミックスイベントへと参加してきた。
スペシャライズドデイズは、7月21日(土)、7月22日(日)の2日間、長野県白馬村にある、Hakuba47を舞台に開催された総合バイクイベント。DHからロードバイクまでを幅広くラインナップするスペシャライズドが主催するだけあって、開催される種目もMTB耐久レースやロングライド、DHまで多彩だ。そんな「デイズ」に2日間を通して参加したCW編集部の参戦レポートを中心にお届け。
スペシャライズドデイズ最初の種目は、コンペティティブロードバイク「TARMAC」を冠にしたヒルクライムレースTARMACカップ。栂池ゴンドラリフトの『白樺駅』付近を起点として、標高1825mの『自然園駅』を目指す、距離11.7km、最大標高差875m、平均勾配7.5%という、なかなか走りごたえのあるコースレイアウト。私と同行したカメラマンの中林氏が、愛車のTARMACで参戦!
当日の天気予報は曇りのち雨の予報。会場である栂池に近づくにつれ、徐々に雨脚が強まっていく。降りしきる雨の中、開会式にて愛三工業レーシングチーム監督の別府匠さんから、注意事項やヒルクライムのワンポイントアドバイスが行われた。曰く、「とにかく自分のペースを崩さないのがヒルクライムレースの肝!」心拍計を使ってオーバーペースにならないようにするのが重要との事だ。
降りしきる雨は勢いを弱めることが無く、レーススタートへ。登録選手のS-WORKSクラスの後には、一般参加者のPROクラスが順次スタートする。愛三工業レーシングの別府匠監督と鈴木謙一、品川真寛選手とも一緒に走ることのできるまたとない機会だ。
スタート直後に現れる急勾配は路面が非常にスリッピー。丁寧なペダリングと重心の移動で乗り切る辛い区間だ。年齢別のスタートでペースもまちまちだが、序盤はマイペースと自分に言い聞かせつつつづら折りの坂を登っていると、皆の祈りが通じたのか、徐々に雲の合間から晴れ間。坂と雨で疲弊した身体に太陽の光がしみこんでいく。
コースも中盤。チェーンの回る音とシフトチェンジの音しかしない世界のなか、沿道から突如声援が!チームの隔たりなく応援してくれる声に気合いを入れ直し、まだ先のゴールを目指していく。後半は平坦な道とキツい勾配の繰り返し。ペースの合う人との抜きつ抜かれつの静かなバトルは苦しいながらも楽しいものだ。
コース上には残り3kmから看板が表示され、自分の脚と相談しながら徐々にペースアップ。先にゴールした方々が下山しながらエールをくれる。あと少し!!
残り1キロ。。。 最後は勾配もキツくなるが、ラストスパート!ゴールに近づくにつれて視界が開けていきます。最後のカーブを曲がった先にGOALの看板を発見。やっとの思いでゴール!
正直、登る前には12kmくらい楽に登りきれると思っていたのだが、栂池の上りは甘くなかった。さすがはTARMACの名を冠したイベントだけあるなと感じた。
ゴール後、水分補給をして下山の装備に着替えていた矢先、今度はゲリラ豪雨のような土砂降りが。7~9%の勾配に川のように流れてくる雨水。ブレーキが全く効かないレベルだ。カーボンホイールで来てしまった自分の判断に後悔しつつ、安全第一で来た道を戻る。途中で握力の限界を感じ、休憩をとりつつ慎重に下っていく。
徐々に会場のMCの方の声が聞こえて、少し安堵感。なんとか無事にスタート地点へと到着。機材のチェックと着替えを済ませ、本会場のHakuba47に向かいます!
SUCC(スペシャライズド アルティメイト サイクリング チャレンジ)にぶっつけ参加!
さて、別会場で行われたTARMACヒルクライムからメイン会場へと戻ってきた我々取材班。SUCCの予選が雨のために延期され夕方から行われるとのこと。
SUCCとは起伏とコーナーが連続するパンプトラックと呼ばれるダートコースを駆け抜けタイムアタックを行う競技。コンディションを同じくするため、マシンは全て主催者側で用意したフラットペダルのMTBを使用する。
MTB完全初心者ながら、5月の王滝を完走して気を良くしていた私、CW編集部 磯部はパンプトラックなんて走ったこと一切無いながらも勢い余って参戦することに。
SUCCの予選は一般クラスと招待選手クラスに分かれ、それぞれの上位8名が決勝トーナメントに進出するというもの。なぜか私は招待クラスに割り振られてしまい、その顔ぶれはスペシャライズド契約MTBライダーのマット・ハンター、小野寺健選手、竹谷賢二さん、愛三工業のメンバーと超豪華。これは...無理!
スタートは自分のバイクが置かれたバイクラックまで自分の足でダッシュするル・マン方式だ。しかもバイクは坂を駆け上がった上にあるから、もうそれだけで脚が終わる。自転車に素早く乗ったら坂を駆け下りて、勢いを維持したままジャンプを一つクリアし、パンプトラックへと入る。
起伏とコーナーが連続するパンプトラックは、MTBの基本が全くできていない私にとっては本当に難しい。一つのコーナーに気を取られてしまうと次の対応が遅れるし、そのまた次のパンプやコーナーでは失速してしまう始末。竹谷さんなどのスムーズなライディングをイメージして走ったのだが、どうにも真似が出来ません。
四苦八苦しながらゴールに飛び込むと、タイムは1分28秒で8位。あれ?愛三の別府監督や鈴木選手よりも良いタイムじゃないか。ぎりぎりのタイムでまさかの決勝進出である。やったぜ。
決勝は予選を勝ち上がった選手が2人で同時に走り、勝ち上がっていくトーナメント方式だ。当たり順が放送で発表されたので聞いていると、「cyclowired磯部選手 vs 小野寺健選手~!」 「ちょ、ちょっと待って下さい。。」
そんなわけで日本をトップクラスの小野寺選手との対戦が実現した私。予選と違って観客の数も圧倒的に多いし、レッドブルのDJがズンズン音楽をかけていて会場も大きく盛り上がっている。そんな中で最初から千切られたらカッコ悪いなぁ、と思いながらスタートを迎えた。
奇跡的にトランジットが上手く行き、小野寺選手を私がリードするまさかの展開に。しかしパンプトラックに入るとそこは小野寺選手の独壇場(当たり前)。コーナーで冷静にインから刺され、ジ・エンド。湿った砂場区間ではトラクションを掛けることができず、スムーズにコーナーを抜けていく背中を見送りながらゴールゲートをくぐった。
パンプトラックは初めての経験だったが、抜重と加重でコブを抜けていくあの感覚は非常に面白い!ショー的要素も満点で観ても走っても楽しく、王滝に続きまたもやMTBの楽しみにハマってしまったようだ。これはもはやマイMTBを導入するしかないのでは...。
スペシャライズドデイズ初日にはこの他、ダウンヒルやゲレンデ直登チャレンジも開催。会場までの走行距離を競うブルベにはなんと福島からやってきた強者も!
ちなみに、SUCCの決勝は小野寺選手との接戦を制したマット・ハンターが大雨の悪コンディションの中で貫禄の優勝。鏡割りなどもあって大きく盛り上がった表彰式を終えると、時間はもう19時を回る頃。参加者の皆さんは2日目に備え、それぞれの夜を楽しみに会場を後にしていった。
2日目に続く。
text:Shojiro Nakabayashi, So Isobe
photo:Shojiro Nakabayashi, So Isobe,Saburo.Koganei
スペシャライズドデイズは、7月21日(土)、7月22日(日)の2日間、長野県白馬村にある、Hakuba47を舞台に開催された総合バイクイベント。DHからロードバイクまでを幅広くラインナップするスペシャライズドが主催するだけあって、開催される種目もMTB耐久レースやロングライド、DHまで多彩だ。そんな「デイズ」に2日間を通して参加したCW編集部の参戦レポートを中心にお届け。
スペシャライズドデイズ最初の種目は、コンペティティブロードバイク「TARMAC」を冠にしたヒルクライムレースTARMACカップ。栂池ゴンドラリフトの『白樺駅』付近を起点として、標高1825mの『自然園駅』を目指す、距離11.7km、最大標高差875m、平均勾配7.5%という、なかなか走りごたえのあるコースレイアウト。私と同行したカメラマンの中林氏が、愛車のTARMACで参戦!
当日の天気予報は曇りのち雨の予報。会場である栂池に近づくにつれ、徐々に雨脚が強まっていく。降りしきる雨の中、開会式にて愛三工業レーシングチーム監督の別府匠さんから、注意事項やヒルクライムのワンポイントアドバイスが行われた。曰く、「とにかく自分のペースを崩さないのがヒルクライムレースの肝!」心拍計を使ってオーバーペースにならないようにするのが重要との事だ。
降りしきる雨は勢いを弱めることが無く、レーススタートへ。登録選手のS-WORKSクラスの後には、一般参加者のPROクラスが順次スタートする。愛三工業レーシングの別府匠監督と鈴木謙一、品川真寛選手とも一緒に走ることのできるまたとない機会だ。
スタート直後に現れる急勾配は路面が非常にスリッピー。丁寧なペダリングと重心の移動で乗り切る辛い区間だ。年齢別のスタートでペースもまちまちだが、序盤はマイペースと自分に言い聞かせつつつづら折りの坂を登っていると、皆の祈りが通じたのか、徐々に雲の合間から晴れ間。坂と雨で疲弊した身体に太陽の光がしみこんでいく。
コースも中盤。チェーンの回る音とシフトチェンジの音しかしない世界のなか、沿道から突如声援が!チームの隔たりなく応援してくれる声に気合いを入れ直し、まだ先のゴールを目指していく。後半は平坦な道とキツい勾配の繰り返し。ペースの合う人との抜きつ抜かれつの静かなバトルは苦しいながらも楽しいものだ。
コース上には残り3kmから看板が表示され、自分の脚と相談しながら徐々にペースアップ。先にゴールした方々が下山しながらエールをくれる。あと少し!!
残り1キロ。。。 最後は勾配もキツくなるが、ラストスパート!ゴールに近づくにつれて視界が開けていきます。最後のカーブを曲がった先にGOALの看板を発見。やっとの思いでゴール!
正直、登る前には12kmくらい楽に登りきれると思っていたのだが、栂池の上りは甘くなかった。さすがはTARMACの名を冠したイベントだけあるなと感じた。
ゴール後、水分補給をして下山の装備に着替えていた矢先、今度はゲリラ豪雨のような土砂降りが。7~9%の勾配に川のように流れてくる雨水。ブレーキが全く効かないレベルだ。カーボンホイールで来てしまった自分の判断に後悔しつつ、安全第一で来た道を戻る。途中で握力の限界を感じ、休憩をとりつつ慎重に下っていく。
徐々に会場のMCの方の声が聞こえて、少し安堵感。なんとか無事にスタート地点へと到着。機材のチェックと着替えを済ませ、本会場のHakuba47に向かいます!
SUCC(スペシャライズド アルティメイト サイクリング チャレンジ)にぶっつけ参加!
さて、別会場で行われたTARMACヒルクライムからメイン会場へと戻ってきた我々取材班。SUCCの予選が雨のために延期され夕方から行われるとのこと。
SUCCとは起伏とコーナーが連続するパンプトラックと呼ばれるダートコースを駆け抜けタイムアタックを行う競技。コンディションを同じくするため、マシンは全て主催者側で用意したフラットペダルのMTBを使用する。
MTB完全初心者ながら、5月の王滝を完走して気を良くしていた私、CW編集部 磯部はパンプトラックなんて走ったこと一切無いながらも勢い余って参戦することに。
SUCCの予選は一般クラスと招待選手クラスに分かれ、それぞれの上位8名が決勝トーナメントに進出するというもの。なぜか私は招待クラスに割り振られてしまい、その顔ぶれはスペシャライズド契約MTBライダーのマット・ハンター、小野寺健選手、竹谷賢二さん、愛三工業のメンバーと超豪華。これは...無理!
スタートは自分のバイクが置かれたバイクラックまで自分の足でダッシュするル・マン方式だ。しかもバイクは坂を駆け上がった上にあるから、もうそれだけで脚が終わる。自転車に素早く乗ったら坂を駆け下りて、勢いを維持したままジャンプを一つクリアし、パンプトラックへと入る。
起伏とコーナーが連続するパンプトラックは、MTBの基本が全くできていない私にとっては本当に難しい。一つのコーナーに気を取られてしまうと次の対応が遅れるし、そのまた次のパンプやコーナーでは失速してしまう始末。竹谷さんなどのスムーズなライディングをイメージして走ったのだが、どうにも真似が出来ません。
四苦八苦しながらゴールに飛び込むと、タイムは1分28秒で8位。あれ?愛三の別府監督や鈴木選手よりも良いタイムじゃないか。ぎりぎりのタイムでまさかの決勝進出である。やったぜ。
決勝は予選を勝ち上がった選手が2人で同時に走り、勝ち上がっていくトーナメント方式だ。当たり順が放送で発表されたので聞いていると、「cyclowired磯部選手 vs 小野寺健選手~!」 「ちょ、ちょっと待って下さい。。」
そんなわけで日本をトップクラスの小野寺選手との対戦が実現した私。予選と違って観客の数も圧倒的に多いし、レッドブルのDJがズンズン音楽をかけていて会場も大きく盛り上がっている。そんな中で最初から千切られたらカッコ悪いなぁ、と思いながらスタートを迎えた。
奇跡的にトランジットが上手く行き、小野寺選手を私がリードするまさかの展開に。しかしパンプトラックに入るとそこは小野寺選手の独壇場(当たり前)。コーナーで冷静にインから刺され、ジ・エンド。湿った砂場区間ではトラクションを掛けることができず、スムーズにコーナーを抜けていく背中を見送りながらゴールゲートをくぐった。
パンプトラックは初めての経験だったが、抜重と加重でコブを抜けていくあの感覚は非常に面白い!ショー的要素も満点で観ても走っても楽しく、王滝に続きまたもやMTBの楽しみにハマってしまったようだ。これはもはやマイMTBを導入するしかないのでは...。
スペシャライズドデイズ初日にはこの他、ダウンヒルやゲレンデ直登チャレンジも開催。会場までの走行距離を競うブルベにはなんと福島からやってきた強者も!
ちなみに、SUCCの決勝は小野寺選手との接戦を制したマット・ハンターが大雨の悪コンディションの中で貫禄の優勝。鏡割りなどもあって大きく盛り上がった表彰式を終えると、時間はもう19時を回る頃。参加者の皆さんは2日目に備え、それぞれの夜を楽しみに会場を後にしていった。
2日目に続く。
text:Shojiro Nakabayashi, So Isobe
photo:Shojiro Nakabayashi, So Isobe,Saburo.Koganei
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